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あらすじ
君を渡すつもりは微塵もないから
割り切った関係だと思っていたのに、深く執着されて!?造り酒屋の家の娘である詩は、男性経験がないことに悩み、こっそり女性用風俗の情報を見ていたところを顧問弁護士、門奈に見られてしまい!?「俺でよければ相手するけど。どう?」クールな彼から予想外に甘く誘われとろけるような一夜を過ごす。これきりと思うも、以来、言葉巧みに口説いてきては熱く迫ってくる彼にドキドキさせられっぱなしで!?
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キャラクター紹介
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萱森詩(かやもり うた)
酒造や食品会社を営む名家の娘。お見合い連敗中で焦り始めている。 -

門奈大斗(もんな だいと)
萱森家の顧問弁護士。普段は真面目できっちりだが……!?
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試し読み
「あのっ……、も、門奈せんせ……」
「俺は今すぐでもいいよ。詩さんが決めて」
門奈先生はベストも脱いで、上は白いシャツ一枚。腕時計も外してダイニングテーブルに置くと、私に歩み寄る。
「今すぐって。シャ……シャワーは浴びないんですか?」
「俺は浴びた方がいいか、汗も掻いたし。詩さんはそのままでもいいよ」
――なんで私はそのままでいいんですかあああ!?
思わずいやあああと叫びそうになるのを、グッと堪えた。
「だっ、だめです!! 私もシャワーは浴びたいです……!!」
「そう? じゃあ来て」
また門奈先生が手を繋いでくる。手を引かれたままバスルームに連れてこられた。
洗面台の鏡がめちゃくちゃ綺麗だったので、マメに掃除をしているんだとわかる。
「タオルはこれを使って」
「はい、ありがとうございます……」
「……どうせこのあと脱ぐんだし、時間短縮のために一緒に入る?」
門奈先生からの提案に目を丸くしていると、私の表情だけで答えがわかったらしい。彼はクスッとしてから設備の使い方をレクチャーし、「ごゆっくり」と言い残してバスルームを出て行った。
「はあ……」
緊張する。
この場に門奈先生はいないのに、全然心臓の音は静かになってくれない。
――落ち着けってば……。今からこんなんでどうするのよ……!
精神統一するようにシャワーを浴び、門奈先生が使っているボディソープで身体を洗った。普段自分が使っているものとは違う香りを纏うだけで、少し静かになりかけた心臓が、またうるさくなってくる。
「はあ……もう、どうしたらいいの……」
部屋に来ただけで緊張しているくせに、本当にセックスなんかできるのか。
不安ばかりが大きくなる中、シャワーを終えてタオルで体を拭いているときに新たな不安が浮かんだ。
――このあと服を脱ぐのに、服を着るの……?
しばらく悩んだ私は、仕方なくバスタオルを身体に巻いて、バスルームのドアから顔を出した。
「門奈先生!!」
先生を呼ぶと、リビングの方からガタン、という音がして先生が顔を出した。彼は、私がバスルームのドアを開けてひょっこり顔を出しているのを見て、驚いた様子で声を上げた。
「なにかあった!?」
「いえ、あの……、この後服を脱ぐのに、服を着るのは変かと思って。私、どうしたらいいですか……?」
なんかとんでもないことを聞いてるな、と自分でも思う。冷静になるとすごく恥ずかしい。
でも門奈先生は笑わず、真顔でこちらに歩いてくる。
体にタオルを巻き付けた格好の私を見て、少しだけ困ったような顔をした。
「なんとまあ、魅力的な格好で」
「すみません……わからなくて」
「じゃあ、タオル巻いたままでいいから、寝室に行っててくれるかな。俺もシャワー浴びたらすぐに行くから」
門奈先生がバスルームの真正面にあるドアを開けた。灯りを付けると、グレーのカバーが掛かった布団とベッドが見えた。
ふらふらと寝室に移動し、ベッドに腰を下ろしたところで、私と入れ替わりに門奈先生がバスルームに入っていった。
胸の辺りで重ねたバスタオルをしっかり掴みながら、気持ちを落ち着かせようと、何度か深呼吸をする。でも、さっきから心臓の鼓動は大きくなるばかりで、今にも口から飛び出そうだった。
――落ち着け……落ち着け……って、無理……!! 絶対無理……!!
