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試し読み
「オレは優しいご主人さまだから安心するがいい。おまえの望む悦びを与えてやる」
「……っ! ぁ、ダメ……っ……」
くびりだしたつぶらな果実に、エリオットの唇が吸いつく。ねっとりと濡れた粘膜に包まれる胸の先が、彼を感じて急速に凝るのがわかった。
「は……ぅ、ゃぁ……っ……」
びくびくと震える腰が、敷布に食い込むつま先が、さらなる逸楽を求めて悶える。ぢゅ、ぢゅぅっと音を立てて乳首を吸いながらも、彼は根本を指の腹でこすり続けた。
――どうしてこんなに感じてしまうの? どうしてエリオットさまだけが、わたしを狂わせてしまうの……?
泣きそうなほどの甘苦しい刺激に、浅い呼吸を繰り返すニーナは、すみれ色の瞳を涙膜で覆って唇を震わせる。
「ああ、嬉しそうにこんなに屹立しているではないか。もっと感じさせてほしいだろう?」
「わたし……そ、そんな……」
きゅぅっときつく根本を押さえられて、彼女は高い声をあげた。
「素直になれ。今のおまえはオレに雇われている身なのだから、主人の問いに真実で答えなくてはいけない」
――素直に……?
快楽と含羞に鎖骨まで薄朱をまとい、ニーナは小さく息を呑む。
彼は紳士だ。婚約前も婚約後も、そして再会してからもニーナを強引に奪ったりしなかった。そのエリオットを疑うなど、もってのほか――。
「き、気持ちい、ぃ……です……。エリオットさまにくちづけられると、胸が、あ、熱くなって……」
体の反応を言葉にするのは難しい。
それでなくとも言えない部分に蜜がたまっている。ニーナは頬を真っ赤に染め、恥じらいながら彼の逞しい腕に指を這わせた。
「くちづけられるだけでいいのか? 舌であやされるのと、指で転がされるのも好きだろう?」
「……す、好き……」
今にも消えそうなか細い声を聞いて、エリオットが嬉しそうに破顔する。
「オレもおまえが感じている顔を見るのが好きだ。ニーナ、見ているのはオレだけだ。何も案ずることはない。オレを感じて、もっと淫らな姿をさらせ」
左右の愛らしい乳首を指でつまみ上げると、彼は心臓の真上にキスを落とした。
「あぁ……っ……!」
左胸のくちづけられた肌が焼けるようにちりちりと熱くなり、指腹で転がされる乳首はひどく充血していっそう屹立する。左右同時にいじられると、腰が浮くのを止められない。
「……は、ぁ……っ、き、気持ち……ぃ……です……。いけないのに……、こんなこと、ダメなのに……」
下着の内側は、すでに糸をひくほど媚蜜で湿っていた。いとけない蜜口はきゅうとすぼまり、深奥から入り口まで何かを求めるように蠕動している。
「いけないというのなら、オレにキスしろ。舌を絡めて、くちづけだけでオレをイカせてみるんだ」
「……ん……っ……」
快楽に溺れた彼女は、すでにまともな思考など手放したあとだった。
胸の先をぴんと引っ張られ、白い喉をのけぞらせながら必死にエリオットの唇を求める。細い指が精悍な顎をとらえ、むしゃぶりつくように唇を押しつけた。
「は……んん……、ん、エリオットさま……ぁ……っ」
痛いほどに尖った乳首をこりこりと捏ねられ、淫靡な水音を立てて彼の舌を吸う。そのたびに、腰の奥泉から粘着質の愛の証蜜が止めどを知らず流れていく。
不意に太腿の付け根に硬く力を蓄えた熱の存在を感じたが、それをこすりつけられるとますます体の芯が痺れるような気がする。男の愛慾をすべらかな肌にあてがわれ、ニーナは狂ったようにエリオットの唇を求めた。
