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あらすじ
一生私のそばにいてくれ。どんな時も
義母に冷遇され、婚約者を義妹に奪われたウィスタリアは、前から好きだった男爵リシャールに求婚されて彼の家で一緒に住むことに。「約束しよう。君だけがわたしの妻だ」彼に望まれるなら爵位や財産などどうでもよかったのに、次々と豪華で上等な品を贈られ溺愛される日々。とまどいつつも幸せを噛み締める中、彼が本当は公爵家の令息だと知って!?
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キャラクター紹介
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ウィスタリア
伯爵令嬢。異母妹に謀られ婚約破棄された。 -
リシャール
近衛騎士団の団長。タイレル男爵と名乗っているが…?
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試し読み
奥の部屋も、手前の書斎と同じように装飾の少ない部屋だった。
大きなベッドが一つあるだけで、他にはこれと言った家具もない。本当に眠るためだけの部屋なのだわ。
彼は私をエスコートして、そのベッドの上へ座らせた。
それからまるで姫に仕える騎士のように私の前に跪いて手にキスをくれた。
「後悔や戸惑いは?」
「微塵も」
私の返事を聞くと、彼は満面の笑みを浮かべた。
「私が君に惹かれた理由の一つに、その心の強さがある。君ならば、どんなことにも立ち向かってくれるだろう」
「どんなことにも?」
「私が男爵ではなく公爵だとわかっても受け入れてくれたように。愛人がいると誤解しても私への愛情を失わないでいてくれたように。この先何があっても、君はそばにいてくれるだろう。もっとも、公爵であることを伝えた時に泣かれたのは驚いたが」
「あれはあなたを失うのかと思って……。あなたがそばにいてくれるのなら、もうどんなことにも驚きません」
「だと嬉しいな。あと一つ、二つ、まだ話していないことがあるから」
「それが理由で私から離れてしまいます?」
「いいや。君が離れていかない限り。いや、たとえ君が逃げ出しても、追いかけて捕まえて、絶対に離さない。私は、こんな無体なことをしてしまうくらい、君を愛しているのだから」
立ち上がり、彼が隣に座る。
「いつか、話してくださいます?」
「もちろん。そうだな……、いずれわかることだから、一カ月以内には全て話そう」
期限を言ってくれた。『いつか』ではなくなった。
「では待ちます」
「君にはいつも待たせてばかりだな」
「そんなことは……」
ないわ、と言う前に唇が塞がれる。
彼のくれるキスは、そのたびごとに違っている。
最初は甘く、私が初めてだと知った時には優しく、昨夜は荒々しいほど激しく、さっきはそっと。
そして今度のキスは丁寧で濃厚だった。
唇を合わせ、私の反応を確かめながら舌を入れてくる。最初は唇を濡らすようにやがて奥深くまで。
私の舌に舌を絡ませて、味わうように蠢く。
その間に、彼の手は私のドレスにかかった。
今日は地味なドレスをと言われていたので、家庭教師が着るようなボタンで留める前開きのドレスだった。
飾りやリボンもない。
なので、彼の手は簡単にボタンを外し、服の中へ滑り込んできた。
胸の膨らみにそっと触れる手。
壊れ物を扱うように、形を包む。
アンダードレスの上からでも、他人に触れられているというだけで心臓が跳ね上がる。
「ン……」
もう舌は十分に味わったというように、キスは首元に流れた。
同時に胸にあった手がやわやわと動き出す。
「あ……」
薄いアンダードレスごしに、指が先を挟んだ。
ゾクッ、とした感覚が走り抜ける。
逃げ出したいほど恥ずかしい。
でも、逃げることは拒むことだから、じっと我慢した。
我慢している間にも、彼の手で体温が上がる。
「ん……っ」
「抵抗されないでよかった」
「し……ません……。でも……」
手が止まる。
「でも?」
「恥ずかしいです」
彼は顔を起こして私を見た。
「真っ赤だ」
そして笑った。
その笑顔で、少し緊張が解れる。
「立って」
「え?」
「ドレスを脱がせるから」
「あ、はい」
立ち上がると、既に肩を落とされていたドレスはストンと足元に落ちた。
身に纏うのは薄いアンダードレスだけ。
彼も、シャツを脱いでドレスの上に投げた。
逞しい身体が気恥ずかしくて、思わず顔を背ける。
「ウィスタリア?」
「男の方の裸を見るのは初めてなので……」
「いいね。君の初めてはこれから全て私のものだ」
顔を背けたままの私を、彼はベッドへ横たわらせた。
もう一度キスから始まる愛撫。
さっきよりも手は動きを早め、私の身体をまさぐった。
「あ……」
アンダードレスの前も開かれる。
手が中に滑り込む。
彼の手が、直に肌に触れる。
私よりも熱く、堅い掌が胸を包む。
包んだまま揉みしだき、先を弄ぶ。
「あ……や……っ」
唇が耳朶を濡らす。
耳元でキスをする音が大きく響く。
首筋に鳥肌が立った。
アンダードレスはどこまで開かれたのかしら? 怖くて下に目を向けることができない。でも感覚は視界よりも如実に彼の行動を教えてくれていた。
