イラストちら見せ!
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あらすじ
今夜、君を私のものにしたいんだ
再会した途端、氷の王太子からまさかの求婚!?敵国に送られることになった聖女フィリーネ。出迎えてくれた王太子は、かつて彼が捕虜だったときにフィリーネが助けてあげたレオノールだった。「氷の王太子」と呼ばれる彼から熱を孕んだ瞳を向けられ、突然求婚されて!? そして甘く迫られ彼のものだという印を体につけられてしまう。でも彼の好意は恩義によるものでしかないと思うと切なくて……?
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キャラクター紹介
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フィリーネ
アレンブルグ王国の聖女だったが、力を失ってしまう。 -
レオノール
バルディーク王国の王太子。王立軍の指揮官。
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試し読み
柔らかな掛け布の上にそっと下ろされると、仰向けのフィリーネの上に彼が伸しかかってきた。一回り大きな体格のレオノールにそうされると逃げようがなくて、思わず体を硬くする。
「どうか怖がらないでくれ。この場で抱いたりはしない。ただ、君が私から逃げたり、誰かに奪われたりしないようにしておきたい」
そう言いながら、レオノールは胸元にかかったフィリーネの長い髪を優しくよける。彼の手が項に回り、あっと思ったときには十字架の首飾りを外されていて、血の気が引いた。
「それは」
「ああ、邪魔だから外しただけだ」
ここに置いておくから、と言って、彼が寝台の枕元に首飾りを置く。
ホッとしていると、レオノールがフィリーネの頭の脇に手を突いて身を伏せ、あらわになった首筋に唇を触れさせた。熱い唇で柔らかな肌を辿られる。初めての感触にフィリーネはどうしていいかわからず身を強張らせた。
「ん……っ」
また唇を甘く吸いながら、彼の手がフィリーネの祭服の背中を探る。
「いったい、なにをなさるおつもりなのですか……?」
口付けの合間に訊ねると、レオノールが怯えるフィリーネの目を見つめて答えた。
「言っただろう? 逃げられないようにしたい、と」
ふいに服が緩み、背中の編み上げていたリボンを解かれたのだとわかった。抱かないと言ったはずなのに、どうして、とフィリーネは激しく戸惑う。
「……君の肌は、雪のように真っ白だな。北方の教会からほとんど出ずに暮らしてきたことがよくわかる」
胸の下あたりまで祭服をずらすと、彼の手が下着に包まれたフィリーネの胸の膨らみを撫でた。両手でゆっくりと優しく揉み込むと、下着をそっと引き下ろす。
ぷるんと二つの膨らみがあらわになり、フィリーネは慌てて手でそこを覆った。
真っ白な胸の先端には淡い色の尖りがある。胸をさらけ出したこの格好をレオノールに見られるなんて、羞恥で死んでしまいそうだ。
「は、ハンナが、戻ってきてしまいます……っ」
「大丈夫だ、しばらくは戻ってこない。私が部屋に戻るまでの間、オットーに彼女の相手をするように頼んであるから」
わずかにホッとしたものの、安心している場合ではなかった。
胸を覆った手を上から撫でられ、「隠さないでくれ」と彼にせがまれる。
いたずらをするように、首筋を何度も吸われる。ちゅっ、ちゅ、と小さな音を立てられて、くすぐったさにフィリーネは身を竦める。戯れの最中、気づけばやんわりと手を掴まれてどかされてしまった。
「初々しくて、綺麗な色だ」
ふたたび晒されたフィリーネの胸の膨らみを、彼がまじまじと見つめてくる。感嘆するように言われて、顔から火が出そうになった。しかも、あろうことか、彼の大きな手が二つの膨らみをそっと包み、やんわりと揉み込んでくる。
「ひっ……や、ん……っ」
「蕩けそうに柔らかい……なのに、小さな実が私の掌を押し返してくる」
ため息交じりに言いながら、彼の指がフィリーネの乳首を優しく摘んだ。
「んんっ」
先端の敏感な部分を擦られて、くにくにと弄られ、思わず息を呑む。
両方をそうされると、背筋を甘い痺れが駆け抜けて、どうしてなのか下腹部がずきずきするほど疼いてしまう。
「あっ、や……っ、あ、う……っ」
次第に汗ばみ始めたフィリーネの首筋や頬に、何度も熱っぽい口付けを落としながら、彼は胸を弄る手を止めてはくれない。初めて人目に晒され、男の手で揉まれた二つの膨らみは、うっすらとピンク色に染まっている。淡い色だった乳首も、弄られすぎて濃い色に充血してしまった。
「……私と、婚約してくれるか?」
訊かれても頷けずにいると、彼がふたたびフィリーネの首筋に顔を埋めてきた。
熱い吐息が肌をくすぐり、ちゅっと音を立てて鎖骨の上あたりを吸われる。何度か場所を変えて唇を押しつけられ、甘い刺激にびくびくとフィリーネは肩を震わせた。
顔を上げた彼が、頬にキスをしてから耳元で囁く。
「勝手をしてすまないが、私のものだという印をつけさせてもらった」
(え?)
