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あらすじ
そういうツンデレなところも好き
目的のため手段を選ばない御曹司に一途に迫られ……でも素直になれない!!幼馴染みの夏樹が役員として苦労していると聞き、望海は彼の秘書になると決意。でも夏樹は四六時中望海とイチャイチャしたがるばかり。彼のことは弟だと思っていたけど、キスされたり甘く触れられたりするとドキドキが止まらない!! ただ今までの関係が壊れてしまいそうで素直になれなくて――。そんな時、夏樹の役員としての立場が危機に……!?
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キャラクター紹介
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待山望海(まちやま のぞみ)
家業を手伝っていたが幼馴染みの夏樹の秘書に。面倒見がいいが素直になれない。 -
新川夏樹(しんかわ なつき)
人気玩具メーカーの跡継ぎ息子で常務。アイドルのようだが昔から望海に一途。
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試し読み
どうしてこんなことになってしまったのだろう。望海は大きな手で胸のふくらみを弄ばれながら、夏樹を部屋に入れてしまった自分の浅はかさを後悔していた。
確かにホテルの駐車場で夏樹と付き合うことは受け入れたけれど、こんなにも早く身体の関係になるつもりなどなかった。
あのあと食事をして、もう少し一緒にいたいとごねる夏樹を部屋に招いたことこそが自分の失態で、気づいたら深いキスをされて、あっという間にベッドに押し倒されていた。
「ま、待って……! こんなの、まだ早い……」
口付けの最中切れ切れにそう呟いて抵抗したけれど、それを封じるようにさらにキスが激しくなった。
「んぅ……は……、ンンッ……」
あまりに長い時間口付けられているうちに身体が弛緩してしまい、気づくと大きな手で身体を愛撫されていた。
「こんなの、いやぁ……」
夏樹を押しのけたいのに、熱を持った身体は思い通りに動かない。
「どうして嫌なの? 俺のこと、好きなんでしょ?」
「そうじゃなくて! だって、こんないきなりなんて心の準備が」
フライングでキスを二回したけれど、正式に付き合うのは今日からなのだ。それなのに次から次へと新しいことが押し寄せてきて頭の整理が追いつかない。いずれはこういうことがあると思っていたが、それが今日なのが早すぎるのだ。
「望海はそうかもしれないけど、俺はずっとこの日を待ちわびてた。やっと望海の気持ちが聞けたんだ。我慢していた気持ちが抑えられなくなって当然だろ」
「で、でもこういうのには時間をかけるとか、順序があるでしょ」
「順序?」
「ほらデートするとか、手を繋ぐとか、キスをするとか」
そこまで言いかけて、すでにその辺はクリアしてしまっていることに気づく。デートとして出掛けたのは映画ぐらいだが、それまでに何十回と真似事をしているのだから今更だろう。
望海がなにに気づいたかわかったように、夏樹がニヤリと唇の両端を吊り上げた。
「ね。次はこれしかないだろ? 大丈夫、絶対大切にするから」
それ以上は夏樹に抗うことができずに、勢いに押されて服を脱がされてしまったのだった。
このまま夏樹の好き勝手させていいのか不安を感じたときに、現実に引き戻すように柔らかな胸がキュッと掴みあげられた。
望海が一瞬別のことを考えていたのに気づいたかのようなタイミングだった。
「あ、んん……っ」
キュッと胸を掴まれた刺激に声が出てしまい、必死で口を閉じる。なんとか堪えていると、長い指が柔肉の中心で膨らんでいた先端に触れた。
薄赤く染まったそこはぷっくりと膨れて指が触れた瞬間、身体中に電流が走った。まるでスイッチを入れられたみたいだ。
「や……んんっ」
