書籍紹介
見捨てられた王女は冷酷王子に拾われました!?~幸せ婚前恋~
見捨てられた王女は冷酷王子に拾われました!?~幸せ婚前恋~
ISBN:978-4-596-70983-7
ページ数:306
発売日:2022年7月15日
定価:650円+税
  • あらすじ

    逃がさない。どこにも行くな 行き場を失った不幸な王女。執着溺愛系の王子に囲われて!?

    「俺の妻となり、生きていくしか道はないぞ」反乱から逃げてきたダリアは想い人のフェリックスに助けられる。冷たい眼差しの彼だけどベッドでは優しく、甘くトロトロにさせられて淫らな啼き声が止まらない。口には出してくれないけれど、愛されてると感じるのは気のせい? だけど、フェリックスがダリアを妻にするのには隠された理由があって!?

  • キャラクター紹介
    • ダリア
      日陰の王女。祖国が滅び、行き場を失う。幼い頃に会ったフェリックスを慕う。

    • フェリックス
      ルブルム王国の王太子。優しい青年だったが、ある経験のせいで冷酷な人間に。

  • 試し読み

    世話係もまだ戻っていなかった。
     そのことを告げると「ここには察しの良い人間しかいない」と、フェリックスが髪を梳いてきて、耳元で囁いた。
     世話係は別室へ戻ったということなのか。察せられたと思うと、それはそれで恥ずかしいものだ。
    (どうしよう、いいのかな。どうしよう)
     キスをされたことで、頭がぽうっとしていた。だが理性が、完全に消えているわけではない。
    「ん、ぅ」
     悩んでいると、再び部屋の中心でキスをされた。
     何度も何度も、啄むように。
     濡れた音が混じるようになるまで時間はかからなかった。
    「はぁ、あ……っ」
     熱い吐息がこぼれ落ちる。
     それはフェリックスも同じで、その息が半分開いた唇から入り込んでくる。
    「あの、やっぱりちゃんと聞かせてください」
     もう一度キスをしようと顔を寄せてきたフェリックスに、ダリアは告げた。
    「私を妻にする、というのは……本心、なんですか?」
     フェリックスがピタッと、唇を寄せるのをやめた。
    「言わなくてはわからない、か」
     だが顔を引くでもなく、そのまま吐息がかかる距離で訊ねてきた。
     きちんと教えてほしい。
     やはりまだ理由を探している。
     どうしてここまでしてくれるのか。どうして、求めてくれているのか。
    (違う。理由が欲しいんじゃなくて)
     ダリアは間近に迫った黒曜石の瞳を、その力強さと揺れる熱に一瞬だけ視線を逸らしたくなったものの、眼を細めて見つめながら続けた。
    「教えていただけると、嬉しいです。だって、こういうのは心が大事だから」
     聞きたい。
     フェリックスの声で、言ってほしいのだ。
     欲しいのは理由よりも、心だ。
     きゅっと、ダリアは唇を結んだ。
     すると、フェリックスは眉を僅かに寄せて、黒い眼を細めた。
    「君は俺の支えだった」
     その一言は、小さい声で、しかしダリアにははっきりと聞こえた。
    「あの日からずっと。母のために花を摘む優しくも気高い王女の君が」
     フェリックスの腕が背中へと回されて、ぎゅ、と抱きしめられる。
     彼は、唇や手は冷たいのに、胸は熱い。布越しでもわかるほどに。燃える何かを抱いているかのようで、ダリアはドキドキして止まらない。
    「王女とか関係なくて……は、母に元気になってほしくて。だから、そんな優しいというわけではありません……」
     むしろそれは、我儘だ。優しいと評価される行為ならば、乳母や侍女達が咎めるはずがないのだから。
     王女らしくない。今は認められていなくても、いずれ公の場に出ることになった時に困るのはダリア自身だ、と。
     そして父に見捨てられている事実に思い至り、乳母達はいっそう悲しんでしまう。
