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あらすじ
そんな顔をされると、徹底的にかわいがりたくなる
男装がバレたら甘く口説かれました!女性が画家になれない国で弟の名前を借り絵を描いていた伯爵令嬢コリンヌは、ある日王子レオポルドから肖像画を頼まれる。男装して依頼を受けることにした彼女は、レオポルドに気に入られ侍従役もすることに。「ねえ、きみのこと、もっと確かめてもいい?」酔った王子の湯浴みの手伝いの際、女性だとばれ、うっとりした彼に全身を愛撫されてしまい!?
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キャラクター紹介
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コリンヌ
領地経営難に悩む伯爵令嬢。絵を描くのが好き。画家になる夢を諦めきれない。 -
レオポルド
第三王子。公爵位を持つ。美貌で芸術に造詣が深い。
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試し読み
「ねえ、コリンヌ。答えを聞かせて。『はい』か『いいえ』の……どっち?」
彼にすべてを捧げる覚悟があるのか、ないのか。
自分の中で、答えはもう出ている。コリンヌは虫の鳴くような声で「はい」と言った。
「わたし……レオポルド様のことが、好きです」
――わたしだって、レオポルド様がクッキーを貰っていらっしゃるのを見て嫉妬したわ。
自分だけが彼を独占したいと思っている。そんな立場にはないとわかっているのに。
コリンヌの中にある気持ちのすべてはわからずに、レオポルドは幸せそうに相好を崩す。
「コリンヌ……ッ」
切羽詰まったような声で呼びかけられた。性急なくちづけに見舞われる。
押されるようにしてシングルベッドに倒れ込んだ。
ベッドの上なので頭をぶつけたとしても痛くなかっただろう。しかしレオポルドはコリンヌの後頭部に、守るように手をあてがっていた。
彼は悩ましげに息をつき、コリンヌの髪を本来の長さへと変える。真っ白なシーツの上に広がる黒髪を、レオポルドが人差し指で辿っていく。
「普段は隠されているこの艶やかな黒髪も……私のものだ」
そう言うなりレオポルドは黒髪の一房を掬いとってくちづけた。
独占を示唆する言葉と仕草に胸を締めつけられる。
――そんなふうに思ってくださるなんて。
嬉しさで自然と笑みがこぼれる。
レオポルドもまたほほえむと、その唇の形のままコリンヌにくちづけた。
「ん……」
ふたりともが息を漏らす。甘やかなくちづけで身も心も快く痺れる。
「……ふ、っ……」
詰め襟のボタンが外されていく。いまは目を瞑っているので直接それを見たわけではない。感覚でそうだとわかった。
コリンヌは伯爵令嬢だが、着替えはひとりでしていたため、こうして誰かに服を脱がされることに慣れていない。
まして異性に――好きな男性に――そうされるのはとてつもなく恥ずかしかった。
「ふ、ぅ……レオポルド様……」
唇が離れたので呼びかければ、レオポルドは「んん?」と唸るような返事をしながらコリンヌが着ている服の襟を左右に開く。
「侍従服の下には晒だけ?」
「あまり厚みが出てはいけないかと……思いまして……」
「……そうかもしれないけれど、無防備だよ。ほら」
胸に巻いている晒の上端を指でくいっと引っ張られる。
「きゃっ!?」
レオポルドはなおも晒の中に指を入れて言う。
「悪い男にこんなふうに乱されないか……心配だよ」
晒はどんどん緩む。胸が本来の膨らみを取り戻していく。
とうとう晒の隙間から薄桃色の突起が顔を出す。
胸元が乱れたコリンヌを見下ろし、レオポルドは恍惚とした表情で息をつく。
「こんなに扇情的なんだ。理性なんて、保っていられなくなる」
緩んだ晒から垣間見えている胸の蕾をそっと指で押される。
「ひぁっ……!」
ぴりりとしたなにかが手足の先まで駆け抜けた。レオポルドが胸の尖りを押すたびにそれが全身に駆け巡る。
快感なのだと気がつくころには、胸の蕾はふたつとも彼の人差し指であらゆる方向に踊らされていた。
「ふぁ、あっ……あぁ」
これまで発したことのない甘い声が口から出てくる。こらえたいのに、できない。自然と腰が揺れはじめる。
艶めかしく身を捩るコリンヌを見てレオポルドは眉根を寄せる。
「本当に……たまらない」
レオポルドは倒れ込むようにコリンヌの胸に顔を埋める。
「ずっと、こうしたかった。……赤ん坊のマノンが羨ましかった」
胸元で話をされるとくすぐったい。彼が息を吸うのがわかる。
「柔らかくて、いい匂いがする」
