イラストちら見せ!
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あらすじ
あなたのすべては私のもの
政略結婚のはずなのに策略家の夫がすべてを捧げてきます王宮の片隅に追いやられていた第三王女ミュリエルに、突然王位が転がり込んできて!? 次々と舞い込む縁談を断るため、密かに慕っていた侯爵令息ギュスターヴを必死に口説き政略結婚することに。「あなたはとても綺麗です」嫌われたと思っていたのに初夜で優しく蕩けるように抱かれ……あれ、何だか溺愛されてます? まさかの人生逆転ラブコメディ!
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キャラクター紹介
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ミュリエル
エルヴァシス王家の妾腹の第三王女。王位を継ぐことになった。 -
ギュスターヴ
侯爵家の三男坊。素性を隠していたミュリエルを王女と思わず交流をしていた。
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試し読み
「……きれい」
思わず感嘆の言を口にすると、ギュスターヴは少々複雑そうな顔をした。
確かに男性に綺麗は失礼なのかもしれない。
特にその整いすぎた顔で、散々不快な思いをしてきた彼にとっては。
「あなたの方が、ずっと綺麗ですよ」
わかりましたか? と念押しまでされて、ミュリエルはとりあえず頷いた。
彼がこんなにも真剣に言ってくれるのだから、きっとそうなのだろう
(――そうよ。私はギュスターヴに全てを委ねると決めたのだもの)
だからギュスターヴの言葉だけ、信じていればいい。
彼はきっと他の人間たちのように、ミュリエルの尊厳を傷つけたりしないだろうから。
「ありがとう、ギュスターヴ」
だからミュリエルは、もう否定の言葉を吐くことをやめ、彼の言葉を受け入れることにした。
するとよくできましたとばかりに、またギュスターヴの唇がおりてくる。
ミュリエルは大人しく目を瞑り、その唇を受け入れる。
何度か啄まれた後、舌で唇を舐めなぞられたので、彼の意を汲んでそっと唇の力を抜く。
するとやはり先ほどと同じように、ミュリエルの中にギュスターヴの舌が入り込んできた。
己の内側に他人を受け入れるという初めての経験に、ミュリエルは浸る。
何故か不思議と息が切れる。そして不思議と気持ちが良い。
このまま何もかも、ギュスターヴに委ねてしまいたいと思う。
(ギュスターヴ……大好き)
口には出せない言葉を、ミュリエルは心の中で溢す。
ギュスターヴが大きな手でミュリエルの乳房を優しく掴み、ゆっくりと揉み上げる。
くすぐったさに身を竦ませるが、繰り返されるうちに次第に心地よく感じるようになった。
そして掻痒感に似た、けれども甘い疼きが胸の頂に生じて、ミュリエルは小さく身を捩る。
するとギュスターヴが指の腹で、赤く色づき固く痼ったその場所を優しく擦った。
「んっ……!」
欲しいものを与えられたような明瞭な快感がミュリエルを襲い、思わず声を漏らしてしまう。
それに気を良くしたのか、ギュスターヴは執拗にミュリエルの胸の頂を嬲り始めた。
そこを擦り上げられ、押し込まれ、摘み上げられると、何故かミュリエルの腰が浮いてしまう。
「や、あ、ああ……」
ギュスターヴに触れられるたびに、触れられてすらいない下腹部の疼きは酷くなるばかりだ。
手の届かないそこに、どうしても刺激が欲しい。
ようやくギュスターヴから胸を解放してもらった時には、ミュリエルは慣れない快楽に息も絶え絶えであった。
だが胸から離れたギュスターヴの手は、今度は容赦なくミュリエルの下肢へと伸ばされる。
太ももから撫で上げるように臀部へ、そして秘された脚の間へと辿っていく。
やがてそこにあるぴたりと閉じた慎まやかな割れ目に、指先が触れた。
「……っ!」
自分でもまともに触れたことがない場所に、ギュスターヴが触れている。
その事実に、ミュリエルは思わず体をこわばらせた。
ゆっくりと割れ目をなぞるように、ギュスターヴの指が動く。
ミュリエルの内側から滲み出た何かが、ぬるりと彼の指を滑らせる。
