書籍紹介
完璧な旦那さまの淫らな慾求
完璧な旦那さまの淫らな慾求
ISBN:978-4-596-59121-0
ページ:322
発売日:2020年2月1日
定価:本体650円+税
  • あらすじ

    旦那さまが記憶喪失!? なぜか溺愛がもっと激しくなって…♥

    幼い頃から想いを寄せていたヴィルフリートとの結婚から5年。ようやく身も心も結ばれ本当の夫婦になれたと思っていた矢先、事故に遭ったヴィルフリートはエミーリアのことを忘れていた! それまで以上にヴィルフリートはエミーリアに愛欲のまま触れてきて濃密な愛撫を与えてくる。別人のようでそうじゃない旦那さまとの生活は波乱だらけで…!?

  • キャラクター紹介
    • heroine_VBL221

      エミーリア
      ヴィルフリートと結婚し、ベルンシュタイン侯爵夫人になった。18歳。

    • hero_VBL221

      ヴィルフリート
      ベルンシュタイン侯爵家当主。幼い頃からエミーリアを見守ってきたが……。

  • 試し読み

    いつもの優しく穏やかなくちづけとは違う。乱暴なくちづけに驚いて目を見開くと、ぬるりと肉厚のぬめった感触が口中に入り込んできた。
    (な……に……!?)
    本能的に逃げようと身を離そうとしたエミーリアの身体を、ヴィルフリートがきつく抱きしめてきた。背中に回った片腕の力は強く、胸の膨らみがヴィルフリートの胸に押し潰されるほどだ。
    抱擁が強すぎて、息苦しい。エミーリアが思わず空気を求めて口を開くと、口中に入り込んでいたものが舌に絡みついてきた。
    「……んんん……っ!?」
    何か別の生き物が、エミーリアの舌を舐めくすぐるように動き回る。舌に絡みつくだけではなく歯列を舐め、裏側もくすぐり、頰の内側や上顎のざらつき、舌の裏側にまで這い回ってきた。何をされているのかわからず戸惑うエミーリアだったが、不思議と身体の奥深くからじんわりと快感が生まれてくる。
    「……んぅ……ん……っ」
    しばらくすると自分の口中をねっとりと味わっているものが、ヴィルフリートの舌だと気づく。ヴィルフリートのものとわかれば、エミーリアは戸惑いつつもすぐに身を委ねることができた。ヴィルフリートの舌はエミーリアの舌から力が抜けると、嬉しそうにさらに深く絡みついてくる。
    喉奥まで入り込みそうなほど深く差し入れられ、搦め捕られて舌を引き出される。唇で、はむっ、と軽く挟み込まれたと思ったら、舌の根が痺れそうなほど強く吸われた。
    互いの唾液が混じり合い、熱い滴りが口端から溢れそうになる。ヴィルフリートはその滴りを啜るように味わい、飲み込んだ。
    「……んく……ん……っ」
    エミーリアも零れそうになった熱い雫を、飲み下す。不思議とほんのりと甘い味だった。
    口中をヴィルフリートの舌に味わわれ続けていると、身体が蕩けていく。息継ぎをどうすればいいのかわからないまま、深い官能的なくちづけにエミーリアの頭はクラクラしてきた。このままでは意識を失ってしまう――そう思ったとき、ヴィルフリートがエミーリアの身体をゆっくりと押し倒してきた。
    「……あ……っ」
    名残惜しげに唇が離れる。思わずエミーリアもヴィルフリートの唇が離れてしまうのを惜しむように、小さく吐息を漏らしていた。
    ヴィルフリートはエミーリアの身体の上に覆い被さり、薄い夜着越しに身体を撫でてくる。抱きしめられたことは何度もあったし、慰めてもらったりするときにも髪や肩や背中を撫でられた。けれど今、自分に触れているヴィルフリートの両掌は、とても熱く大きく感じられる。
    灯りによって肌が透けて見えるほどの薄い夜着では、いくら布地越しとはいえヴィルフリートの掌の感触がはっきりと伝わってきた。素肌を撫でられているように思えてしまい、エミーリアは羞恥に身を強張らせ、頰を赤く染めた。
    ヴィルフリートはそんなエミーリアに安心させるように微笑みかけ、唇に先ほどと同じような熱い官能的なくちづけを与えながら、全身を撫でてくる。
