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あらすじ
大好きだ。君だけをずっと愛してたんだ
王弟公爵との契約婚は甘く淫らで!?没落しかけの実家を支えようと奔走していて婚約破棄されたルシールは、女性関係が派手だと噂の王弟テオドールに契約結婚を持ちかけられ承諾する。「君を誰よりも幸せな女性にしてあげると誓うよ」契約のはずなのに情熱的に愛され大切にされて戸惑うルシール。噂と違い誠実なテオドールに惹かれる彼女だが彼の元婚約者だという女性が挨拶してきて!?
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キャラクター紹介
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ルシール
婚約解消したばかり。幼い弟のため、一緒に支えてくれる入り婿を探している。 -
テオドール
誠実で真面目な王弟。ルシールに契約結婚を持ちかける。
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試し読み
ようやくウエディングドレスから解放され、たっぷりのお湯がためられたバスタブで身を清めたルシールは、真っ白な寝衣を着せられてから夫婦の寝室へと案内される。
いくつかの間接照明とベッドサイドのランプだけが灯った室内は薄暗く、甘い香りが焚きしめられていた。
素足でも歩けそうなほどにふかふかとした絨毯をルームシューズで踏むという罪悪感に怯えながら、大人が数人は余裕で横たわれそうな寝台へと辿り着く。
おそるおそる腰を下ろした寝台は適度な硬さでルシールの身体を受け止めてくれた。
清潔な香りのするリネンの肌触りの良さに、さすがに公爵家だと妙な感心をしていると、部屋の扉がノックされる音が響く。
「……はい!」
驚きと緊張のせいで裏返った声で返事をしてしまう。
恥ずかしいと火照る頬を両手で包んでいると、扉がゆっくりと開き、テオドールが部屋の中へと入ってくる。
白いシャツに柔らかなシルエットのズボンというリラックスした姿で現れたテオドールは、髪を下ろしていることもあり少し幼く見えるから不思議だ。
「またせたかな」
「いえ、私も今来たところなので……」
「そうか」
寝台に座ったままではいたたまれないとルシールはわずかに腰を浮かせる。
だが、あっというまに近くまで来たテオドールの手がそれを押しとどめた。肩に置かれた大きな手は、薄い寝衣ごしでもわかるほどに熱を帯びている。
「逃げないでくれ」
「逃げるなんて、そんな……んっ」
最初のキスよりも少しだけ荒々しく唇が塞がれる。
掴まれた肩を押され、背中から倒れ込むようにベッドに身体を沈ませれば、テオドールがそのまま覆い被さってきた。
肉付きの薄い唇が、まるで許しを請うように何度も口づけを落としてくる。
唇だけではない、頬や額、鼻先や瞼。あらゆる場所を優しく撫でるようなキスは、優しい雨みたいだ。
「本当に君の瞳は綺麗だね」
「そう、ですか?」
「ああ……まるで、雨上がりの夏空のようだ」
うっとりと囁くような声で呟きながら、テオドールの舌がねだるように唇の輪郭を舐めた。
肩に置かれていた手が滑り下りて、寝衣の上からルシールの身体を撫ではじめる。
明確な意志を感じるその動きに、身体の奥からじわりと熱が高まっていくのがわかった。
(ああ、今から私、この人の妻になるのね)
身体を震わせそうなほどに脈打つ心臓の音が、テオドールに聞こえていたらどうしようなんて考えてしまう。
「ルシール、いいかい?」
ここまでずっと強引だったくせに、テオドールの声はまるで希うような切ない色を帯びていた。
返事の代わりに、たくましい背中に手を回し、自分からその頬に唇を押し当てる。
「やさしく、してくださるんでしょう?」
「……ああ」
テオドールの喉がごくりと音を立てた。
荒々しくシャツを脱ぎ捨て現れた肉体は、細身なのにしっかりと鍛え上げられており、無駄な肉ひとつ見あたらない。
うっすらと汗ばんだ肌からは、優しい石けんの香りが立ちのぼっている。
