書籍紹介
行方不明の王子が帰ってきたら溺愛侯爵になっていました~私の婚約者はどこですか?~
行方不明の王子が帰ってきたら溺愛侯爵になっていました~私の婚約者はどこですか?~
ISBN:978-4-596-52320-4
ページ数:322
発売日:2023年8月3日
定価:710円+税
  • あらすじ

    君が大好きだよ。もっと俺でいっぱいになって。
    婚約者と再会できたと思ったら、あっという間に不埒な執愛に搦め捕られて――!?

    幼き日、海に消えた婚約者の王子アドルフの生還を祈り続けていたセシリィ。十年経ち、セシリィの目の前に現れて求婚してきた彼はジョエルという名で他国の侯爵になっていた! 同一人物なのに別人となったジョエルの不埒で熱烈な寵愛は、セシリィの止まった時を動かし始める。かつては知ることのなかった彼の素顔と溺愛にセシリィは翻弄され……!?

  • キャラクター紹介
    • セシリィ
      公爵家令嬢。アドルフを海で遭難させた贖罪と、彼の生還を祈るために教会で暮らしている。

    • ジョエル
      キエラ国の侯爵。貿易王の名を持つ侯爵家を継いだ。実はアネルデン王国第一王子だった。

  • 試し読み

    「俺はどこまで触れていい?」
    「ど、どこまで……なんて」
     もう今の時点でいっぱいいっぱいだ。
    「触っちゃ……駄目」
    「ここも?」
    「あぁっ……!」
     靴下越しにジョエルの唇が足先に触れた。形のいい唇の中に指が消えていく。ぬるりとした熱い感触に、身体に力がこもった。
    「そんな、汚い……っ、何をして」
    「口づけてるんだ。セシリィの指は、しゃぶるのにちょうどいい」
     目の前で濡れそぼっていく足指をセシリィは「あ、あ……」と小さな声を上げながら、信じられない思いで見ていた。
    「やめて……、それ駄目」
    「セシリィ、美味しい。君にあげたキャンディを思い出す」
    「そんなわけ、あ……あぁっ」
     見せつけるように、ジョエルが親指に舌を這わせた。ちろちろと動く舌先の動きが、いちいち腰に来る。
    「ふ……ぅん、ん」
    「指を舐められて感じてる? セシリィはこれが好きなのか。いやらしいな」
    「ちが……んンっ」
     両腕を使ってベッドの上をずり上がるも、すぐに引き戻された。
    「や、見ない、でっ」
     ベッドと身体の間に巻き込まれたスカートが一層めくれ上がれば、下腹部がジョエルの前にあらわになった。咄嗟に両手でスカートをたぐり寄せて隠す。
    「いいよ、セシリィが嫌なら見ない」
     わかってくれたことにほっと胸を撫で下ろしたのも束の間。ジョエルの唇が足を滑り上がってきた。
    「何してっ」
    「見ないから、セシリィがどこにならキスしていいか教えてくれないか?」
    「な……っ!?」
     とんでもない要求に泣きそうになった。どうしていいかわからないでいる間も、ジョエルの唇は、ふくらはぎから膝の裏をなぞり、内股へと滑っていく。
    「ふふ、柔らかい」
    「あっ……、そんなところで喋ら、ない……で」
     息が肌に当たるたびに、ぞくぞくする。
    「そんなところって? 言ってくれないとわからないよ」
     目を閉じたままジョエルが含み笑う。布を持つ手に当たると、鼻先で突いて確かめる仕草までした。
    「これは手かな?」
     わざとらしい口調に、「き、今日は、おしまいですっ」と拒んだ。
     すると、伸びてきた舌に指を舐められた。
    「ひゃあっ」
     指の間を丹念に舐め上げられ、指の付け根を舌先で弄られる。徐々に彼の唾液で濡れそぼっていけば、服を掴む手に力が入らなくなってきた。ジョエルがスカートを押し上げるから、どんどん秘部を隠す手が心許なくなっていく。指を一本ずつ舐められ、時折指の間から下着越しに秘部をも触れられた。
    「……ぁっ」
     そのたびに、ぞくぞくとしたものが腰骨を疼かせる。
     こんな感覚、知らない。
     心では初めての刺激が怖いのに、身体はそれを期待している。
    「おしまいにするんじゃなかったの? もっと強く𠮟ってくれないと終われない」
    「ジョエル、さまっ。……あっ」
    「セシリィ、濡れてきてるのは何?」
     鼻先で秘部を突かれる。
     指を一本ずつ舐められ、服から引き剥がされていく。完全に手を離したところで、内股に彼の両手があてがわれた。
    「あ……っ」
     ゆっくりと押し開かれていくさまを、セシリィはただ見つめることしかできない。
    「い、あ……。駄目」
    「駄目なのに、どうして濡れるの? セシリィ、教えて」
     なんていじわるな質問なのだろう。
     泣きそうになりながら、秘部に顔を寄せるジョエルを見た。
    「舐めると……溢れてくる」
    「やぁ、あっ」
     生温かい感触に、腰が揺れた。すると、両腕に足を抱えられ、逃げられないよう固定される。
    「ジョエルさま、それ……だめっ」
    「それ、じゃわからないよ。ちゃんと言葉で教えて。どこが駄目?」
     そう言いながらも、舌での愛撫は止まらない。布越しでの刺激は生温く、もどかしさを倍増させた。
     けれど、そんなこと恥ずかしくて言えるはずがない。
     逃げたくても、掴まれた身体は下にも上にも行けない。セシリィは組み敷かれながら、少しでも快感から逃れようと必死に腰を揺らめかせていた。
    「そんなに嬉しい? ここがひくひくしてる」
    「ひぁっ……、ジョエル様、何して――あぁっ」
     舌先がぬれそぼつ場所に押し当てられた。様子をうかがうように何度も同じ場所を押され、そのたびに蜜穴がひくついた。すると、中から蜜がとろりと零れ出てきてしまう。
