書籍紹介
囚われ令嬢でしたが一途な王子様の最愛花嫁になりました
囚われ令嬢でしたが一途な王子様の最愛花嫁になりました
ISBN:978-4-596-01628-7
ページ:306
発売日:2021年10月15日
定価:本体650円+税
  • あらすじ

    花を眺めながら愛し合うのも悪くはないだろう?
    冤罪→婚約破棄→救いに駆けつけた第一王子と結婚!?

    伯爵令嬢クラリサは王暗殺未遂の濡れ衣で投獄された。彼女を救ったのは“悪魔公”と噂される美丈夫の第一王子エーリクだった。「あなたを妻にしたいとずっと願っていた」噂と異なり美しく誠実な彼に、後ろ盾のなさを引け目に感じつつ求婚を受け入れる。溺愛され幸せな新婚生活を送っていたが元婚約者の王太子と異母妹の陰謀が二人を狙っていて…!?

  • キャラクター紹介
    • クラリサ
      伯爵令嬢。元婚約者の王太子と異母妹に陥れられ婚約破棄された。

    • エーリク
      第一王子。異母弟が王太子になり辺境伯領に追いやられている。

  • 試し読み

    「クラリサ。俺が……好きか?」
    「はい。お慕いしています」
    「俺もクラリサのことが好きだ。……ずっと好きだった」
    抱き寄せられ、唇をふさがれる。
    鼓動が跳ね上がり、思わず彼のまとうガウンの襟をぎゅっと掴んでしまう。なだめるようにその手を撫でられ、クラリサの身体からこわばりが抜けていった。
    ふわっと身体が浮いたかと思うと、ベッドに横たわっていた。
    間近から蒼い瞳が見つめている。愛のこもったまなざしに胸が痛くなるほどの思慕が込み上げ、クラリサは瞳を潤ませて彼の頬を指先でたどった。
    ふたたび唇が重なる。
    情熱に突き動かされたようにむしゃぶりつかれ、驚きながらも懸命に応えた。
    「んんっ」
    息苦しさにゆるんだ歯列を割って、ぬるりと舌が入り込み、クラリサは目を白黒させた。なんだかすごく淫らなことをしているようで恥ずかしいが、けっして厭ではない。
    厭でない以上はエーリクの好きにさせようとクラリサは決意した。彼が何をするつもりなのか興味もある。式を挙げたことで結婚は成立しているけれど、きちんと初夜を済ませて彼の本当の妻になりたかったのだ。
    最初は息苦しくて窒息しそうだったが、角度を変えて何度もくちづけられるうちに、うまく息が継げるようになった。
    窒息の恐れがなくなって安心したのか、猥りがましいくちづけにクラリサは次第に昂奮を覚え始めた。舌を絡め、吸われるたびにぴちゃぴちゃと水音がする。
    恥ずかしいのにそそられてしまい、エーリクの逞しい背中をうっとりと掻き抱いた。
    やがて彼が身を起こし、濡れた唇をぬぐって微笑んだ。ぞくっとするほど野性的な色香が漂い、陶然となる。
    エーリクは無造作にガウンの合わせをはだけた。厚い胸板が覗き、彼がそれしか着ていなかったことに気付いて今更ながらどぎまぎしてしまう。
    彼はクラリサのまとう夜着を裾から捲り上げると、有無を言わさず首から引き抜いて床に放った。
    クラリサとて着ていたのはそれだけで、剥き出しになった乳房を慌てて腕で隠すも、即座に引き剥がされて手首をリネンに押しつけられた。
    「エ、エーリク様っ」
    「隠すな。見せろ」
    熱っぽい口調にクラリサは赤くなって横を向いた。
    夫が見たがるのなら見せねばなるまい。見られて厭なわけではないけれど、まじまじと凝視されるのはやっぱり恥ずかしかった。
    緊張のせいか乳首が勝手に尖ってしまい、ますます恥ずかしくなる。
    上気した顔で唇を震わせていると、フッと彼は笑った。
    「見られただけでこんなに尖らせて……。ひどく敏感なのだな」
    「ひぁっ!?」
    ぺろりと先端を舐められ、クラリサは裏返った悲鳴を上げた。過敏な反応に気を良くして、エーリクが乳首を口に含む。
    じゅうっと吸われ、軽く歯を立てながら舌先で尖りの周囲をねろりと舐め回される。
    「ダ、ダメです、エーリク様」
    「何がダメなのだ? 俺はあなたの夫だぞ?」
    「そ、そうですけど。そんな……赤ちゃんみたいな……」
    「赤子は乳を吸うだけだ。舐めたり噛んだりはしない」
    「か、噛んじゃダメですっ」
    「痛いか?」