てっきりすぐに脱がされるのかと思ったら、テオドールはまるで壊れものでも扱うような丁寧な手つきで寝衣の上からルシールの身体を撫ではじめた。
肩の形を確かめるように動いた手が二の腕を撫で、手首をゆるりとなぞる。
襟ぐりから除いた鎖骨を指先で辿ったかとおもえば、胸の膨らみを両手で優しく持ち上げられてゆすられた。すでに硬くなりはじめていた胸の先端が、生地にこすれた刺激でぷっくりと勃ちあがっているのがわかってしまう。
「君も期待してくれているようで嬉しいよ」
「やっ……あんっ……!」
寝衣の上から、指先で乳嘴の形を確かめるように撫でられ、ルシールは甘ったるい声を上げた。
それに気を良くしたのか、テオドールの指先がそこを執拗にこすりはじめる。
はっきりと存在を主張する先端の周りをなぞり、指先できゅうっとつまみ上げる。
その度にルシールは艶めいた悲鳴を上げ、身体をよじって刺激から逃げようとするが、覆い被さっているテオドールの身体がそれを許さない。
「ひっ、あ……あっ……んん……っ」
手のひらで胸を転がすように撫でられると、お腹の奥がずんと重くなる。
じれったくも甘い責めに、ルシールは切なげに腰をくねらせた。
「かわいい……すごく、かわいいよルシール」
「っ……いやぁ、そんなこと、ないっ」
「いいや、君はとてもかわいい。食べてしまいたいくらいだ」
「ひゃあっ!」
ぱくりと服ごと胸の先端に吸い付かれ、ルシールは思いきり叫んでしまう。
唾液で濡れた布が硬くしこった乳嘴にはりつく。
熱くぬめった舌がべろべろと舐めまわし、時折吸い上げてくる感覚に身体がしびれた。
「ふふ……濡れて透けているね。すごくいやらしい」
「やだぁ……」
いつまでも脱がそうとせず、服の上から執拗にあちこちを撫でたり舐めたりを繰り返すテオドールの愛撫に、ルシールは半泣きで喘ぐことしかできない。
(これって普通なの?)
閨ごとの知識は最低限しか持ち合わせていないルシールは、この状況をどう受け止めてよいかわからず困惑していた。
(裸でするものって聞いた記憶があるんだけど……)
それともこれはテオドールの趣味なのだろうか。
「んっ、んぅ、テオ……様……も、やぁ」
喘ぎすぎてうまく舌が働かず、媚びるような呼び方になってしまった。
胸に吸い付いていたテオドールの身体がびくりと揺れ、音がしそうな勢いで顔が上げられる。
「ルシール、今なんと?」
「んんっ?……えと、もう、やっ……って……あの、違うんです、本当に嫌なんじゃ、なくてっ……んっう……」
「それはわかってる。気持ちよくなってくれて嬉しいよ……でも俺が聞きたいのはその前だ」
「あ……テオ、様?」
「いい。すごくいい。ルシール、俺のことは今日からそう呼んでくれ」
「え? あっ、んんっつ!」
噛みつくようにキスをされ、呼吸ごと吸い上げられる。
口の中に熱い舌が入り込んできて、唾液をかき混ぜるように動きながらルシールの舌を絡め取る。
上顎や、歯列の裏側を舌先で辿るように舐めまわされ、ゾクゾクと背中が震えた。
お互いの舌を舐め合うような激しいキスの合間に、テオドールの手が器用にルシールの身体から寝衣を剥ぎ取っていく。
「っあ……」
ようやく唇を解放したテオドールは、繊細なレースで彩られた下着一枚になったルシールの身体をうっとりと見つめ、首筋に顔を埋めるようにして抱きしめてきた。
お互いの素肌が密着するという未知の感覚に、まだ何もされていないというのに艶めいた声が喉から漏れ出てしまう。
「っんぅ」
テオドールは、土砂降りの雨のような勢いで肌に口づけを落としていく。
鎖骨を甘噛みし、先ほどまで散々弄んでいた胸へと辿り着いた唇が、赤く熟れた先端を労るように口づけたあと、今度は直接ぱくりと吸い付いてくる。
「んんんっ……あっ……ああん……」
舌先でちろちろとはじかれながら強く吸い上げられると、目の奥で火花が弾けた。
もう片方も指先でなで回され、摘ままれ、手のひらで転がされる。
信じられないほどの甘いしびれが全身を駆け抜け、ルシールは喉を反らせた。
「やぁつ……も、んんっ……!」
「こんなにおいしいのにやめられないよ……んっ……口と手、どっちでかわいがられるのが好き?」
「ひあっ、そんな、わかんないっ……」
「ふふ。じゃあどっちもだね」
「ああっ……」