    首筋、丸みのある肩、二の腕、肘――脇の柔らかな稜線、腰のくびれ、臀部、太股などを触られているうちに、エミーリアの身体の強張りも徐々にだが確実に解けていった。元々ヴィルフリートに撫でてもらうと気持ちよかったのだが、今夜はこれまで以上に気持ちいい。
    (どうして……?)
    初めて知る感覚にエミーリアが内心で小首を傾げると、ヴィルフリートの両手が優しく胸の膨らみを包み込んできた。
    「……あ……っ」
    柔らかな乳房に、ヴィルフリートの指が沈み込んでくる。そのままゆっくりと形を確かめるように揉みしだかれ、エミーリアは息を詰めた。
    (私……変……どうして、気持ちいい、の……)
    ヴィルフリートが与えてくれる愛撫のすべてが、エミーリアの心地よさを引き出してくる。
    ヴィルフリートの両手の中で、エミーリアの乳房は快感を覚えて張り始めるが、捏ねられる動きに合わせて柔らかく自在に変化した。ヴィルフリートはエミーリアの反応を確かめるためか、食い入るようにじっとこちらを見下ろしている。
    (や、だ……そんなふうに、見ない、で……)
    ヴィルフリートの琥珀色の瞳は、エミーリアのどれほどわずかな反応も見逃さないとでもいうように、逸らされない。瞳の奥にはエミーリアがぞくりと震えてしまいそうなほどの情欲が潜んでいた。熱を孕んだ瞳で見つめられるだけで、エミーリアの身体の奥に新たな快感が生まれてくる。
    ヴィルフリートの愛撫を受け止め続けていると、足の付け根に甘苦しい快感が溜まっていった。同時にじわりと蜜が滲み出して、濡れていくのがわかる。
    エミーリアは本能的な羞恥を覚え、身を捩ろうとする。だがヴィルフリートの身体はエミーリアに重みをかけないように気をつけながらも逃げ出せないよう、覆い被さっている。
    ヴィルフリートの両手が、突然きゅっ、と布地越しに胸の頂を摘んできた。
    「……んぅっ!」
    刺激的な愛撫に驚き、エミーリアは思わず高い喘ぎを上げてしまう。自分でも驚くほど甘い声が響いてしまい、エミーリアは軽く目を見開いた。……これは本当に自分の声なのだろうか。
    ヴィルフリートも同じように驚いたのか、軽く目を瞠った。自分のはしたなさを知られてしまったようで、エミーリアは身を強張らせる。
    だがヴィルフリートはすぐに小さく――けれども獰猛な笑みを浮かべた。
    「なんて可愛らしい声を上げるんだ、君は……」
    「……あ……あ、ごめんなさ……ひぁ……っ!」
    ヴィルフリートの両手が、エミーリアの両方の乳首を捕らえる。人差し指と親指の腹で、布地越しにこすこすと擦り立てた。たちまち二つの粒が芯を持って立ち上がり、ヴィルフリートはそれを今度はきゅきゅっ、と摘むように揉み込んできた。
    「……あ……あぁ……っ!」
    突然激しくなった愛撫に、エミーリアは声を堪えられない。こんなふうにはしたない声を上げたらヴィルフリートに嫌われてしまうのではないかと、エミーリアは唇を押さえようとする。
    それに気づいたヴィルフリートが、ふいにエミーリアの両手首を摑んでシーツに押しつけた。
    「駄目だ。口を塞がないでくれ」
    「……ヴィ、ヴィルフリート、さま……っ?」
    「君が私の愛撫に感じて、応えている声だ。それを聞かせないなんて、拷問だ」
    「……で、でも……はしたない、です、し……っ」
    ヴィルフリートがさらに驚いたように目を見開く。
    「はしたない? その声が? 何を言っているんだ、君の声はとても可愛い。もっと聞きたくなる声だ。私が……欲情する声だ……っ」
    「……あぁっ!!」
    布地越しにエミーリアの乳首の片方を、ヴィルフリートの唇が飲み込んだ。口の中に含んだ乳首にヴィルフリートの舌が絡みつき、舌先で弾き、強く吸い上げる。
    「あ……ああっ、ヴィルフリートさま……っ、そ、んな……駄目……っ」
    エミーリアは首を振って、ヴィルフリートの愛撫を止めようとする。だがヴィルフリートは口淫を止めず、たっぷりと味わったあと、もう片方も同じように口で愛撫してきた。
