書籍紹介
寡黙な皇帝の溺愛花嫁~蜜月のはじまりは取引から~
寡黙な皇帝の溺愛花嫁~蜜月のはじまりは取引から~
ISBN:978-4-596-58739-8
ページ:322
発売日:2019年7月3日
定価:本体600円+税
  • あらすじ

    叶わない片想いのはずが結婚なんて! 愛しすぎ蜜甘ロイヤルウェディング♥

    「あなたが、欲しくて……たまらない」国の危機を回避するため、隣国の皇太子ヴァレリーに身を捧げる覚悟をしたミレイユ。しかし、待っていたのは皇帝となった彼との甘すぎる蜜月だった! 夜毎、濃密になっていく愛撫にミレイユは翻弄されていく。これ以上、好きになってはいけないのに。肌に感じる熱とヴァレリーの言葉の真意が見えなくて――。

  • キャラクター紹介
    • heroine_VBL200

      ミレイユ
      ティクシエ王国王女。国を守るためヴァレリーに自らを捧げようとするが……。

    • hero_VBL200

      ヴァレリー
      ジラルディエール帝国の皇太子だった。ミレイユとの結婚を機に皇帝に即位した。

  • 試し読み

     はぎ取るように脱がされた夜着は、ベッドの下に落とされてしまった。掛け布の下に潜り込むこともできず組み敷かれ、ヴァレリーの身体の重みでベッドに縫い止められてしまう。一糸まとわぬ姿をヴァレリーの前に晒すことにどうしても羞恥心が拭い取れず小さく震えてしまっていたが、それも優しく触れられ続けることで強張りも解けていった。
     逃がさないとでもいうように身体を覆い被せているのに、触れてくる指と唇はとても優しい。ミレイユの緊張を解すように全身を撫でて感じる場所を探し、見つけるとそこを丹念に唇と舌で愛撫してくる。ミレイユの肌は上気し、呼吸も乱れ始めた。
     いつの間にか膝の間にヴァレリーの身体が入り込んでいて、足が閉じられないようになっている。ヴァレリーは丹念に乳房を愛撫したため、ミレイユの上下する胸の膨らみは彼の唾液でたっぷりと濡れ、灯りを受けて光っているかのようだ。その中で、何度も吸われ、指で擦り立てれ、時折甘嚙みされた二つの頂は、ツンと固く張り詰めている。
     自分の胸がひどくいやらしい様子になっていることがわかり、ミレイユは赤くなった。ミレイユは胸の谷間から小さく揺れるように動いている銀の髪を見下ろす。
     ヴァレリーはミレイユの細腰を両手でしっかりと摑んで、臍の窪みを舌で舐め擽っていた。臍など快感の場所だとは思わなかったのに、ヴァレリーに舐められたらひどく感じて声を漏らしてしまう。ヴァレリーはさらに快感を引き出せないかと探るように尖らせた舌を臍に穴に押し込んで、舐め回しているのだ。
     淫らな声が漏れ続け、ミレイユは両手で口を塞いでいる。困るのは、ヴァレリーが触れるたびに下腹部の秘められた場所が疼き、熱を持ち、とろりと愛蜜が滲み出すことだ。まだ触れられてもいないのに、蜜が滴りそうなほどになっているのをミレイユは自覚している。
     感じれば濡れるということを知識として知っていて正常な反応だとわかってはいても、それをヴァレリーに知られるのは恥ずかしい。
     ミレイユは身体をびくつかせながら、無意識のうちに腰をわずかに揺らめかせてしまっている。
    「……ヴァレリー……さま……あの……も、う……そこ、は……っ」
     秘められた場所を見られるのならば、ひと思いに貫かれた方がいい。ミレイユはヴァレリーに先を促そうとする。
    「もう大丈夫だろうか。ならば……」
     ヴァレリーの舌が臍から股間へと向かった。思ってもいなかった動きにミレイユは驚き、止めようとする。
    「いけません、ヴァレリーさま! そこは……ああっ!」
     ヴァレリーの鼻先が淡い茂みに潜り込み、顔が深く足の間に沈み込んだ。それだけでもミレイユにとっては強い衝撃なのに、ヴァレリーは顔を埋めたまま深く息を吸い込んでくる。
    「……ああ……何を……!」
