書籍紹介
「好きじゃない」が口癖の超ツンデレ王太子に激甘溺愛されました~本心がわかる薬と思ったら媚薬だなんて!!~
「好きじゃない」が口癖の超ツンデレ王太子に激甘溺愛されました~本心がわかる薬と思ったら媚薬だなんて!!~
ISBN:978-4-596-72513-4
ページ数:322
発売日:2025年2月17日
定価:760円+税
  • あらすじ

    君が、まだまだ足りない
    ツンだった婚約者が……デレデレに豹変!

    婚約者候補なのに王太子ブライアスにツンな態度をとられているアンジュ。彼に“本心がわかる薬”を飲ませるつもりが、実はそれは媚薬!? 以前とは真逆に、彼はアンジュに夢中だと全身全霊で訴えてくる。「優しくするから…」愛しそうに触れられれば、お腹の奥がきゅんっとなって――。嬉しい反面、これは媚薬の作用という疑いを捨てきれず……!?

  • キャラクター紹介
    • アンジュ
      公爵令嬢。ブライアスの本心が知りたかったので間違えて媚薬を飲ませてしまう。

    • ブライアス
      クロイツリフ王国王太子。初恋のアンジュが好きすぎてツンになってしまう。

  • 試し読み

     ブライアスの手がアンジュの顎をつまむ。
    「君が、好きだ」
    「えっ……」
     どきんと胸が高鳴りを上げた時、二人の距離が縮まり、アンジュは柔らかなもので唇を覆われていた。
     キスだと理解するのに、そう時間は必要なかった。
     初めてのことで戸惑っている唇へ、ブライアスは優しく撫でるようなキスを繰り返す。
    「ん……、んっ……」
     緊張して力が入ってしまうと、『大丈夫』と言うみたいにブライアスの唇がアンジュの唇を優しくついばんでくる。
    (どうして、こんなに優しく……)
     胸がどきどきしすぎて、ぎゅっと目を瞑る。
     アンジュはただ、最後にブライアスから『別に好きじゃない』以外の言葉を聞きたいと思っただけだ。
    (それなのに、まさか『好き』と言われるなんて)
     手への挨拶の口付けでさえ躊躇う人が、今、アンジュの唇を味わっている。
     こんなの、それこそ魔法でもない限り現実では起こらない。
    「俺はどうにか理性はたもてる。王族として毒の耐性はつけてあるから」
     ブライアスがそっと離れ、アンジュの顔を手で包んで覗き込んできた。
    「優しくするから、……今は、触れさせてくれ」
     彼の熱い吐息に胸が震えた。近くにあったブライアスのブルーの瞳は、熱に揺れて瑞々しい美しさを宿している。
    (ああ、媚薬のせいだわ)
     令嬢友達から話を聞いて想像していた、男性が女性を求める眼差し。
     きっとブライアスは、アンジュのせいでこぼれた媚薬の匂いを嗅いでからずっと――女性に触れたくてたまらない、のかもしれない。
    「媚薬で苦しいのなら……いい、ですから……」
     彼が媚薬でおかしくなっているのは自分のせいだ。
     このあとどんなことが待っているのかも分からないが、彼が同じように他の女性とこうすることを思い浮かべたら、『嫌』だとも思った。
    「ありがとうアンジュ」
     再び唇を重ねられた。
     感謝された。やはり彼は媚薬がつらいのだろう。再開されたキスは呼吸ができず溺れるのではないかと怖くなるくらい情熱的だった。
    「んっ、ン……ぁ、ん……んっ」
     吸い付くだけでなく、生々しく唇を舐め取られもして、どきどきで手まで震えそうになる。
     すると、つ、と舌先を差し込まれて肩がはねた。
    「大丈夫だから」
     普段聞くことがない優しい声に心が震える。
     アンジュは身体から力を抜くと『媚薬の責任を取るため』と自分に言い聞かせ、顔から火が出そうになりながら口を開けた。
    「アンジュ、――すごく可愛い」
     ぬるりと舌が入ってきた。
    「んぅっ? ん、んん」
     可愛い、という言葉に動揺している間にも、舌が咥内を探ってくる。
     彼の手が胸元を這った。それにも余裕を削られるのに、彼はさらに艶めかしく舌を絡めてくる。
