書籍紹介
溺愛王は亡国の王女を逃がさない~ふしだらな蜜月と高潔の契り~
溺愛王は亡国の王女を逃がさない~ふしだらな蜜月と高潔の契り~
ISBN:978-4-596-41540-0
ページ:306
発売日:2021年3月17日
定価:本体650円+税
  • あらすじ

    記憶喪失で目覚めたら、国王の妻として執愛の虜にされてしまい――!?

    「お前はアナイス――私たちは夫婦なのだよ」記憶を失って目覚めたアナイスを、オクタヴィアンは甲斐甲斐しく甘やかし、濃厚な口づけで思考まで蕩かせてしまう。自分のことを思い出そうとするほどに、オクタヴィアンの愛撫は苛烈さを増し、淫靡な欲求を煽られ愉悦に呑まれていく。だが、オクタヴィアンがわざとアナイスの過去を隠していると知り!?

  • キャラクター紹介
    • アナイス
      記憶がない状態で目覚め、オクタヴィアンに庇護されている。『黄金の姫』と呼ばれていたようだが……?

    • オクタヴィアン
      バルビエ国を統べる王。夫としてアナイスを甘やかし愛を囁く。

  • 試し読み

    「――お前は私の妻だ。今はそれだけわかっていればいい」
    「え、でも……」
     ぎゅっと背後から抱きしめられた。
    「お前はまだ目覚めたばかりだ、いっぺんに沢山の情報を得ては混乱を招く」
    「でも、わたしは知りたい……」
    「お前は私に愛されていれば、今はそれでいいのだ」
     語気が強まり、息が詰まりそうなほど締めつけてくる男の腕の力に、アナイスは恐怖すら感じた。
    「でも、でも……ん? んんっ……」 
     それ以上はしゃべらせまいとするように、ふいに顎を持ち上げられ唇を塞がれた。喰らいつくような口づけに、アナイスはくぐもった声を漏らしながら、必死で首を振って逃れようとした。だが、オクタヴィアンの手はびくともせず、彼の舌が強引に唇を抉じ開け、侵入してくる。
    「……んんんっ、は、ふぁ……ぁ」
     舌を搦め捕られ強く吸い上げられると、一気に逆上せて頭がぼうっとしてくる。
    「愛している、お前を愛している――それだけが真実だ」
     口づけの合間に、オクタヴィアンは切羽詰まった声でささやき、再び口腔を深く搔き回してくる。
    「や……んゃ……んん、んぅ?」
     オクタヴィアンのもう片方の手が、胸元に回され、膨らみを包んできた。寝間着姿だったので、薄い布一枚の下は素肌だ。大きな手が、やわやわと乳房を揉みしだいてくる。
    「だ……や、め……んあ、んんぁあ?」
     初めて男に触れられたみたいに、全身が粟立った。
     夫婦だったのだから、こういう行為もしていたかもしれないのに、未知の衝撃しか感じない。
    「やめ……て、や……ぁ」
     弱々しく身動いだが、オクタヴィアンとバルコニーの手すりに挟まれた姿勢では、逃れるすべもない。
     柔らかな乳房の上を無骨な指が、驚くほど繊細に動き回り、探り当てた小さな乳首をきゅっと捻り上げた。
    「ひ……っ? ぐ、ふ、ふぁぁ、あふ」
     鋭い痛みに悲鳴を上げようとすると、すかさず喉奥まで分厚い男の舌が差し込まれ、声を奪ってしまう。息が詰まり、頭がぼうっとしてくる。
     じんじん疼く乳首を、今度はあやすみたいに撫で回され、痺れるような甘い刺激が生まれて、なぜか腰がびくびく跳ねた。
    「……めて、や……め……ぁ、ああ、んぅ、んんう……」
