書籍紹介
皇子さまは我慢できない~スウィート・シュガー・ロマンス~
皇子さまは我慢できない~スウィート・シュガー・ロマンス~
ISBN:978-4-596-74495-1
ページ:290
発売日:2015年11月30日
定価:本体590円+税
  • あらすじ

    〝砂糖菓子皇子〟の甘く淫らな恋のアプローチ

    「今夜のことを忘れるなんて許さないよ」舞踏会の夜に出会った皇子・テオによって、カタリーナは王宮に上がることに。皇子との恋なんて許されるわけがないと思っているカタリーナを、テオは甘い言葉と激しい愛撫で責め立てる。留まるところを知らないテオのアプローチにカタリーナも恋情を募らせるが、テオが婚約者候補の令嬢と逢瀬を重ねていると知り……。

  • キャラクター紹介
    • vbl-45_heroin

      カタリーナ

      伯爵令嬢。好奇心旺盛な性格で、趣味に没頭してしまいがち。

       

    • vbl-45_hero

      テオフィール

      皇子。「砂糖菓子皇子」と呼ばれ、甘い容姿と言動で人気。

  • 試し読み

    「ん、あ……っいや、これ……っ」
    「これ?」
    間近に見えるのは、乳輪をなぞるように舐める舌。赤く艶のあるそれは、ちろちろと煽るように動きながら突起のまわりを周回してカタリーナの羞恥と快感を煽る。胸を舐められるのがこんなにも甘く、全身を痺れさせるものだとは思わなかった。
    自然と背を仰け反らせれば、シーツから浮いた背にはすかさず彼の左腕が滑り込んでくる。そのうえで反対の手に左の乳房を寄せ上げるように摑まれると、カタリーナの両手はようやく自由を得た。これで抵抗できる。だがその手は揃って顔の左右で捕まえられていたときのまま、見えない力に拘束されているように動かない。
    「はぁ……っ、は……あ、ぁ」
    「これが……好きなんだね」
    彼の舌は執拗に左胸を愛撫し、右手は柔らかい膨らみを大切にほぐすように動く。
    カタリーナは完全に混乱しきっていたが、テオフィールの行為は強気ながらもカタリーナを決して傷つけるものではないということだけはうっすらとわかった。時折様子を見るように表情をうかがってくれる視線が優しく、徐々に体の強ばりは解けていく。
    「離れている間、毎晩、必ずカタリーナのことを思い出していた」
    ちゅ、と胸の頂を勃たせるように吸って、彼は言う。
    「どんなに忙しいときでも、一日に一度はきみを想った。きみらしいまっすぐな生き方が、いつだって僕を奮い立たせてくれた」
    感じることに気を取られている間に、ドレスが床の上に落とされる。ドロワーズを脱がす腕を止めきれず、素肌に一枚残されたのは胸をはだけたコルセットだけ。もう、消えてしまいたいくらい恥ずかしい。だが羞恥に震えて真っ赤になったカタリーナを、テオフィールは好ましそうに見下ろしている。まるで憧憬を見るような、恍惚とした瞳で。
    それからもどかしそうにコートを脱ぎ捨てた彼は、白いシャツとジレを簡単にはだけただけで再び覆い被さってくる。
    「誰にも渡せない。渡したくないんだ。たとえきみが、僕を単に皇族として慕っているだけなのだとしても」
    「……えっ」
    皇族として慕っているだけ? そんなことはない。カタリーナは一昨年の大晦日の夜に初めての恋に落ちて以来、テオフィールをいちずに想ってきた。離れている間だって一日も忘れたことはなかったし、毎朝毎晩あの約束を思い出して切ない想いを募らせてきた。
    そう訴えようとすると、唇を荒々しく塞がれた。
    「んん、ん……っ」
    深い舌の插入をともなう、情熱的なキスだった。
    (テオ様……!)
    どうにか呼吸をするだけで精一杯のカタリーナの脚の間に、今度はテオフィールの細い指が入り込んでくる。掌をぴったり当てて太ももの内側を撫で上げられ、カタリーナは思わず腰を引いた。その先は他人に触れさせる場所ではないはずだ。
    だがテオフィールは強い力でカタリーナの膝を開き、自分の胴をそこに割り込ませてくる。薄い茂みを撫でたあと割れ目に沿って指を這わされ、カタリーナは泣きたい気持ちでかぶりを振るしかなかった。
    「ン、やぁっ、お、お許しくださ……っんむ、っ」
    離れた唇は、すぐに重ね直された。
    溺れそうなキスとともに、秘所への触れかたも大胆になってゆく。割れ目に触れられただけで衝撃的なのに、そこを左右に開かれて体がすくむ。抵抗できないままその内側を前後に撫でられたら、静電気のような感覚をともない彼の指はとろりと滑った。
    「く、ふぅ……っん、ん」
    今のは何? どうしてそんな場所が濡れているの。カタリーナは泣きそうになって焦るのに、テオフィールは喜ばしそうに唇を離して間近で微笑んでいる。
    「まるきり嫌というわけではないんだね。よかった」
    「なんで、こんな……、わ、わたし」
    「うろたえることはないよ。もっと快感に素直になって、僕にすべてを委ねて。そうしたら二度と離れたくなくなるくらい、夢中にさせてあげるから」
    そう言うなり、テオフィールは体を下ろしていった。両手でカタリーナの太ももを押さえ、ためらいなく花弁に口づける。こんな光景、噓だと思った。自分の脚の付け根に、彼の顔が埋まってしまっているなんて。
    「い、やぁっ……いや、嫌!」
    「嫌? こうされるのは、よくない?」
    しかし割れ目を開いて内側をじゅっと吸われると、もはや拒否の言葉は口に出せなくなる。花弁の中にとてつもなく敏感な部分がある。テオフィールの唇にそれを優しく吸い出されるたび、強い快感が背中を駆けのぼって腰が跳ねてしまう。
    「んぁっ、ぁ……!」
    鮮やかな刺激を受け止めるので精いっぱいで、息さえうまくできなかった。胴にコルセットを緩く巻いたまま、カタリーナは体をびくつかせて乱れる。吸われているのは脚の付け根の一点だけなのに、もっと深い部分を愛撫されているみたいだ。気を抜いたらどこかへ転がり落ちそうな危うい快感にさらされ、胸を揉む彼の左腕にぎゅっとしがみついた。
    「テオ様、テオさま……っ」
    無我夢中でテオフィールに縋るカタリーナは、自分が彼の左手を乳房にぎゅうぎゅうと押し付けてしまっていることに気づかない。
    「……カタリーナ、誘ってるの?」

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