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あらすじ
お転婆な子猫にはお仕置きが必要だな
貿易船の船長だと思ったら、王太子ですって――!!王女なのにお転婆がすぎるマリアンヌは、偶然貿易船に乗り込んでしまうが、船長のイザークは無事に国へ戻すことを約束してくれる。野性的なイザークに惹かれるマリアンヌは、嵐の夜に助けてくれたのをきっかけに彼と結ばれる。身分違いの悩みは熱情的な愛撫と甘美な愉悦に押し流されてしまい――。だが、イザークは実は他国の王太子だと知って…!?
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キャラクター紹介
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マリアンヌ(マリー)
ヴェルネ王国の双子の王女の妹。お転婆がすぎるところがあり、やや天の邪鬼。 -
イザーク
貿易船の船長らしいが実はエーヴェ王国の王太子。密航したマリーに惹かれる。
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試し読み
「こんなところで無垢なあなたに触れる自分に罪悪感を覚えていたんだが、その心配はなさそうだな」
フッと緩んだ唇と優しく下がった目尻を見て、心臓が跳ね上がる。イザークがこんなふうに艶めいた笑みを浮かべるのは初めてだった。
「……ん」
イザークは顔を傾けマリアンヌに軽く触れるだけのキスをする。
「さあ、俺の知らないあなたを見せてくれ」
次の瞬間言葉と共に押し倒され、毛布の上に仰向けにされていた。
毛布の下は素肌だったので、マリアンヌの白くまろやかな四肢は漆黒の瞳の前にすべて晒されてしまう。
男の手なら一捻りで手折られてしまいそうな細い首、水をたたえられるほど窪んだ美しい肩甲骨、丸みのある双丘の上では小さな蕾が空気に晒され控えめに立ち上がっている。
「綺麗な身体だ」
イザークはそう言いながら手のひらをほっそりとしたウエストラインに滑らせた。へその下に視線を落とせば淡い金色の茂みに、白い足がすっきりと伸びている。
彼の視線が自分の裸体を検分しているようで、急に恥ずかしくなる。思わず両腕で胸を隠す仕草をしたら、華奢な手首を掴まれ左右に割り開かれてしまった。
イザークの前で白い膨らみがふるりと揺れて、漆黒の瞳の奥でなにかが煌めいた。その眼差しだけで身体が疼くような不思議な感覚に包まれる。
「あの……あまり見ないで」
マリアンヌがあまりの居たたまれなさに顔を赤くしてそう口にすると、イザークはわずかに顔を傾ける。
「なぜだ? 見なければどこに触れたらいいのかわからないだろ?」
「だ、だって……私は裸、なのよ?」
するとイザークはマリアンヌの手首を離すと、両腕を交差させてパッとシャツを脱ぎ捨てた。筋肉質な裸の胸を目の当たりにしてマリアンヌはさらに頬を赤らめる。
自分はこの胸に何度も抱きしめられて、これからこの人に身を任せるのだ。
「……」
目のやり場に困りキョロキョロと辺りに視線を彷徨わせるマリアンヌを見てイザークが苦笑する。
「そんなに恥ずかしいのなら目を閉じていればいい。もちろん俺がこれからあなたになにをするのか、すべて見ていたいのなら別だが」
その言葉にカッと頭に血が上り、マリアンヌは音がしそうなほどギュッと、固く目を瞑った。
「大丈夫だ。怖いことなんかしない。あなたはそうやって恥ずかしがっていればいいんだ」
つまりこれから恥ずかしいことはすると言うのだ。なにをされるかわからない緊張からさらにギュッと目を瞑ると、イザークがクスクスと笑いながらマリアンヌの唇に口づけた。
「ほら、さっきのように口を開けて見ろ」
固く閉じていた唇を舌先でペロリと舐められる。擽ったさに唇を緩めると、マリアンヌのものより厚みのある舌が差し込まれた。
「ん……ふぁ……」
首を仰け反らせさらに口を大きく開けると、口の中いっぱいに熱い塊がねじ込まれる。敏感な舌を擦られ、その刺激に口の中にドッと唾液が溢れ出す。
