書籍紹介
極上御曹司とお試し婚したら、隠れドSで愛にも容赦がありません!
極上御曹司とお試し婚したら、隠れドSで愛にも容赦がありません!
ISBN:978-4-596-52950-3
ページ数:290
発売日:2023年11月17日
定価:690円+税
  • あらすじ

    君の涙は俺だけのものだ
    意地悪(愛情)ベタベタの新婚ごっこ♥

    会社で泣いているところを憧れの次期社長・千彰に見られた小乃実。以来、熱烈に求愛され「お試し婚」を了解させられてしまった! 甘い新婚ごっこの中で、意地悪に焦らされ高みに押し上げられては淫楽に落とされて。強すぎる快楽にこぼした涙に彼はなぜかうっとりしてる!? だけど所詮「お試し婚」。会社で関係を隠そうとする木乃実に彼は不満で…!?

  • キャラクター紹介
    • 喬橋小乃実(たかはし このみ)
      天真爛漫を装っているが、実は泣き虫。高嶺の花の千彰に急に求愛されて戸惑う。

    • 伊庭野千彰(いばの ちあき)
      皆の憧れの次期社長。小乃実への独占欲のために、普段隠しているS気が現れ!?

  • 試し読み

    「動かないで。そのままでいなさい」
     秘部を隠そうとした手が言葉によって縫い留められる。行き場を失くしたもので拳を作り、必死で羞恥に耐える。千彰は小乃実を悠然と眺めながら、ジャケットとワイシャツを脱ぎ捨てた。
     どうやらこの人は着瘦せするタイプらしい。想像していたよりも逞しい胸元を思わずじっと見つめてしまった。
    「こら、ちゃんとこっちを見て」
     我に返った小乃実が慌てて目を背けると咎めるような声が降ってくる。そろそろと頭を元の位置に戻すと、スラックスのボタンを外しながら千彰が悠然と微笑んだ。
     男性が服を脱いでいく様を凝視するだなんて、まるで痴女みたいだ。憧れの相手がどんな身体をしているのか、想像したことがないと言えば噓になる。だけどその人のストリップショーを生で鑑賞したいとまでは思っていなかった。喜びより遥かに羞恥が勝る状況に、一度は落ち着いたはずの涙がじわじわと蘇ってくる。
    「お待たせ」
     ぼやけた視界に千彰の顔が大写しになった。
     次の瞬間――小乃実の全身が温かなものに包まれる。さらりとしていて適度な弾力のあるそれは、初めての感触なのに不思議と心地よく感じられた。
    「はぁ……気持ちいい」
     うっとりとした声が頭上で響き、今になってその正体を理解する。入社以来、ずっと憧れの存在だった人と裸で抱き合っている。ただ絡まれていたのを助けてもらっただけなのに、どうしてこんなことになっているんだろう。
     想像すらしたことのなかった状況に直面し、遂に小乃実は理解する努力を放棄した。
    「これでもっと可愛がってあげられるよ」
    「も、十分で……っ、んん……っ」
     断りの台詞を唇で遮り、千彰は再び膨らみ全体をやんわりと摑んだ。指で硬く尖った先端を挟んで同時に刺激を与えてくる。びくびくと小刻みに身を震わせる小乃実の腰にはもう一方の腕が回されているので逃れる術はなかった。
    「は……っ、んんっ…………」
     千彰の唇が頤から首へと滑っていく。更に左の鎖骨へと移動するなりきつく吸い付いてきた。小さな痛みの後に熱を帯び、それから徐々にじんじんしてくる。なにをされたのかを理解するより先にずっと弄ばれていた胸の先端に湿った感触が這わされた。
    「あのっ、しつちょ…………きゃっ!」
     呼び掛けた途端、じゅうっと音を立てて吸われる。悶える小乃実の目にこちらを見上げる千彰の顔が映った。眉根を寄せているがなにが気に入らないのだろう。
     問おうとするより少しだけ早く歯を立てられた。
    「ひゃっ! それ……っ、ダメ、です……!」
    「小乃実、俺の名前は知っている?」
     先端を口内に収めたまま問われ、小乃実は震えながら必死で頷く。もちろん知らないはずがない。今更すぎる質問の意図はすぐさま判明した。
    「じゃあ呼んでみて」
    「えっ」
    「もちろん、名前の方だよ」
     一瞬、聞き間違いかと思ったがどうやらそうではないらしい。絶句する小乃実に催促するかのようにまたもやかぷりと歯を立てられた。
    「やっ……!」
    「ほら、早くしないともっと強くするよ」
     今でも全身に響くというのに、更にきつく嚙まれたらどうなってしまうかわからない。だけどこの人の名前を本当に口にしていいのだろうか。小乃実の葛藤を見透かしたかのように千彰が咥えたものを見せつけてきた。
    「…………ぁき、さん」
    「聞こえないよ。もう一度」
    「んっ!」
