Vanilla文庫 ドルチェな快感♥とろける乙女ノベル

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書籍詳細

  • 9784596745064

溺愛の誤算

著者:宇奈月 香
イラスト:北沢 きょう

ISBN:978-4-596-74506-4
ページ:290
発売日:2016年4月16日
定価:本体590円+税

あらすじ

弟を喪ったばかりのエミリーは、弟の文通相手である伯爵・ルイに会いに行くことに。しかし、ある事件が発覚し、ルイはエミリーに力を貸す代償に体を求めてきた。「いやらしい顔を僕に見せて」屋敷に囲われ、蕩けるような愛撫と甘い言葉で満たされるうちにエミリーはルイのことばかり考えるようになってしまう。だが、ルイに婚約者がいると知り――。

キャラクター紹介

heroine_vbl56エミリー

子爵令嬢。献身的に病の弟の世話をしていた。しっかり者だが、寂しがり屋な一面も。

hero_vbl56ルイ

伯爵。エミリーの弟の支援者であり、文通相手だった。エミリーに対して何か思惑があるようで……。

試し読み

「や……ッ、駄目!」
 焦った声に、ルイが嬉しそうに微笑する。
「可愛い声。もっと聞かせて」
 そう言うや否や、布の端を引っ張り出した。絞めつける力がふっと緩む。解放感に安堵する間もなかったのは、胸元に顔を寄せたルイが巻き付いている布の上側の一部を口に咥えたからだ。そうして、一気に獣が捕獲した獲物の肉を引きちぎる動作で布を引き下ろした。途端、圧迫から解放された乳房が瞬く間に形をもった。
「見ちゃ駄目!」
 慌てふためき胸元で両手を交差させた。そんなエミリーを見て、ルイが舌なめずりをした。薄い唇を赤い舌で濡れる様は肉感的で、まだ知らない感情を呼び起こされる。
「手をどけて」
 鼻先で腕を小突く。上目遣いに見つめる双眸の輝きには官能的な光が宿っていた。
「できるよね」
 声音こそ優しいけれど、命令口調がエミリーに拒否権がないことを知らしめた。
 エミリーは羞恥に体中を赤くさせながらも、おずおずと腕を退かした。それが彼の眼前に乳房をさらしてしまうことになると分かっていても、もうルイには逆らえない。
 たわわに実ったふたつの膨らみを見て、ルイがうっとりと目を細めた。
「素敵だ」
 かかる息にぞくぞくした。心はこれ以上ないくらいに怖がっているのに、体はこの先にある未知を求めている。
 ルイの視線が薄桃色の尖頂に釘づけになっている。ゆっくりと開いた口に含まれていく様をどうすることもできずに見ていた。
 感じた生温かさに「ひ…ぁ」と喉が鳴る。
 ルイがエミリーの乳房に触れている。それだけで頭の中がおかしくなってしまいそうだ。両手で両方の乳房を掬い上げられては、揉みしだかれる。指圧に押され自在に形を変える。今、ルイの手の中にあるそれは劣等感の塊だ。童顔のわりに胸だけはやたら発達してしまったせいで、今働いている酒場は酔った客にからかわれた。
 指の間から盛り上がる肉をとてもではないが直視できない。両手で顔を覆い許してと訴えた。
「エミリー、見て」
 指の隙間からルイを見遣れば、縦に握った乳房の先を舌先で触れる直前だった。
「……ぁ」
 なんて卑猥な光景だ。
 触れた瞬間、全身に痺れたような感覚が走る。
「ひぁ……っ! 駄目……、そんな…ふうに……しないで」
「可愛い。小さくてころころしていて……美味しいね」
 むしゃぶりつかれた勢いに慄いた。
 上へとずり上がりかけた体が押し戻される。貪られ、揉まれた。吸い上げられ、舌先で転がされる。時には痛いくらい強く握られ、そのたびに体を身悶えさせた。片方の乳房もまた指の腹で尖りを弄られた。痛いようなむず痒さが辛い。
「や……ぁっ、あ…ん!」
「もっと鳴いて、可愛い声で歌って」
 唇から解放された頂を今度は指で弄られた。
「は……、……っあ、あ…ッ」
「やっと君に触れられることができた。嬉しいよ、もっとこれが現実だと実感させて。君の声だけが僕を満たしてくれる」
「や……、も…ぅ……そこで喋らないで……ッ!」
 たまらず、ルイの顔を押しやった。
 息がかかるたびに腰骨に響く。上がるのは息だけじゃない、体中の体温も、下腹部に溜まる熱もエミリーを責めたてた。
 ルイはその手を取り手のひらに口づけると、唇を這わせて小指を食んだ。
「あっ!」
 くすぐったい痛みに嬌声が零れた。そのまま丁寧に指を舐められていく。丹念な仕草で指と指の間まで舌を這わされる。生ぬるい感触がおぞましいと思っているのに、心臓は興奮に高鳴っていた。
 美味しそうに指を舐めるルイの濃艶な姿に、股奥が疼いた。秘部が呼吸をするようにひくつく。
 おかしい、こんなの自分の体じゃない。
 なのに、どんどんルイの行為に煽られていくのを止められない。
 もどかしさに脚を擦り合わせた時だ。大腿部にルイの欲望が当たった。エミリーが興奮しているように、ルイもまたこの行為に性的な興奮を覚えているのだ。
「……ッ」
 顔が熱くなった。欲望の対象にされていることに嫌悪感すらない。あるのはどうしようもない羞恥心だけだ。こんなとき、どうすればいいのだろう。
「触って」
 囁きにハッと顔を上げた。すると、舐められていた手を彼の手で欲望まで導かれた。
「……噓。やめ…て」
 指先に当たった感触に肩が撥ねた。
「いいね。恐怖に震える顔もぞくぞくする」
 ルイはエミリーの手に手を乗せたまま、自身の陰茎を撫でた。
「ひっ……」
 手のひらに感じる硬い塊。どこよりも一番熱いそれから伝わる熱量が、確かに彼の一部であることを感じた。

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