夏樹は指の腹を使って赤い凝りをコリコリと揉みほぐし、ときおりキュッと捻るように摘む。次第に先端がジンジンして、なぜか触れることのできないお腹の奥や足の間までがムズムズしてきてしまう。
まだスカートと下着が残っていることが唯一の救いだと思った瞬間、夏樹の手がスカートのジッパーに伸びた。
「あ……」
スカートを脱がされると思っていたのに、夏樹の手はスカートと一緒にストッキングや下着も引き下ろしてしまう。抵抗する間もなく膝を曲げられ、あっという間に裸にされてしまった。
「い、一枚ずつって言ったのに……」
「そうだったね。じゃあ俺も全部脱ぐから」
「え?」
膝の上から下ろされ思わず振り返ると、立ちあがった夏樹がスラックスと下着を順番に脱いでいく。指が下着にかかった瞬間慌てて目をそらしていたけれど、夏樹は望海の前で裸になることに抵抗がないらしい。
「お待たせ」
再び背後から腕が伸びてきて、気づいたときには夏樹の膝の上に抱え上げられていた。
「ねえ」
夏樹の身体が先ほどより深く覆い被さってきてドキリとする。もう逃がさないと言われているみたいだ。
「望海、こういうの初めてだって思っていいんだよね?」
耳朶に熱い息を吹き込まれて、望海がブルリと身体を震わせた。
「安心して、俺も初めてだから」
夏樹はさらりと口にしたけれど、そんなことを信じられるはずがなかった。
昔からすぐ女の子たちに囲まれていたし、何度も面倒な相手を追い払うのに利用されたことだってあるのだ。そんな夏樹が今までまったく女性と付き合ったことがないなんて信じられない。
「嘘……そんなの」
「俺とずっと一緒にいたんだから、わかるだろ」
やわやわと胸をもみ上げられ、望海は何度も首を横に振った。
「し、信じない……」
「俺、一途なんだ。望海もいい加減気づいてよ……」
熱い舌が首筋に這わされ、夏樹の言葉が途切れた。
長い指は先ほどよりも硬く締まった胸の先を捏ね回し、指の腹で挟み込まれて引き伸ばしながら強く扱かれる。躊躇いのないその動きは、望海には手慣れているようにしか思えなかった。
「んっ……や……はぁ……」
なんとも言えない甘い痺れに堪えきれず、望海の唇からはしたない声が漏れた。
初めてなのにこんなに巧みに服を脱がせたり身体に触れたりできるのだろうか。それにすぐに思考が蕩けてなにも考えられなくなるようなキスだってするし、夏樹に経験がないとは思えない。
きっと初めて男性に抱かれる望海を安心させるためにそんな嘘をついているのだろう。
「子どものときから望海のことが好きだったけど、気づいたときには望海しか欲しくなかった。だから望海以外の女に触れたいなんて考えたこともないよ」
もしそれが本当なら嬉しい。しかしそれなら子どもの頃からもっとそれらしい態度をしてくれてもよかったはずだ。いつも困ったときに利用されていたと思うと、彼の言葉のすべてを信じることに躊躇いを感じてしまう。
「そんなの……信じられない……」
「じゃあ、信用してもらえるように頑張るしかないな」
乳首を弄んでいた指が先端をキュッと摘む。
「あっ」
身体が大きく戦慄いて、思わず高い声を漏らしてしまう。
「それ、いや……んっ!」
「どうして? 可愛い声だよ。我慢しないでもっと聞かせて」
夏樹はそう言うと胸を愛撫しながら、耳朶をぱっくりと咥え込んだ。柔らかな耳朶が舐めしゃぶられて、舌を耳孔に差し込まれる。
「あ……ン、や、はン……はぁ……っ」
ぬるつく甘い刺激に声が漏れて、次第に息が乱れてくる。
「望海、可愛い」
腰に手を回され横坐りにされたかと思うと、あごに手がかかり顔を上向かされる。あっと思ったときにはキスで唇を塞がれていた。
「ふ、ぁ……っ」
すぐに熱い舌先が入ってきて、舌が口腔をヌルヌルと這い回る。いつの間にか口の中が夏樹の舌でいっぱいになってしまい、息苦しさに首を横に振る。すると角度を変えてさらに深く唇を塞がれ、望海はほとんど真上を向いて夏樹の口付けを受けることになってしまった。
「んっ、ふ……ぅ」
