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あらすじ
君を愛して、愛し尽くしたい
密かに思っていた大公閣下に跪かれて求婚されて!?女騎士だった頃の護衛対象であり、密かに好きだった大公ラウルに請われ結婚することになったジナ。彼は女嫌いだがジナになら普通に接することができるのだ。「君が私に反応していると思うとたまらないな」仮面夫婦になるのかと思いきや情熱的にジナを抱き、甘く愛してくるラウル。幸せな新婚生活を満喫するも、彼は何かを隠しているようで!?
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キャラクター紹介
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ジナ
ラウルの元護衛騎士の男爵令嬢。ラウルを庇い怪我をして騎士を辞める。 -
ラウル
前女王の弟である大公閣下。凛々しく聡明だが極度の女嫌い。
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試し読み
「と、とんでもないチョコレートですね」
「たぶん、チョコレートだけのせいではない。同様のものを前にも食べさせられたことはあるからな」
いいながら、そこでラウルが熱で潤んだ目をジナに向ける。
「前に食べたときは全く反応しなかったが、やはり君が相手だと別らしい」
「わ、私……?」
「この熱は、君のせいだ」
顔から手を退け、ラウルがジナの腕を掴んだ。
強く引き寄せられ、彼女は彼の上に倒れ込む。咄嗟に手をついたが、目の前にはラウルの顔がある。
瞳は情欲に濡れ、恐ろしいほどの色香が彼からは漂っていた。
「君に触れたくて、どうにかなりそうだ」
苦しげな息と共に、ラウルがジナの耳元に唇を寄せる。
耳をくすぐる吐息は熱く、ジナもまた彼に触れたいと強く願ってしまった。
(でも、良いのかしら……。触れることで余計に具合が悪くなったら……)
不安がよぎるが、ちらりと窺い見た彼のものが治まる気配はなさそうだった。
むしろ無理に押さえつけられて痛むのか、ラウルが苦しそうに身をよじる。
その状態は時に激しい痛みさえ伴うと、ジナは下世話な同僚から聞かされたことがあった。
ラウルの護衛はジナを除けば皆男で、彼女自身も男らしく振る舞っていたため、経験はないのに、男性器や性行為についての知識だけは無駄についてしまったジナである。
「……ひとまず、一度楽にした方が良いですね」
さすがにきつそうだと思ったが、そこでラウルが小さくかぶりを振る。
「いや……せっかくの好機を……逃したくない……」
そしてラウルは、ジナをぎゅっと抱きしめる。
「もし君が嫌でないのなら、私は君と……」
言葉の続きは苦しそうな吐息で聞こえなかったが、彼が何を求めているかわからないジナではない。
「い、嫌ではありません……でも……」
「なら試したい。少しでも、君と夫婦らしいことをしたい……」
頼むと告げる声は切実で、ジナは断ることができない。
それに彼女もまた、望みは同じだ。
ラウルほどではないが、先ほどのキスによって快楽の火種が身体の奥でくすぶっている。
「わかりました。なら、試してみましょう」
ジナの言葉に、ラウルが微笑む。その笑みにはぞくりとするほどの色香が漂い、触れられたわけでもないのにジナの身体が熱を持つ。
同時に下腹部のあたりが疼き、じわりと何かが滲むような感覚を覚える。
それが何か、ジナは知っていた。けれど今の状態では、まだまだラウルを受け入れるのにはきっと足りないだろう。
「と、とりあえず……準備をしますね」
彼に負担をかけないよう、身体を繋げやすい状況を作らねばとジナは考える。
本来なら男性がすることだが、ラウルは女性の肌に触れるのが特に苦手だ。
ならば自分でどうにかせねばと考え、ジナはそっと身を引く。
「どこへいく?」
「だ、だから準備です」
「ここではできない事なのか?」
「み、見られるのは恥ずかしいことなので……」
ジナだって初めてのことだし、見られていたら絶対にできない。