    ヴィルフリートの唾液で濡れたために布地はさらに透けて、硬くなった乳首の形をはっきりさせている。ヴィルフリートが悪戯を仕掛けるように軽く息を吹きかけてきて、エミーリアは打ち震えた。
    ヴィルフリートが嬉しそうに小さく笑う。
    「よかった、気持ちよさそうだ。ここも可愛らしく尖ってくれて、嬉しい」
    自分がはしたなく喘いでいることを指摘されたようで、エミーリアは真っ赤になる。身を縮めたエミーリアに、ヴィルフリートは苦笑した。
    「何を恥ずかしがっているんだろう。私は可愛いと言っているけれど」
    「……で、でも、あの……あ……っ」
    何をどう反論すればいいのかわからず、エミーリアは口ごもる。その間にヴィルフリートはエミーリアの胸元から頭を下げ、夜着を辛うじて身体に留めているリボンの端を口にくわえた。
    そのまま頭を器用に動かしてリボンを解くと、薄い布地はエミーリアが少し身じろぎしただけでするりと肌を滑り落ちてしまう。
    急に胸や腰、腹部などが露になり、エミーリアは慌てて両腕で自分の前面をできる限り隠そうとする。だがヴィルフリートは優しく微笑むとエミーリアの両手首を摑んで引き寄せ、自分の首に絡めさせた。
    「駄目だよ、エミーリア。君の腕はここに」
    ならばせめて見られないようにと、エミーリアは腕に力を込めてヴィルフリートにきつくしがみついてしまう。軽く背中が浮いてしまうほどの抱きつきように、ヴィルフリートは苦笑した。
    「これでは君の可愛い胸を可愛がってあげられない。私はもっと君の胸を味わいたい。君の胸は柔らかくて甘くて……とても美味しかったからね……」
    「は、恥ずかしいので、も、もう駄目ですっ!」
    「……駄目なのかい……? うん……なら……このままでもできるかな。あまり気持ちよくなかったら教えてくれ」
    ヴィルフリートが何を言おうとしているのかわからず、エミーリアは戸惑ってしまう。ヴィルフリートはエミーリアの少し浮いた背中に両手を移動させながら、片方の耳にくちづけた。
    熱く濡れた舌が、耳殻をねっとりと舐め上げてくる。ぞくぞくと背筋が震えるような快感が生まれて、エミーリアは肩を竦めた。
    ヴィルフリートの両手はエミーリアの背中を撫で下ろしながら夜着を脱がせ、ベッドの端へと放ってしまう。ヴィルフリートの前で全裸になっていることに気づかされても、ヴィルフリートが耳を舌で愛撫し続けているため、抗議の声は甘い喘ぎに変わった。
    「ヴィ、ヴィルフリート、さま……っ」
    そのことを伝えようとしても、ヴィルフリートの舌の動きは止まらない。それどころか舌先が尖って、耳の溝や耳穴にも入り込んで舐めくすぐってくる。唾液が絡んでくちゅくちゅと淫らな水音が上がり始め、やけにそれが響いて聞こえ、エミーリアを不思議な快感に導いた。
    腰の奥と秘所になんとも言いようのない疼きが溜まっていく。ヴィルフリートは耳を口淫しながら背筋を撫で下ろした手で腰のくびれを丸く撫でた。片方が臀部の膨らみを揉みしだき始める。
    もう片方の手はエミーリアの足の間に入り込み、内腿を優しく撫で上げてきた。これまで以上に震えるような甘い快感がやってきて、エミーリアは反射的に両足を閉じる。だがもう間に合わず、ヴィルフリートの手は太股の柔らかさに挟み込まれながらもあっという間に股間へとたどり着き、エミーリアの髪の色と同じ淡い叢に触れた。
    「……あ……っ」
    骨張った指先が、優しく叢を搔き分けて奥へと進んできた。
    エミーリアは逃げ腰になるが、臀部を揉んでいる手に力がこもって逃さないようにしてくる。耳を愛撫する舌の動きはさらにいやらしくなり、エミーリアはヴィルフリートにしがみつくことしかできなかった。
    ヴィルフリートの指が、花弁にたどり着いてそっと撫でてくる。蜜が滲んでしっとりと濡れ始めているそこは、ヴィルフリートに撫でられるとぬちゅり……と、小さく音を立てた。
    「ああ……いい子だ、エミーリア。感じてくれているね……とてもよく濡れている……」
    「や……っ」
    淫らなところを知られて、エミーリアは羞恥で真っ赤になって首を小さく振る。ヴィルフリートはエミーリアの耳朶を甘嚙みし、強く吸った。唾液でたっぷりと濡れているせいか、じゅるるっ、とさらに淫らな水音がする。
