書籍紹介
大嫌いなSPとお見合いしたら甘く包囲されました
大嫌いなSPとお見合いしたら甘く包囲されました
ISBN:978-4-596-52150-7
ページ数:290
発売日:2023年7月18日
定価:690円+税
  • あらすじ

    エリートSPは標的を逃がさない
    お断りしたのに、いつのまにか雁字搦めにされて!?

    「早速ですが、僕と結婚してください」義理で受けたお見合いで開口一番にプロポーズされてしまった芽衣。SPとは結婚できないとはっきりお断りしたのに、護は諦めるどころか猛アプローチしてくる。甘やかされて心の壁を壊され、快感に溺れさせられて心がグラつく。彼がSPでさえなければ一緒にいたいのに。そんなときある事件に巻き込まれて!?

  • キャラクター紹介
    • 高羽芽衣(たかば めい)
      保育士。SPの父を任務中に亡くしたため、SPとは絶対に結婚したくない。

    • 堂島 護(どうじま まもる)
      警視庁のエリートSP。なぜか初めから芽衣と結婚すると決めているようで!?

  • 試し読み

    「す、すみませんっ、男性の、裸、こんな近くて見たことがないので……」
    「保育園でお着替えとかさせるんじゃ……」
    「幼児と成人男性を一緒にしないでくださいっ。園児たちのすっぽんぽんなんて、かわいいだけですよっ」
     ついムキになってしまう。護がクスクス笑っているのがわかって、怒りたいやら恥ずかしいやら複雑な気持ちだ。
    「子どもたちの裸は、かわいい、って見るのに。俺のからは目をそらすの? 俺の裸は、見るに堪えない?」
    「そんなことないですっ。すごく綺麗です」
     目をそらしたのを気にしている。失礼なことをしてしまったのかもしれない。慌てて顔から手を離すと、両手首を掴まれた。
    「本当?」
     尋ねる口調はとても優しいのに、その表情は綺麗としか言いようがなくて……ゾクッとする。
     彼に視線を惹きつけられたまま、芽衣は小さくうなずく。
    「本当……です。だって、なんか、鍛えてますっていう感じで頼もしいし、男らしくて素敵です……。み、見てもいいのかなって……迷うくらい」
    「じゃあ、さわって」
     二の句が継げない。口を半開きにしたままどう反応したものかと迷っていると、掴まれていた手を護の胸に持っていかれた。
    「綺麗だな、素敵だなって思ったものってさわりたくなるでしょう。どうぞ」
    「あ……」
     両手のひらが護の胸に触れる。押しつけられ、胸筋の弾力が直に伝わってきた。
     男性の胸は硬いものだと思っていたせいか、意外な柔らかさが手に気持ちいい。芽衣は自分から手を押しつけて弾力を確かめてみた。
     手首を掴む手に力は入っていない。好きに動かせるのをいいことに、芽衣は手を移動させて肩や腕もさわってみた。
    「どう? さわり心地」
    「……思ったより柔らかくて、いい感じです。なんだか弾力が気持ちいい。筋肉って、もっと硬いと思ってました」
    「筋肉は力を入れると硬くなる。普通にしていればそんなに硬くない」
    「そうなんですね……」
     興味を引かれるままベタベタさわりすぎたかもしれない。それに気づいたとき、護の両手が芽衣の胸元をまさぐっていた。
    「俺も、綺麗だなと思ったもの、さわろうかな」
    「あ……」
     自分が好きなようにさわっている手前、駄目ですとも言えない。迷う間もなくブラジャーを取られてしまった。
    「困った。綺麗だ」
     護の視線が胸に落ちているのがわかる。恥ずかしくないわけがない。見られているのだと思うと、彼の視線だけで胸がじりじりする。
    「綺麗では……」
    「どうして? なにかと比べている? とても綺麗だ。……ほら」
     両手で胸のふくらみを軽く揉みしだかれる。そんなに力が入っているわけではないのに、柔らかなふくらみが握られた風船のように形を変えた。
    「あっ……」
     またそれがおかしな感覚を運んでくる。くすぐったい気もするけれど、それとは違うむず痒さだ。
    「白くて柔らかくて、さわり心地もいい」
    「んっ……」
     唇を引き結んでその刺激に堪える。手で口を押さえればいいのに、芽衣の両手は護の胸から離れない。
     揉み動かす手に少しずつ力がこもってくる。だからといって痛いわけではなく、刺激が強くなってくる。
