書籍紹介
モブ女子でしたが、インテリ若頭の本気の一途愛で磨かれました
モブ女子でしたが、インテリ若頭の本気の一途愛で磨かれました
ISBN:978-4-302-12261-5
ページ数:290
発売日:2026年7月3日
定価:790円+税

イラストちら見せ!

  • あらすじ

    可愛くて、好きで好きで、我慢、できない
    正体を隠した若頭の暴走は止められない!?

    「それは俺の女だ。この店にも女にも手を出すな」地上げ屋に困る日菜子を助けたのは、憧れていた、常連客の恭平。護衛してくれるという彼に急速に距離を縮められ「あなたを抱きたい」と熱っぽく求められて。地味モブキャラの自分にこんな素敵な恋人が!? 舞い上がる日菜子だけど、恭平のことを何も知らないと気がつく。そんな折、彼からの連絡が途絶え!?

  • キャラクター紹介
    • 菊池日菜子(きくち ひなこ)
      祖父から受け継いだ古本屋の店主。地味ダサ女子。恭平に相応しくなりたくて!?

    • 鮫洲恭平(さめず きょうへい)
      文学好きだが実は鮫洲組若頭。日菜子への想いを抑えていたものの、箍が外れ!?

  • 試し読み

    「え……?」
     日菜子はドキリとして、言葉に詰まった。
    「さっき、あなたの生い立ちを聞いていて感じたんです。……日菜子さんはあまり、人に甘えた記憶がないでしょう?」
     考えたこともなかったが、指摘されて過去を思い返すと、確かにそうだった。
    「それは……そうかも、しれません」
     両親が健在で妹がまだ生まれていなかった、はるか昔の幼少期以来、誰かに甘えた記憶は一切ない。
     両親が亡くなったときも、朝から晩まで泣く妹をなんとかなだめ、元気づけるので精いっぱいだった。
     自分の悲しさ苦しさは、布団をかぶって誰にも気づかれないよう泣いて始末した。
     年頃になって服や化粧品のためにアルバイトをしたが、それは自分のものではなく、甘えてくる妹のものを購入するためだ。
     腰が痛い、膝が痛いと嘆きつつ懸命に店番をしていた祖父に、日菜子が何かねだったことは一度もない。
     体調が悪いときも、むしろ誰かがそばにいると気を遣ってしまうので、ひとりで寝ているほうが気楽なくらいだ。
     自分のことは自分でなんとかする。それが当たり前の感覚になっていた。
    「でも、それがどうかしたんですか?」
     小首をかしげて尋ねると、恭平は切なそうな、なんともいえない表情になった。
    「僭越ですが。俺は……あなたに甘えて欲しい」
     意外な言葉に、日菜子はぽかんとしてしまう。
    「恭平さん……?」
    「知り合って、何年も経ってるわけじゃない。名前を知ったのは今日です。だけど俺には……俺にだけは、本音を話してくれませんか」
     話すうちに、恭平の言葉は熱を帯びていく。
    「……でも、甘えろと言われても……」
     胸の鼓動は速くなっている。ものすごく嬉しいという気持ちもある。
     しかしどうすればいいのかよくわからず、とまどってしまうのだ。
     恭平はますます優しい目と、口調になって言う。
    「思っていること……望んでいることを、正直に言ってください。できるだけのことを、俺はやります」
    「……正直に……」
     本当に言っていいのだろうか。迷惑とは思われないだろうか。
     まだ躊躇していた日菜子だったが、真摯な目で見つめられるうちに、恭平のその言葉を信じていい、と感じた。
     きっと恭平ならば本当に、日菜子の恐怖も心細さも、受け止めてくれる気がしたのだ。
    「わ、私……私は……怖いです」
     言ううちに気持ちがこみ上げてきて、鼻の奥がツンと痛くなる。
    「一緒にいて欲しいです。帰らないで欲しい……!」
     思いきって言ってから、困らせていないだろうかと日菜子は心配になった。
     が、恭平は嬉しそうな笑みを見せる。
    「言ってくれて、ありがとうございます。ただ、ひとつ困ったことがあるんですが」
     やっぱり、と日菜子は涙目になる。
    「無理を言うつもりはないんです、ごめんなさい」
    「そうじゃありません」
     恭平は、日菜子の肩を抱いたまま言う。その指先に、わずかに力が入った。
    「俺はこのままあなたと一緒にいて、なにもしないと保証できない」
