書籍紹介
狂獅子陛下と猫かぶり姫の、なんてすてきな政略結婚
狂獅子陛下と猫かぶり姫の、なんてすてきな政略結婚
ISBN:978-4-596-41402-1
ページ:306
発売日:2020年10月2日
定価:本体650円+税
  • あらすじ

    婚約破棄されたおてんば姫が政略結婚で元敵国の王に溺愛されて!?

    おてんばで女らしくないと言われ婚約破棄になったイレーネに訪れた、隣国の王フェリクスからの求婚。政略結婚だけれどお淑やかな愛され王妃になろうと奮起するも〝狂獅子〟と恐れられるフェリクスはイレーネの猫かぶりを見抜き誘惑してくる。「さあ素直に私を欲しがりなさい」強面なフェリクスからの想定外の極上溺愛に調子が狂いっぱなしで――!?

  • キャラクター紹介
    • heroine_VBL242

      イレーネ
      シェーンハイトの第一王女。じっとしていれば美人。周りの人を楽しませるのが好き。

    • hero_VBL242

      フェリクス
      ラングラン国王。狂獅子と恐れられる軍人で黄金の髪の美丈夫。

  • 試し読み

    「なあ、イレーネ、どこまでが演技で、どこまでが本音なんだ?」
    ——もうバレてる……!?
    だが、ここで明かしては領土返還ならず。故国三千六百万人の民ために白を切らねばなるまい。
    「え、演技って?」
    顎にあった彼の手が動いたので口を封じられるのかと思ったら、親指の腹で唇をそっとなぞられる。
    「このかわいらしい口でしらばっくれるつもりか? 女性用の横鞍じゃないと〜と、か弱いふりなんかして……相当馬を乗りこなしてきただろう? あの馬は、乗馬が下手な者が乗ったら微動だにしない気難し屋なんだぞ? その馬が伸び伸びと駈足していたのはどういうことかな?」
    イレーネは目をぱちくりとさせた。
    今何が起きているのか、頭の中で整理がつかない。
    ——つまり、乗馬の時点ですでに嫌疑がかけられていて、試された……と?
    国交がないが、いや、ないからこそ、シェーンハイトの王宮に間諜が放たれていて、その筋から得た情報と、ラングランに嫁いできた王女の印象に齟齬があるので、確かめた、ということか。
    ——これ以上、嘘をつき通すのは得策じゃないわ。
    「……騙したつもりはないんです! ただ、新しい自分になりたかっただけなんです!」
    イレーネはベッド上でフェリクスの前にひれ伏した。
    ——もう、領土返還どころじゃないわ!
    イレーネが返還されそうである。
    すると頭上から高笑いが聞こえてきて、イレーネは恐々と顔を上げた。
    すると、フェリクスが笑うのをやめて、何か珍獣でも見るかのようにイレーネをのぞき込んでくる。
    「それも本音かどうか。まあ、いいだろう。嘘をつけなくしてやる」
    イレーネはぎょっとする。拷問でもされるのだろうか。
    「あ、あの私、痛いのはちょっと苦手なんですけど?」
    「その要求だけは受け入れられないな」
    ——やっぱり痛いんだ!
    なんでも吐くから拷問だけは勘弁と思っていたら、フェリクスが、イレーネの腋下を手で支えて、自身に向き合うように座り直させると、獅子のように口を開け、牙を剥いた。胸に噛みついてくる。
    ——ギャー! 痛っ!
    と、心の中で叫んだものの、実のところ、痛みはなかった。フェリクスが噛みちぎったのは糸だった。逆三角形の胸当てと、ガウンをくっつけている糸を噛み切ったのだった。
    もう片側の糸も器用に探しだして歯で切り裂く。
    イレーネは、はーっと安堵の息を吐いた。
    ——ロミーは手で切り裂くって言ってたけど、ちょっとはずれね。
    獣は牙だった。
    フェリクスが真剣な表情をして、大きな手で細い糸を引っ張っている。胸のすぐ近くに彼の顔があった。そんなところで、もぞもぞと作業をされ、イレーネはなんだか変な気持ちになってくる。
    ——何この、ぞわぞわするような感覚……。
    「やっと取れた」
    フェリクスは胸当てをベッドに抛り、イレーネのガウンを左右に剥く。これで上体は下着とコルセットだけになった。腕が外気に触れただけなのに、なぜかイレーネの全身に震えが奔る。
    今度は腰の紐だ。腰にはパニエなど、紐で括りつけているものが多く、結び目は前に後ろにと幾重にもある。
    ——手で引き裂くのって、もしかして……これ!?
    と、思いきや、フェリクスが無言で腰に手を回し、後ろの結び目をほどき、次は前、と彼の手が何度も腰周りを行き来する。そのたびに、彼と密着し、イレーネの体を覆う布地が減っていく。たまに胸のふくらみと胸板が触れ合うこともあった。
    ——どうしよう。
    陶酔にも似た感覚に全身を包まれ、顔どころか体中が熱くなってきて、イレーネは戸惑いを感じていた。
    パニエを外し終えたフェリクスが、こんな感想を言ってくる。
    「腰の左右に大きな鳥籠みたいなのをつけて大変だな」
