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あらすじ
熱烈なプロポーズ&イチャ甘新婚なのに、離婚前提って!?
「俺たち、夫婦としての相性もいいに決まっている。結婚してくれ」敏腕副社長である雅己からまさかのプロポーズ!? しかも離婚前提だなんて!? ずっと好きだった恋心をくすぐられてOKしたけど、濃密な愛撫にとろかされ、期間限定なのに甘すぎる新婚生活。わたし、このままじゃ離れられなくなっちゃう! だけど、約束の日が近づいてきて!?(ヴァニラ文庫ミエル)
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試し読み
「あの……雅己君……」
「なに?」
「本当に……ぁの、……するの?」
「するよ?」
往生際が悪いと自分で思いつつも、やはりいざとなると戸惑う。さらに慌ててしまうのは、当然の答えを出した雅己が、なんの躊躇もなくひよりのパジャマのボタンを外し始めたことだ。
「やっとひよりを抱けるのに。今夜のことを想像したら式の途中から妄想全開で走り出しそうだった」
「式の途中って……きゃっ」
パジャマの前を大きく広げられ、反射的に彼の両手を押さえる。しかし結婚したのにこれはマズイかと思い直し、おそるおそる手を離した。直後、そうこなくっちゃとばかりに、さっさとパジャマの上衣を脱がされてしまう。
「ま、雅己くんっ……」
「ひよりは、寝るときもブラジャーしてるのか?」
「えっ……あ、今日は、その……」
いつもはしていないのだが、今日は入浴後についつい着けてしまった。それが彼には不満らしく、ジッと胸に視線を落としている。
たとえ下着で隠していたって、凝視されれば恥ずかしい。ひよりは腕をクロスさせて胸を隠す。
「あ、あんまり見ないで……。そんな立派な胸でもないし」
が、抵抗虚しく雅己に両手を摑まれ腕をほどかれる。とたんに彼の顔が胸の隆起に落ちてきた。
「まっ……まさっ……」
「これからは寝るときのブラジャー禁止」
「な、なんでっ」
「すぐにさわれなくていやだ」
それもまた直接的な理由だ。鎖骨の下に吸いつかれ、ピクンと身体が震える。ひよりの両手を放した雅己は、素早くブラジャーを外し両手で包みこんだ。
「いいな、実に好みの大きさだ。さわり心地もよくて最高じゃないか」
「やらしいよ……雅己君……」
もう胸を隠すこともできず、ひよりは目から頰を両手で覆う。胸のふくらみを包む雅己の手はとても大きくて、指を動かされると胸の形が変わっていくのを感じる。彼にさわられているのだと感じるだけで鼓動が大きくなって苦しい。
彼の手にもこの拍動が伝わっているのかと思うと、自分だけが落ち着かなくなっているようで焦ってしまう。
「恥ずかしいの? ひより」
「……は……恥ずかしいよ……。だって、雅己君と、こんなこと……」
「いや?」
「いや……とかじゃなくて……、だって、こんなことするなんて……、雅己君と……。思ったことなかったし……」
友だち。その関係であることを心の前面に出してきた。それなのに、こんなふうに素肌を触れ合わせる日がくるなんて。
「俺は……、よく想像していたけど」
「え……想像……あっ!」
サラリと伝えられる雅己の爆弾発言に驚く間も与えられないまま、胸のふくらみを裾野から持ち上げられる。ちょっと揉み動かされたくらいで反応してしまうのもどうかとは思うが、これから先のことを考え、ひよりはどうしても言っておきたいことがあった。
「雅己君……! わたし……ぁのっ、わたしねっ……」
「なに?」
「こういうこと……あの……」
自分がハジメテなんだと告げようとした唇に軽く雅己の唇が触れ、肝心の言葉をふさぐ。
「わかっている。ひよりはハジメテなんだろう? 大丈夫、優しくする」