    「保証?」
     どういう意味だろう、と一瞬日菜子は考えて、すぐに思い至る。
    (なにもしないの反対は、なにかするわけで、なにかって、つまり……そ、そういうことよね?)
     だが、自分などに対して、本当にそんなことを思う男性がいるのだろうか。
     だけどそもそも自分はこの状況を、嫌だとまったく感じていない。
    「ほ、保証しなくて……いいです」
    「日菜子さん?」
     恭平はハッとしたように目を瞠る。
    「それがどういう意味か、わかっていますか?」
    「た、多分、わかってると思います! 恭平さんが、私になにかしてしまうかどうかってことですよね、つまり!」
     お願い、勘違いじゃありませんように! と祈る気持ちで日菜子は言った。
    「私、恭平さんにだったら……なっ、なにをされても、いいです!」
     いやいや、と恭平は焦ったように首を左右に振った。
    「なんてことを言うんですか! 日菜子さんは軽々しく、俺ごときが汚していいような女性じゃない」
    「そ、そんなことないです。私……」
     ここまで言ってしまったのだ。もうどうにでもなれという気持ちで、日菜子は込み上げてくる激情をそのまま言葉にした。
    「恭平さんに、汚して欲しい……!」
     それを聞いた恭平は、ううっ! と胸を押さえ、何か痛みにでも耐えるような、辛そうな顔になった。
     そんなに嫌なのか、と日菜子の心に絶望の影がよぎったのだが。
    「……本気にして、いいんですか」
     うなるような低い声で念を押す恭平に、日菜子はゆっくりとうなずいた。
    「いいです。だって、私、恭平さんを……っ!」
     言い終える前に、力強い腕に思いきり抱き寄せられた。
    「っ、んん……!」
     恭平の唇が、自分の唇を塞いでいる。
    (キス、されてる……!)
     嬉しかった。自分にも男性に求められる魅力があるんだ、と思えたのだが。
    「う……ん、は、んぅ……っ」
     唇の隙間から、濡れた恭平の舌が滑り込んできて、日菜子はとまどう。
    (ここからどうするべきなのか、正解がわからない……っ)
     舌を搦めとられ、口腔を貪られるうちに、頭の中がぼうっとなってくる。
     恭平が長身なので、日菜子はつま先立ちをしている状態なのだが、なぜか腰がふらふらしてきて、足に力が入らなくなっていく。
    「……ん、んん……」
     恭平の身体が熱い。服越しでも、互いの鼓動が速くなっていくのがわかる。
     紅茶に似た恭平のコロンの香りで酔いそうだと日菜子は思った。
     でも胸いっぱいに吸い込みたいくらい、いい香りだ。
    「ん……っ、ん、はあっ、んっ」
     恭平は、時折日菜子に息継ぎをさせるように、くちづける角度を変えてくる。
     きゅう、ときつく舌を吸われると、ジン、と頭の奥が痺れる感じがした。
    (こういうものなの? キスって……こんなに激しいの?)
     唇の端から、唾液が零れるのがわかる。
     恥ずかしさによじった身体に、恭平の手のひらが滑る。
     そして背中に回されていた手が腰に移動し、ニットの中に指先が潜り込んできた。
    「んっ……ん、っあ、駄目……っ」
     日菜子が顔を背けると、その頬にくちづけが落とされた。
    「あ……っ」
     唇が耳たぶに触れると、ぴくっ、と身体が跳ねる。
    「はあ……んっ」
     濡れた舌に耳を嬲られると、ぞくぞくと不思議な感覚が背中を走った。
     恭平は首筋に舌を這わせながら、日菜子のニットをたくし上げていく。
    (嘘、駄目、駄目……っ)
     素肌が空気に触れる無防備な感覚に、日菜子は思わず抵抗した。
    「……怖いですか」
     囁かれて、日菜子は首を左右に振る。
    「そうじゃ、なくて……だ、だって今日、お風呂に入ってなくて……っ」
    「そのままの、日菜子さんが欲しい」
     熱い吐息とともに、甘い声が耳に響いて、日菜子は頭が茹で上がってしまいそうだ、と思った。
     まるで熱があるときのように、呼吸するのもやっとだ。
    「あのっ、でもっ……明るすぎますっ」
     喘ぐように言うと、恭平はすいと視線を巡らせた。