そう思って一度浴室に行かせてほしいといったが、ラウルの手は離れない。
「あ、あの、ラウル様?」
「そもそも、その準備は私がすべき事だろう?」
「せ、性交渉について、ご存じなのですか?」
「最低限の知識ぐらいある」
いうなり、ラウルの手がジナの下腹部をなぞった。
「……っひ、ン!」
こぼれた声はあまりに情けなくて、ジナは慌てて口を手で覆う。
「ここをほぐすのだろう?」
「そ、う……です、けど……ッ」
「それくらい私でもできる」
「で、でも……ッ、ンッ、なか……を……ほぐさないと……」
寝間着と下着の上からなぞるだけではきっと挿入は難しい。
「もしもの時のために、ほぐすオイルもルドヴィカが置いていったぞ」
「なら、貸してくだされば……」
「私がやりたい」
断固とした声で、ラウルが言う。
「でも、触れるのですよ?」
「君なら平気だ」
むしろ触れたいというように、ラウルが寝間着の裾をめくり上げる。
露わになった下着に指をかけ、脱がそうとする手つきにジナは息を呑む。
彼の手つきには躊躇いがない。熱のせいで理性が失われているのか、もしくは初めてだからこそ躊躇いがないのか。
不安はあるが、ジナだって自分で触れるよりは触れてほしい。
恥じらいを感じつつも、ラウルが下着を脱がせやすいように、ジナは腰を持ち上げる。
「いつも思っていたが、君の脚は綺麗だな」
下着を引き抜きながら、ラウルがジナの右足をそっと持ち上げる。
「全然綺麗じゃ……」
むしろ右足には大きな傷が残っており、思わず目を背けたくなる。
しかしラウルは穏やかな相貌を崩さない。それどころか愛おしそうに傷に唇を寄せた。
「んっ……」
そのままちゅっとふくらはぎに口づけをされると、思わず喉が鳴った。
女の身体は口づけやふれ合いによって快楽を覚える、という知識はあったものの、まさか脚にまでそうした箇所があるとは思わず、ジナは戸惑う。
「綺麗だよ。こんなに綺麗な脚は、この世のどこにもない」
「ッ、そこ、キス……される、と……ッ」
「ここにキスされるのが、好きなんだな」
「好き……というか、あっ……んン、ッ」
ふくらはぎだけでは飽き足らず、ラウルはジナの足の指先を口に含む。
そのまま優しく食まれると、自然と腰が跳ねた。それに気をよくしたのか、ラウルはつま先から太ももへ唇を這わせ、甘いキスを何度もみまう。
特に太ももへのキスは刺激的で、ジナの足がピンと張り詰め、ラウルを蹴り飛ばしてしまいそうなる。
「ご、ごめんなさい……」
「構わない。むしろもっと、感じているところが見たい」
「で、でもっ、変な、声が……」
「可愛い声だ」
「けど、女……ッ、ぽい声、に……なっちゃう……」
ジナの声はあまり高くはない。なのに快楽を与えられるとこぼれる声は艶を帯び、いつもより甲高く聞こえる。
「問題ない。むしろその声も好きだ」
そういうと、ラウルがジナの膝を立てる。
「これからここをほぐすが、声を出したくなったら遠慮はするな」
相変わらず彼の声は熱っぽいが、かつて倒れたときと違って意識ははっきりしているようだ。
それにほっとしながら、ジナは彼に身を任せようと決める。
実際、彼女もまたこうしたことは初めてで、どう振る舞うのが正解なのかはわからない。
それに性行為の時は、男に身を任せるものだと母から教えられていた。
『まあ、あなたには必要ない知識かもしれないけれど』という母に苦笑を返したときは、まさか早速その知識が役立つとは思っていなかった。
「ゆっくり触れるが、痛かったら言ってくれ」
ラウルの手によって腰を浮かされ、ジナは秘部を彼の前に晒す。
脚を広げたままの格好はなんとも恥ずかしいが、触れてもらうためには仕方がない。
「……ん、んッ、……ッ」
既にこぼれていた蜜をかき回すように、ラウルの指がジナの入り口をなぞる。
そうされると腰がゆれ、ピンと張ったつま先が扇情的に揺れた。
「すごく濡れているな」
「気持ち、悪くない……ですか?」
「まさか」
嬉しそうに微笑み、ラウルがゆっくりと指先でジナの入り口を広げる。
何も受け入れたことのないそこは、固く閉じている。