    「……あなたの匂いが、する」
     どこかうっとりと酔いしれたような声がくぐもって聞こえ、ミレイユはさらに困惑する。
    「……な、にを仰って……駄目です……っ。顔を、離して……っ」
     ヴァレリーはミレイユの言葉を聞かず、優しく割れ目に指を添えてきた。肉襞を指の腹で押さえ、ぐ……っと押し広げてくる。蜜がとろりと滴るのがわかり、ミレイユは羞恥で身を震わせた。
    「ヴァレリーさま……!!」
     慌てて口から離した手をヴァレリーの銀髪に伸ばす。ヴァレリーは広げた秘裂を下から上へ、ゆっくりと舐め上げた。
    「……あ……っ」
     熱い舌の感触に、ミレイユは息を詰める。自分でもまともに触ったことがない場所を、ヴァレリーの舌が優しく這い回り始めた。衝撃的な愛撫なのに、信じられないほどに気持ちいい。
     ヴァレリーはミレイユの反応を窺いながら、舌を蠢かせる。ミレイユの息がますます乱れ、縋りつくものが欲しくなり手に触れたシーツを強く握り締めた。
    「……あぁ……そ、んなところ……舐める、なんて……っ」
     羞恥にミレイユはぎゅっと目を閉じて、涙を零す。ヴァレリーが宥めるように優しい声で言った。
    「あなたが心配することは何もない。あなたのここはとても綺麗だ」
    「そんなこと……そんなことありません……っ」
     ミレイユは首を振って逃げ腰になるが、ヴァレリーの腕が太股に絡んでいて逃げられない。ヴァレリーは秘裂にぴったりと唇を押しつけると、蜜を啜り上げた。
     じゅるるっ、と小さいながらもはっきりと、淫靡な水音が耳に届く。愛蜜を啜ったヴァレリーの喉がこくん、と小さく鳴るのがわかり、ミレイユはさらなる衝撃的な愛撫に身を震わせた。
    「……あ……ああ……なんてこと……」
    「あなたの蜜はとても甘い……想像以上だ……」
     濡れた唇をぺろりと舌で舐めて、ヴァレリーが再び秘所に顔を埋めた。ミレイユの秘裂をもう一度舐め上げた舌は、花弁の間に埋もれている花芽を見つけ、舌先でそっと舐め擽ってくる。
    「……ああっ?」
     これまで以上に強い快感が生まれ、ミレイユは身体を仰け反らせた。
    「あ……あ、ヴァレリーさま……っ! そこは……駄目です……っ!」
     腰が蕩けるほどの快感が、花芽を舐められるとやってくる。ミレイユはさらに逃げ腰になるが、爪先はシーツを空しく蹴るだけだ。
     ヴァレリーの尖らせた舌が、ころころと花芽を舐め転がす。ちゅっ、ちゅっ、と時折啄むように吸ってきたりもする。次々と与えられる愛撫にミレイユの身体は蕩け、ベッドに深く沈み込んでいくばかりだ。
    「……あ……はぁ……っ」
     ヴァレリーの唇が花芽を含み、唇で優しく扱き始める。さらなる快感がやって来て、ミレイユは大きく目を見開いた。息を乱しながらもヴァレリーを止めようと制止の言葉を紡ぎ出そうとするが、小さな喘ぎに変わってしまう。
    「……あ……駄目……それ、駄目……っ。お、かしく……なりま、す……っ」
     だがヴァレリーは唇の動きを止めず、何かに憑かれたかのように執拗に花芽を唇で弄り続けた。時折舌先で弾くように嬲られると、腰の奥に強い快感が堪っていく。何かが来る、と本能的に察した直後、ヴァレリーの唇が強く花芽を吸い上げた。
    「……ああっ!!」
     堪え切れずに大きな喘ぎを上げ、ミレイユは背中を弓なりに仰け反らせる。視界が真っ白に塗り潰されるような強い快感が全身を駆け抜け、ミレイユは荒い呼吸を繰り返しながら、ぐったりとベッドに沈み込んだ。
     しかしヴァレリーは呼吸を整える暇を与えてくれない。花芽を再び舌で嬲るように愛撫しながら、長い中指をつぷりと蜜壺の中に押し込んだ。
    「……ひぁ……っ?」
     異物感を感じたのは一瞬だった。快感に打ち震える蜜壺の中はヴァレリーの指を奥へ引き寄せるように吞み込み、包み込む。ヴァレリーが嬉しげな息を吐いた。