    かしっと歯を立てられ、ぶるぶるとクラリサは首を振った。
    「痛くは、ないですけど……」
    「厭なのか?」
    「厭ではありませんが……恥ずかしいです」
    「我慢しろ」
    「うぅ……」
    甘い命令口調に涙ぐんでしまう。
    (なんだかエーリク様、急にいじわるになったみたい……)
    それでも厭だと感じない。むしろ彼の知らない面をかいま見たようでドキドキした。
    乳首をじっくり舐めしゃぶりながら、ふくらみに手を添えてやわやわと揉みしだかれる。
    最初はくすぐったい違和感しかなかったのに、いつのまにか心地よさを感じ始めている自分に気付いてとまどう。
    エーリクの片手が脇腹を撫で、腿を掴んで押し上げた。ぴたりと合わさっていた陰唇が開かれ、すぅっと風が通るような感覚にクラリサは焦った。
    ひどく濡れているような気がする。まさかとは思うが粗相をしてしまったのだろうか。
    「あ、あの……っ」
    止める暇もなく彼の指が股のあいだでぬるりと滑るのがわかり、クラリサはうろたえた。
    「ご、ごめんなさい」
    「何を謝る? 濡れるのは自然なことだ。でなければ夫のものを受け入れられない」
    「そうなのですか」
    よかった、とクラリサは安堵した。粗相してしまったわけではないらしい。
    でも、『夫のもの』って何かしら……? 
    首を傾げた瞬間。
    「──んんっ!?」
    襞に隠された肉粒を指先で撫でられ、強い刺激にビクッと身を縮める。反射的に腿を閉じようとしたが、すでにエーリクの身体に割り込まれていた。
    「や……っ、エーリク様、それダメです!」
    「どうして」
    「どうしてって……。ゆ、指が汚れます」
    「汚くなどない。もっとたくさん濡らさないと」
    くちゅくちゅと音を立てて掻き混ぜられ、いたたまれない気分になる。それでいて小さな花芽を突つかれ撫でられるたび、お腹の奥が熱く、心地よくなってしまう。
    「……ほ、本当に、汚くない……ですか?」
    「そんなわけないだろう。よし、そんなに疑うなら証明する」
    「疑ったわけでは……。ひっ!? やぁあっ」
    ぐいと脚を開かれたかと思うと、股間から熱い刺激が沸き上がり、クラリサは甲高い悲鳴を上げた。こともあろうに腿のあいだに顔を埋めたエーリクが、大きく舌を出して根元から花芯を舐め上げたのだ。
    「ひっ、あっ、あぁっ、ダ……ダメっ……」
    焦って彼の頭を押しやろうとして、クラリサはきつく眉根を寄せた。彼の舌が蠢くたび、ぞくぞくする快感が込み上げる。
    (あぁ、どうしよう。……気持ち、いい……!)
    排泄する場所を舐められて気持ちよくなるなんて……と泣きたくなったが、肉襞のあわいで舌をうねらせながら腿の内側を撫でさすられると、抵抗しようにも力が入らない。
    気がつけばクラリサは口許を押さえながら身をくねらせ、すすり泣くように喘いでいた。下腹部にわだかまる熱がどんどん圧力を増し、きゅうきゅうとねじれるように激しく疼く。
    「ぁ、ぁ、ぁんっ、んん────!」
    身体が硬直し、眼裏で火花がはじける。
    つかのま意識が途切れ、気がつくとエーリクが心配そうに覗き込んでいた。
    「大丈夫か?」
    「今の……は……?」
    「絶頂に達したんだ。気持ちよかった……だろう?」
    「は、い……」
    クラリサは赤面しながらこくりと頷いた。
    彼はホッとしたように微笑み、クラリサの唇をふさいだ。
    ふたたび舌を絡め合わせながら、この舌が自分の秘処をねぶっていたのだと考えても嫌悪はなく、かえって背徳的な昂奮を覚えた。
    甘やかすようなくちづけを繰り返し、エーリクは指先で転がすように花芽を撫ではじめた。クラリサのこぼした蜜と彼の唾液でたっぷりと濡れた媚蕾は、刺激されるたびに蕩けそうな快感を奥処へと伝えてくる。
    「んっ、んっ、ふぅ……っあ……っ」
    指が前後するにつれ淫蕩な水音が高くなっていく。エーリクは身を起こし、喘ぐクラリサの表情を熱っぽく見つめながらぐちゅぐちゅと秘処を掻き回した。
    蜜しぶきが飛び散り、腿を濡らす。いつしかクラリサは指の動きに合わせて腰をくねらせ、のたうっていた。
    「あっあっ、あぁっ、ダ……ダメ、また……来るッ……!」