    イレーネは驚いて見上げる。
    ——そんなふうに思っているの、私だけじゃなかったのね?
    すると、フェリクスもまた、驚いたように目をわずかに見張った。
    しばらく二人は無言で見つめ合う。
    フェリクスが目を瞬かせてから、小さくうなずいた。イレーネの背後に回って、コルセットの背でクロス状に結ばれた紐を下から上へとほどいていく。
    イレーネは、今度は背を駆け上る快感に身を震わせ、少し前に屈んで、自分を片腕で抱きしめるように二の腕を掴むことで耐えた。
    「紐は外れたよ?」
    背後から耳元に息がかかり、イレーネは、その掠れた声に身悶えしてしまう。
    フェリクスに、コルセットを剥ぎ取られ、イレーネは上下一連の白い下着とストッキングだけになった。
    こんな、あられもない姿になってしまい、イレーネは恥ずかしくて上掛けを引っ張り上げ、体を隠した。
    「恥ずかしいのか?」
    「え、ええ……」
    「これは……本音だな」
    ——嘘をつけなくしてやるって……そういうこと?
    そのとき、イレーネの前方に回ったフェリクスが、獲物を見つけたかのように、黄金の瞳をきらめかせた。
    イレーネは押し倒され、下着の裾をめくり上げられる。
    しかもフェリクスが露わになった太ももに噛みついてくる。
    ——ひぇー!
    肌を噛まれるのかと目を瞑ったが、ストッキングを留めるガーターを噛みちぎられただけだった。
    ——って、だけじゃないわ。ガーターをちぎるなんて!
    下手すると大事なところが見えてしまう。イレーネが焦って太ももと太ももをくっつけたところで、ストッキングの履き口に指を突っ込まれ、びくんと脚を跳ねさせてしまう。
    ——何、この感覚……。
    片膝を立ててかしずく騎士のようなポーズで屈むフェリクスが、イレーネの顔をじっと見つめながら、ストッキングをゆっくりと下ろしていく。
    この緩慢な動きはだめだ。またあのぞわぞわとした快感が背を這い上がってくる。
    ——触れられているのは脚なのに……なぜ?
    フェリクスが、もう片方のガーターも噛みちぎり、ストッキングの履き口を膝までずり下げると、片方の脚を持ち上げ、太ももにくちづけてくる。
    「……あっ」
    イレーネはうっかり声を漏らしてしまう。
    「ほら、もう取り繕ろえなくなった」
    得意げな声に、なんと答えたらいいのかわからず、イレーネが口を噤んでいると、ストッキングを剥ぎ取られる。
    自身を締めつけるものが外れて楽になったはずなのに、イレーネは緊張のせいか、ものすごく重労働をしたあとのように、ぐったりとなっていた。
    イレーネがぼうっとしていると、太ももの間にフェリクスの骨ばった指が当たり、「ひゃっ」とイレーネは腰を跳ねさせた。
    ——何、ここ濡れてる……。
    イレーネが驚いて、頭を少し浮かせると、フェリクスがイレーネを見つめながら、ワンピース状の下着に手を突っ込んで、くちゅくちゅと秘所をいじっている。
    「……や、やめて……」
    「やめないよ。だって、ここは嘘をつけない。私を欲しがってる」
    「え? そんなこと……ない……」
    「さあ、素直に私を欲しがりなさい、イレーネ」
    フェリクスが王者の眼差しで見下ろしてきた。彼の指は依然としてイレーネの敏感なところをくすぐっているというのに、不遜な表情のフェリクスは神々しくさえあった。
    「ほ……欲しい……です」
    消え入るような声でそう言うと、なぜかフェリクスの眉が下がる。
    ——ときどき困ったような顔をするの、なんなの?
    困惑していると、フェリクスが唇にかぶりついてきた。口内に肉厚で生温かいものが侵入してくる。
    ——何、これ……変な……感じ。
    口内を舌が這い回るのに任せていたら、イレーネは頭がじんじんと痺れ出す。しかも、フェリクスが上体を倒してきたので、下着越しに、ときどき乳房の先端が、彼のシャツとこすれる。なぜか、気持ちが昂っていく。
    唇が離れると、イレーネは久々に息をしたように、息遣いが激しくなっていた。唇が離れても、鼻が触れるほどの近さにフェリクスの顔がある。
    ——どうして顔を離さないの?
    「……イレーネ……本当にここにいるんだな……」
    そんな当たり前のことをつぶやき、フェリクスが切なげに双眸を細めた。顔の角度を変えて再びくちづけてくる。くちゅくちゅと舌をからめ合わせているうちに、イレーネは気が遠くなっていく。
    ——唇を重ねただけでくらくらするなら、体を重ねたりしたら、どうなっちゃうのかしら……。
    頭の片隅でそんなことを思っていると、フェリクスが顔の位置を下げた。
    イレーネが、はぁはぁと息を整えていると、胸に、温かくてやわらかいものが触れる。
    「あ、ふぁ」
    フェリクスが、下着越しに、乳暈を咥えていた。視覚的には獅子の餌にでもなったような状態だが、イレーネの体内では信じられないような変化が起こっていた。