どういう意味かと視線を彷徨わせて、ハッとして慌てて身を起こす。
先ほど吸われたところが、くっきりと赤く染まっている。
――吸い痕をつけられた。
それは、濃厚な情事の証しにしか見えないものだ。
もしこれを見られたら、誰もが自分は王太子のものになったのだと思い込むだろう。
こんなものをつけなくても、唇を奪われ、胸を暴かれた上に、これほど淫らに弄られてしまった。他の誰かに嫁ぐことなんて、もう考えられないのに。
寝台に座り込んだまま呆然としていると、レオノールの腕の中に引き寄せられ、彼の胸に強く抱き寄せられた。
「どうか、求婚を受け入れてくれ。決して不自由はさせない。偽りや、表向きのつもりもない。バルディーク王国王太子妃として、正式に迎え入れるつもりだ」
「レオノール様、どうか、無礼をお許しくださいませ」
彼の胸元に手を突いて、抱き締める腕から身を離す。
フィリーネが拒む言葉を言いそうな気配を感じ取ったのか、彼が秀麗な眉根を寄せた。
「身を案じてくださる優しいお気遣いには、心から感謝します。わたしなどにはもったいないお話なのですが……あなたと婚約することはできません」
必死に断りの言葉を絞り出す。
レオノールの目を見ることができない。
「聖女の力を失ったわたしは、なに一つ持たない平民です。王太子殿下に相応しい方は他にいるはずです」
「……どうあっても、断るつもりか」
フィリーネは硬い顔でこくりと頷いた。
恩義を返すための婚約なんて、間違っている。
そもそも、彼には他に想い人がいるはずなのだから――。
「では、仕方あるまい」
「え……」
すると、突然膝裏と背中に手を差し込まれて体を持ち上げられ、彼の硬い腿の上に横向きに乗せられた。
彼の手が祭服越しのフィリーネの脚を撫でる。するりと衣服の裾を引き上げられて、あろうことかレオノールの手がその中に差し込まれる。
「レオノール様、だ、駄目です……っ」
慌てて止めようとしたけれど、そのときにはもう彼の手はフィリーネの腿に触れていた。
その手は怯える脚をゆっくりと撫で上げて、下腹に辿り着く。
なにをされるのかわからず身を固くしていると、今度はその指が脚の間に触れて、息を呑む。何度かそっと擦られて初めて、そこがすでにしっとりと濡れていることに気づいた。
どぎまぎしているうち、ふいに布越しに敏感な花芯に優しく触れられて、肩がびくっとなる。
「……ずいぶんと濡れているな。それに、ここが硬くなっている。口付けと、胸に触れられて、こんなに感じたのか……?」
間近からじっと目を覗き込まれて、熱っぽい囁きが耳に吹き込まれた。
婚約を拒んでいるのに、体は彼の行為に過敏に反応してしまっている。これまでは知らずにいた自らの体の淫らさをまざまざと知らされて、フィリーネは泣きたくなった。
「ご、ごめんなさい……」
「なにを謝ることがある? 私の手で君が初めての快感を覚えたのなら、これほど嬉しいことはない」
驚いたように言われて、ぽかんとなる。
おずおずとフィリーネは視線を上げた。
自分ばかりが乱れているように思えていたが、レオノールもまた、普段より目元が赤くなっている。額に汗が滲み、彼も明らかに高揚していることが見て取れる。
「レオノール様も……興奮していらっしゃるのですか……?」
思わずフィリーネは訊ねた。王太子殿下相手に無礼だと頭のどこかで自分を叱咤したが、訊かずにはいられなかったのだ。
「ああ、そうだ。酷く興奮している。こんなに昂ったことはいまだかつてないというくらいに」
彼はフィリーネの髪を撫でながら、率直に答えてくれた。
