書籍紹介
英雄騎士団長は虐げられた令嬢を灼熱の愛で満たし尽くす
英雄騎士団長は虐げられた令嬢を灼熱の愛で満たし尽くす
ISBN:978-4-302-10507-6
ページ数:290
発売日:2025年10月3日
定価:790円+税
  • あらすじ

    貴女と俺は、これからずっと一緒だ
    “銀鎧の死神”こと辺境領主は極甘な愛妻家!?

    侯爵家の庶子として引き取られ義母や異母妹に虐げられていたシェイラは支度金と引き替えに辺境領の軍人領主ノワベルトに嫁いだ。先の戦の英雄で獰猛だという評判に反し品良く美男子の彼は、シェイラを蕩かすように溺愛する。「好きだ。絶対に俺から離れて行かないで」愛し愛され幸せなシェイラだが時折、不思議な火事の夢に悩まされるようになり!?

  • キャラクター紹介
    • シェイラ
      侯爵家の庶子。義母と異母妹に虐げられている。

    • ノワベルト
      ゾディアク辺境領の領主。騎士団長を務める。

  • 試し読み

    「奥様、旦那様がいらっしゃいました」
    湯あみを終え、丁寧に梳られた髪を腰まで垂らし、柔らかな夜着に包まれたシェイラのもとに、ドロレスがノワベルトの来訪を告げた。
    あの素敵な湖畔で互いの気持ちを確かめ合った後、馬に共乗りしている時に、ノワベルトはこう言った。今夜、貴女の寝室に行く――と。
    それがどういうことなのか、もちろん理解している。シェイラは長椅子に座って彼を待つ。ノワベルトはすぐに入ってきてそのまま長椅子に膝をつき、彼女をその腕に閉じ込めてきた。
    唇を合わせ、薄い絹地の夜着の上から彼女の身体に触れる。
    夜着のリボンを解かれて胸元があらわになってしまう。
    「待って」
    「ああ?」
    まだ待つのかという顔に、シェイラは笑ってしまった。
    「恥ずかしいの、貧相だから」
    そう言うと、彼は静かにシェイラを抱き上げ、ベッドへと運んだ。
    もう打たれた痕はほとんど消えたが、豊満とは言えない体はどうにもならない。
    「侯爵家で苦労したのだな」
    そう言いながら、シェイラの隣に身を滑り込ませ、彼女に夜具をそっとかける。
    「苦労とは思ったことはないわ。今は幸せです」
    ベッドがわずかに沈み、彼が体勢を変えて上半身を起こした。シェイラの前髪を手で払い、額にキスをしてきた。くすぐったくて、笑ってしまった。
    それから、彼はシェイラの目を見つめ、左目の下の黒子にキスをした。
    この十年、涙ばかりの頬にも彼は唇で触れてきた。
    それから、ようやく唇を重ねる。
    シェイラがノワベルトの背を華奢な腕に閉じ込めると、彼はより激しく唇を重ねてきた。彼女も夢中でそれを受け入れる。唇を開いて、より深く重ねようとしたら、彼の舌がそろそろと割り込んできた。
    舌先どうしが触れ合った時、互いの鼓動がもっと速くなるのがわかった。
    「ん……」
    どちらからともなく漏れる熱い吐息。
    激しく貪り、舌を絡めながらも、彼の手はシェイラの背中を撫でていた。
    これまで、こんなに労るような仕草で触れられたことなどなかった。その手のぎこちないやさしさに、嬉しいというより切なさが溢れる。
    侯爵家では感じたことのない感情だ。シェイラの中に、人を想う気持ちが生まれたのだ。
    互いの唇をむさぼり合っているうちに、彼女の髪が乱れて枕の上に広がる。
    二人が夢中で唇を重ねている間、肌が汗で湿って、香油が甘い匂いを立ち上らせていた。その芳香に酔ったみたいに、ためらいや羞恥心が薄れていく。
    夜着はどんどん乱れてはだけ、互いの胸が直に触れ合うまでになった。彼の重みを心地よいと感じ、その肌の熱さにこちらの体温まで上がってくる。
    「ん、ん……」
    いつの間にか、シェイラの声が鼻にかかって上ずり、媚びたような響きになっていた。
    無意識にこぼれ出た嬌声に応えるように、彼はいっそう力強く唇を吸うのだった。
    息が止まるほどきつく抱きしめられ、胸に微かな甘い痛みを感じた。彼の厚い胸に、シェイラの小さな胸の頂きが押しつけられて、その疼きが身体の芯へとつながっていく。