    強く吸われて下着は濡れ、全身の快楽がきゅっと乳首に集まっていくような奇妙な感覚とともに、下肢が熱くなっていくのだ。
    ——こんなの、聞いてない。
    叔母もロミーもこんな感覚については教えてくれなかった。
    「……ぁ……私……へん……」
    ちゅぱっと音を立てて、フェリクスが胸から唇を離す。
    「変じゃない。とても美しいよ、イレーネ」
    フェリクスがもう一方の胸のふくらみを下着の上から食んできた。
    「んんっ」
    しかも、口内で舌を使って、乳首を転がしながら、空いたほうの濡れた乳首を絹布ごと、くりくりと指でねじってくる。
    「あ……そんな……だめ」
    フェリクスが胸から唇を離した。
    「まだ、嘘つきだな。ここに聞こう」
    イレーネは、フェリクスに膝を掴まれ、びくんと背をしならせた。彼の手がそのまま太ももへとずり下がり、その手が近づくにつれて蜜口が何かを期待するかのようにひくひくと蠢くのが自分でもわかる。
    彼の指が、イレーネの秘所に辿り着いたとき、そこは濡れに濡れていた。
    「ほら……こんなに欲しがってる」
    ここを指でいじられると、イレーネは何も考えられなくなってしまう。痺れるような快楽が全身に伝播していき、悶えることしかできない。
    「あ……ふぁ……」
    「そうだ……そうやって、ありのままで……」
    フェリクスが自身の体の位置を下げ、両手を使って、イレーネの脚を開かせた。
    「あっ」
    蜜を垂らした太ももに冷えた外気が当たり、それもまた快楽になる。イレーネはぎゅっと目を瞑った。
    そのとき、イレーネの秘所を生温かく肉厚なものが這った。
    ——気持ちいい。とてつもなく……。
    この感触には覚えがある。さっき口内を蠢いていた、フェリクスの舌だ——。
    よりによってこんなところを舌で何度も舐め上げられ、理性は抵抗するように命じてくるのだが、このまま快楽に身を委ねたいという欲望には勝てなかった。
    「あ……ぁ……そんなとこ……あっ」
    「気持ちよさそうだな」
    彼の息が濡れた秘所にかかり、イレーネはぶるりと震える。気持ちよすぎて頭がおかしくなりそうだ。自分がどこかに飛んでいってしまうのではないかと、イレーネはシーツを掴んだ。
    フェリクスが舌をイレーネの中にねじ込みながら、片手を伸ばし、その大きな手でイレーネの二つの乳房の先端を指でくすぐってくる。
    「あ……あ」
    蜜口を強く吸われたその瞬間、イレーネはどこかに浮かび上がる。ふわふわとした心地の中、「イレーネ?」というフェリクスの囁きが耳に入るが、どこか別世界のことのようで、イレーネには答えられなかった。
    すると、どさっとベッドに振動が起きる。イレーネの横でフェリクスが仰向けになったのだ。彼の拳がイレーネのほうに伸びてきた。
    ——殺気!
    イレーネは飛び起きて、拳を躱す。
    ——優しいかと思って油断してしまったわ。
    やはりフェリクスは獣、狂った獅子なのだ。
    イレーネが冷や汗を拭ったところで、フェリクスがイレーネの丈長の下着の裾を掴むと、そのまま肩までめくり上げて頭から抜いた。
    いきなり裸になり、イレーネは上掛けを手繰り寄せようと手を伸ばすが、フェリクスに手首を掴まれる。
    「イレーネ、少し痛い目に遭ってもらうよ?」
    ——つ、ついに来た!
    何か本音を吐かせたいという目的が感じられないので、嘘をついたお仕置きといったところか。拷問でないのがせめてもの救いだ。
    怖くてイレーネが固まっていると、フェリクスがイレーネを抱き上げて向かい合い、大腿に座らせる。左右に脚を開かされ、イレーネは慌てて閉じようとするが、閉じるどころかぐっと引き寄せられ、開き放しになった。
    ぎゅっと抱きしめられると、胸のふくらみが彼の胸板に圧迫される。
    ——なんで、こんなことが気持ちいいの?
    さっき、フェリクスに胸の先端をいじられてから敏感になっている。
    「……また、そんな顔をして……」
    「え?」
    彼の手が二人の体の間に入り込み、お腹から下へと這っていく。指先が下生えの中の突起に当たると、そこをくりくりと優しく撫でてくる。
    「……っぁあ」
    ——こんなところに芽みたいなものが……?
    まるで彼に体を改造されてしまったかのようだ。イレーネはシャツに頬を押しつけた。
    「さっきから脚がびくびくしてるよ? それに……」
    フェリクスが話しながら指を谷間に沈ませていく。
    「……こんなに濡らして、私を欲しがっている」
    指を鉤状に曲げて、フェリクスがイレーネの中から蜜をかき出すようにくちゅくちゅと動かしてきた。
    「あ……ふぁ……」

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