ちゅぽん、とわざとらしく音を立てながら唇を離される。
テオドールの唾液でてらてらと濡れた乳首はあまりに卑猥で、ルシールはそこから目が馳せなくなってしまう。
「今度はこっち」
「あっ!? や、あああんっ」
指でなぶられ敏感になっていた方が唇に含まれ、今度は舌で愛撫される。
そうやって両方の胸を散々に愛撫されるルシールは、引き攣れた甘い声を上げながら、テオドールの肩に爪を立てた。
「んっあ……も、だめぇ」
いやいやと首を振れば、瞳に溜まった涙がぽろぽろとこぼれて落ちてしまう。
「泣かないでルシール……ああ、なんてかわいい」
テオドールがこぼれた涙を舌で舐めとりながら、頬や唇に口づけを落としていく。
腰のあたりを撫でていた手が、お腹の上をくるりと撫で、臍の形を確かめるように動きながら、ゆっくりと下着の方へ近づいていく。
「あ」
下着の中に潜り込んできた指が、自分以外誰も触れたことがない場所を探り当てた。
薄い恥毛をかき分け、慎ましく閉じているあわいを指先で辿る。
ぬるりとした感触が伝わってきて、ルシールは再び涙を溢れさせた。
「んっ、あっ……そんな……」
「よかった、濡れてる」
安堵したように笑うテオドールの声に、顔が熱くなるのを感じた。
下着の中で無遠慮に動き回る指先が、割れ目を押し開き、濡れそぼった未熟な花びらをかき分け、蜜口に辿り着く。
「ひあっ……!」
はじめて異物に触れて驚き痙攣する入口をなだめるように、つぷつぷと指先だけを抜き差しされ、ルシールは喉を震わせた。
「やっ、なに……そこ、やっ……」
未知の感覚に腰をよじって逃げとようとするが、テオドールの指は容赦なく身体の中に入り込んでくる。
じっくりと硬い膣壁をほぐすように中に入り込んだ指が、ゆるやかに抽挿をはじめる。最初は違和感が勝っていたのに、だんだんと馴染んでくるのが不思議だった。
「っ、あっ?」
奥まった部分で指を曲げられた瞬間、身体が跳ねてしまう。
「ここがいいところかな?」
「ひっ、やっ、だめ……そこ、いやぁ……」
指先でそこを執拗に押されルシールの声に艶が混じる。
一本だったものが二本に増やされ、溢れた蜜のいやらしい音が響きはじめた。
「ここも触ってあげるね」
「きゃうんっ」
あわいの先端にある小さな粒を親指で押しつぶされる。
「だめぇ、そこ、そこ……やぁっ……」
「女の子はここが一番、気持ちいいんだよ」
「うそっ、そんなっ……! っんん……んっ……!」
いつの間にか下着が抜き取られ、秘所が完全にあらわになっていた。
力が抜けきっているせいで、はしたなく足が開く。
蜜口を指で抉られながら、花芯をつままれると、どうしようもないくらいの切なさが体中を駆け巡った。
身体をくねらせながら喘ぐルシールに身体を寄せたテオドールが、耳たぶに歯を立て、ぬろりと耳孔を舌先で抉る。
「あ、ああ……あっ……やっ、なんか、きちゃう」
「うん。大丈夫だから、身を任せて」
「ひぅ……!!」
熱い吐息まじりの囁きにとどめをさされ、ルシールは甲高く叫びながら身体を跳ねさせた。
全身から汗が噴き出し、頭の中が真っ白になる。
「あ……あ……んっ……」
「よかった。イケたんだね」
「イ……?」
ぼんやりとテオドールに視線を向ければ、労るような口づけが与えられた。
唇を何度も啄まれながら、優しく抱きしめられる。
心地よい倦怠感と浮遊感に包まれ、そのままうとうとしかけるルシールだったが、下半身に何か熱くて硬いものが押し当てられていることに気がつき、目を開けた。
「今度は俺の番だ」
「……!」
涙の膜がはった視界が捉えたのは、ズボンを脱ぎ捨てたテオドールの裸体だった。
その中央には、お腹につきそうなほどに反り返った雄槍が存在を主張している。
尖った先端に溜まった蜜が、つうっと滴りシーツにシミを作った。
「なっ……それ……」
「大丈夫。ゆっくり入れるから」
大丈夫じゃない、と叫ぼうとしたルシールの口をキスで塞ぎながら、テオドールが蜜口に先端を押し当てた。
硬くて熱い切っ先が、ゆっくりと蜜路を押し広げながら入り込んでくる。
「あ、あ、あっ……」 -
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