「でも……」
「なんだ? まだ心配なのか?」
目を覆っていた指の隙間から、雅己の苦笑いが見える。彼に身を任せるなら心配はない。それを伝えられればいいのに、ひよりはつい違うことを口にしてしまった。
「灯り……、消して?」
彼の背後で、室内の照明が煌々と灯りをともしているのが気になるのも、間違いではないのだ……。
一度ひよりから離れ、雅己が部屋の照明を落とす。薄暗くなったことにホッとして顔から手を離したひよりだったが、パジャマの上を脱ぎ捨てた雅己の上半身が意外とハッキリ見え、わずかに照れる。
「ひより」
雅己が軽く覆いかぶさり、両手で頭を撫でる。真剣な瞳で見つめられ、ひよりは視線を外せなかった。
「さっきも言ったけれど、優しくする。だから、そんなに焦らないでくれ」
「ごめんなさい……」
「俺のこと信じてくれるか?」
ひよりは雅己の目を見ながらこくりとうなずく。「よかった」と嬉しそうに呟いて、彼の唇が重なってきた。
心から安堵した様子だったので、覚悟を決められなかった自分に申し訳なさを感じる。相手が好きな人でも、身体を預けることがこんなに緊張することだったなんて。
それでも……。
「大切にするから」
唇を重ねながらの囁きが、ひよりの心を和らげていく。同時に、戸惑いが少しずつ消え始めた。
重なった唇はひよりの唇を食み、横に擦り動かしては軽く吸いつく。くすぐったい感触に心地よさを感じていると、胸のふくらみに触れた手が、やんわりとそれを揉み回し始めた。
「んっ……ぁ……」
なんだか不思議な感触だ。染み透るような熱が、じわぁっと胸に広がっていく。
指の腹が頂を左右に擦っていくとむず痒い刺激が立て続けに起こり、なぜかお腹の奥がヒクヒクする。
ときおり指先を立てて頂点を搔かれ、そこに息づく突起が揺り動かされるのを感じるたび、むず痒いのとは違う強い刺激が広がって鼻が鳴った。
「ンッ……ふっ、ンンッ……」
それが予想外に甘ったるい。普通に呻いているつもりでも、耳に届くころには自分が発したものとは思えないトーンに変わっている。
「ひより……かわいいな」
そんな様子に煽られたのかもしれない。雅己がちょっと上ずった声で囁いたかと思うと今まで以上に強く唇が押しつけられ、ぬらっとした厚ぼったいものが口腔内に侵入してきた。
「ゥ……ウンッ……ん」
驚きで喉を鳴らすが、こちらも予期せず切なげなトーンになってしまうだけだ。
雅己の舌はひよりの様子を窺うように、ゆっくりと口腔内を這い回る。歯列をなぞり、頰の内側を撫でて、奥で固まる彼女の舌をつつく。
どう応えたらいいかなんてわからない。ひよりはただされるまま、彼の舌の動きを感じているしかなかった。
「ぁっ……ハァ……あ、ぁっ」
されるがままになっているだけなのに吐息が震える。舌の根元を圧され、痺れが走って顎が痙攣した。
「腰、上げて」
小声で指示され、ハッとする。雅己が空いているほうの手でパジャマのズボンを下げようとしていたのだ。
ここで渋るのもおかしい。ひよりはこわごわと腰を浮かせる。すると、なんとショーツごと腰から引き抜かれてしまった。
全裸にされた恥ずかしさはあるが、照明は落としてあるしキスの最中なので全身を見られているわけではない。
ホッとしたのも束の間、ひよりを全裸にした雅己の手が腰から太腿をまさぐり始め、唇は首筋に移動する。ぞくぞくっとするくすぐったさに思わず肩をすくめると、鎖骨の上でクスリと笑われた。
今まで穏やかな動きしかしていなかった胸のふくらみを包む手が、きゅうっと柔肉を絞る。不意に走ったわずかな痛みに腰が伸びた瞬間、彼の唇は放置されているふくらみの頂を咥えた。
「あっ、んっ……」
ちゅくちゅくと先端をついばむように吸われ、舌でピンクの暈しを円く舐め回される。強く摑まれたあとのふくらみがその余韻を漂わせ、上半身が熱い疼きでいっぱいになっていく。