胸を唇に譲って、手がスカートをたくしあげる。
唇は、まるで赤子のように私の胸を咥え、吸い上げたり、舌で濡らしたりしている。
もう胸元を覆うものは何もないのだろう。
たくしあげられたスカートの中にも、手が入り込んでくる。
脚の、太股のあたりを上下する。
何度かさまよった後、手は閉じた脚の間に滑り込んだ。
反射的に膝を合わせて脚を閉じると、手は外側から腰に向かった。
「私……、お義母様から閨の作法を教えられていないのです……。こんな時、どうしたらいいのでしょう?」
「何もしなくていい。全て私がする」
「そうなのですか?」
「そういうものだよ」
「あなたに触れなくても?」
手が止まった。
「それはまあ……、触れてくれれば嬉しいが」
戸惑う声。
「それならします」
「無理はしなくても」
「だって、嬉しいのでしょう?」
「……何も教えなかった義母君に感謝だな。では手を伸ばして」
私は下を見ないまま、手を伸ばした。
「男性の性器についてはわかっている?」
性器、という言葉にまた顔が熱くなった。
「美術品などに描かれている程度には……」
「それはよかった。見たことがないものが付いている、と怯えられなさそうだ」
頭の中に、絵画で描かれた男性の裸像が浮かぶ。
はっきりとは描かれていなかったけれど、脚の間に生えているものがあったわ。そして図書館で読んだ本も思い出した。
夫婦の営みとは、男性のものを女性が受け入れることなのだとあった。
「これが私だ」
手が、熱い肉の塊を握らされる。
手の中で、それは動いているようにも思えた。
「君に受け入れてもらうものだ」
「……はい」
心臓がうるさい。
身体が熱い。
握らされた、ということは撫でたり摩ったりした方がいいのかしら? ただ握っているだけでいいのかしら?
わからないから、少しだけ力を入れてみた。
「っ……と、やはりいい。手を離してくれ」
「あ、ごめんなさい。痛かった?」
「いや、その……。君の手だけで我慢ができなくなりそうだ」
「我慢などしなくても……」
「色々あるのだよ、男には」
困っているわけではないわよね? 声は笑っているもの。
「やはりおとなしく横になってくれているだけでいい、今日は。私を見ることもできないくらい恥ずかしいのだろう?」
見た方がいいの?
彼が望むならそれをするわ。
私は勇気を出して閉じていた目を開け、彼を見た。
半裸の自分の上にいる、同じく半裸のリシャール。
私の胸は露わになり、膨らみを掴まれている。そしてその下の方では、彼の屹立したものが見えた。
ズキン、と胸が痛む。
その痛みが何なのかわからないけれど、焦れるような熱が内側から溢れてくるような気がした。
彼は私の視線を受け、舌先で胸の先を舐めた。
「あっ!」
視線を合わせながら、器用に先だけを転がす。
胸に置かれたままだった手も、もう一方の胸をまた揉み始める。
身体が甘く溶けてゆくようだわ。
見てはいけないと思うのに、彼のしていることから目が離せない。
視覚から入ってくるものが、身体を支配している。彼が何かをする度に、身体がヒクついて、内側から何かが溢れてくる。
「リシャール……、リシャール……」
何を言ったらいいのかわからなくて、彼の名前を呼んだ。
そうしないと、頭がどうにかなってしまいそうで。
「脚を開いて」
無理。
もう自分の意思で身体を動かすことができない。
「開いていいね?」
確かめてから彼が私の脚の間に膝を入れた。
少し身体が浮いているから、彼のものがよく見えてしまう。
大きくて、とてもあれを受け入れられるとは思えない。
「あ……、あ……っ」
開かれた脚の間に手が差し込まれる。
指先が下生えをまさぐり、敏感な場所に触れた。
「あっ!」
その途端、強い痺れが走り抜け、身体が反る。
指はそこに突起があることを教えた。その突起を、指先がいつまでもグリグリと弄る。
「や……、だめ……っ」
そこは胸よりも強い刺激を私に与え、頭の中がぐちゃぐちゃになった。
何も……、わからない。
彼が与える感覚に溺れてゆく。
「あ……。あ……、ン。や……ぁ……」
身悶え、脚が閉じていき、彼の膝と腕を挟み込む。
それでも指は動き続け、やがて別の場所へと移った。
「あ……ッ!」
身体の内側へ指先が入った。
「や……」
ゆるゆると入り口で出たり入ったりを繰り返す。時に浅く、時に深く入り込んではそこを愛撫する。
指の動きが滑らかなのは、私のそこが濡れているから。
さっきから感じていた溢れる感じは、そこで具現化されていた。
「リシャール……っ」
身体が小刻みに震える。
何かが迫ってくる。
「だめ……っ、もうだめ……っ」
私の訴えを聞いてくれたのか、指はするりと抜けた。
「一度イッてもいいのだが、初めてはやはり『私』にして欲しいな」
私? あなた以外の人のことなど考えていないのに?
リシャールは身体を起こした。
手も舌も、私から離れてゆく。
「あ……」
それが惜しくて小さく声を漏らした。
「力を抜いて、脚を開いて」
「……恥ずかしいわ」
「見るのは私だけだ。私に全てを見せてくれ」 -
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