女官長の教えによるならば、おそらくそれは彼を受け入れたいと、ミュリエルの体が反応しているということで。
「ギュスターヴ……」
怖くなって思わず彼の名前を呼べば、何故か彼は嬉しそうに笑ってくれた。
「怖がらないでください。力を抜いて。大丈夫ですから」
優しく言われて、素直にミュリエルは意識して己の体から力を抜く。
するとギュスターヴの指が、つぷりと割れ目に沈み込んだ。
そしてその指は何かを探すように動き、やがて隠されていた小さな突起を探り出した。
「――っ!!」
柔らかな皮に包まれたその神経の塊の表面をそっと撫でられ、痛みにすら感じるほどの強い快感に、ミュリエルは思わず逃げようと体を捩る。
だがその指と快楽から逃れられないように、ギュスターヴに体重をかけられて体を寝台に押し付けられてしまった
「や、待って……」
未知の感覚にミュリエルは恐怖を覚え、ギュスターヴに許しを乞う。
「それ、だめなの……何か、こわい……」
だがミュリエルのその哀願は受け入れられることなく、むしろ嗜虐的に笑うギュスターヴによって、さらに執拗にその駄目な場所を弄られることになってしまった。
包まれた皮を押し開かれ、剥き出しになってしまったそこを、蜜を纏った指先でぬるぬると擦られ、押しつぶされ、ミュリエルの下腹に逃せなかった甘く苦しい快感が溜まっていく。
「や、ギュスターヴ……、おかしくなっちゃうの……」
――――お願い、助けて。
ミュリエルは快楽で潤む視界で、両手を伸ばしギュスターヴに助けを求める。
すると彼の喉がこくりと嚥下するように動き、それから彼の指先が、限界まで赤く腫れ上がった小さな芽を摘み上げた。
「ああっ……!」
溜め込まれていた快感が一気に決壊して、ミュリエルの体を途方もない快楽が襲う。
あまりの衝撃にミュリエルは背中を逸らし、ビクビクと体を跳ねさせて高い声をあげた。
絞り上げるように、下腹が己の内側に向かって脈動と共に収縮を繰り返す。
女官長は男女の性交について、痛みはあるが耐えるべし、としか教えてくれなかった。
こんなことになるなんて、聞いていない。
ミュリエルは快感の奔流に飲まれながら思った。
「達されたようですね」
ギュスターヴに強く抱きしめられながら、耳元でほんの少し嬉しそうに言われ、達するとはなんだろうと、ミュリエルがぼうっとした頭で思ったところで。
今度はミュリエルの内側に、ギュスターヴの指が入り込んできた。
教えられた通り、本当に己の中に男性を受け入れる器官があるのだということに、ミュリエルは不思議な感慨を覚える。
「よく濡れておられますね。すんなりと入りましたよ。気持ちが良いですか?」
ただ聞かれているだけなのに、不思議と苛められているような気になるのは何故だろう。
恥ずかしくて言葉で返すことができず、ミュリエルはただ頷くしかない。
「ふふ、それは良かった」
そしてギュスターヴは、何故そんなに楽しそうなのだろう。
彼の指が、探るようにミュリエルの中で蠢く。
内側の壁を押し上げられ、擦られる度に何故か妙に息が詰まり、腰が勝手にがくがくと震えてしまう。
「温かくて、吸い込まれそうです。……痛くはないですか?」
またしても優しく聞かれ、ミュリエルはただ頷いた。
異物感はあるものの、痛みは感じない。ただ無意識のうちに腰が動いてしまうだけで。
「よく慣らしましょうね。できるだけ痛みは感じて頂きたくないので」
ミュリエルの中で押し広げるように指を動かしながら、親指でいまだ赤く充血している陰核を押し潰す。
「んっ……!」
絶頂の余韻が残る体に、新たに快感を与えられ、先ほどよりも早く熱が溜まり始める。
やがてミュリエルの中の指は二本となり、執拗に慣らされることで、それらが滑らかに動くようになった頃。
「そろそろ大丈夫そうですね」
僅かに焦燥を感じさせる声でギュスターヴが言い、ミュリエルから指が引き抜かれた。
「んんっ!」
引き抜かれた瞬間に、物欲しげにミュリエルの中がひくひくと蠢く。
――ここにある空洞を、もっと満たして欲しいとばかりに。
ギュスターヴは腕でミュリエルの太ももを持ち上げ大きく脚を広げさせると、かろうじて己の腰に引っかかっていたガウンを、完全に脱ぎ去った。
つまりは、ギュスターヴが全裸になった。
(…………!)