    「……あなたの中が熱くなっている……よかった」
     ヴァレリーの指が、ゆっくりと蜜壺の中を出たり入ったりしてくる。そうしながら肉壁を指先で擦るように刺激してきた。新たな快感が指の動きからも与えられて、ミレイユはされるがままになるしかない。
    「ああ……ヴァレリーさま……もう……やめ……て……」
     ヴァレリーがミレイユの涙混じりの嘆願を耳にして、びくりと身を強張らせた。そして顔を上げ、ミレイユの瞳を優しく覗き込んで来る。
    「すまない。急ぎ過ぎているだろうか」
    「……わ、かりません……でも……でも、これ以上されたら、私……私、本当におかしくなってしまいそう、で……」
     この甘い恐怖をどう伝えたらいいのかわからず、ミレイユは譫言のようにヴァレリーに言う。ヴァレリーはミレイユの唇に優しくくちづけながら、指を再び動かした。
    「おかしくなって大丈夫だ。もう一度、達してくれ。何度達してくれても構わない。そうすればあなたの身体がもっと柔らかくなるはずだ……」
    「……あ……駄目……駄目……っ。指、もう動かしては……駄目……っ」
     ミレイユはいやいやと首を振るが、ヴァレリーの指は止まらない。先を鉤状にして蜜壺の上壁を押し上げるように擦ってくる。そこを刺激されるとこれまで以上の快感がやって来て、堪らない。
     気づけばヴァレリーの指はもう一本、もう一本と入り込んで、三本の指が出入りしている。熱くなる蜜壺の中で沈められた指がばらばらに動き、ミレイユの快感の場所を探して蠢いた。
    「……あ……!」
     ひときわ感じる場所を刺激されて、ミレイユは戦慄く。ヴァレリーがその反応を見逃さず、執拗なまでにその場所を弄り、指で突いてきた。
    自分の上に覆い被さるヴァレリーが、乱れる様子をじっと食い入るように見つめているのがわかる。その視線さえも快感に繫がり、ミレイユは耐えられずに絶頂を迎えた。
    「……ああっ!!」
     びくんっ、びくんっ、と腰を震わせて達するミレイユの唇に、ヴァレリーが熱いくちづけを与えてくる。舌を絡め合わせる深いくちづけも心地よく、ミレイユはうっとりとそれを受け続けた。
    「……ヴァレリーさま……」
    「あなたの中に、入りたい」
     いつもとあまり表情は変わっていない。だがミレイユを見つめる金色の瞳には、はっきりとわかる情欲が滲んでいる。精悍な頰にも赤味が差していて、ひどく艶っぽい。
     これが欲情したヴァレリーの顔なのか。自分に女としての魅力を感じてくれているのか。それがわかると、ミレイユの蜜壺から新たな蜜が滲み出す。
     ヴァレリーの大きな手が、ミレイユの片頰を大切そうに撫でた。
    「一生……いや、死したあともあなたを大切にする。だから、あなたのすべてが欲しい」
     下腹部の奥に、新たな疼きが生まれた。ミレイユは微笑む。
    「私のすべては、ヴァレリーさまのものです」
    「……っ」
     ヴァレリーがミレイユの唇に深くくちづけながら、もどかしげに寝間着を脱ぎ捨てた。くちづけに酔わされているミレイユの膝裏を摑み、大きく開かせる。
     丸みのある太く熱いものが、蜜壺の入口に押しつけられた。ぬちぬち、と先端を入口に擦りつけ、ミレイユの蜜を纏わせる。
     唇を外し、ヴァレリーがミレイユの腕を自分の首に絡ませた。
    「しがみついてくれていい」
    「……は、い……」
     未知の恐怖に震えそうになるのを堪え、ミレイユはヴァレリーの温もりにしがみつく。ヴァレリーがミレイユの身体を包み込むように深く抱き締めながら、腰を押し進めた。
    「……ひ……ぁ……っ」
     強引に花弁を押し広げられる感覚は、鈍い痛みを伴う。先ほどまで狂ってしまうのではないかと思えるほどの快感は、どこに行ってしまったのだろうか。
    「……ミレイユ……」
