-
試し読み
「ああどんどん溢れてくる――ロレイン、顔を見せて」
指を動かしながら懇願するように言われ、ロレインは目をつぶったままおそるおそる両手を下ろす。
「可愛い――感じ始めている君の顔が、とても淫らでそそるよ」
「ぅ……ぁ、言わないで……あ、やぁ……や」
小刻みに首を振ると、ほつれた金髪がぱさりぱさりと乱れ舞う。
男の長い指先が黄金色の茂みを掻き分け、震える花唇の上部辺りのなにかの突起に触れた。
「ひぁっ、あぁっ!?」
びりっと雷に打たれたような激しい愉悦が背中から脳芯まで走り、ロレインは腰をびくんと跳ね上げ思わず緑色の目を見開いてしまう。
「あっ? なに、そこ、なに? だめ、だめぇっ」
さらにそこを抉じるように転がされると、痺れる喜悦に下半身がアイスクリームのようにとろとろと蕩けてしまう気がした。
「だめじゃないよ。ロレインの一番感じやすい一番大事な部分だよ」
ロレインの敏感な反応を楽しむように、グリフィスはさらに執拗にその突起を弄る。被っていた包皮をめくり上げ、剥き出しになった花芯をこそぐように撫で回す。
「くぅ、ひぁ、あ、だめ、もうしないで……あぁ、やぁ、だめぇ……」
苦痛なほどの快感にロレインは息を凝らし、口から漏れ出すはしたない喘ぎ声を止めようと、小さな拳をぎゅっと口元に押し付ける。
「恥ずかしくなんかないんだ、ロレイン。感じるままに声を出していいんだよ。ここには私だけしかいない。そして、君のそのあられもない姿が、夫である私だけの秘密だよ」
「……ふぅ、う、あぁ、グリフィス、私……」
ロレインはおそるおそる瞼を開け、潤んだ瞳でグリフィスを見つめる。
彼は膨れた秘玉を転がしながら、優しくうなずく。
「あぁ、私……だって……こんな、こんなに……あぁっ」
びんびんと秘玉が愉悦を繰り出し、子宮の奥が何かに満たされたくてひくひく収縮を繰り返す。ひくつく隘路が後から後から粘っこい愛液を噴き出し、グリフィスの手からロレインの股間までぐっしょりと濡れそぼらす。
「指――挿入れるよ」
低い声とともに、浅瀬を掻き回していた指がぬるりと奥へ侵入してきた。
「あぅ、うっ、やぁ、指、なんか……っ」
異物の挿入に、膣腔がぶるっと戦慄く。しかししとどに濡れた隘路は、意外にすんなり指を受け入れる。
「大丈夫、入る――二本にするよ」
グリフィスが指を二本揃えて蜜口の奥へ突き入れる。
「……ひぅ、あ、だめ、ああ、入っちゃ……あぁ、あっ」
濡れ襞が押し開かれるような圧迫感が一瞬したが、その指をくちゅくちゅと抜き差しされると、擦られた膣襞が得も言われぬ快感を感じ始める。
「あ……や、あ、ぁ、あぁん……あぁ……そんな……にしちゃ……」
秘玉を弄られていた時とは違う、じわじわ迫り上るような切ない愉悦が全身を満たし、無意識に媚肉が蠢いて男の指を締めつけてしまう。
「気持ち好い? ロレイン、もっと気持ち好くなって――」
グリフィスは艶っぽい声でささやき、指の抽送を続ける。
「だ……め、あぁ、そんなに……あぁん、やぁ、私……あん」
重苦しい喜悦が身体中を満たし、意識がふわふわどこかに飛んでいきそうな錯覚に陥る。自分が自分でなくなるようで、思わず両手で秘裂を弄るグリフィスの手首を押さえようとする。
「やめ……もう、やめて……ぁ、あぁ、だめ、だめ……」
しかしグリフィスは彼女の弱々しい抵抗を押しのけ、さらにちゃぷちゃぷと粘ついた音を響かせながら初心な淫襞を擦り続ける。
「すごく締まってきた――感じてるね、ロレイン。いいんだよ、このまま達ってごらん」
グリフィスは指を出し入れしながら、親指でひりつく秘玉を揉み潰すようにぐっと刺激した。とたんにロレインの瞼の裏に、ちかちか愉悦の閃光が瞬く。と当時に、息が詰まり全身がぴーんと硬直した。