「は、ん……ぅ……んぅ……」
クチュクチュと音を立て口の中を荒らされ満遍なく舐め回されて、息苦しさに鼻を鳴らしてまう。
触れられているのは口の中のはずなのに背中がざわりとして、お尻の辺りがムズムズする。
口の端から滴が溢れ、白い喉へと伝い落ちていく。熱い舌がそれを追いかけるように這わされ、喉元や鎖骨の付け根の膨らみにも口づけられた。
「んん……っ……」
唇で触れられた場所はどこもかしこも熱くて、そして離れたあとも疼いてしまう。
イザークはどんな顔をして自分の身体に口づけているのだろう。マリアンヌははしたないと思いながらうっすらと瞼を開く。
するとまるでそれを見越したようにこちらを見上げるイザークの黒い瞳と視線がぶつかった。
「……っ!」
イザークはなにも言わずニヤリと唇を歪めると、わざと見せつけるように大きな口を開けてマリアンヌの胸の頂を口に含んだ。
「ひぁ……んんっ!」
まだ未熟な蕾が熱い粘膜に包まれて、マリアンヌの唇から甘い悲鳴が漏れる。
視線の先でぷっくりと膨らんだ乳首に舌が絡められ、再び口の中へ連れ戻されるという行為が繰り返されて頭の中が真っ白になってしまう。
「や、そんな……ん、あぁ……っ」
男女が身体を繋げる行為については、一応知識として教えられている。例えば閨で裸になって一緒に眠るとか、夫となる人になにをされても嫌がらずに従うようにとか、身体の一部を繋げるとかそんなことだ。
身体的接触だとは知っていたが、こんなふうに身体に口づけられたり、淫らな声が出てしまうような行為だとは知らなかった。
「や、ん、んんぁ……は……ぁ……」
腔内で乳首を舐め転がされるたびに全身に甘い疼きが広がっていく。このままではなにもわからなくなって、おかしなことを言ってしまいそうな自分が怖い。
「あ、ン! ま、まって……っ」
マリアンヌはとっさに手で黒髪を押し返す。
「どうした?」
「あの、これ……ダメなの、へ、変だから……っ」
顔を真っ赤にしたマリアンヌを見て、イザークはニヤリと口角を上げる。
「なにがダメなんだ? 可愛らしい声が出てしまうからか?」
「……っ!」
「ほら、手を離せ」
手首を掴まれてしまったら、力で勝てるはずもない。せめてイザークが再び無防備になった乳首に吸いつくのを見ないためにギュッと目を瞑る。
「ふっ……ん、んぅ……」
わざとチュプチュプと音を立てて乳輪ごと吸い上げられたかと思うと、硬くなった膨らみを唇で押しつぶすようにして扱かれる。
「んぅ……は……ふ……ぅ」
マリアンヌにできる抵抗と言えば声を出さないようにすることぐらいだが、すぐにそれは無駄だと思い知らされた。
イザークはマリアンヌが声を殺そうとしていることを面白がって、さらに激しく口淫を続けたのだ。片方が真っ赤になるともう一方も同じように口に含む。吸われすぎて腫れ上がった乳首ごと柔らかな胸の膨らみを揉み上げられて、白い肌に長い指が食い込む。
唾液で濡れた乳首はぬらぬらといやらしく光り、自分の身体ではないみたいだ。そして最初は擽ったいと思っていた素肌への口づけは次第に愉悦へと変わっていく。
ちゅぷんと音を立てて口腔から乳首が飛び出し、散々舌と指で嬲られたそこは果実のように真っ赤に充血して大きく膨らんでいた。
「見てみろ。すっかり熟れて今にも弾けそうだ」
イザークは楽しげに呟くと、指で先端を弾く。愛撫で感じやすくなった乳首には、その刺激だけで身体を震わせるのに十分だった。
「……んんっ!」
初めて与えられる刺激で何度もいやらしい声をあげてしまったことが恥ずかしくて、もう自分がどんな顔をすればいいのかわからない。
「や……」
羞恥に耐えきれなくなったマリアンヌが身体を捻って顔を隠すと、イザークが隣に横たわり背後から抱きしめてきた。
「……っく」
小さくしゃくり上げると、最初の夜のように大きな手が頭を撫でる。
「大丈夫か?」
あの時より優しい手つきに思えて、マリアンヌは小さく頷いた。
「寒くはないか」