     宥めるように低く名を呼んで、ヴァレリーがミレイユの耳を舌で愛撫してきた。耳殻をなぞるように舐められる心地よさと、妻となってから初めて名を呼ばれた嬉しさがミレイユの身体をほんの少し解す。
     ヴァレリーはその隙を逃さず、ミレイユにくちづけ、胸を揉みしだいた。指先で乳首を転がされると、覚え立ての快感がじんわりと全身に広がっていく。
     ずぶずぶ、とゆっくりとだが確実に、ヴァレリーの剛直が奥を目指して入り込んできた。ミレイユは痛みを散らそうと、ヴァレリーの首に絡めた腕に力を込める。
    「……ヴァ、レリー……さま……っ」
     くちづけの合間に、愛しい人の名を呼ぶと少し痛みが緩まるようだ。だがミレイユのその声もヴァレリーは味わうつもりなのか、すぐに唇をくちづけで塞がれてしまう。
    「……んん……ぅ……っ!!」
     ぐちゅん、と淫らな水音をひときわ大きくさせて、ヴァレリーの腰の動きが止まった。じくじくとした疼痛が治まる気配はなかったが、それ以上強い痛みはやってこない。
     ヴァレリーが大きく息を吐いた。何かに耐えているような呼吸に感じられ、ミレイユは涙で濡れた瞳で見返す。
     ヴァレリーの唇が、目尻に滲んだ涙を優しく吸い取った。
    「……大丈夫か」
     正直な気持ちを言えば、大丈夫ではない。身を真っ二つに裂かれるような痛みは初めての経験で、この痛みをどう散らせばいいのかわからない。誰かを自らの身に受け入れる行為が、これほどまでの苦痛を伴うとは想像もしなかった。
    (でも、だからこそ幸せなのかもしれないわ)
     この痛みすら愛おしいと思うのは、ヴァレリーだからだろう。ミレイユは大きく息を吐いて、ヴァレリーに笑いかける。
    「大丈夫、です」
     疼痛は消えていない。笑顔も少し引き攣っている自覚がある。ヴァレリーが瞳を細め、微笑み返した。
    「……そうか。あなたが落ち着くまで……こうしていよう」
     そしてまた、くちづけられる。啄むようなくちづけはミレイユの身体を労ってくれるものだ。包み込むように回された片腕が背中を優しく撫で、もう片方の手が胸の膨らみを揉み解す。
     ミレイユの中に納まったままの男根は、脈打って熱い。ミレイユが少しでも身じろぎすると、ヴァレリーが耐えるように息を詰めた。……きっとこれで終わりではないのだとミレイユは悟る。
    「ヴァレリーさま」
     ミレイユの胸を優しく弄ったままで、ヴァレリーが目を向ける。こんなに間近で彼の瞳を見るのは初めてだ。彼の瞳孔に自分の顔が映るほどに近い。
     だからこそ、その瞳の奥に初めて見る獰猛さを感じ取れる。受け止めると、甘美な恐怖を感じるものだ。
    「……どうした」
    「ヴァレリーさまの、お好きにしてください。私はもう、大丈夫ですから」
     ヴァレリーが驚いたように軽く目を見開く。そしてふ……っ、と息だけで低く笑った。
    「あなたは欲情した男がどれほど獰猛な生き物に成り下がるのか、わかっていないようだ」
     ヴァレリーがゆっくりと上体を起こす。その動きだけでも引きつれるような痛みが生まれ、ミレイユは顔をわずかに顰めた。
    「無知で、すみません……。でもあなたが、私の初めての人、だから……」
    「……っ」
     ヴァレリー両手が、ミレイユの腰を摑む。そのままぐっと強く引き寄せられたかと思うと、今度はずるりと肉棒が引き抜かれる。完全に抜けるわけではなく、先端のくびれまで引き抜いたあと、再び最奥を目指して入り込んできた。先ほどヴァレリーの骨張った三本の指がミレイユの蜜壺の中を味わってきた動きと同じだ。
     だが、指で与えられる刺激よりも、もっと強烈だ。ミレイユは、ヴァレリーの腕を摑む。
    「ヴァレリーさま……っ」
    「……すまない……っ。あなたが、欲しくて……たまらない……っ」

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