     深い口づけを仕掛けられながら、交互に乳房を揉まれ、ツンと尖ってきた乳首を摘まれたり抉られたりすると、せつないほど身体の奥がきゅんと痺れ、体温がどんどん上がっていく。
    「ふぁ、ふあぁん、んぁん」
     むず痒いような心地よいような未知の感覚に、アナイスは混乱する。
     こんな甘く気持ちよい感覚は、覚えていない。
     あまりにも刺激が強すぎる。官能の悦びに慣れていない初心な身体は、オクタヴィアンの情熱的な愛撫にたやすく翻弄されてしまう。
    「はぁ、は、だ……め、は、はぁ、はぁ……ぁ」
     乳首を弄られるたび、自分のあらぬ部分がじくじく疼く。もどかしくやるせない感覚を、どうしていいかわからず、腰がもじもじ揺れてしまう。 
     その動きを察してか、オクタヴィアンの片手がゆっくりと腹部へ下がっていき、寝間着の裾を捲り上げ、その内側に忍び込んでくる。
    「は、あ、あ」
     温かく大きな掌が、直に太腿を撫で回してくるとざわっと隠部が慄いた。彼の手が、じわじわと内腿の狭間に迫ってくる。やめてほしいのに、淫らな期待に身体の奥が疼く。
     オクタヴィアンの指先が、薄い下穿き越しに、そろりと割れ目に触れてくる。
    「ひぅっ」
     ぞくりと甘い刺激が駆け抜けて、アナイスは腰をびくんと浮かせてしまう。彼女の顕著な反応に気をよくしたのか、オクタヴィアンの指が抉るみたいに割れ目を上下に撫でた。
     くすぐったいような焦れったいような官能の疼きに、自分のあらぬ部分がヒクヒク震えるのがわかった。こんな感覚は初めてだ――それとも、以前もオクタヴィアンからこんなことをされていたのだろうか。 
     わからない、もう何もわからない。
     わかるのは、オクタヴィアンの舌や指の与える、淫らで恥ずかしい快感に身体が素直に反応してしまうということだけだ。拒もうとする声に、甘い媚態が混じってしまう。
    「ふ……ぁ、やめ……んぁう、んんん……っ」
     唇を離したオクタヴィアンは、濡れた唇をぬるっと耳朶に押しつけてきた。その艶かしい感触にすら、ゾクゾク背中が震えた。
    「身体が熱くなっている――感じているんだね。私の愛しいアナイス」
     少し息を乱した掠れた声を耳孔に吹き込まれ、鳥肌が立った。
    「か、感じて……なんか……」
     羞恥に頰を染めて弱々しく首を振るが、節くれだった長い指が下穿きの端から潜り込み、薄い茂みを探ってくると、はしたない期待に下腹部の奥がツーンと甘く痺れてしまう。
     秘された花弁に指がかかり、そっと押し開いた。すうっとした外気に触れ、媚肉がひくついた。こんな場所に触れられた記憶はなく、狼狽えるばかりだ。
    「あっ、あ、やめて……そんなところ、触っちゃ……あぁ、ぁ?」
     腰を引こうとするが、背後からぴったりオクタヴィアンが抱き込んでいるので、逆に彼により密着する形になってしまう。
    「ここ――濡れているよ。ほら、わかるかい?」
    「ぬ、濡れ……?」
    「あなたが私の指を心地よく感じている証拠だ」
     暴かれた蜜口の浅瀬を、長い指先がくちゅくちゅと搔き回した。恥ずかしい水音に、確かにそこが潤っているのだと知る。ぬるつく指で敏感な肉襞を擦られると、えもいわれぬ心地よさに腰が跳ねる。
    「やぁ、あ、だめ、あ、指、だめぇ……」
     口では拒んでいるが、もっと触れてほしいという劣情がどんどん迫り上がってきて、止めることができない。その上、隘路の奥からはさらにねっとりした液体が溢れてくるのだ。
    「あなたのここ、熱い――こんなに濡れて。なんて感じやすい、いやらしい身体だろう。もっと弄ってあげよう」
