書籍紹介
婚約者が三日で逃げ出す冷酷公爵に嫁いだら極上の愛され生活が始まりました
婚約者が三日で逃げ出す冷酷公爵に嫁いだら極上の愛され生活が始まりました
ISBN:978-4-596-96319-2
ページ数:290
発売日:2025年5月2日
定価:740円+税

イラストちら見せ!

  • あらすじ

    どうしようもないくらいきみが愛しい
    公爵様の“笑えない呪い”を解いたら溺愛されて!?

    冷酷と噂の公爵レジナルドの元に嫁いだ令嬢アシュレイ。最初は冷遇されるが実家で虐待されていた彼女にはむしろ厚待遇。それらは花嫁を試すためでレジナルドは優しい人だった。彼は“笑えない呪い”をかけられていたのだ。何とか呪いを解こうとするアシュレイに彼は「きみは私の救いの女神だ」と甘く迫る。情熱的な夜を過ごして結ばれた二人は!?

  • キャラクター紹介
    • アシュレイ
      広大な領地で薬草を栽培している伯爵令嬢。義妹と折り合いが悪い。

    • レジナルド
      冷酷で、婚約者が三日で逃げると噂の公爵。

  • 試し読み

    「アシュレイ……!」
    呼びかけと同時にぎゅっと抱きしめられた。
    突然のことに驚いて涙が引っ込む。彼の胸は広く、温かい。
    ううん、熱いくらい。
    炙られたように全身が火照る。そのせいか、息がままならない。深呼吸をしているところへ、彼の声が響く。
    「ありがとう。愛している」
    耳元で紡がれた言葉の意味を、すぐには理解できずに固まる。
    深呼吸していたはずが、気がつけば息を止めてしまっていた。
    わたしはそっと上を向いた。何度も瞬きをして、彼の顔を凝視する。
    極上のほほえみを目の当たりにして、声が出せない。
    愛していると、おっしゃった。
    わたしは、彼に愛されているの?
    時間が経つにつれて実感が湧いてくる。彼がまっすぐに見つめてくれるから、よけいにそうだ。
    「わたし……っ」
    涙が込み上げてきて言葉に詰まる。
    だめ、きちんと伝えたい。わたしの気持ちを、知ってもらいたい。
    「好きです、レジナルド様」
    これは揺るぎない気持ちなのだと伝えるため、はっきりと言いたかったのに、細い声になってしまった。
    レジナルド様はしばらく微動だにせず、瞬きすらしていなかった。
    わたしの声が小さすぎて、彼の耳には届かなかった?
    もう一度、言い直そうとしていると、後頭部を掻き抱かれた。
    それまでよりも、もっとレジナルド様と密着する。
    心臓はもうずっとドキドキと高鳴っている。壊れてしまわないか少し心配になった。
    ごく近い距離で目と目が合う。
    これは、勘違いではない。キスの予感がする。
    「ん……っ」
    熱く柔らかな唇の感触は、挙式のとき以来だ。
    手や足の先がむずむずと疼く。心地がいいのに落ち着かない。
    教会で初めて交わしたキスとは比べものにならないくらい長く唇を合わせている。
    レジナルド様は角度を変えながらわたしの唇を食む。
    「ふう」と、吐息が漏れる。
    気持ちがよくて、どこか甘い。
    どちらからともなく唇が離れた。わたしは深く息をする。
    「……もっと、したい」
    切なげな顔で、レジナルド様が言葉を足す。
    「足りない。全然――」
    先ほどよりも深く唇が重なり合う。
    こんなキスは、知らない。情熱的すぎて夢見心地になる。
    挙式で交わしたときだって幸せな気分になったのに、それよりも上があるなんて、信じられないくらいだ。
    お互いに息遣いが荒い。
    唇だけでなく吐息まで交わっている気がしてくる。
    そっと唇が離れた。名残惜しいと思ってしまう。
    「どんどん、欲張りになる」
    「わ……わたし、も」
    レジナルド様がくすっと笑う。
    「きみも?」
    ああ、だめ。
    彼のほほえみに、胸がきゅんっと締めつけられる。
    もっと見たい。彼の笑顔を見たい。どうしたら、もっと笑ってくださる?
    無意識のうちに、彼の頬に手を伸ばしてしまっていた。
