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試し読み
「リタは感じやすいんですね。そういうところも可愛いです」
「あっ」
頬にちゅっと、触れるだけの口付け。
そして彼はそれを合図にリタのドロワーズに手をかけ、脱がしてしまう。
「やっ」
濡れた薄い茂みとその下の秘裂が、夫の眼下に晒される。
リタは思わず足を閉じようとしたが、アルバートの腕がそれを阻んだ。
「や、やめて、アルバートさま」
そんなところ、見ないで。恥ずかしい。恥ずかしくて、死んでしまいそう。
しかし彼の青い瞳は、リタが隠したい場所をまじまじと見つめてくる。
「怖がらないで、リタ。全部、俺に見せて」
違う。怖いのではなく、恥ずかしいのだ。
覚悟を決めたはずなのに、恥ずかしくてたまらなくて、逃げ出したくなる。
「もし、本当に我慢できないと思ったら、容赦なく俺を蹴り飛ばしていい」
「アルバートさま……」
言って、 アルバートはリタの股間にゆっくりと顔を近づけていった。
「なにを……っああっ」
アルバートの唇が、舌が、形を確かめるように秘裂の襞をねっとりと撫でていく。
どんどん蜜が染み出してきて、彼が指を動かす度、くちゅくちゅと淫らな水音が響いた。
「ひっ……」
ぷくりと勃ち上がった敏感な花芽、その周囲に触れられるだけで強い快感が襲ってきて、リタはアルバートを蹴り飛ばすどころではなかった。
「あっ、ああっ」
リタはびくっ、びくっと身体を震わせる。
いつの間にか、彼女の緑色の瞳には涙が浮かんでいた。
秘裂に当たる、彼の吐息にさえ感じてしまって、切なくて、苦しい。
「アルバートさまっ、アルバートさまぁ」
ねだるような、すすり泣くような声で夫の名を呼びながら、
「あっ、やっ、あ……ああああっ!」
リタは白い喉を反らし、初めての絶頂を迎えた。
(…………気持ち、良かった)
ぼうっとする頭で、リタは思う。
忘我の境地、とでもいうのだろうか。光が弾けたように目の前が真っ白になって、一瞬のようにも永遠のようにも感じられた。
これが『果てる』ということなのだわと、かつて官能小説で目にし、いまいち感覚がわからなかった言葉の意味を身を以て知る。
そんなリタの秘所からいったん身を離したアルバートは、とろんとした顔の妻に満足げに微笑むと、愛撫を再開した。
「あっ……」
今度は彼の指が、果てたばかりで感じやすくなっている蜜壺を攻め立てる。
指の腹で襞を擦られ、花芽を捏ねられて、絶頂の余韻にひたっていたリタは再び快楽の海へと落とされた。
「あっ、んっ、ああっ……」
ますます蜜を滴らせる秘裂の奥に、アルバートの指が沈められる。
「んう……っ」
「……やっぱり狭い、な」
ぼそりと呟かれた彼の言葉に、リタははっとする。
そうだった。男女の交わりには続きがあるのだ。
(……その、アルバートさまの……を、私の……に、入れる、のよね……)
とたん、リタは不安になる。
初めて男性と繋がるのはとても痛いと聞く。
痛みのあまり旦那さまを蹴り飛ばしてはいけませんよ、我慢してくださいましねと、ばあやにもしつこく言い含められたほどだ。
アルバートのキスや愛撫が思いの外気持ち良くて、リタはすっかりそのことを失念してしまっていた。
(だ、大丈夫なのかしら……)
だがリタの心配に反して、アルバートはすぐさま挿入しようとはせず、とても丹念に愛撫を続けてくれる。
「あっ、ああっ……」
最初は彼の指一本を受け入れるのもきつかったリタの蜜壺は柔らかく解れ、三本まで受け入れられるようになっていた。
(アルバートさま……)
彼は優しい。自分の欲望を優先することなく、初めてのリタを気遣って、丁寧に慣らしてくれるつもりのようだ。
これならきっと、アルバートの剛直も受け入れられるだろう。
ちょっぴり怖いけれど、彼となら……
(どんな痛みだって、我慢するわ)
リタは心の中で決意しながら、与えられる快楽に酔い痴れる。
「んっ、ああっ」
柔らかく解された蜜壺に、再びアルバートの舌が侵入してきた。
指で穿たれながら、舌で蜜を舐めとられて、二重の攻勢にリタは喘いだ。
「あっ、ああっ、ああっ……」
そして最初よりもじっくりと時間をかけて高みへと昇らされたリタは、二度目の絶頂を迎え、華奢な身体を震わせた。 -
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