「ハァ……、やっ、あぁっ……」
「かわいい声が出てる……。気持ちいいか?」
「んっ……わかんな……ぃ、あっ……ぁ」
わからないはずがない。現に熱を持った吐息は止まらず、下半身におかしな疼きが落ちて腰がもぞもぞする。
……そんなこと、口に出せるはずもない。
「わからない? それじゃ、気づかせてやる」
もじもじと動き始めていた足をまさぐっていた手が、素早く足の付け根にまで上がってくる。いつの間にかだらしなく間隔をあけていたことに気づいて、ひよりは慌てて足を閉じるものの彼の手をきっちり挟んでしまっただけだった。
挟まれた手が、隙間をこじ開けようと手首をひねってぐりぐり動く。ふさがれている部分が触れられてもいないのになぜか疼き始め、熱い潤いが広がった。
「やっ……ぁん、あっ……」
わずかに腰を引いて逃げるが、手が押しつけられてしまっているのでなんの役にも立たない。かえって刺激を与えられる場所を広範囲に広げてしまったような気がする。
「だいぶ熱くなってる……。ハジメテで心配したけど、結構感じてくれていたんだな」
「や……やだ、なんか、それ……あぅんっ……ンッ」
経験がないくせにいやらしいと言われているように聞こえる。わずかに反抗しようとするが、下半身でじわじわと生まれる気持ちよさに負けてしまう。
「もっと感じさせてやるからな」
「なに……、ひゃ……ぅっ」
咄嗟に吸いこんだ息がおかしな声になる。再び胸の頂を咥えられ、ちゅぱちゅぱと吸いたてられた。
「ンッ……あ……あぁ、んっ……!」
もう片方のふくらみも大きく揉みこまれ、三方向から与えられる刺激が全身を蕩かしていく。
「ダメ……あっ、身体……あんっ、やぁ……」
快感を知らない身体に灯った官能はどんどんその幅を広げ、ひよりはおとなしくしていられない。両手でシーツを摑み、閉じていたはずの足はどんどん流れこんでくる甘い微電流に負けて間隔を広げ、悶え動いた。
「やっ……や、まさみ、く……ぅ……あぁん……、ダメ、そこっ……」
自分の身体に起こっている異変に気づき、ひよりは片手を伸ばして足の中央で動く雅己の腕を摑む。といっても触れただけだが、その意味を、彼はすぐに悟ったようだ。
「どうした? あふれているから、驚いているのか?」
やはりそうなんだ。彼の言葉で確信を持つと、ひよりの頰がカアッと熱くなる。
胸や足のあいだをいじられると、へその奥がきゅうっと締まってなにかがあふれ出る感覚が走る。秘密の部分でぽこりと弾けては周囲を潤していくのだ。
これはもしや……とは思えど、よくわからなくて確信が持てなかった。
けれど……。
「気づいていただろう? ひよりが感じた証拠だ」
ぐちゃっ……という感触とともに、雅己の指が固く閉じていたはずの秘唇を割っていく。それに驚いたひよりの腰が跳ね、反射的に足の間隔をあけてしまった。
「こんなに感じてくれて嬉しい限りだ。すごいべちゃべちゃじゃないか」
「やっ、や……雅己くっ……んっ」
「いつもはレストランの制服をきっちりと着て、どこから見ても真面目ですっていってるような清純な雰囲気のひよりが……、こんなにいやらしく濡れてくれていると思うと、滾ってしょうがない……」
「や、やらしいよぉ……、あぁっ、ぁ、やだぁ……」
くっちゃくっちゃともったいぶった水音が搔き立てられるなか、それを奏でる原因となっている入口付近で雅己の指が遊ぶ。徐々にその音が滑らかなものに変わり、潤いがあふれ出しているのだと思い知らされた。
「無自覚だな、ひよりは。目の前でこんなに尖らせて感じているのを見せつけられたら、いやらしくもなる」 -
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