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あらすじ
愛されまくり&尽くされまくりの同居生活
社の広報を担当する美桜は社会人二年目。会社の買収に伴い、眉目秀麗な新社長・芹澤拓斗が就任するが、美桜が拓斗の秘密を知ったことをきっかけに彼のマンションで同居することに! 会社では血も涙もない冷徹な男が、プライベートでは料理上手で優しいスーパーダーリンだ。同居生活はエロ甘く、身も心も結ばれるが、二人の身分の違いが壁になり?(ヴァニラ文庫ミエル)
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試し読み
「気持ちいいか、美桜」
そう聞いてくる声は蕩かされてしまいそうなほど甘く、拓斗の表情は凄絶なほどの色香を放っている。
美桜は抗えない。まるで色気の暴力だと反抗心を燃やしてみるものの、そんなものはすぐに彼に蕩かされてしまうのである。
「言ったら、もっと気持ちよくしてやる」
激しかった腰の動きを緩やかに変え、拓斗は美桜の腰を掴んでいた手で、抱きつく彼女を軽く抱き返し唇を合わせる。
上唇と下唇を食むようについばみ、腕を回した背中を指でまさぐって、ゾクゾクとしたじれったい疼きを美桜に与え続けた。
「言って……、美桜」
「……社……長ぉ……」
唇から、背中から、そして急に刺激を弱められた蜜窟から。歯痒い疼きが広がって、美桜は身体をふるふると震わせ身をよじって悶えあがる。
全身が疼いて堪らない。腰をひねると拓斗の動きに上乗せされた刺激が蜜洞に生まれるが、あまりそれをすると自らが快感を貪りに行っているように思えて、とんでもなく淫靡なものを感じる。
拓斗が片方の乳房を手で滑らせながらこね始める。つるつると手のひらで頂を擦り、指のあいだから柔肉があふれるほど強く掴んでは泡で滑らせてぷるんと弾く。
バスルーム限定の愛撫に美桜の肌は染まり、貴重な快感をもらおうと敏感になる。
「あぁ……あっ、ダメぇっ……」
堪らず身をくねらせると腰も動く。いっそこのまま自分で動いてしまおうか、そんな淫らなことを考えずにはいられない。
「まいったな……すごく締まってくる」
堪らないのは美桜だけではないようだ。焦れてぴくぴくと収縮する淫路を感じている拓斗も、今の状態につらいものを感じている。
「みーおっ、お願い」
ズルい……、ズルいズルい。美桜は心の中で叫ぶ。そんな切なそうにお願いをされてしまうと、胸がキュンとして腰の奥が蕩けそうになるどころか彼の色気にゾクゾクが止まらない。
「もぅ……社長はぁ……、ずるいです……」
美桜は思わず泣き声を出す。両腕を拓斗の肩から回して抱きつくと、胸を彼の身体に滑らせながら上半身をじれったく悶え動かした。
「社長に……されて、気持ちよくないはずないのに……。聞くなんて、ズルい、です……」
「美桜……」
弱音を吐いたせいか、拓斗は穏やかながらわずかに困った声を出す。
「じゃあ、気持ちいい?」
「当たり前です……、気持ちいい、です……。でも、そんなこと言ったら、いやらしい女だなって思われちゃうかもって……」
拓斗の手が美桜の背中を撫でる。肌に張り付いている髪をよけて背筋を下りていくと、お尻の丸みをつるんと撫で、キュッと握った。
「あんっ……やぁ……!」
ピクンと震え、抱きついていた身体をわずかに離して背筋を伸ばす。すると、次の瞬間緩やかに引いた拓斗の腰が強く屹立を突き挿れてきた。
「……あぁっ! やぁぁん……!」
いきなりの突き上げに、さらに身体は離れ背が反る。お尻を押さえつけ秘部を密着させた拓斗は、身体を立てているのがつらくなる勢いで抽送を始めた。
「はぁぁっ……うっンッ、ダメ、ダメぇ……社長……激し……!」
「口に出して言っていい。いやらしくなってもいい。むしろ、なれ。ただし、俺にだけだ」
「あっ、あっ……社長ぉっ……!」
美桜のお尻を持ち上げ上下に動かしつつ、拓斗は自らもそれを迎えるよう腰を振り立てる。
お互いの秘部を叩きつけ合うような激しい突き挿れに、美桜は身をくねらせて悶えあがった。
「や……やぁ、あ……、気持ちい……気持ちいい、です……あぁっ!」
言ってもいいと求められた言葉を口にした直後、さらに最奥を責められ、蜜壁をえぐるほどに突き上げられる。そこから生じる意識が飛んでしまいそうなほどの喜悦に、美桜は下半身が痙攣してきた。
押し留めてきた言葉を感情どおりに出してしまうと、それがまた昂りのもとになる。美桜はそれを繰り返した。
「ダメ……ダメっ……社長っ、気持ちいいっ……!」
「ああ、俺も……。そろそろ限界かな」
バスルーム独特の反響が、ぶつかり合う肌の音を叩きあうような鋭く激しいものに変える。繋がりあった部分に溜まる、泡に混じった愛液が弾ける音さえも大きく響く。音の刺激も、また美桜を追い立て、彼女は甲高い喜悦を叫んだ。
「あぁ……ダメっ……もう……! イク……ぅンッ!」
身体をガクガクと震わせ、意識が弾けてしまわぬよう大きく息を吸いこむ。
拓斗の肩を掴んだ指先に力が入り、彼の肌に食いこんでいた。
「……ンッ……くっ!」
いつもより苦しげに呻いた拓斗が勢いよく腰を引く。その瞬間、美桜を悦ばせていた怒張が膨らんだまま抜け落ち、ズルリと引き抜かれる。
脱するときの独特な刺激に、またもがぶるぶるっと身体が震えた。
強く美桜の身体を抱きしめた拓斗が、息を詰めて身体を震わせる。数秒後大きく息を吐くと、荒い呼吸が収まらないまま恍惚感に脱力する美桜の身体をさすり、髪を撫でていたわってくれた。
拓斗は最後の瞬間も彼女を想い、絶頂に震えた悦路の外で達してくれたのだとわかった。
「社長……」
美桜はまだ絶頂の余韻から感覚が戻らない。それでも拓斗の頭を抱き、自ら唇を近づける。触れる程度のキスをして、恍惚感に浮かされながら微笑んだ。
「……好きです」
「美桜……」
いつもは拓斗から囁く言葉だ。先に言われると照れくさいのか、彼はくすぐったそうに微笑んだ。
「社長みたいな人、なんていうんだったか思いだしました……」
「ん?」
なんとなく考えていたことの答えが出る。これから自分が言おうとしている言葉に、ちょっとクスリと笑ってしまった。
「スパダリっていうんですよ」
「なんだそれ。聞いたことがあるような気もするが」 -
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