    「んん、ん、や……ぁ」
     アナイスは唇を嚙みしめ、淫らな欲求を抑え込もうとしたが、骨ばった指が少し速度を上げて花弁の割れ目を上下に擦ると、どうしようもない快感が湧き上がって、たまらなくなってしまう。
    「あ、はぁ、は、あぁ、や、ぁあ……んん」
     抵抗しようと身動ぎしたが、なぜか求めるみたいにオクタヴィアンに身体を擦りつける動きになってしまう。
    「可愛い声だ。可愛い、可愛いアナイス。もっと啼いて、もっと甘く啼いて」
     オクタヴィアンの低い声は、妖しい呪文のようにアナイスの思考をがんじがらめにする。
     ぬるぬる動いていた指がふいに、割れ目の上辺あたりの小さな突起にクリッと触れてきた。
     瞬間、雷にでも打たれたような鋭い悦楽が脳芯まで走り抜け、アナイスは目を見開いてびくんと腰を浮かせた。
    「ひあっ? あ、あ? あぁ?」
     何が我が身に起こったのかわからない。
     オクタヴィアンはアナイスの際立った反応に、その部分ばかりをぬるぬると転がしてきた。
    「やぁっ、そこ、だめぇ、あ、あ、あぁ、は、やだ、あ、やめ、て、ああ、あ」
     目も眩むような快感が次々襲ってきて、アナイスは腰が蕩けてしまうかと思う。
     オクタヴィアンの指がひらめくたび、腰がびくびくと跳ね、下肢から力が抜けてしまう。
    「だめぇ……そこ、おかしく……あぁ、あ、はぁぁ……」
     耐え切れない悦楽にもうやめてほしいのに、両足は誘うみたいに開いてしまい、膣腔がきゅうっとせつなく締まった。そして、そこを何かで埋めてほしいという淫らな欲求が迫り上がってくる。
    「ああ、あなたの小さなここが、硬く凝ってきた。いいね、もっと気持ちよくなって、アナイス。もっとだ、もっと」
     オクタヴィアンは指をうごめかしながら、アナイスの耳殻に沿って舌をねっとりと這わしてきた。その濡れた動きにも、肌がぞわっと粟立った。
    「ひぁ、あ、や、舐めちゃ、あ、や、も、そこ、弄らないで、あ、ああ、あ、やあん……」
     全身が官能の悦びに犯され、もはや抵抗できない。
     目尻から感じ入った生理的な涙がぽろぽろこぼれ、はしたない喘ぎ声は止められず、オクタヴィアンの与える快楽を貪ってしまう。
     もう耐えられないほど、悦楽だけが頭を支配する。
    「お、願い……オクタヴィアン様、も、もう、だめに……お願い……っ」
     全身が硬直してきて、瞼の裏で愉悦の火花がチカチカ瞬く。
    「達きそうなのだね、アナイス、いいよ、達しておしまい、アナイス」
     オクタヴィアンはぷっくり膨れた秘玉を指の腹で軽く押さえ、小刻みに揺さぶってきた。
     熱い奔流のような快感が、一気に押し寄せてきて、頭が真っ白になる。
    「あ、ああ、だめ、あ、それだめ、あ、だめ、あ、あ、あぁ、あぁぁぁーっ」
     稲妻のような鋭い快感が限界にまで達し、アナイスは背中を仰け反らせ、びくびくと腰を痙攣させた。息が止まる。鼓動すら止まったような錯覚に陥る。
     長い長い一瞬。
     めくるめく法悦しか感じられない。
     痙攣がおさまると、直後、ぐったりと全身から力が抜けた。同時に、呼吸が蘇る。
    「はぁっ、は、はぁ……っ」
     せわしない息を継ぐアナイスを、オクタヴィアンがぎゅっと抱きしめ、汗ばんだ首筋に顔を埋めてささやく。
    「私の手で達ってしまったんだね――可愛いアナイス」