     キッチリと口を閉じていると息苦しい。肌の刺激に反応して呼吸が速くなっていて、鼻呼吸だけでは間に合わない。
    「我慢しなくていい。楽にして」
    「でも、……ハァ、ぁっ」
     言い返そうと口を開くと言葉ではない予定外の吐息が漏れる。あわてて閉じた唇を内側に巻きこんだ。
    「仕方がないな、芽衣さんは」
     クスリと笑われ、羞恥心がくすぐられる。意地を張る園児を諭している自分を見ているようだ。
     固く閉じられた唇に護のそれが重なってくる。とはいっても唇を内側に巻きこんでいるので、彼は唇の上下の皮膚にキスをしていることになる。
     しかしその場所で食むように唇を動かされると、独特のくすぐったさがあって唇がほどけてくる。むずむずして半開きになった唇に吸いつかれ押しつけられ、もう意地を張れなくなる。
    「ハァ、ぅ……」
     おかしな吐息が出そうになる前に彼がそれを吸い取る。甘ったるい吐息が恥ずかしいから意地を張っていたのを、わかっているかのよう。
     いや、おそらく彼はわかっているのだ。それだからこうして呼吸ができるように唇を開かせて、吐息だけを吸い取ってくれている。
    (……優しいんだな……本当に)
     胸の奥で、きゅんっと小さな感情が飛び跳ねる。胸を揉み動かす力が少し強くなって、そこから生まれる刺激でさらに吐息が熱くなった。
    「んっ……ン、は、ぁ……」
     おかしな吐息は確かに抑えてもらえているのに、喉が甘え、鼻が切なげに鳴る。さすがにこれは護も抑えようがない。
     彼の指が胸の頂を大きく擦る。電流のような刺激が走り、びくんと上半身が揺れた。
    「あぁっ……!」
     つい、取り返しがつかないくらい恥ずかしい声が出てしまった。自分の声なのに、聞いたことのない声だ。保育園で出すような甲高い声、でも、甘ったるくて、なんだかいやらしい。
    「かわいい声だ」
     吸い取ってくれると安心させて、いざというところで裏切った護は満足そう。しかし文句を言う間も与えられないまま、彼の指は頂を擦り続ける。
    「あっ、あ……やぁっ」
     反応を覚えてしまうと声はいくらでも出てくる。指だけでは飽き足らないのか、今度は舌で舐め上げられた。
    「ひゃっ、ぁンッ……や、ァ」
     あたたかい舌がねっとりと頂に絡みつく。特殊な生き物が動いているようで、見ているだけでむずむずする。
     片方を舌で、もう片方の頂は指で擦られ、胸が刺激でいっぱいだ。じれったさが募って、腰が重くなってくる。それが切なくて何度も腰をベッドに押しつけた。
    「あっ、やぁぁ……堂島、さ……ンンッ」
    「芽衣さん、どっちがいい?」
    「どっち……って」
    「指と舌」
    「そんなこと聞かない……ひゃぁんっ!」
     反抗しようとした矢先に頂に吸いつかれる。指でも舌でもない新たな刺激は、わずかな痛感が快感に変わり自分がステップアップしたように思わせた。
    「ぁあっ、ダメ、だってばぁ……んっ、ンッぁ」
     もう片方の頂を指でつままれる。いつの間にか飛び出した突起が彼の指で揉みほぐされていく。芽衣はとうとう護の胸から手を離し、彼の頭を両手で挟んだ。
    「ダメ、ぁっ、そんな……しちゃ……ぅぅンッ」
     吸いつかれたほうも突起が飛び出してきているらしい。唇でこすり上げるようにしゃぶられ、なんともいえないじれったさに苛まれるあまり首を左右に振って身悶えする。
    「あぁぁん、や、やぁぁ、胸ぇぇっ」
    「芽衣さんっ」
     護が胸から顔を上げた、のはいいが、口調が強いうえ厳しい顔をしている。もしや駄々っ子みたいでみっともなかっただろうか。ここまでしておいて「いや」とか「ダメ」とか口にしてはいけないのかもしれない。
     にわかに緊張する。が、護は大きく息を吐いて眉を下げたのである。
    「感じる声がかわいすぎる」
    「は……ぃ?」
    「普段の声もかわいいけど、あえぎ声がすごい。薄っすらと背徳感さえ覚える」
    「す、すみませんっ。意識したわけではないんですけど……なんか、保育園で出すような高音になっちゃって……」
    「〝萌え声〟か……。これは本当にストーカーを警戒しなくてはいけないレベルだ」
    「大げさですよ」
     護は以前、保育園の父兄に疑惑の目を向けたことがある。これでは本当に疑ってかかりそうだ。そんなことは考えたくない。芽衣は強く否定する。