全身がかあっと熱くなる。
「きみのすべやかな肌をもっと感じたい。晒はすべて取ってしまうよ」
胸に巻つけていた白い布をするすると引っ張られた。
「あ、あの……う、うぅ……」
晒は彼の手によってどんどん巻き取られていく。胸を守っていたのはその白い布だけなので、あっという間に乳房が露わになる。
彼の言うとおり、ひどく無防備だったといまさら実感した。
侍従服は前が開いているだけで、いまだに袖は通したままだ。男性物の服を着ていながら胸を晒していることが、ひどく背徳的に思えてくる。
レオポルドはコリンヌの乳房を見つめて両手を伸ばす。
「ひゃっ……!」
胸を鷲掴みにされぐにゃぐにゃと揉みしだかれれば、耳まで熱くなってくる。
「……恥ずかしい?」
コリンヌは素直に何度も頷く。そうすれば、恥ずかしいことをやめてもらえるのだと信じて。
「ごめんね。でも、やめてあげられない。恥ずかしそうにしているコリンヌも、すごくかわいい」
言いながら、レオポルドは膨らみの先端をつんっと指で弾いた。
「ふ、ぁあっ」
体がびくりと上下する。コリンヌの反応を愉しむようにレオポルドは執拗に薄桃色の棘を上下に嬲る。
「ここ……硬くなってきた」
低い囁き声に、羞恥心が膨れ上がる。
「ぁ、わ……わたし……ん、んぅっ……」
レオポルドの顔を見ていることができなくなって目を伏せる。
すると彼は胸飾りをつまんだまま、もう片方の手でコリンヌのトラウザーズを引き下げた。
突然のことに驚いていると、レオポルドはコリンヌの下半身を見て呟く。
「下着も……相変わらず男性用をつけているんだね」
「は、はい。ドロワーズですと、フリルが邪魔なので……ぁ、あのっ?」
さも当然のごとくレオポルドが下着を脱がせにかかるので、コリンヌはつい彼の手を掴んでしまう。
「だめだった?」
悪びれたようすもなく彼がほほえむ。
「見たいんだ。きみの秘めやかな箇所も、すべて」
胸の蕾をつまんでいた彼の指に力がこもる。
「それに……ここを私に晒してくれなければ、きみを手に入れられない」
彼の右手に掴まれていた下着が、足先のほうへとずれていく。
「しっかりと繋ぎとめたい。きみがどこにも行かないように。誰にも盗られないように」
「……っ!」
感激してなにも言えずにいると、下着とトラウザーズが靴と一緒に足先から抜けた。
いっそ上着も脱いでしまいたいが、両手で胸や下半身を隠すのに手いっぱいだ。
「隠しきれていないよ? 特にこっちのほうは」
レオポルドはくすりと笑って、胸を隠そうとしているコリンヌの手首に触れる。
親指をコリンヌの手の内側――胸とのあいだ――に挿し入れそのまま薄桃色の棘を擦る。
「んぅ、うう……っ」
「コリンヌは隠すのが上手じゃないみたいだ」
男装のことを言っているのか、それともいまのこの状態を言っているのか、どちらともつかない。
とにかくレオポルドは楽しげだ。
ちゅっ……と、軽く触れるだけのキスを落としてレオポルドはコリンヌの足の付け根へ手を忍ばせる。
「あ、ぁっ……う、そこ……は……」
「ここは?」
続きを促されても、言葉が出てこなかった。
足の付け根の秘めたる箇所を指で辿られれば、なにを言いたかったのかわからなくなる。
羞恥心で頭の中が真っ白になる。いっぽうで、この上ない快さが全身に広がっていく。
レオポルドの指が淫唇を優しく撫で摩る。しだいに指は割れ目の内側へと沈み込んでいく。
「ひぁ、あぁあっ!」
花芯に指が届いた瞬間、それまでの比ではない圧倒的な快楽が湧き起こる。
高い声を上げるのが恥ずかしいはずなのに、止まらなくなる。
「悦いの? コリンヌ」
その問いには答えられない。良いか悪いかといえば明らかに前者だが、それどころではなかった。
「あっ、ぁっ……そんな、ぁ……あぁっ!」
そっとつつかれるだけでも気持ちがよかったのに、指でつまみ上げられて上下左右に揺さぶられている。
身を捩りながら、強すぎる快感を外に逃がそうとするものの、初めての享楽を前にしてうまくできない。
ひどく興奮して息が上がってくる。指が蜜口を掠める。
「ふ、ぁっ……」
ぬめりを帯びた指が花芯のほうへと戻ってくる。素早く擦り立てられている。
「や、あぁっ、あっ……! なにか、おかし……ぃ、あ、あぅうっ……!」
わけがわからなくなるほどのなにかが、駆け上がってくる。
手や足のほんの先端まで熱くなって、体の中でなにかが大きくうねり、そして爆ぜた。
コリンヌは、はあはあと肩で息をする。
「達しているきみも、かわいすぎて……私は、もう」
言葉を切ると、レオポルドは自身のトラウザーズの前を寛げた。
引き下ろされた下穿きから出てきた雄の象徴を目のあたりにしてコリンヌはしばし固まる。
――これは、なに?