    「……ああっ」
    「もっとここを、濡らしてあげたい……」
    ヴィルフリートの声が、熱い。少し掠れ気味になっていて、息もいつになく荒く乱れている。それが耳を愛撫しているせいでとてもよく伝わってきて、エミーリアは身震いした。
    ヴィルフリートの指が、花弁を激しく上下に擦り始めた。臀部を摑んだ指にはさらに力がこもり、強く握りしめるようにして固定されてしまう。逃げられないエミーリアの蜜口は、しかし疼くような甘い快感を覚えて震え、蜜を滴らせ始めた。
    ヴィルフリートの指が、割れ目に添えられる。そのまま中指が、そっと中に沈み込んできた。
    異物感を覚えたのは、一瞬だ。それがヴィルフリートのものだとわかると、不思議な心地よさすら感じる。
    だが性に未熟なエミーリアの心は、ついていくのに精一杯だ。初めての感覚に打ち震え、エミーリアは思わず涙目でヴィルフリートを見返してしまう。
    耳から唇を離して、ヴィルフリートがエミーリアを見つめた。とても間近にある琥珀色の瞳が、エミーリアを凝視する。獣性すら匂わせる熱い瞳から、エミーリアは目を逸らせない。
    「嫌かな……?」
    エミーリアの反応をじっと見つめながら、ヴィルフリートが指をゆっくりと沈めてくる。エミーリアは身を震わせるが、嫌悪感はない。
    言葉で答えることはできなかったが、エミーリアは小さく首を振る。ヴィルフリートが嬉しそうに笑った。
    「よかった。ならここをこうしたら……どうかな」
    浅い部分に沈み込んだ指が、優しく肉壁を擦ってくる。ざわめくような心地よさがやってきて、エミーリアは思わず声を漏らした。
    ヴィルフリートの笑みが深くなった。
    「……いいようだ」
    「……あ……あっ、あ……っ! ヴィルフリート、さま……それっ、やぁ……っ」
    ヴィルフリートの指が、エミーリアの蜜壺の中をゆっくりと出入りする。出入りしながら肉壁を指の腹で強く擦られたり突かれたりすると、これまで以上の快感がやってきた。エミーリアは反射的に拒否の言葉を紡いでしまうものの、その心地よさに頰を紅潮させ、息を乱す。
    「ここをたっぷりと濡らさないと……私のものを受け入れるには辛いらしいから、ね……」
    「ああっ、指……も、やめ、……っ。駄目……だか、ら……っ」
    懇願してもヴィルフリートは乱れていくエミーリアの表情をじっと見つめたまま、指を激しく、強く、官能的に動かした。
    蜜を絡めながら届くところまで指を押し入れ、中でゆっくりと搔き回す。エミーリアがひときわ大きく反応を示したところは執拗に突いて擦ってきた。エミーリアはいやいやと首を振り、ヴィルフリートの指の愛撫に淡い涙を零した。
    ヴィルフリートの指の愛撫によって蜜は滴るほどに滲み出し、出入りを滑らかにする。指がもう一本増やされても異物感はもうなく、むしろ甘い痺れるような快感が増した。
    ヴィルフリートの指が動くたびに、くちゅ、ぬちゅっ、といやらしい水音も上がり始める。その音もエミーリアの快感を高めた。
    「ヴィルフリートさま……指……もう、いやぁ……っ。わ、私……私……こんなの……はしたない……っ」
    「大丈夫だ、エミーリア。とても可愛い。君のいやらしい顔は私をとても興奮させるものだ。もっと見せてほしい」
    とんでもないことをさらりと言われているような気がするが、それを確かめるよりも早く、ヴィルフリートの指が臍の裏側辺りを強く擦り立てた。信じられない気持ちよさがやってきて、エミーリアは大きく目を見開く。
    「……や……やぁ……そこ、駄目ぇ……っ!」
    「ここがいい? では、もっとしてあげよう」
    「……ああっ!!」
    ヴィルフリートに食い入るように熱く見つめられたままで、とても感じる場所を執拗に指で責め立てられる。エミーリアは目の前が真っ白になるような感覚に追い上げられ、大きく仰け反った。

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