ラウルの指は太く、指先でさえ飲み込むのは大変だった。
「……う、く……ッ、ッ……」
身体の中をなぞられる感覚は、決して心地よくはない。
最初はただただ違和感が強く、この先に悦びがあるなんて思えなかった。
「ああ、少しずつ……私の指を呑み込んでくれている」
しかしラウルのそんな声を聞くと、胸の奥がキュンと甘く疼く。
疼きは胸から腰へと移り、違和感とは別の感覚をジナにもたらす。
同時に彼女の内側が、ラウルの指をきゅっと優しく締め付けた。
「あっ、……ッ!」
彼の指をより鮮明に感じた瞬間、ジナの内側に小さな火花が散る。
「君の中が、吸い付いてくる」
ラウルが感嘆の声をこぼし、より深く指を差し入れる。
違和感が増したが、ジナの内側では愉悦がすでに芽吹き始めていた。
ゆっくりとだが中がほぐれ、ラウルの指の形に押し広げられていく。
「あ、やぁ……、ン、ん……ッ、あンッ」
こぼれる声も艶を増し、ジナの身体の震えが次第に大きくなる。
腰の奥がヒクつき、全身に汗が滲む。触れられていない場所まで熱をもち、吐き出す息もとても熱い。
(でも、気持ち、いい……。さっきまで……あんなに変な感じだったのに……)
熱と共に、身体の奥から滲み出すのは感じたことのない心地よさだった。
でも心地よさが増せば増すだけ、切なさと物足りなさが増していく。
中をほぐす指は増え、隘路を抉る指付きもどんどん激しくなるが、それでもまだ足りないと思ってしまう。
「ラウル、様……、もう……」
「待て、さすがにいきなり受け入れるのはつらいはずだ」
「でも、欲しい……」
彼が欲しい。彼と繋がりたい。
気がつけばそんな気持ちに支配され、毛布を握りしめていた手をラウルへと伸ばす。
蕩けきった眼差しに欲望を乗せると、彼が小さく息を呑む。
「そんな顔をされたら、私も我慢できない」
ラウルがぐっと歯を食いしばり、ジナの中から勢いよく指を引き抜く。
「……ああッ、ッ!」
あまりの勢いに腰が跳ね、ジナの中に激しい愉悦の兆しが生まれる。
彼女の相貌がより蕩けたのを見て、ラウルがそこでもう一度濡れた花襞に指を寄せた。
「指じゃ……なく、て……」
「だが、繋がる前に一度楽になった方が良い」
言うなり、ライルの指がぐぷっと勢いよく中を抉った。
僅かに指を曲げ、中を擦りあげる動きにジナは身体を大きく震わせる。
更に彼は、親指で花襞をかき分け隠された芽を探し当てた。
露わになった花芽は蜜に濡れて妖しく光り、愉悦によってヒクヒクと震えている。
「私に反応していると思うと、たまらないな」
「あっ、そこ……、すごい……」
「心地良いのか?」
「よす、ぎて……ああッ、私……私……」
腰をガクガクと震わせ、ジナはきゅっとラウルの指を締め上げる。
それを満足そうに見つめながら、彼はより激しく花芽を舐った。
次の瞬間、ジナの内側から激しい愉悦があふれ出す。
それは全身を駆け抜け、瞬く間に理性を焼き尽くした。
声にならない悲鳴を上げ、小刻みに震えながら、ジナは初めての絶頂に翻弄される。
「ああ、やはり……君なら……」
蕩けきった顔で息を乱していると、耳元でラウルの声がする。
視線を感じるが、彼の表情も声も今は上手く捕らえることができない。
そうしていると、とても熱い何かがヒクつく下腹部をこすりあげた。
ジナからこぼれる蜜を拭い取るように、逞しい者がゆっくりと入り口を擦る。
その先端が熟れきった花芽をこすると、再び快楽がにじみ始め、ジナは大きく身もだえた。
「入れるぞ、ジナ」
ようやく捕らえられた言葉は、激しい行為の始まりだった。
指よりももっと大きなものが入り口を割り入り、ジナの中を引き裂く。
激しい痛みに腰が引けるが、施された口づけが恐怖を和らげた。
「ジナ……、ッ!」
キスの合間に呼ぶ声は、まるで愛を囁いているようだった。
それが嬉しくて、ジナは自分に重なる逞しい身体にぎゅっと縋り付く。
痛みはなおも続いたが、隘路を抉るのがラウルのものだと思うと、喜びもまた溢れる。 -
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