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あらすじ
想いすぎるから言葉にできない――両片想いの政略結婚
「今すぐお前を抱く」祖国の侵略と引き換えに幼馴染みでもある王子・ユリウスに嫁ぐことを決めたエレオノーラ。濃厚な愛撫でその身を奪われ、屈辱的な結婚かと思いきやユリウスが触れてくる指や言動の甘さはまさに蜜月。けれど、どうしてこんなにもエレオノーラを大切にしてくれるのか、口数の少ないユリウスから窺い知ることはできなくて……。
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試し読み
「……ああ……想像していたよりもずっと柔らかいな。とても……」
ユリウスが感じ入ったように呟く。自分の身体を観察されているような感覚がして恥ずかしく、エレオノーラは涙目で首を振った。
「そ、んな言い方……しないで……っ」
「事実だ。君の胸は柔らかい。胸も、唇も、全部……ああ、身体だけじゃない。声もとても甘くて可愛いらしい……っ」
深い飲み込むようなくちづけを再び与えられ、さらに激しさを増してくる。飲み込みきれなかった唾液が口端から滴り落ちるほどにまでなってしまい、恥ずかしい。
くちづけを何度も重ねてくるユリウスは、指の愛撫も激しくしてきた。
「……ん……んぅ、ん……っ」
人差し指と中指の間に乳首を挟み込み、側面を擦るように動かしてくる。腰の奥に快感が溜まっていき、エレオノーラはその熱から逃れようと思わず逃げ腰になった。
「……駄目だ。逃げるな……っ」
ユリウスはエレオノーラの仕草に気づいて、さらに噛みつくようなくちづけをしつつ、自重をかけてくる。逞しい重みに押しつぶされそうなほど密着させられ、エレオノーラはさらに身を捩った。ユリウスから発せられる男の気配に圧倒され、乙女の戸惑いが強くなる。
エレオノーラの乳首を、ユリウスの指が強く摘んで引っ張った。刺激的な愛撫にびくびくっと腰が跳ね上がる。
「……あぁ……っ!」
同時に唇を離され、自分の唇から信じられないほどの高く甘い喘ぎが漏れたことに、エレオノーラは真っ赤になる。ユリウスはその反応に刺激されたのか、くちづけで濡れたくちびるをひと舐めしたあと頭を下げ、エレオノーラの項にくちづけた。
ちゅうっ、と少し強めに吸われ、エレオノーラは思わず両手で口元を押さえる。ユリウスの髪が肌に触れて揺れると、くすぐったくて気持ちがいい。
「……う、んぅ……」
「まだ誰も知らない君の綺麗な白い肌に快感を刻み込むのは、俺、だ……」
「……あぁっ!」
ユリウスの頭が胸の谷間に沈み、中心に強く吸いついた。はぁっ、と熱い息を吐いてそこへと視線を落とせば、花弁のように赤い痕が残されている。
「この肌に触れて、くちづけて、痕をつけて、吸って……舐め回すのは、俺が初めてだ」
言い聞かせるようにいやらしい言い方をされて、エレオノーラの頬がさらに赤くなる。
「……そ、そう……です……っ。あなたが……初めて……」
ユリウスの唇に、僅かに微笑が浮かんだような気がした。確認しようとする間もなく、ユリウスはエレオノーラの乳房や鎖骨、首筋のあちこちにくちづけの痕をつけてくる。
そんなに痕をつけられたら行為が終わったあとの着替えが恥ずかしくて困ると、エレオノーラは慌てて止めようとする。だがそんな抵抗も次のユリウスの唇の動きで止まってしまった。
押し上げるようにして乳房を掌に捕らえたまま、ユリウスが片方の頂を口に含んだ。温かくぬるついた口中の感触に、エレオノーラは小さく喘ぐ。
「あ……っ!」
強く吸いつかれたかと思いきや、舌先でちろちろと嬲られる。細かい仕草にエレオノーラの身体も無意識のうちに高まり、逞しい体躯の下で悩ましげに身をくねらせてしまう。何かに縋りつかないととても淫らな言葉を口にしてしまいそうだ。
「……んぅ……んっ、あ……っ。あ……そ、んなに……舐め回しては、駄目……っ」
エレオノーラはシーツを強く握りしめる。指先が白くなるほど強く握りしめると、それに気づいたユリウスがエレオノーラの片手を掌で握り込むように包んできた。
「掴むなら俺を掴め」
そのまま逞しい肩口まで導かれる。いつの間にかユリウスは上着を脱いでいて、裸の上半身が視界に飛び込み、エレオノーラは羞恥でぎゅっと目を閉じてしまった。
ユリウスの掌が再び肌を撫で、緩やかに下りていく。唇も一緒に下方へ向かい、エレオノーラは恥ずかしく思いながらも触れられる心地よさに甘い息をつく。肌に触れるユリウスの髪の感触さえも気持ちがいい。
ユリウスの前髪が、臍の辺りを擽る。柔らかな髪先が肌をくすぐってくる感触にうっとりしてしまった直後、ユリウスの両手が膝を掴み、優しく――けれども決して抗えない力で押し開いた。
自分でもまともに見たことがない秘められた場所をユリウスに晒すことになり、エレオノーラは慌てる。しかも、開かされた際に濡れていると教えるかのように、ぬちゅり、と小さく水音が上がったのだ。
感じればそこが濡れる。そのくらいはエレオノーラも知っている。だから、恥ずかしい。
「いや……っ!」
はしたなくなっていることをユリウスに知られたくなくて、エレオノーラは慌てて膝を閉じようとする。だがそのときにはもうユリウスの身体が間に入り込んでいた。
ユリウスの瞳が、じっと濡れた入口を見つめてくる。食い入るように見つめられると不思議と身体が熱くなり、秘所に疼きを感じた。
そしてそこからじわりと蜜が滲み出していくのも感じるのだ。
「い……いや……ユリウス、見ない、で……」
「駄目だ。足を閉じるな」
「やぁ……っ」
ユリウスの両手が膝裏を捉え、膝が胸の膨らみに押しつけられる。さらに力を込められれば腰も軽く浮いてしまい、濡れた場所がユリウスの前に先程よりあられもなく晒されてしまった。
「ああ、よかった。濡れてくれてる……」
「あ……いや……見、見ないで……」
慌てて両手を伸ばして隠そうとするが、ユリウスが端整な顔をもうそこに埋めている。驚きに戸惑う間も与えられず、ユリウスの唇が入口に押しつけられ、舌先がそっと花弁を搔き分けてきた。
「……あ、ああ……っ!」
濡れた舌の感触は驚くほど気持ちがいい。エレオノーラは伸ばしかけた指をユリウスの髪に絡ませてしまう。ただ舐められているだけなのに、どうしてこんなにも気持ちいいのだろう。
ユリウスの舌は花弁を丁寧に舐めて解し、花芽を探り出してくる。ツンと現れた小さな粒を、ユリウスの舌が唾液を塗りこめるように舐め回してきた。
「……んっ、あぁっ! そこ……やぁ……っ」 -
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