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あらすじ
両片思いな二人のすれ違い新婚LOVE
「……こうされるのは、気持ちいいか?」──ジョゼットは、公爵家の嫡男テオフィルに、幼い頃から想いを寄せていた。だが、彼を前にすると素直になれず、ひどい態度をとっては落ち込む日々。ある日、二人の結婚が王の命令で決まり、ジョゼットは喜びと不安を感じる。初夜でも意地を張ってしまうジョゼットにテオフィルはやさしく触れてきて……。
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「嫌でなければいい。続けるぞ」
淡々とした口調で言い、テオフィルは行為を再開する。
先ほどより力を加減して胸の突起を弄り、口に含んでちゅ、と吸う。乳房を揉みしだかれていたときのように、身体がじわりと熱くなってきた。
「はぁ……、ぁ……んん」
やがて、その手のひらは、ジョゼットの身体のラインを確かめるように少しずつ移動を始める。
あたたかくて大きな手で撫でられ続け、ジョゼットはただ震え続けた。全身が甘ったるく蕩けてしまいそうな心地よさ。触れられた場所が熱を帯びていくような、変な感覚。
やたらと足の付け根がぞくぞくと疼く。
「ふ……っ、……はぁ……は……っん、……ぁ」
どのくらいの時間そうやって触れられていたかわからない。
もう、テオフィルが触れていない場所なんて、ないんじゃないかと思うくらい全身くまなく撫でられ、口づけられた。
ジョゼットの息はすっかり上がってしまい、勝手に溜まった涙で視界が歪む。
何故か、触れているだけなのにテオフィルの息も荒い気がした。
「……痛かったら言ってくれ」
掠れた声で耳元で囁かれ、不安な気持ちでテオフィルを見つめる。
「痛いこと、するの……?」
「いや、極力、痛まないようにする」
「……あなたがそう言うなら、安心ね」
儀式自体を嫌がっていたとしても、テオフィルは真摯なひとだ。そうすると言ったことは、守ってくれるだろう。
ジョゼットの言葉を聞いて、テオフィルは一瞬だけ不思議そうな顔をした。
「どうか、したの?」
「いや。なんでもない。──触るぞ」
困ったような顔をして言い、ジョゼットの足を左右に開かせる。世話をしてくれる侍女にすら見せたりしない、はしたない場所だ。ジョゼットは恥ずかしくて、枕元に置いていた母のハンカチを握りしめた。
先ほどからぞくぞくと甘い痺れを感じていた足の付け根へ、テオフィルの指が触れた。
「んっ、……あ、ああっ」
想像以上の刺激に、びくんと身体を仰け反らせる。
「っ、すまない。痛かったか」
「だっ、大丈夫。い、……痛くないから……続けて」
驚いただけだ。あまりにも、気持ちよかったから。
身体中を撫でられている間中、ずっと熱っぽさがあったけれど、あれはそこが触れてほしいと訴えていたせいかもしれない。
「だったらいいんだが……」
テオフィルは壊れ物を扱うかのように、そろりと指を動かした。
花芽を押しつぶすように擦り、つまんで捏ねる。動きはゆっくりだが、快感を知らないジョゼットの身体には充分すぎるほどの刺激だった。
「んっ、んんっ、……はあ、は、……っあっ」
堪えようとしても声が溢れ、腰が揺れる。
(こんなふうになるなんて、恥ずかしいっ)
ハンカチを強く握りしめ、必死に快感に耐えた。
「……っ、あっ、ああっ、ん」
触れられている場所はジンジンと甘く痺れ、貪欲に与えられる刺激を求める。気持ちよくて仕方がない。
「ぁ……、ああ……っ、んんっ、あ、あ……っ、あ、……っ」
とめどなく喘ぐ自分の声。こんな鼻に掛かった甘い声をしていただろうかと、遠くに思う。
テオフィルが弄るうち、ジョゼットの花芽は赤く熟していく。ふっくらと膨らんだそこに現れた小さな芯を、テオフィルは舌で舐めた。
生温かいぬるりとした感触。
なにをされているか目視して、ジョゼットはたまらず首を振った。
「そんなとこ……っ、なめ……ないでぇ……っ」
テオフィルの大きな手はジョゼットの両足を押さえている。ジョゼットは足をとじることも、身をよじることもできず、与えられる強すぎる快感に打ち震える。
「あ、……ぁあ……っぁ、……っふ、……は、ああっ」
花芽に舌を這わせながら蜜が湧き出る花唇を指で開かれ、奥へ指が挿入された。
身体の中に異物が入り込んでくる感触。テオフィルの太く長い指が、圧迫感を与えながら肉壁を押し分けて潜り込む。
「ひぁ……っ、ん……っ、んっ」
痛みはない。
けれど、苦しい。
「大丈夫か」
心配そうなテオフィルの声に、ジョゼットはこくりと頷いた。
「無理だと思ったらすぐに言え」
「言わない……」
絶対に言うものかと、ジョゼットは涙目で首を振る。
テオフィルは小さくため息をつき、再び花芽へ舌を這わせた。芯を丹念に弄られ、甘く噛まれ、舌先でくすぐるようにつつかれているうちに、ジョゼットの中に別の感覚が生まれてくる。
「あっ、ああ……っんん……っ」
指は抽挿して肉壁を擦りはじめた。奥を広げるように指を動かされ、一体何本の指が挿れられているのだろうと、疑問に思う。
それを確かめる間もなく、快感の大きな波がせり上がってきた。
「っ、も、だめぇ……っ、ふ、あああっ」
下腹部がきゅうっと甘く疼き、一気に呑み込まれていく。ジョゼットは背を仰け反らせ、びくんっと大きく跳ねた。
「あ──ああっ、はっ、ああっ、あ、あああっ、んんっ」
大きな波が過ぎても、小さな波が何度でも押し寄せてくる。ひくひくと身体を痙攣させながら、目からこぼれた涙が頬を伝い落ちた。テオフィルがそれを舐めとる感触に震え、ようやく落ち着いてきた。
もうテオフィルの手はジョゼットから離れているというのに、さっきまで弄られていた花芽はまだ甘い痺れが残っている。
「わ、わたしの身体、……ど、どうなってしまったの……?」
すべてを任せたとはいえ、なにが起きているのかぐらいは知りたい。
「俺を受け入れる準備が整ったんだ」
ふと、ジョゼットの視線はテオフィルの中心に向けられる。
知識だけはあるのだ。準備が整ったという意味は理解していた。 -
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