背中にぴったりと胸を押しつけられて、少し熱いぐらいの体温が心地いい。寝ぼけて抱きしめられたときよりも熱く感じるのは素肌同士だからか、それとも彼の体温があがっているのだろうか。
腕の中でまたコクコクと頷くと、今度は背後から伸ばされた手で両胸を包みこまれる。
最初はやわやわと反応を確かめるようだったが、すぐに指が食い込むほどの力で双丘を揉み上げ始めた。
「ん……ふ……」
ギュッと身体を縮こまらせようとするが、痛いぐらい立ち上がっていた乳首を筋張った指で捏ね回されて、その刺激を逃がすように背を反らしてしまう。自然と自分から彼の身体に背中やお尻を擦りつけるような仕草になり、太股に硬いものが触れた。
イザークはまたポケットになにか入れたままにしているのだろうか。一瞬そう考えて、それがポケットの中のものではなく、彼自身の硬さなのだと気づく。
家庭教師に教わった男性器というものだろう。まさかこんなに硬く大きなものだと知らなかったし、なにより初めて目覚めた朝に同じものを身体に押しつけられていたのもショックだった。
驚きのあまり身体を強張らせたマリアンヌに、さらに硬いものがゴリゴリと押しつけられる。
「わかるか?」
イザークが背後から耳に唇を押しつけて囁く。
「あなたが欲しすぎてこうなったんだ」
どう答えればいいのかわからずふるふると首を振るが、上から押さえ付けるようにして耳朶が口に含まれ、熱い舌がヌルヌルと耳孔を犯し始めた。
「んぁ……や、やだぁ……ん、んぅ……」
大きな手のひらで身体を撫で回され、ぴちゃぴちゃと音を立てて耳孔を舐め回されて頭の中が水音でいっぱいになる。
「や、あ、はぁ……ぅ」
羽交い締めにされた腕の中で身を捩るが、当然その腕が緩む気配はない。それどころか手をするりとお腹から足の間へと滑らされ、淡い金色の茂みをさわさわと撫でられる。
さらにその奥に指を這わされそうになり、マリアンヌは両の足をギュッと閉じる。イザークに胸を愛撫されているうちに、足の間がジンジンと痺れて、太股を擦り合わせるだけでヌルヌルとぬめってしまうほどの愛蜜が溢れ出していたからだ。
どうして自分の身体がこんなふうになってしまうのかわからない。イザークに触れられるのは恥ずかしいが嫌ではない。ただ自分の気持ちや身体が少しずつ昂ぶって、次第に頭の中が霞がかったみたいになにも考えられなくなっていくのが怖かった。
イザークはマリアンヌの肩を抱くと再び仰向けにする。そのまま肩を支えたまま口づけてきた。
「んふぅ……っ」
たった一日でキスの快感を知ったマリアンヌは、自ら口を開き淫らに蠢く舌を受け入れた。長い舌が頬の裏や口蓋に擦りつけられ、ゾクゾクとした快感が全身を支配して、その刺激にすっかり蕩けてしまう。
肩を抱いていない手は胸の膨らみをすくい上げ、すっかり感じやすくなった乳首を捏ね回す。
「あ、んぅ……む……は……」
声をあげたいのに唇はキスで塞がれていて、くぐもった声すらイザークの口の中に吸い込まれてしまう。
熱い手のひらはそのままマリアンヌの白い身体を撫で回し、引き締まったウエスト、そして再び足の間に伸ばされた。
先ほどとは違いキスと愛撫で抵抗ができなくなっていて、力の抜けた太股を割って長い指が愛蜜の溢れる場所に触れる。
「んんっ……や……」
すでに内股まで溢れた蜜がイザークの指をしとどに濡らし、指は蜜を絡ませながら閉じた割れ目の上を上下するように撫でさする。
「は、ん……んぅ……」
ヌルヌルとした刺激が怖くて首を振ると唇が自由になり、その代わりに熱い唇はぱっくりと赤く染まった耳朶を咥え込む。
「ほら、膝を立てろ」
そう囁かれたが、そんなはしたないことはできない。そんなことをしたら濡れた場所がイザークの目に晒されてしまう。
すると内股に手がかかり片足を折り曲げるようにして抱え上げられる。慌てて閉じようとするよりも早くイザークの長い足を挟み込まされ、無理矢理足を開かされてしまった。
「いや……こんな……っ」
「大丈夫だ。誰も見ていない」
そういう問題ではないのだ。 -
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