    その手を掴まれ、甲にキスを落とされる。
    「アシュレイの、全部が……欲しい」
    澄みきったアメシストの双眸に、ぽかんとした表情のわたしが映っている。
    わたしの、全部。
    すべてを捧げる覚悟は、もうずいぶん前にしていた。だからわたしは、すぐに頷いた。
    安堵したように、レジナルド様が微笑する。
    彼に手を引かれてベッドへ歩く。
    覚悟は決まっているものの、緊張はする。動きが鈍くなってしまう。
    「きみが辛くなるようなら、やめるから」
    わたしの心情を察したようにレジナルド様が囁いた。
    その優しさが心に染みたからか、体からよけいな力が抜けていく。
    ベッドに着くと、肩と腰に手をあてがわれた。そのまま仰向けに寝転がる。
    わたしを組み敷いて、レジナルド様は切なげに眉根を寄せた。
    「きみは私の――救いの女神だ」
    触れるか触れないかの加減で頬を撫でられるものだからくすぐったい。
    それに、なんだかもどかしい感じがする。
    なにもかも初めてのことだから、わからなくて当然よ。
    焦ってはいけないのだと、自分自身に言い聞かせた。
    そうしているあいだに、レジナルド様がわたしの背に腕をまわした。
    わたしがいま身につけているのは赤紫色のナイトドレスで、背中に小さなボタンがついている。
    レジナルド様はわたしの背中を見もせずに、手探りでボタンを外していく。
    ドレスが緩む。コルセットはつけていない。シュミーズの前ボタンもまた背中のものと同じように手際よく外された。
    どうしよう――もう、恥ずかしくなってきたわ。
    シュミーズも、ドレスと同じように緩んで無防備になる。
    それまでとはなにか異なる胸の高鳴りに襲われる。
    レジナルド様は、わたしの膨らみを見つめて手のひらで覆った。緩んだシュミーズの上から胸を鷲掴みにされる。
    「あ……ぅ」
    感触を確かめるような手つきで膨らみを揉まれる。
    恥ずかしい。けれど、気持ちいい。
    彼の手の中で、胸の先端が尖りはじめる。どうか気がつかないで。シュミーズの内側で乳首が尖っていることは、恥ずかしいから隠しておきたかった。
    ところがレジナルド様は手を止めて、まるで胸の先端を際立たせるかのようにシュミーズを押さえつけた。
    真っ白なシュミーズに、薄桃色がほんのりと透けている。頂を避けるようにしてレジナルド様が胸を掴んでいるから、よけいに際立つ。
    「うう……」
    逃げだしたい気分になったものの、本当にそんなことをしたいわけではない。
    だって、気持ちがいい。ただただ恥ずかしいというだけ。
    「……アシュレイ」
    わたしの心を探っているような呼びかけだった。
    小さく頷けば、レジナルド様はごく真剣な顔つきでわたしのシュミーズを左右に払った。
    ふたつの膨らみが露わになる。それまでの比ではない羞恥心が、どっと押し寄せてくる。
    隠したくなって両手を動かしたのだけれど、それよりも彼の手のほうが早かった。
    シュミーズ越しにされたのと同じように、双乳をぎゅっと手のひらで覆われる。
    「ひ、ぁ」
    薄桃色の頂がますます尖る。あまり見ないでほしいのに、レジナルド様の視線はその尖っている部分に集中している。
    そんなふうに鋭い形になっていると、なんだか必死に「触って」と訴えているように思えてならない。
    そしてその要望どおりに、レジナルド様の指先が尖りの根元を突いた。
    「ふぁ、あっ……!」
    経験したことのない快感が瞬時に湧き起こった。足の付け根がトクッと脈を打つ。
    乳輪の際を二本の指で押されれば、乳首が嬉しそうにゆらゆらと揺らめく。
    そのようすを、レジナルド様が楽しそうに眺めている。
    彼の笑みはまだ見慣れないものだから、凝視してしまう。むしろそのほうが、羞恥心が紛れていいのかもしれない。
    根元を揺さぶられることで硬さが増した乳首を、レジナルド様が思いきりつまみ上げた。
    「あぁ、あっ……んん」