    彼女が喘ぐのを聞いて、ノワベルトが一瞬唇を離す。シェイラが解放されたように、その小さな唇から息を吸いこむのを見つめ、彼はその顎にキスをし、さらに喉へと唇を滑らせる。
    「あ……っ」
    シェイラの身体がぴくんと震える。もう今ではどこに触れられようと、全ての感覚が身体の奥の熱いたぎりへとつながっていくような気がする。
    「長かった……」とノアが言った。二人はまだ出会って二か月も経っていないのに、何年も待ったように言う。
    そんな違和感はあったが、すぐに彼の熱情の前に霧散してしまった。
    今、完全にはだけて空気に曝された白い肌は、彼の視線に撫でられただけでも、未知の快楽への期待と不安に震えてしまうのだ。
    ノワベルトの眼差しは、今シェイラの乳房に注がれている。
    ドロレスから何か聞いていたのだろう、彼はシェイラの肌を確かめるように見つめ、そして傷も痣もないとわかると、静かに唇を押し当てる。
    「ぁ、……あっ」
    乳首の上の柔らかい場所に触れられ、濡れた舌でなぞられた瞬間、また甘い小さな悲鳴が唇からこぼれてしまう。
    そして二つの乳房の先の、小さな果実が固くなってぴんと勃ってしまったのが自分でもわかる。恥ずかしい、と思っていたら、彼が左の乳房を口に含んで、舌先でするりとその屹立を撫でた。シェイラは思わず背中を小さくのけぞらせた。
    唇の次に、それは激しい愉悦をもたらした。彼は果実を味わうようにゆっくりと口の中でそれを弄び、右の乳房は手のひらで包んでやさしくもみほぐしてきた。
    シェイラはどうにかなりそうだった。
    濡れた舌の柔らかな愛撫による快感と、手のひらで転がされる渇いた感触を同時に感じて、今触れられているのが身体のどの部分かわからないくらいに、全身で感じていた。
    足の指が突っ張り、背中が弓なりに跳ねる。
    「あ、あっ、……ぁあん」
    額が汗ばんで、うなじの後れ毛が濡れてきた。
    乳房は彼の唾液に包まれ、ぬるぬると動く舌が心地よくて、時々信じられないほど大きな悲鳴を上げてしまう。
    そのうちに、シェイラは無意識に左右の太ももをこすり合わせていた。どうしてそんなふうに動くのかわからない。そうなってしまうのだ。足の付け根のあたりがむずむずして、もっと真ん中の方がどくどくと脈打っている感覚がある。
    思わず、足を少し開いてしまった。彼の腰がその隙間を埋めるように押し付けられて、下腹部に何かが触れた。熱くて、硬いもの。シェイラにはもちろんそんな経験などないから、理解するのに時間がかかったが――濃厚な口づけと肌への愛撫に酔いしれて、未知の行為への恐怖感はなくなっていた。
    彼の熱いものが触れている、その自分の肌の奥でも何か変化が起こっていたのだ。
    下腹全体が溶けたようになって、その滴りが溢れてくる。汗じゃない何かが。
    彼の剛直に押されて、さらに足が開かれてしまうと、それはとろとろと白い肌を伝って夜具へとこぼれた。それは彼の硬いものをも濡らした。滑った感触に気づいたのか、ノワベルトはシェイラの胸から顔を離し、腹のほうへと下りてきた。
    彼女の腹を圧迫していたものから解放され、ふっと息を吐いたのもつかの間、そこに彼の顔がかぶさってきて、さらに強烈な刺激を与えられた。
    「ああっ」
    恥ずかしさに内腿を閉じようとしたが、彼の手でさらに大きく開かれてしまう。
    誰の目にも触れたことのないその場所が、花弁が開かれて敏感な蕾が露わになってしまった。そして、それは乳房の果実と同じように彼に食まれてしまったのだ。
    「だ、め……っ、……あっ、やめ――」
    はかない抵抗を試みたが、無駄だった。しなやかな舌に狙われたそれはひとたまりもなく快楽の渦に飲み込まれる。頭までツンとくるような衝撃と、腹の底から揺り動かされるような愉悦の波に体中が震えた。彼女はまるで拷問された囚人のように悲鳴をあげて、何度も身体をびくつかせた。それはほんの入り口に過ぎないが、そこを襲われたら全てが陥落してしまうに違いないと思えた。
    そして、秘裂を何度も舌で器用になぞられ、さらにその奥へと舌が滑り込んだ時、彼女はびくんと硬直した。自分がどこにいるのかもわからなくなり、宙に飛ばされたように心許ない。その直後、強烈な快感に、彼女は激しく何度も痙攣した。