    無我夢中で口走り、クラリサはクッと顎を反らした。下腹部が痛いほどにきゅうきゅう疼く。追い立てられるままにクラリサは二度目の絶頂に達した。
    ひくひくと痙攣する花芯を、エーリクが褒めるように撫で回す。付け根から先端へと撫で上げられると、それだけでまた達しそうになり、クラリサは声もなく身悶えた。
    「……いい子だ」
    耳元で甘く囁かれ、クラリサは陶然と瞳を潤ませた。
    濡れそぼった襞を押し広げ、指先がぬるりと蜜口を割る。そのままずぷずぷと花鞘の奥まで挿入された。
    「ひッ……!?」
    剥き出しになった喉元を、なだめるようにねっとりと舌が這う。
    「もう少しだ。……ほら、付け根まで入った」
    深く挿入された指が蠢き、腹の奥からじんわりとした快感が湧き上がる。クラリサは肩をすぼめ、快感を掬い取ろうとするかのように無意識に腰を揺らした。
    「痛くないか?」
    「ん……」
    茫洋と潤んだ瞳で頷くと、優しく額にキスされた。反射的にしがみつき、浮いた背を大きな掌で撫でられる。安堵にクラリサの身体からこわばりが抜けていった。
    エーリクはクラリサの反応を見ながらゆっくりと指を前後させた。同時に敏感な花芽を摘まんで扱かれ、クラリサは他愛もなく幾度も達してしまった。
    下半身が蕩けたように力が入らず、くたりと横たわっていると、腰を掴まれ、エーリクの膝に引き上げられる。快感の涙で湿った睫毛を、クラリサは朦朧と瞬いた。
    大きく膝を開かれ、わななく蜜口がぱくりと開かれる。そこに何か固くなめらかなものが押し当てられた。
    「……?」
    顔を上げると同時にエーリクはぐっと腰を押し進めた。指とは比べものにならない太棹が、蜜の滑りを借りて一気に押し入ってくる。
    「いっ……!!」
    脳天に釘を打ち込まれたかのような衝撃に、クラリサは悲鳴を上げた。だが抗う暇もなく、ずぷぷっと肉杭が初襞を割り広げ、最奥に突き刺さる。
    はぁっ、とエーリクが熱い吐息を洩らした。
    「奥処まで挿入った。……すまない、痛かっただろう」
    頬を撫で、濡れた目許や唇に、詫びるように何度もくちづけられる。
    思わぬ衝撃に身体を縮めていたクラリサは、少しずつこわばりが解けるにつれて自分が何か太いもので貫かれていることを知った。
    エーリクの逞しい体躯が密着し、今まで以上に彼の存在を間近に……いや、直に感じた。自分の内部で、直接に。
    (……これが、『夫のもの』……?)
    受け入れる、というのがどういうことなのか、やっとクラリサは理解した。
    これが夫婦としての契りを結ぶ大切な行為だということも。
    「すまない。最初はとても痛いらしいから、むしろ一気に破ったほうがいいかと思ったのだが」
    「……死ぬかと……思いました」
    吐息交じりに漸う呟くと、エーリクは申し訳なさそうに眉根を寄せた。
    「ゆっくりしたほうがよかったか」
    少し考え、クラリサはかぶりを振った。
    「いいえ。それだともっと痛かったかも……。大丈夫です。あの、わたし、これで本当にエーリク様と夫婦になった……のですよね?」
    「ああ」
    「嬉しい!」
    無邪気に喜ぶクラリサに、エーリクは眩しげに目を細めた。
    「俺も嬉しい。あなたを妻にしたいとずっと願っていた。その夢がやっと叶ったんだ」
    「それは……わたしがアードルフ殿下の許嫁だった頃から……ですか?」
    「そうだ。俺はあなたに幸せになってほしかった。だから、奴が心を入れ替えてあなたを大切にするなら身を引こう、だがもしそうでなければ……どんな手段を使っても奪うと決めていた」
    強い決意を込めた告白に胸が熱くなる。自分の幸せを、ずっと願ってくれた人がいた──。そう思うと痺れるような幸福感と感動が深い場所から噴き上がってくる。
    「わたし……エーリク様とでなければ幸せになれない気がします」
    「クラリサ」
    「だから、こうなってよかったんだって思えるんです。心から」
    彼は理知的な蒼い瞳を潤ませ、うやうやしくクラリサにくちづけた。
    「それは……何よりも嬉しい言葉だ」

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