向かいのバスルームから門奈先生がシャワーを浴びる音が聞こえてくると、緊張は更に加速した。
震える手を重ねて握って、必死で呼吸を整える。そうこうしているうちにシャワーの音が止み、門奈先生が寝室にやって来た。宣言通り、すぐ、だった。
いつも整髪料で整えている髪が濡れ目にかかっている。そんな姿を見るのも初めてだけど、眼鏡がない先生を見るのも初めて。
腰にタオルを巻いただけの門奈先生が、私の隣に腰を下ろした。彼は枕元に手を伸ばしリモコンを取り、エアコンのスイッチを入れた。
「寒くない? 大丈夫?」
「大丈夫です……」
先生の方を見ないまま返事をすると、いきなり胸の前で握っていた手に彼の手が被せられた。
「怖い?」
震えているのがバレバレだったようだ。
「そりゃ、初めてだから怖いです……でも、やめたくないです……」
返事した途端、私の手を掴む門奈先生の手に力が籠もった。
「そうか」
ふと、顎に手が触れた。その手によって顔が門奈先生の方へ向けられる。先生の綺麗な顔が目の前にあって、ドッ、と心臓が跳ねた。
「あ……あの……」
「キスはしてもいいの?」
「……? は、はい……」
セックスするのにキスの許しを得るのは、何か意味のあることなのか。わからないまま頷くと、すぐに門奈先生の顔が近付いてきて唇が重なった。
「……っ!」
まず驚いたのは、唇の柔らかさ。
男性の唇も柔らかいんだなあ、などと暢気に考えていたら、強めに唇を押しつけられた。これに対して私はどう反応すればいいのかなと考えていたら、いきなり口の中にぬるっとしたものが入ってきて一瞬パニックになりかけた。
――し、舌!?
初めてのディープキスに狼狽える。
でもすぐに余計な事を考える余裕はなくなった。なぜなら、口腔を巧みに愛撫していく門奈先生の舌使いに圧倒されてしまったから。
ただ口の中で舌が蠢くだけじゃない。私の舌を誘い出し、絡め取り、吸われ。時折歯列や歯茎を舌で舐められると、めちゃくちゃドキドキした。
――し……舌でこういうことをされるって、気持ちいいんだ……
なんで恋人同士がキスをするのか理由がわかった気がする。
チョロいかもしれないけど、キスだけですっかり蕩けてしまった私は、彼が唇を離してすぐ彼の胸に倒れ込んでしまう。
「おっと。大丈夫?」
「だい……大丈夫、かな……私……」
呼吸も乱してヘロヘロになっている私とは対照的に、門奈先生は涼しい顔。なんでそんなに澄ましていられるの? とこっちが困惑した。
「蕩けた顔してる。可愛い」
「へ……あっ」
肩を掴まれ、ベッドに倒された。すぐに門奈先生が私を組み敷いてきて、今度はさっきよりも深く口づけられる。
「ん……っ、ふ……!」
いつの間にか指を絡めて手を握られていた。キスが深まるにつれ、だんだん下腹部がジンジンしてくる。太股を擦り合わせていないとその疼きに耐えられなくなりそうで、頻繁に太股を動かしてどうにか疼きを誤魔化した。
門奈先生がキスの角度を変えるたびに、彼の前髪が私の頬にかかる。ふわりと香るムスクのような匂いが、アルコールのように私を少しずつ酔わせていく。
――父親とも弟とも違う匂い……。これが、男の人の匂いなの……?
くらくらしている間に、彼の唇は首筋に移動していた。音を立ててキスをされたあと、ざらっとした感触に驚いて身体が揺れた。
「ごめん。驚いた?」
首筋から少し顔を上げた門奈先生が謝ってくる。
「なっ、舐めました? 今……」
「うん。美味しそうだったから」
言われたことがすぐに理解できなくて、目をパチパチしてしまった。
「……美味し、そう……?」
「真剣に考えなくていいよ。でも、首筋だけじゃなくてもっと舐めたいから、そのつもりでいて」
「えっ?」
「例えば……」
門奈先生が身体を起こし、バスタオルに包まれた胸の膨らみに指で触れた。
「……っ、あ、あの……」
「これ邪魔だね」
胸の辺りで重ねていたバスタオルを、門奈先生があっさりと剥ぎ取った。下に何も身に付けていなかった私は、一瞬にして彼に全裸を晒すことになってしまった。
――……っ、ど、どうしよ……!! 反応が……反応が怖い……!!