男性の裸体画は、淑女だからという理由で見たことはないものの、その箇所に男性器があることくらいはわかっていた。
ただ、こんなにも長大で猛々しく上を向いているものだとは、露ほども知らなかった。
なにもかも麗しいレオポルドには似つかない一物を凝視していると、彼は困ったようにほほえんだ。
「この部分を描いて、とは言わないから……そんなにまじまじと見なくても、いいよ?」
「そっ、えっ……!?」
コリンヌはひどく狼狽する。
――てっきり、男性器も描くものだと!
女性の裸体が描かれた絵は何度か見たことがあった。なにひとつ包み隠さずに描かれていたものだから、レオポルドも完全なる裸体の絵を望んでいるのだと思っていた。
「もしかして、描きたかった?」
恥ずかしそうに、しかしからかうような調子で問われ、頭から湯気が出そうなほど羞恥心を煽られる。
肯定も否定もできずにいると、レオポルドはますます笑みを深めた。
「コリンヌの気持ちは嬉しいけれど……無理、だと思うよ。この状態になってしまったら、一刻も早くきみの中に入りたくてたまらないから」
レオポルドは赤い頬のままコリンヌの両足をそっと開く。
――わたしの中に、入る……。
蜜のようなものが溢れている箇所に、彼の雄大なそれが入る。それが男女の営みなのだと初めてわかる。
――は、入るの!?
「コリンヌは、破瓜が痛むものだと知っている?」
「えっ……?」
きょとんとするコリンヌを見てレオポルドは苦笑した。
「そのようすでは、知らなかったんだね。……やめておく?」
切なそうな眼差しだった。やめてと言えばきっと、留まってくれるのだろう。レオポルドはいつだって優しく、こちらを慮ってくれる。
――でもレオポルド様はさっき……。
「この状態になってしまったら、中に入りたくてたまらない」と言っていた。
――それって、もう我慢がきかないということなのよね?
現にレオポルドはとても辛そうだ。眉根を寄せ、口を半開きにして息をしている。苦悶した表情だというのに情欲に満ちていて、コリンヌは下腹部がドクッと疼くのを感じた。
「あの、わたしは平気……ですから、ええと……。どうぞ、わたしの中に……!」
とんでもない発言をしてしまったのではないか。そう気がついたときには、レオポルドの切っ先は蜜口にあてがわれていた。
「ああ、そんなふうに言うなんて……コリンヌ、だめだよ」
「だ、だめ……でしたか?」
レオポルドはいまにも泣きだしそうな顔になって言葉を絞りだす。
「……いや。だめじゃ、ない」
彼が腰を前へと動かす。逞しい陽根が狭道へと潜り込む。
ほんの少し沈んだだけでは、痛みはなかった。
ただ、圧迫感は凄まじい。彼に押されて体がベッドヘッドのほうへとずれそうになったが、レオポルドが腰元をしっかりと手で支えていたので、ベッドの柵に頭をぶつけるようなことにはならない。
「もっと奥に……進むよ」
優しく、それでいて切羽詰まったような声が耳に心地よかった。
コリンヌは静かに頷く。これ以上、奥があるのか疑問だった。これほど大きな彼のものを、自分はきちんと受け入れられるのだろうかと不安になった、そのとき。
「――……っ!!」 -
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