     それでもなお、花を求めて外へ出ようとしたのは、母が微笑んでくれるから。少しでも心の安らぎになることを、娘である自分がしてやりたかった。
    (ああ、やっぱり私……ただの我儘な女なんだ)
     胸が苦しい。
     母のためとは建前で、本当は──自分が外に出たかったからなのではないか。
    「王族の人間が、そんな優しさを見せれば、普通はつけ入られる」
     フェリックスの表情は見えない。彼が抱擁を解かないからだ。しかし耳元ではっきりと言われて、ダリアは胸に痛みが生じた。
     ぎゅっと、彼の背中に縋るように、爪を立ててしまった。
    「とても危ない行為だが、君は物怖じしない。優しさを見せることも、懸命な姿を見せることも」
     だがフェリックスは、咎めてこない。むしろ彼の方も、ダリアを抱きしめる腕の力をいっそう強くした。少しばかり息苦しいぐらいだった。
    「……そんな君に、俺はだんだん憧れを強くしていった」
    「憧れ……?」
    「ああ。心の拠り所になったんだ。君がいなければ、今の俺はいない」
     どうして、あの日、母のためにしたことが、この人の拠り所になったのだろう。
     じわりと、涙が浮かぶ。
     しかし悲しいからではない。温かいものが、いや熱いものが、だんだん溢れてくる。
    「どうしたんだ」
    「私が誰かの憧れや心の拠り所になるなんて、想像したことがなかったんです。信じられない」
     いつだって、誰かの重荷でしかなかったのに。
     ああはなりたくない、なんて悲しい存在なのだと、そう思われ続けて生きるしかないと思っていた。
    「君は、君の思う以上に、周りに温かい影響を与えている。もっと自分を信じていい」
     その言葉を受け止める資格があるのか。
     何も返せないのに。ただただ守られているだけなのに。その上で、頼みごとばかりをしている。
     フェリックスの方こそ優しい。
     どうして変わってしまったと思ったのか。この人は、八年前に出逢ったあの時と、きっと何も変わっていない。
     変わったと感じてしまったのは、何かがこの人の優しさを曇らせているからだ。
     その何かを、知りたい。
    「あ……」
     抱きしめられたまま、首筋に唇を落とされる。ちゅ、と音を立てて吸われた。
     腰が、なぜか痺れるようにふらつく。腕の中にいる限りは倒れることはないだろうが、立っているのが辛くなってくる。
    「……寝台へ行こう」
    「は、……はい」
     答えた直後、身体がふわりと浮いてダリアは「ひゃあ!」と叫んだ。
     フェリックスに軽々と横抱きにされて、あっという間にベッドへと運ばれてしまった。
     仰向けに寝かせられ、組み敷かれる。いつもよりも、ベッドが深く沈むのは、フェリックスの分の重みが加わったからだ。
     はぁ、はぁ、と、見つめ合っているだけで呼吸が浅くなっていく。
     自分の胸がいつもよりも上下しているのが見えて、顔が熱い。
    「んっ」
     顔が近づいてきて、唇を重ねる。
     フェリックスの逞しい背に腕を回して、縋るようにダリアは抱きつく。
    「ふ、あ、んん」
     ちゅ、ちゅ、と音を立てて何度もキスを繰り返す。
     舌先で軽く歯を舐められて、ダリアは反射的に唇を開けた。そこへ、熱い舌がぬるりと滑り込んできた。
    「あ、ぅう、んん、ふぅ、あ……」
     唾液が混ざり合う。溜め込んでいられなくて、こくりと飲む。
    (溺れそう……)
     鼻からできるだけ空気を吸っても、身体が火照っていくと通りが悪くなる。唇と唇の間から取り込もうとすると、タイミングを誤るとむせそうだった。
     しかし、それでも口づけを続けていたい。
     少しずつ、フェリックスと交わっていく。
     そんな心地がした。
    「ん……」
     フェリックスの指先が、うなじに滑り込む。首の後ろ側に結んでいる寝間着のリボンが、しゅるりと解かれた。