     ちゃんと言ったつもりだったが、うまく声に乗せられなかったようだ。目の縁に涙が溜まっているのを感じながら小乃実は喉を震わせた。
    「ち、あき……さん」
     名前を呼んだ瞬間、ぶわりと全身が熱くなる。唇を嚙みしめて恥ずかしさを堪える頰にちゅっとキスが降ってきた。
    「これから二人きりの時はそう呼ぶんだよ」
    「はい……」
     これまで二人きりになったことはないが、これからはあるのだろうか。顔中に降り注いでくるキスを受け止めながら頭にぼんやりと疑問が浮かんだ。
    「さて、少しは解れたかな」
     千彰はそう呟きながら鳩尾を撫でる。臍を通り過ぎて更に下へと向かった指が脚の付け根へと滑り込んだ。
    「千彰さっ……そこは、だ……めっ」
    「どうして?」
     男女が繫がり合う場所なのは知っている。だけどいざ触れられるとなると、どうしても怖さが先に出てしまった。これ以上は無理です、という意味を籠めて太腿同士をぎゅっとくっつけたものの、残念ながら失敗に終わった。
     千彰の指は長くてほっそりしている。書類を繰る様を眺めながら、短くて丸みを帯びた自分の手と比べては綺麗だなと思っていた。それが今まさに、小乃実の秘部を目指して滑り込んでいるのだ。
    「……や、あっ!」
     指先が敏感な粒に触れた途端、脳天にめがけてびりっとした感覚が駆け上った。腰が跳ねた拍子に太腿から力が抜ける。千彰がそのチャンスを逃すはずがない。更に奥へと指を進め、くるくると円を描くように刺激してくる。
    「やっ、やめっ……お願いしま、すっ!」
    「必死になっちゃって、あぁ……本当に可愛い」
     どんなに懇願しても千彰は指で嬲るのをやめてくれない。むしろ頼めば頼むほど喜んでいるように見えるのは気のせいだろうか。指先できゅっと摘ままれた瞬間、目の前で光が弾けた。
    「……ぁ」
    「軽くイッたみたいだね。気持ちよかった?」
     これが、イクっていうこと……? 初めての経験なのでよくわからないが、千彰が言うのだから間違いないだろう。すべての感覚が遠くなっているせいでうまく声が出せない。荒い呼吸を繰り返す小乃実の耳に不穏な囁きが届く。
    「次はもっと気持ちよくなれるよ」
    「……それ、は」
     くちゅりと水音が立つと同時にさっきまで弄ばれていた場所の少し下が撫でられる。粗相をしてしまった! 身を固くすると千彰が小さな笑いを零した。
    「たくさん感じてくれたみたいだね。もう挿れても大丈夫かな……」
     千彰の言葉の意味を理解するより先に、濡れそぼった肉筒へと細いものが侵入してくる。入口の近くをくるりと撫でられ、それが指なのだとようやく気が付いた。
    「あっ、なっ、んで……っ?」
    「これはね、小乃実が俺を受け入れるために必要な準備をしているんだよ」
     言っている意味がよくわからない。だけど腕に力が入らず、思うような動きができないせいで拒むのは難しかった。抵抗しないのを肯定と取ったのか、千彰の指が徐々に奥へと進んでくる。
     最初は異物感が拭えなかったというのに、ゆるゆると出し入れを繰り返されるうちに気にならなくなってきた。いや――むしろもっと触ってほしいとまで思えてくる。
     無意識のうちに引き留めようとしたらしい。入口へ戻りかけた指をきゅっと締め付けると、千彰が艶やかに微笑んだ。
    「もっと欲しくなってきた?」
    「……は、ぃ」
    「それじゃあ、指を増やしてあげる」
    「んっ……あ、あ…………っ!」
     押し拓かれる感覚が強くなり、小乃実は思わず大きな声を上げる。慌てて両手で口を押さえると、手の甲に千彰の唇が押し当てられた。
    「我慢しないで、小乃実の声をたくさん聞かせて」
     鼻にかかったような甲高いそれはとても自分のものとは思えない。だけど千彰の望みであれば従うべきだ。そろそろと手を外すと端整な顔に満足げな表情が浮かぶ。
     千彰の指が動くたびに粘度のある水音が立つ。淫靡な調べが薄暗い寝室を満たし、小乃実は徐々に追い詰められていくような感覚へと陥ってきた。
    「や、あ……っ、も…………無理、で……すっ……」
    「小乃実、こっちを向いて。……あぁ、目は閉じないで」
     静かで優しい口調だというのにどうしても千彰の命令には逆らえない。徐々に激しさを増していく指先が奥にある場所を引っ搔いた瞬間――全身の皮膚が粟立った。
    「きゃっ…………ああああ――――ッッ!!」
     頭の中でなにかがぱちんと弾け、浮き上がるような感覚に包まれる。それからすぐにぐったりとベッドに沈み込んだ。浮遊感と倦怠感に支配された身体を持て余し、小乃実は四肢を投げ出したまま、ぽろぽろと涙を零した。
