書籍紹介
監禁城 ~冷たく甘い秘密のキス~
監禁城 ~冷たく甘い秘密のキス~
ISBN:978-4-596-74304-6
ページ:250
発売日:2013年11月2日
定価:本体580円+税
  • あらすじ

    はからずも囚われて、身も心も奪われる、愛縛ロマンス!

    「君は父の愛人だったんだろう?」伝家の宝石を盗んだ咎で、孤児アナベルは古城に監禁されてしまう。本当は無実で処女なのに、美しい伯爵は信じてくれず、目隠しされ媚薬を塗り込めた花びらを一晩中、指一本で淫らにまさぐられた。初めて知る甘い官能と屈折した愉悦を刻まれながら、アナベルは初めて好きになった人に弄ばれて傷ついてゆくが!?

  • キャラクター紹介
    • アナベル

      アナベル
      記憶喪失。親もわからず、愛も知らず、孤独な少女。

    • ギリアン

      ギリアン・スチュワート伯爵
      成功した事業家でもある、謎めいた美貌の貴公子。

  • 試し読み

     ギリアンさまの身体を広げた足で挟むようにして、腰を膝の上に抱え上げられた。薄い茂みを掻き分け、ギリアンさまはわたしの恥ずかしいところを凝視する。
    「お…お願いです、見ないでっ」
    「きみはこんなところも可憐に出来ているんだね、アナベル」
     大人の男性として女の身体を知っているギリアンさまは、わたし自身よりもわたしの身体をどう扱うべきか心得ていた。
    (く、口で……?)
     痛くされはしないが、ぬるりとした感触に平静ではいられなくなる。
    (こんなの、信じられないっ)
     ギリアンさまが美しいお顔をわたしの足の間に埋められるのは、わたしにとっては申し訳ない以上に辛いことだった。
     わたしの思いを知らず、ギリアンさまは忙しなく舌を動かす。
     胸が苦しいほど高鳴り、腰に甘い疼きが込み上げてくる──が、わたしは戸惑ったままだ。掻き立てられる興奮を喜びとして受け取ることは出来ない。
    「お…お願い、やめて…やめて下さい」
     わたしは他にどうしようもなく、胸の上で祈るように両手を握り締める。
    「あぁ、ギリアンさま……!」
     体温が急に上がり、そこが別の生き物のようにヒクヒクと蠢き始めた。
     わたしは自身でそれを止めることが出来ない。腰が不安定に揺れる不安定さに、目に涙が滲んでくる。
    「あ…ん、んっ、いやぁ……」
     辛いはずなのに、わたしの口から漏れ出るのは甘い嬌声だ。
    (どうなっているの、わたし)
     自分の身体がどうなっているか分からない。
     なにかを強く求め、騒いでいる。どうかすると、ギリアンさまの顔に切ないところを押しつけてしまいそうになる。
    (ダメよ、ダメ……わたし、なんてはしたないことを)
     自分を叱りつけようとしたとき、足の間がじわっとさらにぬるんだ。わたしは狼狽え、ついに泣き出した。
     やっとギリアンさまが顔を上げられた。唇を手の甲で拭い、泣きじゃくるわたしに言った──声音は落ち着いていた。
    「アナベル、わたしに言わなければならないことがあるんじゃないのか?」
     しゃくり上げながら、わたしは小さな声で言った。
    「そ…粗相を致しま…──」
    「粗相? あ、あぁ」
     ギリアンさまは笑った。
    「可愛いアナベル、わたしが気に入ったかい?」

     わたしはギリアンさまに腕を回し、彷徨わせた手で彼の全体を捕らえようとした。ごつごつした背骨を指で辿り、腰骨までのカーブを味わった。
     口づけはしばし胸に留まり、つんと立ち上がった突起を標的とした。乳房を手で持ち上げながら、ギリアンさまはその周辺を舌先で丸を描くように舐め、尖らせた唇で吸い上げた。
     胸で受けた小さな甘い痛みは、やはり腰の奥へと繋がっていた。
    「あ、あぁ」
     柔らかな巻き毛に指を絡め、胸の上でその頭を抱きながら、わたしは喘いだ。
    「こ…こんなの、耐えられないわ」
     わたしは囁いた。
     ギリアンさまは足の間にいる。
    「わたしにきみのことを教えておくれ」
    「わ…わからないの」
    「わからないとは?」
     裂け目の前方に座る小さな蕾を指で転がされ、呼吸が跳ねた──口から出かかっていた言葉が霧散した。
    「あっ、あ…あぁああん」
     思考力が落ち、よく分からない浮遊感に翻弄される。
     すでにぐしょぐしょにぬかるんでいるところへ何かが差し込まれ、異物感に瞬間的に正気が戻った。
    (……ここは出口じゃないんだわ)
     刺激で充分に潤っていたせいで、指を受け入れる負担はほとんどなかった。
     しかし、ギリアンさまはすぐに指を手前に戻した。じりじりと入り口付近だけで出し入れし、決定的な刺激を与えまいとする。
     ぴちゃぴちゃと濡れた音がいやに大きく、わたしは耳を塞ぎたくなった。

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