    「あっ……あの」
    「恥ずかしがらなくていい」
     ちゅ、と、フェリックスがこめかみにキスをした。幼い子どもに、怖くないよとあやすような口づけだった。
     リボンを解かれると、デコルテの締めつけがなくなった。
     フェリックスの細い指が、つうっと首筋をなぞる。くすぐったくて、ピクッとダリアは震えた。
     その指が、軽く襟元を引っかけて下ろしただけで、ぽろりと乳房がまろび出た。
     ダリアの胸は椀型で、張りがある。ピンクの乳首の頂きがぷくりと膨れているのがちらりと見えて、ダリアは顔をそむけた。
    「綺麗だ」
     ため息交じりの声が聞こえてきた。
    「や、いや、あの……恥ずかしい、ので、あまり……仰らないで」
    「なぜだ。美しいものを美しいと、素直に言っただけだ」
     フェリックスの視線が突き刺さる。ダリアからはそれが見えていなくても、彼がじっと見つめているのがわかってしまう。
    「んんぅ……っ」
     フェリックスの手が、膨らみをゆっくりと押し上げる。体温がほんの少しだけ低い指先が、乳輪の端を軽く弾いて、ダリアは身を捩らせた。
    「ああっ!」
     その反応に気を良くしたのか、きゅむっと、乳首を摘ままれた。
     男性に乳房を見られるのも、触れられるのも初めてだ。少し怖い。しかし一方で、もっと触れてほしくなる。
     むにゅ、むにゅと、フェリックスの手が柔らかな乳房を揉む。
    「あ、ああ……っ、ん」
    「俺の手に、君の肌が吸いついて……離してくれない」
    「そ、んな、こと……」
    「ない、なんて言わないでくれ」
     揉まれている間もキスをされて、緊張がだんだん解けていく。
     くりくりと小粒を指の腹で潰されては、また軽く引っ張られて、ダリアはくらくらとした。
     下着に隠れた場所が、切なくなってくる。
     未知の感覚だった。
    「や、ああ、んっん」
     フェリックスが、唇だけでなく、首や鎖骨にもキスを落としていく。強く吸われて、そちらに神経がいくと、今度は胸をぎゅっと寄せられてその柔い圧にダリアは悶えた。
    「本当に綺麗だ。可愛いよ、ダリア」
    「フェリックス、様、ああっ!」
     顔の位置をだんだんと下へずらしていったフェリックスが、すっかり勃った乳首をちゅっと吸って、ダリアはひときわ高い嬌声をあげた。
    「やっ、ああっ、あ、はあぁ……っ!」
     ちゅ、ちゅ、と、わざとらしく音を立てられて、そのせいで耳の中まで甘やかに支配されているような心地になる。
     吸ったところで乳の出ない乙女の胸を、フェリックスのような美しい青年が懸命に吸っている。
     愛撫のためだけの行為だ。
     その光景を目の当たりにして、ダリアは、腹の奥底がきゅうっとした。
     黒い髪に指を埋めるようにして、ダリアはフェリックスの頭をきゅっと抱きしめた。
    「はああっ、あっ、ん!」
     ちゅうちゅうと吸っていたと思ったら、軽く歯を立てられて、ダリアはびくっと腰を一瞬だけ浮かせた。
     脚が、開いてしまう。
     気づいて閉じようとしたが、覆い被さっていたフェリックスが片脚を間に入れてしまった。
    「あ、ぅ」
     乳房を弄んでいたフェリックスの右手が、いつの間にかすっと離れて、腰の辺りに触れた。布越しにその手はくすぐるような動きをして、ダリアは首を横に振った。
    「ひあ、ああ、ひぅ」
     太腿をさすられ、全身がもう敏感になってしまってダリアはいっぱいいっぱいだった。
    「ダリア……」
     名前を囁かれる。ぼうっとして返事をできないでいると、フェリックスの右手が寝間着の裾から入り込み、今度は直に太腿に触れた。
    「ひゃあっ、な、なにを……!」
    「一つになりたい」

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