    (あぁ……どうし、て)
     止めなければいけないのに、身体が言うことを聞かない。
    「邪魔だな、剥いでもいい?」
    「いけま、せんっ。ジョエル様、それだけは」
     脱がされてしまえば、セシリィが今どんな状態なのかが知られてしまう。
     咄嗟にジョエルの頭を押しやるも、彼の手を止めることはできなかった。
    「や、あぁ……、見ない、でっ」
     蜜でぬれそぼつ秘部を見られたくなくて、両手でその部分を覆い隠した。
    「く……ちづけ、だけだ、って」
     これはその範疇を超えているのではないのか。
     必死の抵抗にも、ジョエルは「だから、唇でしか愛してないよ」としゃあしゃあと嘯いてくる。
    「いい眺め」
     舌なめずりでもしそうな声音でそう言うと、指ごと舐められる。どんどん唾液で濡れていけば、指が滑るようになった。
    「ほら、もっとしっかり隠さないと終われないよ」
    「……ぁ、あっ!」
     時々、直に媚肉を舐められるから、声が弾んでしまう。
     求婚されたばかりで、身体を許してもいいのだろうか。結婚するまでは純潔であるべきではないのか。
     貴族同士の結婚は家同士の繋がりが第一で、当人たちの気持ちは二の次だ。アドルフとの婚約はそうだった。けれど、ジョエルはセシリィのことが好きだと言った。
     結婚とは、夫婦となり、子を成し家族となること。頭では理解していることが、我が身に差し迫った途端、どうしていいかわからなくなった。
    「ジョエルさ、ま……ゆび、が外れ、ちゃうから」
     あぁ、考えがまとまらない。
     もう許して。
     そう訴えようにも、息が上がって言葉がうまく紡げない。
    「俺がちゃんと直してあげる。ほら、ここに引っかければいいよ」
    「え……? やぁ、あ、んッ!」
     セシリィの手を取ると、指の一本を蜜穴へとあてがった。そのままゆっくりと中へと埋め込まれてしまう。
    「何、して……こんなのっ」
    「おしまいにしたいんだろ?」
     徐々に目的がすげ替えられつつあるのは気のせいだろうか。指を咥え込んだ場所を見るジョエルの目が恍惚としていた。
    「あぁ、すごいな。セシリィの小さな場所に細い指が入って……。ね、動かしていい?」
     駄目に決まっている。
    「お願い、ぬ、きたい……」
    「ゆっくりと抜き差ししてあげる。大丈夫、怖くない。セシリィの指だよ」
     誰の指だから平気だという問題ではないはず。
     でも、ジョエルに言われると、そんな気になってしまう。
     ジョエルの大きな手で包み込まれると、指が蜜穴の中を動き始めた。異物感がすごい。
    「ン……ん、んっ」
     本当にこんなものが気持ちいいのだろうか。
    「セシリィ、こっちに気をやって」
     そう言うと、ジョエルが入り口の縁を舐め始めた。ぬるぬるとした感触に身体の強ばりが解けていく。
    「上手、セシリィ。もう一本、入れてみよう」
     まだ承諾もしていないうちに、ジョエルが中指まで挿入させた。
    「ふ……ん、ぁ……あっ」
    「中で動かせる?」
     できないと涙目で顔を横に振れば、「じゃあ、やってあげる」とジョエルが嬉々としながら手を動かし始めた。
     じゅぶ、じゅぶ……と卑猥な水音が部屋に響く。そこにセシリィの吐息と嬌声が混じっていった。
    「ジョエルさま、なんか……へんっ」
    「大丈夫。そのまま身を任せて。気持ちよくなろう」
    「で……も、や……ぁ、あっ」
     ジョエルの息遣いも荒くなっている。くぐもった声と息が秘部をくすぐるから、中をこする指が止まらなかった。
    (な……ん、で)
     嫌だと言っているのに、勝手に手が動いてしまっている。指が気持ちいい場所を探して蠢く。こんなこと生まれて一度も経験したことないのに。
     まるで、こうすることを知っていたかのように身体が快感を貪るのだ。
     じわり、じわりと熱が意志を持ち始めている。
     ジョエルは相変わらず唇だけの愛撫しかくれない。
    (おしまい、だって)
     今日は、これ以上はしないと言わないと。
     身体の中で渦巻く肉欲に、きゅうっと子を孕む場所が疼いた。
    「どこが気持ちいい? どうしたい?」
     言って、とねだられ、首を横に振って抗うも、本音は言って楽になりたかった。
     理性と欲望がせめぎ合っている。
    「俺に何してほしい?」
     そんなの決まっている。
     赤い舌が媚肉の割れ目をべろりと舐め上げる。その奥に潜む花芯に触れられた瞬間、自分が何を求めていたのかを自覚した。
    「そ……れ」
     挿入していた指を抜き取り、触れてほしい場所を押し開いて見せた。
     自分の蜜で濡れそぼった指で花芯を弄る。けれど、ジョエルがくれたような刺激は得られなかった。
    「も……やだ。ジョ……エル、さま」
     うまくできないことに泣きべそをかくと、獰猛な光を青藍色の瞳に灯したジョエルが花芯にむしゃぶりついてきた。
    「あぁっ!」
     さっきまでセシリィの指が入っていた場所に、今度はジョエルの指が潜り込んでくる。自分のものとは違う太くて長いそれは、セシリィでは届かなかった場所まで撫でてくれた。
    「は……ぁ、あぁ……っ」
     なんて素敵なんだろう。
    「い、い……、もっと……舐め、て」
     そして、早くこの快感を解き放させて。

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