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あらすじ
俺以外のどこに嫁ぐと言うんだ
悪役令嬢は王太子とコンナコトもアンナコトもできないはずだけど――!?婚約者の王太子クラウディオが別の女性と逢い引きしているのを目撃したシャルロットは、ショックで自分が悪役令嬢に転生していたことを思い出す。ならばと自分から婚約解消を申し出るが、彼から蕩けるようにキスされ情熱的に肌に触れられると、甘酸っぱい気持ちが込み上げてしまい――。でも自分は悪役令嬢で、彼の運命の相手ではないと悩み……!?
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キャラクター紹介
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シャルロット
公爵令嬢。実は乙女ゲーム世界に転生した悪役令嬢。前世では真面目な会社員。 -
クラウディオ
ユースティース王国王太子。シャルロットに一目惚れしているが素直になれない。
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試し読み
「で、殿下っ、こんなこといけません。私たちの婚約をせっかく白紙にできるのに――」
慌てて振った手は、あっさり頭の左右にねじ伏せられた。
「白紙にするつもりはない」
彼の顔が迫って唇を奪われた。
口づけはやや強引だった。柔らかなものが差し込まれ、唇を割り開いて舌が押し込まれたが、やはり不快感がなかった。
「んぅ、ふぁ……っ」
キスは、気持ちよかった。彼はシャルロットの反応を探りながら、敏感な部分をくすぐってくる。
前世の記憶を思い出す前、結婚したらするかもしれないと想像していた彼とのキス。
もっと強引で気遣いがないものを思い浮かべていたのに、全然違った。
それは怖いくらいによかった。いけないとは分かっていても口が開き、彼の舌を受け入れてしまう。
(だめ、だめ……)
キスをしながら、彼の手がドレスを乱していく。
頭の中で何度も言ってみるが、身体をまさぐる手に甘酸っぱい気持ちが身体の奥から込み上げて、本気で突っぱねることもできない。
アルコールでふわふわとした感覚、それに加えて気持ちいいキスの組み合わせは最強だった。身体の緊張まで蕩かされていく感じがした。
「んんぅっ」
コルセットごと外され、肌着越しに乳房を包み込まれた。
すると続いてクラウディオは、シャルロットの首筋に吸いついてきた。
「あっ、あ……っ」
首を舐められながら胸を上下に揺らされ、淫らな気持ちが下腹部からぐぅっと込み上げてきた。
「初心なのに、君は男を惑わせる才もあるようだ」
「そ、そんなの、ありません、あっ」
「今自分がどんな顔をしているのか分かっていないんだ。ここも、欲しがって俺にあててくるぞ」
唐突に彼に腰を押しつけられて驚く。
その時になってシャルロットは、クラウディオがいつの間にか自分の足の間に身体を押し込んでいることに気づいた。
彼のズボンは、男性の興奮を示して中で膨らんできていることを教えていた。
それから自分の足は開き、その腰を彼の身体にあてようと揺れていた。
「……あっ」
令嬢教育でも教えられたその中心部が、強く疼いているのだ。
シャルロットは今になって『あててくるぞ』と言った彼の言葉の意味を知り、かぁっと顔を赤らめた。
(でも、そんな、どうしよう)
そこは、シャルロットがこれまで感じたことがないほど熱く疼いていた。
恥ずかしいから止めてしまいたいのに、揉まれる胸に反応して、ひくんっと腰が浮いては男の腰にこすりつけている。
「わ、私、こんな……っ」
「大丈夫だ。アルコールが回っているせいだろう」
頭に、柔らかな何かを押しつけられた。
屈められた彼の身体、頭から離れていった彼の顔――クラウディオが、シャルロットの頭にキスをしたのだ。
そう理解するのに間が開いてしまったのは、彼のイメージになかったからだ。
「君はかなり酒に弱いらしいな。それなら一度イッて、少し楽になるか」
「えっ?」
唐突に、彼のズボンの膨らみがぎゅっと押し当てられた。
胸の愛撫が強まると同時に、彼の下半身が動かされて疼く中心部を上下にこすりつけられる。
「だ、だめです殿下っ、あ……!」
ぞくぞくとした快感が、身体の中心から起こった。
こすられるごとに中の熱が増した。切ない感じが強まり、ドレスの厚みに負けないくらいの力で、もっと強くこすりつけて欲しいと思ってしまう。
「あぁっ、あ、殿下っ」
シャルロットは身をくねらせるのを止められない自分に戸惑った。
彼の苦しいような声が首のあたりからした。
「君はっ――敏感すぎるだろう」
彼が胸を握り、さらに身体を強く揺らしながら噛みつくみたいに肌へ吸いついた。
「ぁぅ、ああ、ごめんなさい……ン、いやらしい、ですよね」
甘ったるい声をもらす自分の唇を噛んだ。
するとクラウディオがはっとして、親指でシャルロットの口をこじ開けた。
「傷になる、噛むな」
戸惑い見つめ返したシャルロットは、その言葉に胸がきゅんっとした。
「言い方がまずかった。男は、――そういうものは嬉しいものだ」
「うれ、しい……? 嫌に思われたり、本当にしていませんか?」
「嫌に思うものか」
こちらを見据えている彼の青い目には、確かに不快感はなさそうだった。それどころか劣情の熱を見て彼女はどきどきしてきた。
こんなに真っすぐ彼と目を合わせているのは、初めてだった。
「ごちゃごちゃと考えなくていい。アルコールできついのだろう。それなら、今はまずイくといい」
彼が唇を重ねてきた。口を開けていろと言わんばかりの優しいキスだった。
噛ませないようにだろうと察した途端、シャルロットはきゅんとした。
彼の腰が上下に動いてこすられる。胸の愛撫も再開されて、一気に官能へと引きずり込まれた。
(あっ、あ、だめ)
クラウディオにされてしまうなんて、だめだ。
けれど腰を逃がそうにも、上から彼が押しつけているので無理だった。
ひくひくっと疼く感覚が強まる。こすれるズボンの固い縫い目の部分が引っ掻いていく感触も快感になる。
快楽が大きな波となって、徐々に押し寄せてくるのが分かった。
離してと訴えて、キスを続ける彼のシャツの背を引っ張る。
「シャルロットっ」
彼に名前を呼ばれた瞬間、胸に熱く込み上げるものがあった。
手から力が抜ける。クラウディオが途端にシャルロットのドレスを引きずり下ろし、直に乳房を触った。
「んんっ、ン……ふぁっ……あ、んぅ」
羞恥で肌がもっと敏感になっている。
直接乳首をこりこりと刺激されるのも、気持ちがいい。
「んんぅっ」
ドレスに手を差し込まれて、肌の上も探られる。衣服を腰まで下げられて下腹部まで彼は撫でてきた。
びくびくっと身体がはねたら、不意に尻を掴んで持ち上げられた。
彼が膝立ちをしてシャルロットの足のつけ根を自分の腰に強く押しつけ、先程よりも強くこする。
(だめ、だめ、こんなこといけないのに――……)
起こるはずがないと思っていた、まさに夜伽だ。
しかも本来はシャルロットが〝奉仕〟すべきなのに、クラウディオがわざわざ導いて快感を高めてくれている。
心を通わせたいと、前世の記憶を思い出すまで願っていた、相手。
シャルロットはだめな状況なのに、嬉しくなってしまっている自分を感じた。
(この、くらくらするような快感のせい?)