「もっとだ。このくらいでは足りない。もっとおまえを感じさせろ」
ぢゅぅ、ぢゅく、と互いの舌を絡ませあい、敷布が乱れるのもかまわずにふたりはきつく体を寄せる。いつしかエリオットの右手が、ニーナの腰を撫でているのにも彼女は気づかなかった。
「ん……、ん、ん……ぅ……」
足の合間に手を差し入れた彼が、布の上から亀裂をなぞる。ぐっしょりと濡れた下着を弄って、エリオットの指は中央の布の割れ目にたどりついた。
「……っ!? ぁ、待っ……、エリオ……っ、ぁ、あぁっ」
重なる布地を左右にずらし、濡れに濡れた柔肉を指先がじかに撫でる。空気に触れた媚畝はとろとろに蕩け、彼の指を挟み込むと腰の深い部分がきゅんと疼いた。
「このままでは下着どころか敷布まで濡れてしまう。はしたなく愛蜜を漏らす口は、塞いでおかなくてはな」
男を知らない蜜口に、長い指がずくりと突き立った。背骨にそって何かが駆け上る。ニーナは声も出せずに寝台の上で身をのけぞらせた。
「狭くて熱くて、オレの指を食いちぎらんばかりだ。これなら指一本でも塞ぐことができるか。いや……やはり、もう一本……」
「ひ……っ」
上半身を起こして、本格的に彼女の処女襞に焦点を合わせたエリオットが、白い内腿を片手で押さえつける。
「どうした? ますますあふれてきたぞ。もっと奥までかき回してほしいのか?」
「ち、ちが……っ……、ん、んん……っ」
柔襞を指先がかき分け、押し広げるように二本目の指が狭路に突き立った。怯えきった彼女の粘膜が、意思に反してエリオットの指を締めつける。
――いや! これ以上感じたくないのに。
すすり泣きをもらし、ニーナはひくひくと蜜口を震わせた。その弱々しい収斂に合わせ、エリオットが指を進めていく。無垢な隘路いっぱいに彼の中指と薬指が埋め込まれていた。
「かわいそうに。痛い思いはさせたくない。ニーナ、もっと力を抜け」
「で……できな……ぁ……っ」
エリオットの楔を受け入れたわけではなくとも、これで彼女の蜜筒は完全なる純潔ではなくなってしまった。性に対して詳細な知識を持ち合わせないニーナにすれば、これだけでじゅうぶんに自分が汚れた気がするほどだ。
「泣き顔もかわいいが、どうせならオレを欲しがって泣きすがる姿のほうがいい」
二本の指を根本まで突き立てたエリオットが、親指で亀裂の先端から蜜口までを二度三度と往復する。そして、か弱い包皮に包まれた花芽を見つけると、優しく優しく彼女の快楽をむき出しにした。
「……ぃ……っ……、いや、それ、いやぁぁ……っ」
「おまえを悦くしてやるためだ。フ、ここを撫でると膣内がいっそう締まる……」
ぽちりと膨らんだ芽を親指で無でさすり、彼は蜜路を抉る指で抽挿をはじめる。繊細な粘膜がこすられ、ぬちぬちと蜜が隙間から漏れしたたるのがわかった。
「あぁ……っ、ん、んー……っ」
体中の血液が彼の指に吸い寄せられるかのように、ぎゅっと熱が凝縮されていく。もとより狭隘な媚筒は、エリオットの指に吸いつくごとく粘膜を腫らした。
「一度覚えた快楽には抗えないだろう、ニーナ? さあ、ご主人さまがもっとかわいがってやろう」
内部と花芽だけでは飽きたらず、彼は片手で黒髪をかきあげるとニーナの左胸に顔を埋める。やわらかな膨らみに唇を食い込ませるように深く乳首をくわえ込むと、前歯で軽く甘咬みしながら舌で先端を舐っては吸い、唇をすぼめては側面を舐めまわす。
「ゃ……、ダメ、こんな……っ……! エリオットさま……、ご、ご主人、さま……、ダメ……ぇ……っ」 -
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