    もう自分の意思とは関係なく、身体が勝手に跳ね、そして力尽きた。
    「シェイラ……愛してる」
    ぐったりとして、力が入らない彼女の身体を完全に開き、ノアが身体を重ねてきた。
    あられもなく足を開かれているのがわかっても、彼女はどうしようもなかった。
    「も、もう……だめ、ノワベルト……様」
    「ノアと呼んでくれ」
    「ノ……ア?」
    親しい間柄だけに許される呼び方を求められて、シェイラは嬉しかった。
    こうして肌を曝して睦み合う今、取り繕うことも、恥ずかしがることも要らないのだ。
    気怠く甘い快感はずっと続いていて、愛撫されてピンク色に染まった花芯はすっかり潤い、森の奥で密かに水を湛えている源泉のように、今もとろとろと蜜を零している。
    だが、ノワベルトの舌の愛撫が止まった。
    彼の指が添えられ、そっと開かれた。硬いものが触れ、彼女の媚肉を押し開いて潜り込んできた。
    「……あっ」
    その時が来たのだ、とシェイラはぼんやりと思った。
    ぬるついた秘裂を割って、ずぶりと先端が押し込まれる。感覚が鈍くなっていたシェイラだが、それを受け入れるのは困難だと思えた。
    「シェイラ、耐えてくれ」
    そう言う彼の声も辛そうだった。
    「ええ、大丈夫……」
    彼女は頷いて、強張りかけた身体を開いて彼を受け入れようと目を閉じた。
    膝を高く持ち上げられ、より無防備な恰好になっても、シェイラは恥ずかしさに耐えた。彼はさらに奥へ入ろうと力を込めてきた。
    「……ん……、あ……、くっ」
    蜜洞を引き裂くように、彼は挿入ってくる。みちみちと入口が広げられ、硬いものに侵入されて、シェイラは息すらできないでいた。
    ゆっくりと時間をかけて、彼は先端を押し込むと、あとは一気に貫いてきた。
    「ああああっ」
    ぴりりと何かが裂けるような感覚と、痛みと衝撃の後にやってきたのは、愛しさだ。
    「最後まで入った……」とノアが呻くように言った。
    じんじんと痺れる胎内に、ノアの肉体が潜り込んで、一分の隙もないほど密着している。
    シェイラは自分のものでない肌の熱さを感じて目眩を覚え、のどをのけぞらせて甘い喘ぎを放つ。
    生まれた初めて知った、この感覚にシェイラは胸を突かれた。
    狭い蜜洞は、ギシギシ悲鳴を上げて彼を受け止めている。お腹を内側から押し広げられて、苦しく、下腹がぎこちなく震えているけれど、胸の奥は甘酸っぱく切ない。
    二人の間には何もない。恥ずかしい姿も隠せないまま、深いところで交わっていることに感動してしまう。
    繋がったまま、二人ともそれを味わうかのようにじっと動かずにいた。
    悲しいわけないのに、シェイラの目から涙がこぼれた。
    「辛い?」とノアが訊いてきた。
    「ううん。平気」と彼女は答える。
    それから彼女はノアの首筋に手を回して、引き寄せた。キスをしながら、全身で彼の存在を感じる。
    ノアもそれに応えて、また舌を絡め、唇を軽く食んだ。
    シェイラのほうから彼の舌を求めたら、ノアはもっと激しく舌を絡めて吸ってきた。同時に、彼女の胎内でノアがぴくんと動いたのがわかる。
    「ん……っ」
    「すまん」
    中で大きくなって、ただでさえ圧迫されているのがさらに苦しい。
    「貴女がかわいいことをするから。待ってくれ、今気を散らして抑える。そうだ、新しい戦術を考えるか――」
    そう言って、眉をしかめるノアの顔が悩ましくて、とても愛しい。
    「気を散らすなんて……わたしのことを想っていてほしい、です」
    そのとたん、彼の理性が飛んだらしい。
    彼は完全に覆いかぶさってきて、そしてシェイラの中をもっと深くえぐるように腰を突いてきた。
    「あっ、……あ、……ノア……」
    まだ痺れたような鈍痛があるが、それよりも結ばれたことが嬉しい。
    シェイラは彼に突き動かされながら、ノアの名を何度も呼んだ。

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