声を漏らしたくないのに、鼻から熱い吐息と共にくぐもった声が漏れる。舌が絡みつくたびに背中がゾクゾクして、つま先まで痺れが広がっていく。
「はぁ……っ」
口の周りは唾液で濡れそぼっているのに、濃厚なキスで頭がぼんやりしてしまいそれを拭うという考えにまで及ばない。
熱い唇は顔中に、まるで大粒の雨のように降り注ぎ、その熱で望海を蕩けさせる。うっすらと瞼をあげると夏樹の顔が間近にあり、今まで見たことのない優しい眼差しで見下ろされていた。
「望海が裸で俺の腕の中にいるなんて、まだ信じられないんだ」
「……」
「俺が好きなのは今までもこれからも望海だけだ。だから望海の初めてを俺にちょうだい」
夏樹の囁くような声が切なくて、心臓がギュッと掴みあげられたように苦しい。夏樹はもっと前からこんな切ない気持ちになっていたのだろうか。
「望海、大好き」
キスで潤んだ眦に夏樹が唇を押しつける。最初は夏樹の唇で触れられることが恥ずかしくてたまらなかったのに、今はその温かさに慣れて、心地よさにうっとりしてしまう。
「望海の全部にキスしたい」
夏樹はそう呟くと望海をシーツの上にそっと抱き下ろし、柔らかな胸をすくい上げてその先端に口付けた。
薄赤く膨らんだ乳首が熱い粘膜で包みこまれて、チュウッと吸い上げられる。下肢に走ったキュンと甘い痺れに、望海の身体が大きく跳ねた。
「これ、好き?」
そんなことを問われて頷けるはずがない。小刻みに首を横に振ると、今度は熱い舌が赤い凝りをねっとりと舐め転がし始めた。
唾液を纏わせながら激しく舐めしゃぶられて、胸の先端が痛いぐらいジンジンと痺れている。弾力を楽しむように舌で口蓋に押しつけられ、コリコリと凝りを押し潰されて、望海はたまらず声をあげてしまう。
「あっ……ん、や、ンンンッ!!」
シーツに背中を擦りつけて身悶えなんとか快感を逃がそうとしたけれど、強い刺激で身体が跳ねるたびに夏樹に胸を突き出してしまい、もっとして欲しいと強請っているように見えてしまう。
夏樹もそう思っているのか、さらに激しく胸にむしゃぶりつく。
「ねえ、感じやすい人は胸だけでイケるって聞くけど、望海はどうかな? 試してみる?」
そう呟きながらも夢中で胸の先端を交互に吸い上げる。大きな手のひらが胸のふくらみをもみ上げ、柔らかな肉がグニャグニャと淫らに形を変えた。
「や、ン……ダメェ……っ……」
まだイクというのがどんなものなのかわからないけれど、すごく淫らで恥ずかしいことであるのは理解できた。
それについこの間まで幼馴染みで親友だと思っていた夏樹が、夢中になって自分の胸にむしゃぶりついていることも信じられない。夏樹はこんな淫らな姿を見せ合うことに抵抗はないのだろうか。
望海は身体が疼いて声が溢れることも、こうして素肌を晒すことも恥ずかしくてたまらなかった。それに繰り返し愛撫された乳首が痺れて痛いぐらい感じていてもうやめて欲しかった。
「……あぁ……ん、ん……も、いや……」
わずかばかりの抵抗で夏樹の柔らかな髪に指を差し入れ、頭を押し戻す。すると濡れた唇からぷるんと乳首が飛びだして、唾液にまみれた乳首が空気に晒される。
「あっ」
予想外の刺激に声をあげると、押しのけられた夏樹が脇腹を甘噛みした。
「ひゃっ、ン!!」
「望海は昔からここが弱いよね」
唇でチュチュッと音を立てて吸われたり、歯を立てられているうちにブルブルと腰が震え出す。
夏樹の言う通り脇腹は昔から擽られると笑いが止まらない場所だったが、今夜は擽ったいというより肌が粟立つほどの刺激で身体が震えてしまい、愉悦が全身を支配していく。それに身体の奥から熱いものがとろりと溢れてきて、足の間を濡らしていくのを感じた。
「や、ン……やめ、て……はぁ……ん……」
身悶えるたびに目の前では愛撫で赤く腫れ上がった乳首が揺れて、疼いて仕方がない。
「はぁ……もう最高に可愛くて、ヤバイ……」 -
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