    「んっ……」
     指が抜かれる感覚に思わず声が漏れた。千彰は蜜を纏い、てらてらと光る指をじっくり眺めてから笑みの形を取った唇へと近付ける。伸ばされた舌先が指の付け根から舐め上げていった。
     手を摑んでやめさせたいのに、絶頂の余韻から抜け出せていない小乃実はただ眺めることしかできない。恥ずかしさでいっぱいになり、新しい涙が湧き上がってきた。
    「うっ……ふ、ぅ……っ」
    「小乃実は気持ちよすぎると泣いてしまうのかな」
     やはり涙腺はどんなに頑張ってもコントロールできない。小さな嗚咽を漏らす唇にちゅっと軽いキスが降ってきた。だが、小乃実の涙はこの程度で止まるはずもなく、目尻からは絶えず透明な雫が流れ落ちていく。
    「笑顔も可愛いけど、やっぱりこの顔は格別だな」
    「なにを、言って……」
    「あぁ……本当に、堪らない」
     満面の笑みを浮かべた千彰が流れ落ちたものを指先で掬い取った。その指先を口に含んだままこちらを見下ろしている。細められた瞳には小乃実の知らない気配が浮かんでいた。
    「こんなにも俺が欲しがっているのに、合コンに行くなんて……いけない子だ」
     両方の膝裏を持ち上げられ、大きく左右に開かれる。ぐっしょりと濡れそぼった秘部を千彰の眼前に晒す形になり、小乃実は必死で手を伸ばそうとする。
    「み、見ないで……くだ、さいっ」
    「ダメだよ。これはお仕置きなんだから」
     隠そうとした手が捕らわれ、指先を嚙まれた。びりっとした痛みが走りまたもやシーツへと力なく落下する。この恥ずかしい体勢から逃れようとしたものの、両脇から腰を摑む手によって身動きできなくさせられた。
     脚の間に陣取っていた千彰が小さなビニールパッケージを手にしているのを見つけ、咄嗟に顔を横に向けた。使った経験はないけれど、あれがなにかはちゃんと知っている。高校生の時、派手な女の子達が持ち歩いていると自慢していたのを不意に思い出した。
    「小乃実」
     頤にかかった指で顔を正面に戻される。千彰はまだ涙の気配を残す瞼にキスしてから身を起こした。
    「俺がいいと言うまで深呼吸を続けて…………返事は?」
    「は、い……」
     いい子だ、という囁きと共にしとどに濡れた場所へ硬いものが押し付けられる。入口をくるりと一周してから先端を含まされた。くぷりと音を立てて吞み込んだものは指とは比べものにならないほど大きくて硬い。
     浅い場所でゆっくり馴染ませてから更に奥へと進んでいく。めいっぱい拡げられたはずなのに、これでもまだ足りないらしい。腰を進めた千彰の眉間に深い皺が寄った。
    「小乃実、大きく息を吸って……そう、吐く時に身体の力を抜いてごらん」
     言われた通りにすると千彰も一緒にほうっと大きな息を吐く。そして困ったように笑うと頭を優しく撫でられた。
    「締め付けがすごいな……あぁ、深呼吸は続けるんだよ」
     これ以上は無理。拡げられたら裂けてしまう。言いたいことはたくさんあるけれど、今は言いつけを守らなくては。唇を薄く開き、深呼吸を繰り返していたが、ぐっと押し込まれた衝撃で息を止めてしまった。
    「いた……いっ、も……無理でっ…………や、だぁっ!」
     まるで身体を真二つにされるような痛みが走る。咄嗟に千彰の腹を押し戻そうとした手は捕まり、ひとまとめにして頭上で磔にされた。
    「小乃実、もう少しだけ頑張って」
    「お願いですから、許して……っ、くださ、いっ」
     痛い、怖い、早く抜いて……!
     必死の思いで懇願しても腰が引かれる気配はなく、むしろ更に奥へと進んできた。
     いやいやと頭を左右に振ると目元から幾筋も涙が流れていく。我儘を言う子供のように泣きじゃくる姿を千彰が食い入るように見つめている。繫がっている場所をひと撫でした指がぷくりと膨れた秘豆を押しつぶした。
    「や、あっ!」
    「あぁ、また締まったね」
     痛みと快楽がごちゃ混ぜになり、どうしたらいいのかわからない。激しく身悶えているうちに千彰にきつく抱きしめられた。突然の事態に驚きながらも涙を流し続ける小乃実と額を合わせ、蕩けそうな笑顔を浮かべる。
    「小乃実、結婚しよう」
    「けっ……こ、ん?」
    「そう。恋人から始めようと思ったけど、とても我慢できそうにない。今すぐ結婚して、小乃実を独占したくて堪らないんだ」
    「む、無理、ですっ……!」 

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