     彼の低い声が直に身体に響き、その感覚にすらぞくんと背中が震える。
     小さな突起から与えられた快楽は凄まじいもので、もうこれ以上は耐えられないと思うのに、隘路の奥がざわめいて止まらない。そこにも何か刺激が欲しいと訴えている。
     だが、そんなはしたないことを口にすることもできず、顔を振り向けて涙目でオクタヴィアンを見つめるばかりだ。彼が何かに耐えるような苦しげな表情になった。
    「ああ、そんな色っぽい目で見てはいけない、アナイス。今すぐにでも、あなたを抱きたくなるではないか。だが、まだあなたは体調が戻っていない――だから」
     ふいに、秘裂に触れていたオクタヴィアンの指が、ぬくりと花弁のあわいに差し込まれた。
    「ひあっ?」
     隘路に節くれだった指が入り込む違和感に、アナイスは小さく声を上げて息を吞む。
    「狭いね。でもよく濡れている――もう少し挿入る」
     オクタヴィアンの指が、愛蜜のぬめりを借りて、少しずつ奥へ侵入してくる。
    「あ、あ、や、だめ……」
     体内に異物が挿入される感覚は記憶になく、恐怖に身が竦んだ。だが、オクタヴィアンの指はあやすようにゆっくりと押したり引いたりして、じわじわと狭隘な膣腔を押し広げ、先へ進んでくる。
    「だめ、指、挿入れちゃ……あ、あぁ、いやぁ、あ、ああ」
     違和感は去らないが、熱く疼いていた箇所をゆるゆると擦られると、満たされる悦びが生まれ、媚肉がひくひく反応してしまう。
    「きつい――あなたの中が、嬉しそうに私の指を食んでくる――この反応、いいね」
     オクタヴィアンは深いため息をつく。
     いつの間にか指が二本に増やされ、それがついに根元まで挿入された。
    「あ、あぁ、あ、奥まで……ぁあ」
     硬い指先が内部のどこか深い箇所に触れ、ぶるっと腰が慄く。
    「全部挿入ったよ、アナイス。ああきゅうきゅう締めてくる。いやらしくて、素敵だ、アナイス」
     オクタヴィアンの指がくちゅくちゅと猥雑な水音を立てて、抜き差しを始める。
    「はぁ、あ、あぁ、や、だめ、ぁ、そんなにしちゃ、あ、だめぇ」
     先ほどの秘玉への刺激とはまた違う、濃密で重苦しい心地よさが迫り上がってきて、胸が苦しい。
    「これも気持ちよいだろう? あなたの中は、素直に反応しているよ」
    「や……そんなの……」
     こんな行為に快感を拾い上げてしまう自分を恥じて、いやいやと首を振る。だが、はしたない淫蜜はとめどなく溢れてきて、オクタヴィアンの指をぐっしょりと濡らしてしまう。
    「あ、やぁ、こ、こんなこと……わ、わたしは……以前も? ……して、いたのですか?」
     感じてしまうことが恥ずかしくて、声を震わせる。
     一瞬オクタヴィアンの指が動きを止めた。
     彼はせつなげに声をひそめた。
    「――いいんだよ、アナイス。身体に正直になって、感じていいんだ。私たちは夫婦なのだから」
     答えになっていない、と酩酊した頭の隅で思うが、揃えた指が恥骨の裏側あたりのドロドロの内壁をぐっと押し上げた瞬間、魂が抜け出てしまうような深い快楽が襲ってきて、頭の中が真っ白に染まった。同時に、媚襞がぎゅうっとうねった。
    「あああっ? あ、やあっ、だめ、そこ……っ、そこだめぇっ」
     粗相に耐える時のようなつーんと甘く痺れるような快感が下腹部を貫き、アナイスは悲鳴を上げて身悶えた。

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