    (気持ち、いい……)
     彼女は震える手で彼のシャツの背を握っていた。
     初めての感触は、次第に官能的な感覚をアンジュに与えた。
     合わせている唇と、彼にまさぐられている身体から甘く痺れるような感覚が広がっていく。
    (こんなことブライアス様としてはだめなのに)
     でも今は、彼とこうしてぎゅっとしていたい――初めてなのに、彼のキスの熱量が増しても怖いとは感じない。
    「あっ、ン」
     ドレスが胸の先端をかすり、ビリッとした快感で身体がはねた。
     ブライアスがドレスを引き下ろした。ハッとそこを見たアンジュは、彼の前で揺れた乳房と、自分の色付いてぷっくりと膨れた先端に顔がかぁっと赤らむ。
    「あ、あのっ」
    「気にしなくていい、俺がそう仕向けたから。君はここも敏感らしい」
     大きな手がアンジュの胸を包み込む。直接に握られている恥ずかしさを感じた直後には、アンジュは揉まれてぞくぞくと甘い心地を覚えた。
     右から左からいやらしく乳房の形を変えられていく。
     その感触に、お腹の奥がきゅっと甘く絞めつけられる感じがする。
    「あんっ」
     彼が、ぎゅっと掴み、右胸の上のまろやかな曲線に吸い付いた。
    「あ、あ、ブライアス様、だめ……」
     同時に先端を刺激され、身体が甘く震えた。
    「だめ? 俺にはよさそうに見える」
     彼の舌が突き出た胸の先端を目指して、つーっと這う。アンジュがどきどきして見守っていると、それが乳首をつつき、乳輪を舌先でなぞった。
    「あっ……あぁ……あ」
     ブライアスにそこを刺激されると、いやらしい気持ちが徐々に這い上がってくるような感覚がして脚の間が痺れだす。
     ブライアスが、乳房の先を咥えた。
    「ああっ……はぁっ、ん……あぁ……っ」
     彼の口の動きによって自分の口から飛び出す、止められないあられもない声が恥ずかしい。アンジュはびくびくっと揺れながら、自分の口元を両手で覆う。
     すると、その手をブライアスが下げさせた。
    「んっ、いったい何を」
    「可愛い顔が見えたほうがいい」
     ふっと笑んだ彼にアンジュは真っ赤になって動揺する。好き、だとか、可愛い、だとかあまりにも現実的ではない。
    (これも媚薬の効果なの?)
     なんだか、ブライアスがやたら甘い気がして胸の高鳴りが止まらない。
     彼が触れてくれて、褒めてくれていることが嬉しかった。
    「脱がせるぞ。少し、腰を上げてくれるか」
    「は、はい……」
     胸を愛撫する彼のエスコートに、つい素直に従ってしまう。
     ブライアスがアンジュのドレスを脱がせた。太腿が見える丈の短いシュミーズ一枚になると、そこからこぼれている白い乳房に触れられている光景が生々しく見えた。
    「んっ……あの、胸に触れすぎでは……」
    「触りたい。今味わわないともったいないだろう」
     アンジュは顔から湯気が出るのではないかと思った。媚薬は恐ろしい効果を発揮しているようだ。
     ブライアスは右胸を唾液でてらてらと光らせると、今度は左胸へと口を移す。
     気のせいか、彼に吸われた先端部分がじんじんしている。
    「あっ」
     彼が片腕でアンジュを少し抱き上げた。もう一つの手が下へ滑り込む感触に、咄嗟に膝を閉じたものの意味がなかった。
     アンジュの太腿によって挟まれた彼の手が、下着を探り当てて柔らかく撫でてくる。
    「あ、あ、だめ……」
     恥ずかしいのに、力はとうに抜けて彼の手なんて拒めない。
     背を抱いている腕に優しさを感じるせいだろうか。
    「そのまま、俺を感じて」
     指に集中して、と言われている気がして素直に従う。
     指が上下に撫で、周囲をじっくりとなぞる。彼の指が動くのを鮮明に感じると、心地よさがお腹の奥を収縮させた。
    「あぁ……あ……やぁっ……」
     キスをしていた時以上の確かな官能的な心地よさが込み上げ、アンジュは背をのけぞらせて身悶えする。