寝台の上、互いに一糸纏わぬ姿で向き合っている。その事実にミュリエルの心臓は破裂しそうなほどに鼓動を打ちつけていた。
「ミュルエル様……」
名を呼ばれ、ギュスターヴの顔を見つめる。下から見上げる彼の顔が、これまた素晴らしい。
ほんのりと赤らんだ彼の目元に、何かいけないものを見てしまったような背徳感がある。つまりは色香がダダ漏れている。
更にはミュリエルを寝台に押さえつける、しなやかな筋肉のついた腕が、これまた格好良い。
ギュスターヴの美しさに、ミュリエルは思わず過呼吸を起こしそうになる。
やはり自分は父に似て、極度の面食いなのかもしれない。
そしてそのままそうっと惰性で視線を下へやると、薄暗いランプの灯りの中でギュスターヴの男性器がしっかりと見えてしまった。
ミュリエルが想定していたよりも、遥かに大きい。
何やら血管が浮き上がり、雄々しく天井を向いている。
この興奮して硬く大きくなった男性器を女性器の中に挿し込み、胎の中に子種を吐き出してもらう、というのが子作りの流れであると、先日教えられたばかりだ。
(つまりはあれを、私の中に……?)
普通に考えて、無理なのでは? とミュリエルは思った。そう、物理的に。
自他ともに認める臆病者のミュリエルは、どこか追い詰められた気持ちでギュスターヴのかけている片眼鏡に手を伸ばす。
時間稼ぎのために。――もう少しだけ、覚悟を決めるための時間が欲しい。
「……これは外さないの?」
銀縁のそれに触れれば、ギュスターヴは小さく笑った。
「ええ、あなたの体の隅々まで、しっかりと見たいので」
彼の右目は随分と視力が悪いらしく、片眼鏡を外すと視界がぼやけてしまうらしい。
「そ、そこまでして見るほどのものでは……!」
ミュリエルが顔を真っ赤にして言えば、ギュスターヴはミュリエルの手を押さえつけ、じっくりとその体の隅々まで見つめた。
「先ほども申し上げたでしょう? あなたはとても美しい」
視界が潤んだ。取り返しがつかないほどに傷ついていたミュリエルの女性としての自尊心が、確かに慰撫されていく。
「ご覧の通り、私はとても興奮していますよ」
ミュリエルがバッチリ彼の股間を拝見してしまったことに、気づいていたのだろう。
羞恥で人が死ねるなら、間違いなく自分は死んでいるだろうとミュリエルは思った。
だがその一方で、ギュスターヴがちゃんとミュリエルに、性的な興奮を覚えてくれたことがとても嬉しくて。
(そうよ。いざとなったら、そこから赤ちゃんだって出せるんだもの)
ミュリエルは極論に至って、覚悟を決めた。
怖いことは怖いが、ギュスターヴを受け入れたいという気持ちの方が大きい。
「よろしいですか?」
こちらにきちんと確認をとってくるところも、ギュスターヴらしくて良い。
ミュリエルはギュスターヴの頬を撫でて、必死に微笑みを作り頷いた。
ギュスターヴの唇が降りてきて、ミュリエルの唇を塞ぐ。
熱く硬いものが、ミュリエルの蜜口に充てがわれる。思わず恐怖で息を詰め、体を強張らせた。
するとそれを察したらしいギュスターヴが、重ね合わせた唇から舌を差し込んできて、ミュリエルの舌を絡みとり、吸い上げて己の口腔内へと導いた。
それに驚き気を取られ、ミュリエルが体から力を抜いてしまった、その瞬間。
ギュスターヴが一気にミュリエルを貫いた。
「っ……!」 -
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