「こんなに可愛らしくて淫らな君を目にして、昂らないわけがないだろう? 本当は、すべてを脱がせて、体のすみずみまでこの目に焼きつけたい。できることなら、今すぐにでも私のものを受け入れさせたい。そうして、夜が明けるまで存分に可愛がってやりたいという衝動と必死で闘っているほどだ」
想像以上の言葉が返ってきてしまい、顔が燃えるように熱くなる。レオノールは激しく自分を求めているのだ。
訊くべきではなかったと自分の言動を悔い、フィリーネは内心で激しく狼狽えていた。
「……私との閨を想像したか? ああ、今、じんわりとまた、ここから蜜が溢れてきた」
笑みを含んだ声で囁き、彼がまた指をゆっくりと動かす。
くちゅっという音がして、花壺の奥からとろりと蜜が溢れてくるのがわかった。濡れ切ったそこを男の指で弄られている状況に、羞恥でくらくらと眩暈がしそうだ。
戸惑うフィリーネに構わず、レオノールの指は、下着越しの敏感な花弁をまた執拗に擦ってくる。
「あっ、ひっ、んっ!」
敏感な場所を彼の指で何度も往復されて、その合間に、繰り返し感じやすい花芯をくりくりと弄られてしまう。
布越しの刺激はもどかしくて、下腹の奥のあたりがじんじんと疼いて仕方ない。
「あぅ、あ、そんな、駄目です……っ」
彼の硬い指がくにくにと花芯を擦ってくるのに、フィリーネは堪え切れず、半泣きでいやいやと訴えた。
「駄目なのか? 痛くはないだろう? 君のここは、もうぐしょぐしょだ」
「い、言わないで……」
耳に彼の唇が触れる。ねっとりと耳殻を舐められたかと思うと、耳朶を優しく甘噛みされた。花芯を弄られながら、もういっぽうの手で乳首をきゅっと摘まれる。
体の感じるところあちこちに与えられる巧みな刺激に、びくびくっとフィリーネの体が震えた。
「……可愛いフィリーネ。私の指に、まさかこんなに感じてくれるとは……」
かすれた彼の低い囁きが肌にかかり、それだけでぞくぞくとした愉悦が込み上げてくる。
さんざん敏感なところを弄られて、初めての身には強すぎる快感に、フィリーネは息も絶え絶えになった。脚を閉じたいけれど、体に力が入らなくて、閉じることができない。
逃げようもない状態で、自分のそこがすでに滴りそうなほど蜜を溢れさせてしまっていることを思い知らされた。
熱い息を吐きながら、レオノールがまた囁きを耳に吹き込む。
「早くここに入りたい……奥まで私のかたちを教え込んで、溢れるほど子種を注いで……」
「や、あぁ……っ」
言葉でまで、淫らな想像を掻き立てられながら、もどかしい刺激を与え続けられる。彼に与えられる未知の快感に翻弄され、フィリーネはぼうっとなった。
「お願いです……、もう、ゆるして……」
これ以上されたら、おかしくなってしまう。
恐ろしくなって、必死で訴える。フィリーネは、涙に濡れた目で彼を見つめて懇願した。
すると、目の前にある彼の長い睫毛が震えた。欲情を滲ませたレオノールの目に、怖いくらいに強く射竦められる。
「ならば、言うんだ。『私と婚約する』と」
唇を指でなぞられる。言ってくれ、と繰り返し乞われる。
「そうしたら、今日はもう終わりにする」
半ば朦朧とした頭でフィリーネは口を開いた。
「こ……婚約、しますから……っ」
言った瞬間、顎を取られて激しく唇を奪われる。
彼の硬い腿が、脚の間を下からぐりっと擦ってくる。そして、すっかり硬くなった花芯を男の指で摘まれて、頭の中が真っ白になった。
全身に走る甘い痺れに、フィリーネはびくびくと体を震わせる。
彼がそこを弄るのをやめても、すぐには快感が引かない。興奮状態が続きすぎて、ふっと意識が遠くなるのを感じた。
――取り返しのつかないことを口にしてしまった。
そう気づいたのは、ふたたび意識を取り戻してからのことだった。 -
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