バスタオルをベッドの下に落としてから、門奈先生はずっと私の身体を見つめている。
「あの……? 先生……」
「……すごく綺麗」
彼は戸惑う私に構わず、胸に顔を近づける。感触を味わうように乳房に何度も口づけ、両手を使って乳房を揉んでから、乳首に舌を這わせた。
「んっ……!」
ざらっとした舌が乳首の先端に触れた瞬間、経験したことのない甘い痺れがやってきた。
腰の辺りがゾクゾクして、下腹部がキュッと締まる、初めての感覚に戸惑いを覚える。
――っ、な……なに、これ……
身体を硬くして門奈先生の動きを目で追った。彼はその大きな手で片方の乳房を掴みながら、時々指を引っかけるような仕草で乳首を愛撫している。
反対側も手で掴みつつ、口に含んで吸ってみたり、舌全体を使って舐め上げたりを繰り返していた。
普段クールな先生が私にこんなことをしている。その光景がすごく扇情的で、見ているだけで息が上がってきた。
「……あ……っ、あ、ン……っ!!」
止めどなく送られてくる快感の連続に、無意識のうちに何度も背中を逸らしてよがってしまう。
――体が熱い……!! まだ始めたばかりなのに……っ
今からこんな感じだと、終わる頃には自分の身体、どうなっちゃうんだろ。
不安がぐるぐると頭を駆け巡る。
その間に門奈先生は少しずつ移動し、乳房からお腹へ、それから下腹部へと舌を這わせていった。
「あ……っ、あの……そこは……」
臍の周りを舐めてから、彼の舌が自分ですらあまり見ない場所へ移動する。もしかしてと思っていると案の定、彼の舌は繁みを超えて襞の奥へ到達した。
「ま、待って……!!」
慌てて上体を起こし、門奈先生の頭を手で押さえた。
自分の股間に門奈先生の頭がある。ものすごい絵面だ。
「待たない」
「えっ。でもっ……きゃあっ!!」
舌が襞の奥にある敏感なところを突いた。ほんの少し触れただけだったのに、電流みたいな快感が走って、驚きもあって高い声が出てしまった。
「あ……っ、やだ、やだ、先生、待って……」
押しのけるように門奈先生の頭に手を置いているけど、彼は一向に舌での愛撫を止めない。それどころかさっきよりも舌の動きが速く、執拗にそこばかりを攻めてくる。
「いやっ、なんか……変な気分になっちゃうんですけど……」
質問しても返事が返ってこない。
快感と戸惑いで訳がわからないまま。気がつけば勝手に腰が揺れ、目をぎゅっと瞑ったまま彼からの愛撫に耐えていた。
「あっ……、あ、んんっ……せ……先生……」
「……その先生っての、やめない? なんだか悪いことしてるような気になる」
「そんなこと言われても……」
ピチャピチャと音を立てながら、未だに門奈先生は襞の奥やその周辺を舌で愛撫していた。
ついには襞の奥を愛撫されるだけでなく、蜜口に指を入れられていたことに気付く。
「あのっ……そこは……」
「……ほぐさないと、挿れるとき痛いから」
最初は遠慮がちに指を動かしていた門奈先生だったけど、徐々に動きがスムーズになっていった。というのも徐々に私から蜜が溢れているせいでそうなっているのだと、少し後で気付いて羞恥で顔を覆った。
だけど彼は襞の奥の蕾への愛撫をまだ続けていた。長い指を使って膣壁を擦りながら、舌を巧みに動かして敏感なところをねちっこく攻められているうちに、だんだん得体の知れない感覚に襲われた。
――なんだろうこれ……っ、気持ちいいけど、ちょっと怖い……
この先自分がどうなるのかわからないのが怖い。でも、抗えない。
必死にベッドシーツを掴んで耐えていたけど、もうそれだけでは無理だ。
「あ、あ……なんか……ダメかも、あ、ああっ……!!」
せり上がってくる感覚に耐えられなくて、声を上げると同時に体を揺らす。その途端、今の今まであった下腹部のむず痒さが消え、一気に力が抜けた。
まるで短距離走を終えたばかりのように呼吸が乱れ、私は先生のベッドに横向きで倒れ込んでしまう。
「感度いいな」
ようやく門奈先生が体を起こした。 -
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