    先ほどから、自分のものとは思えない声ばかりが口から勝手に出てしまう。
    恥ずかしくても、抑えられない。
    硬い乳首はさぞつまみやすいのだろう。くにくにと優しく引っ張られている。
    そうかと思えば、今度は指先でぐにぐにと押し込まれた。
    「や、あぁ……あっ」
    異なる刺激を与えられて、快感が膨れ上がっていく。
    初めてのことなのに、ずっと前からこの快感を知っていたような気がしてくる。
    またもや瞳が潤む。
    嬉しくても、恥ずかしくても、気持ちがよくても涙が出そうになる。
    繰り返し深呼吸をしているものの、息はいっこうに整わない。それどころか荒くなるいっぽうだ。
    興奮しているから。
    レジナルド様に乳首を弄りまわされることが、この上なく気持ちがいいから息が上がる。
    そして、上下しているのは胸だけではない。腰もまた、上へ下へとひとりでにうねる。
    足の付け根の、秘めやかな箇所が疼いてたまらない。
    「かわいい、から……ずっとでも弄っていたくなる」
    急にレジナルド様が呟いた。
    そんなふうに言われると快感が倍増する。悦びが溢れてくる。それは心の中だけでなく、足の付け根もだ。
    わたしの中からなにかが溢れているのがわかる。ドロワーズはきっと濡れている。
    じっとはしていられなくなって、両脚をもじもじと動かした。
    レジナルド様はわたしの顔を見ながら、胸の頂をふたつとも、すりすりと擦っている。
    大きな声で「気持ちいい」と叫びたくなったものの、それではあまりにもはしたないので唇を引き結ぶことで耐えていた。
    「嫌だった?」
    窺わしげな視線を寄越される。その視線すら快楽に繋がる。
    「違い、ます。嫌だなんて……思いません」
    そうして気がつく。いまどう感じているのか、きちんと声に出さなければ誤解させてしまうことに。
    「き……気持ちいい、です」
    言葉にすると、羞恥心が爆発的に膨らんだ。
    同時に快感も大きくなる。レジナルド様が、嬉しそうな笑みを浮かべてわたしの乳首を指で嬲るせいだ。
    凝り固まった胸の蕾は彼の指に嬲りたおされて、見るからに悦んでいる。
    それに、彼が楽しそうにしているとわたしも同じ気持ちになる。
    快楽と喜びが一緒くたに押し寄せてきて、足の付け根の秘めやかな箇所がトクントクンと反応する。
    「んん、ふ……うぅ」
    わたしが唸ると、レジナルド様はなにか察知したように指を止めた。ナイトドレスとシュミーズ、ドロワーズも脱がされて一糸まとわぬ姿になる。
    「あ、ぁ」
    裸になったことで急に心許なくなり、両手で自身を隠す。
    「見せて――アシュレイ」
    とびきり優しい声で言われれば、いくら恥ずかしくても抵抗しようだなんて気はまったく起きない。
    わたしはゆっくりと両手を退けた。
    レジナルド様はわたしの全身を見まわす。頭から足先まで、彼の視線が何度も往復する。
    熱を孕んだ視線に、じりじりと灼かれているような心地になった。
    大きな手のひらが太ももを撫で下ろして、付け根へと近づいていく。
    その箇所に触れられたら、いったいなにが起こるのか。わたしはどうなってしまうのか。
    期待と、ほんの少しの不安が降って湧く。
    長い指の先が、湿り気を帯びた割れ目をつつつ――となぞる。
    「ひあ、あぁ……!」
    ふだんは秘められたその箇所を、そっと指で撫で摩られると、少しの不安なんてすぐに吹き飛ぶ。
    彼の指が与えてくれるのは、快感だけだ。
    レジナルド様は指を緩慢に動かしながら、探るように陰唇を押す。
    小さく小さく押され続けていると、もどかしい気持ちになって、もっとしてほしくなる。
    彼は狙ってそういうふうになさっているのか、あるいは本当にわたしのようすを見ながら探っていらっしゃるのか。
    どちらにしても快楽しかない。
    ぬめりを帯びた指先が、秘めやかな裂け目の中央に届く。
    「あ、ふぁあ、あっ」

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