押しつけ合っている布が、湿る感触があった。
くちゃ、ちゅく、と聞こえるのはキスだけではない。じゅっと濡れる感覚と共に疼きが強烈になって、中心部が熱く収縮を繰り返すのをシャルロットは感じた。
「んんっ、んっ――んんんうぅ!」
気持ちよさが頂点に届いて、奥で弾けるような感覚があった。
たまらずキスが止まってしまうと、クラウディオは『噛むな』というように唇を強く押しつけ、腰を密着させて止まる。
(ああ……私……イッてしまったんだわ)
圧迫感の中、自分のそこが脈動しているのが分かった。
クラウディオが優しくキスをし、そっと唇を離す。
初めて達した不安が和らぐのを覚えて、シャルロットは上がった息を繰り返しながら戸惑い、その人を見上げた。
「うまくイけたようで、よかった」
温もりを感じられる声、熱く見つめてくる眼差しに胸が高鳴った。
「初めにしては少々乱暴だったかもしれない。ここが痛くなったりはしなかったか?」
彼の手がスカートの中へと入って、敏感な部分を下着越しに優しく押された。
シャルロットは羞恥に頬を染めた。触れられたことに驚きつつ、それ以上に彼に気遣われている状況に困惑した。
「い、いえ、思ったよりも、その、よかった、です……」
(殿下が優しい……?)
そんなことあるはずがない。
そう思って一時視線をそらすが、彼はじっとシャルロットを見つめていた。まるで本当かどうかちゃんと見極めようとしているみたいだった。
そこに、あるはずのない愛情を感じて胸がどきどきしていく。
「そうか。少し濡れてからするのがいいのかとも思ったが、敏感なことに救われたな」
「そ、そうですね。あんな方法があるのは知りませんでした」
会話が成り立っている彼に、心臓がうるさいほど音を立てている。
それでいてシャルロットは、彼が普通に話しながらそこをゆるやかに撫でてきたのが気になった。次第に集中できなくなってくる。
「……あ、あの、殿下」
「また、感じてきたか?」
「なぜそのようなことを尋ねるのですかっ」
「中をうねらせて、君のここが物欲しそうに動いたからだ」
ここだ、と彼の指が割れ目に添えられる。
「ひぅ……っ」
つう、と濡れた下着越しになぞられるだけで腰がはねた。指で引っ掻かれ、円を描くように上を刺激されるとたまらない気持ちが戻ってくる。
「あ、あ、殿下……もう、止めて……」
「こうして触ってやると、初々しいはずなのにねだって応えてくる」
「応えて、なんか……っ」
彼はシャルロットが好きな加減を探って、じわじわと刺激してくる。
「なら、確かめてみようか」
下着をあっという間に引き抜かれた。羞恥で彼の腕を掴んだが、クラウディオが指をぬるりと中へ進めてきた。
「ひっ、あ……っ」
「ほら、ここもうねって吸いついてくる」
中を探ってくる指の異物感に震える。彼のおかげで痛みはなく、指を動かされるごとにシャルロットは快感でそこが熱を灯してくるのが分かった。
(どうして、優しくするの?)
彼は抱くためにここへ連れ込んだ。そのまま入れることだってできるとは、シャルロットも行為の知識はあるから知っている。
ただ、痛いだけ――。
それがないようクラウディオは準備のため、そうやって触ってくれているのだ。
「んやぁっ」
不意に、くちゅくちゅと浅瀬を刺激されて身体がびくびくっとはねた。
「他のことを考える余裕があったみたいだな」
「ち、ちがっ、んんぅっ」
「いい反応をする。外だけでなく、中も敏感らしい」
指の数が増えて、固く閉じられていた隘路を開かれていく感触に背筋が震えた。
「んぁ……あ……っ、奥にいくの、だめ……やぁ」
「ほぐさないと、余計に痛むぞ」
やはり、彼は痛さを削るためにしてくれているのだ。
「それに君の中は、ねだって俺の指に吸いついてくる」
膣壁をこすられると、奥へ甘い痺れが響いていく感覚はあった。
たぶんこれが……中で感じる快楽なのだとは思う。 -
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