     すると、護はにやっと口角を上げた。
    「俺がストーカーになりそうっていう意味。芽衣さんが心配で心配で」
    「なっ、なに言ってるんですかっ」
    「本当だよ」
     胸をさわっていた手が頬を撫でる。優しい眼差しはとても艶っぽくて、鼓動がひとつ高鳴るたびに体温が上がっていく。
     護の顔が近づき、鼻がくっつく。お互いの呼吸さえ感じる距離で、彼の囁きが唇をくすぐった。
    「安心させて……。俺のこと」
    「どうすれば、いいんですか……」
    「もっと、芽衣を知りたい」
     心臓が飛び跳ね、身体が震えた。真摯な声で呼び捨てにされたから。そればかりではなく、彼の片手がスカートをずり上げながら太腿に到達したからだ。
    「芽衣の、心も、身体も、全部」
     唇が重なる。太腿からショーツの上にかぶさった手が脚のあいだを縦に往復し、湿った部分をそろえた指先で押した。
    「んぅ、あっ……!」
     下半身が大きく震え、思わず両膝が立つ。脚を閉じようとするが、護の手がはまってしまっているので無駄だった。
    「濡れてる。ここ。わかる?」
     離れた唇が優しい口調で意地悪に囁く。湿った部分を見つけた指は、その場所をぐりぐりと押し回した。
    「あっ、ハァ……ぁぁ」
     脚のあいだから生まれる刺激が腰に広がっていく。脚の付け根が攣って、お尻に力が入った。
     両膝をつけてもじもじと腰が揺れる。そうすると挟みこんだ護の手がよけいに秘裂を刺激して官能が騒いだ。
    「あっ、ぁぁ……や、やぁ、手……ンッ」
    「それなら、手はやめよう」
     潔すぎるセリフを吐いて、護が秘裂から手を外す。が、ショーツをスルっと脚から取られ、ついでにワンピースもベッドの下に落とされた。
    「えっ!? 早っ!」
     一連の行動が素早すぎて脱がされたほうがびっくりする。あまりにもびっくりしすぎて、全裸にされたのに身体をかくすのも忘れ護を凝視してしまった。
    「そんなに疑わしく見なくても大丈夫。俺も脱ぐから」
    「はい?」
     力強く断言し、護がボトムスに手をかける。さすがにこれには素早く顔をそらした。
     上半身を裸にされたとき、ふたりで脱げば不公平じゃないから芽衣も恥ずかしくないという説を打ち立てていた。今回もそれを実行しているのだろうが、上半身にしろ下半身にしろ、本当に潔すぎる。
    「苦しかったから、ちょうどよかった」
     衣服がベッドの下に落とされる気配。護が安堵するように息を吐く。
    「苦しいって……どうかしたんですか?」
    「うん、芽衣がかわいすぎて興奮しすぎたから、もうパンパンで。本当のことを言えば早く脱ぎたかった」
     なにがパンパンだったのか、そんな爽やかに語られても困る。
     膝を立てたままぴったりと閉じた両脚を、護がゆっくりと撫でる。掴むように移動し、しっとりとしみこんでくる手の感触が心地いい。
    「想像以上だ。本当に、芽衣はかわいい」
     そんなに感慨深げに言われると照れてしまう。いつの間にかすっかり呼び捨てになっているし、こういう状態だからか、護が妙に頼もしく見えて胸の奥がきゅんきゅんしっぱなしだ。
    (ただでさえかっこいいのに、こういうときってよけいにかっこよく見えるものなのかな)
     脚を撫でられてうっとりしている場合ではなかった。唐突に両脚を大きく広げられてしまったのだ。
    「ひゃぁん!?」
    「だからっ、声がいちいちかわいいっ!」
     とっさに出てしまった高い声に物申し、護は先ほどまで指で刺激していた秘裂に唇をつける。
     驚いて腰が震えた次の瞬間、彼の舌が潤いの中で動いた。
    「あっ……! そこ、はぁ……」
     伸ばした両手は彼の髪を掴む。そのまま押してみるが、当然のように彼の顔も舌も離れない。
    「堂じ……! は、ぁ、あっ!」
     ぺちゃぺちゃと音をたてて動く舌が、今までとは違う愉悦を連れてくる。戸惑うよりも、もっと先に進んでほしいと思わせる感触。舌で恥ずかしい部分に触れられるという行為を、恥辱を感じながらももっと求めてしまう理不尽さ。
    (どうしよ……きもちいい……)

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