     硬くなりだした花芽をつつかれると、気持ちよさが一気に膨らんだ。
     もっと強く触って欲しい、そんないやらしい気持ちまでして羞恥に瞳が潤む。
    「……ブライアス様、もうだめ……お願い」
    「気持ちよさを怖がらなくていい。君も、これがなんであるのかは知っているだろう?」
     彼が指を強く押し当てる。すると湿り気を帯びた水音が聞こえた。
     それは、感じると溢れてくるもの、だ。
     男性を受け入れるために必要なものだとは教わった。自分にできるだろうかと不安があったのに、そこはブライアスによって濡れている。
    「愛おしいな、まだ何も知らない身体で俺を求めてくれてる」
     ブライアスが不意に下着をずらすと同時に秘裂を広げ、中心部に触れた。
    「あぁっ」
     アンジュは腰から走り抜けた甘い痺れに驚いた。
     彼の指が浅い場所で秘裂をなぞるように上下に動かす。そこがぬるぬると濡れているのが分かった。
     優しく動かされるたびに蜜が増し、次第に内側が悩みがましくうねる。
    「ほら、いい具合に絡みついてくる」
     彼の指が少し差し込まれて、アンジュの入り口を探ってきた。
    「ああ、あ……だめ、これ以上……暴かれたら……」
     彼の指にお腹の奥だけでなく、心がきゅんきゅんする。
     だめだと思った。これはあくまで責任を取るためなのに、彼の指を『愛おしい』と感じている。
    「俺の前ではどれだけ乱れても構わない。愛らしいよ、アンジュ」
     回した片腕でさらにアンジュを引き寄せて、ブライアスが乳房に口付ける。また、そこに花弁のような色がつくのが見えた。
     残された証しにきゅんっとしたと同時に、彼の指が恐ろしく敏感な部分に触れた。
    「ああっ、あぁ……同時はっ……」
     アンジュは背をのけぞらし、腰を揺らした。うねる中を探るように刺激されながら敏感な芽を弄られると、確かな快感がお腹まで突き上げてくる。
     もっと奥に、と自分ではなくなるような欲に怖くなるほどだ。
    「果てが近いのだな。我慢しなくていい」
     胸を口で愛撫しながら、彼が指を抜き差しする。
    (あ、あ、気持ちいい)
     彼に触れられ、腰をがくがくと浮かせて感じている自分のあられもない姿を目に収め、アンジュは羞恥した。
     こんな『気持ちいい』を彼の手で感じてはいけないのに、胸の高鳴りが止まらない。
     彼のために男女の勉強もした。
     想像がつかなかったアンジュは、しかしブライアスが隣に立つと、どきどきするようになった。
     そんな彼が自分の乳房を唾液で濡らし、自分をよくしてくれている。
     そんなの意識しないはずがない。媚薬のせいだと分かるのにきゅんきゅんして、そうしたら気持ちよさがいよいよ高まった。
    「ああっ、あ、何かくる、何か、きちゃう……っ」
     ぞくんっとお腹の奥が甘く震えたアンジュは、怖くなって咄嗟にブライアスへ腕を回した。
    「それが快感で達する感覚だ。そのまま俺に身を委ねて。何も怖くないから」
     彼が片腕で抱き寄せ、顔の横や首に何度もキスをする。
     怖さが抜け落ちていく代わりに、収縮の感覚が短くなった。それを指で感じ取った彼が蜜壺に強く押し込み、中をかき混ぜなからお腹の内側を押す。
     その瞬間、奥で快感が弾けた。
    「あっ――んんんぅっ」
     思わず脚を閉じてブライアスの手を挟む。
     まるで自分から彼の手をそこに入れているみたいだとアンジュは思った。けれど腰がびくびくっと痙攣して、動けない。
    「あ、ぁ……きたのに……中が熱い……」
     何かを締め付けたいと切なく収斂を繰り返している。
     どうして、と思ったアンジュは抱き締めている腕から伝わる彼の温もりに、自分のそこがきゅんきゅんしていることに気付いた。
    (だめ、これは彼の媚薬のことを解決するためであって)

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