     そしてほんの少し身体をひねって手を伸ばし、蛍光灯の紐をパチンと引っ張る。
    「……これで大丈夫?」
     窓からの外灯の光があるため、真っ暗闇ではないのだが、室内はかなり薄暗くなった。
    「は、はい……」
     少しだけ安心した日菜子の身体を、恭平は誘導するようにして、ゆっくりと壁に押しつけてくる。
    「あ……っ」
     ボトムのジッパーに手がかけられ、日菜子は慌てた。
    「保証しなくても、いいと言いましたよね?」
     それどころか、なにをされてもいいと言ってしまった。
    「でもっ、あの、私……。し、したこと、なくて……」
     成人しているのに男性経験がまったくないのは、珍しいのではないだろうか。
     面倒な女に手を出したと、引かれるかもしれない。
     それでも日菜子がそう言ったのは、上手にできなくてがっかりされるかもしれないと思ったのと、いつもとは別人のように強引な恭平が、少し怖かったからだ。
    「……そうだったんですか。しかし、申し訳ありませんが……止められません」
     恭平は、囁くように言う。
    「できるだけ、優しくします」
     その低い声を聞くうちに、日菜子は全身から力が抜けていくのを感じる。
    「わ、わかりました……」
     抵抗せずにいると、恭平は優しく日菜子の服を脱がせていった。
     緩いジーンズが、すとんと足元に落ちると、今度はするするとニットを脱がしにかかる。
    「っ、あ……や……っ」
     恭平の大きなてのひらは、日菜子の素肌を味わうように滑った。
    「はっ、ああ……っ」
     背中から腰、脇腹を愛撫されて、日菜子は背中を反らせる。
    「っあ! んん……!」
     ブラジャーを押しのけるようにして、恭平の手が下から豊かな乳房を、持ち上げるようにして揉みしだいた。
    (体が、変……! こうされると、こんなふうになっちゃうの……?)
     優しく強くまさぐられると、痛みとは違う甘い感覚が、下腹部からこみ上げてくる。
    「あん……は、ん……っ」
     脚の間に、恭平の腿が割り込んできて、大きく開かされる。
    「やぁ、んっ……!」
     さらには、脚の間にぐりぐりと腿を押しつけられて、日菜子は甘い声を上げてしまった。
     薄暗がりの中、上半身はまだニットを身に着けているものの、ほとんどたくし上げられてしまっているし、ブラジャーから乳房がはみ出してしまっている。
     なんていやらしい格好をしているんだろう、と自覚した瞬間、ますます日菜子は自分の身体が熱を持つのを感じた。
    (ああ、もっと素敵なランジェリーを持っていれば……。それにせめて、シャワーを浴びたい。でも昨日、眠かったけどパスしないで、頑張ってお風呂に入ってよかった……!)
    「……日菜子さん。すごく、綺麗だ……」
     言いながら恭平は、首筋から鎖骨にキスを落としていく。
    「っ……ああ……っ!」
     胸の突起に濡れた舌が絡みついて、日菜子は背をのけ反らせた。
    「あん……っ、はあ……っ」
     右の突起を唇に含まれ、左の乳房を下から上に向かって揉みしだかれる。
     わずかな痛みとともに、これまで知らなかった甘い疼きが、日菜子の下腹部に生まれた。
     そうしながら恭平は、日菜子のニットとブラジャーをすべて外してしまう。
    「んんっ、やっ……ああ、んっ」
     いつの間にか下着が濡れていることに、日菜子は気がついた。
     恥ずかしくて脚を閉じようとするのだが、恭平の脚が邪魔をする。
    「駄目…っ、あっ、あ……」
     かちかちに硬くなってしまっている胸の突起を、舌先で転がされ、日菜子はぎゅっと目を閉じて耐えるしかない。
     けれど、それは決して嫌なのではなく、苦しいほどに感じてしまっていたからだ。
    「やぁ……んっ、は、あっ!」
     いつの間にか下着に恭平の指がかけられて、日菜子はビクッとした。
    「そんな……っ、っあ、ああ!」
     下腹部に滑り込んできた指が、潤んだ場所にそっと触れ、甘い悲鳴を上げてしまう。
    「こんなにして……気持ちいいですか?」
    「はっ……あ、やぁ……っ」

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