「あ……も、だめ、なにか……あぁ、いやぁ、いやいやぁっ……っ」
啜り泣くような嬌声を上げ、ロレインは生まれて初めての絶頂を味わう。
「……は、はぁ、はぁっ……っ」
強ばった身体がぐったり弛緩すると、どうっと生汗が噴き出した。
グリフィスがゆっくり指を引き抜くと、蜜口からとろりと蜜と潮の混じった大量の液体が溢れ出る。
「可愛いロレイン。初めて達したね? 気持ち好かった?」
グリフィスが顔を寄せ、目尻に溜まった涙や頬の汗を唇で吸い取ってくれる。
まだ喜悦の余韻にぼんやりしているロレインは、恥ずかしそうにこくりとうなずく。
「……いや……私、はしたない声を出して……」
頬を染めて小さい声で言う。
「いいんだ、好きなだけ声を出せば。君の初めてを素晴らしいものにしてあげたいんだ」
ふいにグリフィスが切ない目で見つめてくる。
「私のロレイン。今度は私の全てを受け入れてくれるね?」
ロレインはにわかに緊張するが、真摯に見つめ返す。
「はい――グリフィス。私の全部をあなたに捧げます――どうか……」
その先を口にするのが恥ずかしくて頬にかっと血が昇るが、はっきりと声に出す。
「私の初めてを奪ってください……」
ロレインの表情がくしゃっと歪む。
「ああ可愛いロレイン。たまらないよ、愛おしすぎて食べてしまいくらいだ」
ちゅっちゅっと額や頬にキスの雨を降らせながら、グリフィスが覆い被さってくる。
耳朶や首筋に唇を押し付けられると、ぞくりと怖気のような愉悦が走り、達したばかりの身体がすぐさま燃え上がってくる。
唇を覆われると、自分から舌を差し出していた。
グリフィスの舌が絡んで擦れ合う。
「んん……んぅ……んっ」
思わず彼の首に両手を回し、しっかりと抱きつく。
グリフィスは顔の角度を変えながら、何度もキスを繰り返し、その間に器用に自分の服を脱ぎ捨てていく。
彫像のように美しく引き締まった彼の裸体に、ロレインは目を奪われる。細身だが筋肉質の無駄のない肉体にうっとりと見惚れてしまう。
しかし視線が彼の下腹部に行くと、驚愕して息を呑み込んでしまった。
男性の欲望を目の当たりにしたのは、生まれ始めてだった。
彼の逞しい屹立は腹に付くほどに見事に反り返り、禍々しいほどに太い。怜悧な美貌のグリフィスからは想像もできないほど、凶暴で荒ぶる昂りだ。
あんな長大なものを、自分の秘所が受け入れられるとはとうてい思えない。指ですら目一杯だったのに。
ロレインが目を見開いて欲望を見つめているのに気がつくと、グリフィスはかすかに微笑んで彼女の右手を取り、自分の股間に導く。
熱い肉胴に手が触れて、ロレインはびくんと身をすくませる。
「こわいか?」
グリフィスがそのまま手を押さえて聞く。
ロレインはそっと男根を握ってみる。
硬くどくどくと脈打っていて、別の生き物のようだ。
「こ、こわいけれど、平気……愛しいあなたの身体の一部ですもの。あなたの全てを、私は受け入れる覚悟です」
ロレインが頬を紅潮させ、きっと顔を上げる。
そのあまりに健気な表情に、グリフィスが眩しそうに目をしばたく。
「ありがとう、ロレイン」
彼は再び覆い被さってきた。
頬に優しくキスしながら、彼の膝がロレインの足の間に割って入り開かせる。そして灼熱の切っ先がみっしりとした重さで蜜口に押し当てられる。
「あ……っ……」
笠の開いた亀頭がじりじりと花唇を割って隘路の中に押し入ってくる。
「つ……ぅ、あ……」
切り開かれるような痛みに、ロレインは唇を噛み締めぎゅっと目を閉じる。
「――痛いか?」
ぴたりと動きを止め、グリフィスが気遣う。
「……い、いえ……」
未知の経験に怯えながらも、ロレインは首を振る。
「少しの我慢だよ、すぐに好くしてあげるから」
そう言うとグリフィスは再び前進を始める。
「あっ……あっ、あ……」 -
関連作品