書籍紹介
敏腕若社長の甘い誤算~鈍感秘書は初恋相手の愛人になりました!?~
敏腕若社長の甘い誤算~鈍感秘書は初恋相手の愛人になりました!?~
ISBN:978-4-596-01056-8
ページ:306
発売日:2021年7月16日
定価:本体650円+税
  • あらすじ

    ナイショのとろ甘オフィスラブ♥

    敏腕社長の海斗の秘書に抜擢された真帆は、彼と一夜を共にしてしまう。お酒のせいで記憶がないまま「あなたと俺は“そういう”関係です」と、“愛人宣言”されちゃって!? 冷徹と恐れられる彼に優しくトロトロに甘やかされて、愛されていると勘違いしそうになってしまう。好きだからそばにいたい、でもこのままの関係でいられるはずもなく…?

  • キャラクター紹介
    • 塚口真帆(つかぐちまほ)
      “鈍感力”を買われて社長秘書に抜擢された29歳のOL。紅茶が趣味。

    • 園部海斗(そのべかいと)
      “冷酷”と評される27歳のイケメン社長。優秀だが口下手で不器用な性格。

  • 試し読み

    こ、え。
     出しちゃダメだ。
     私は両手で口を押さえて、ベッドの上、私の全身を舐めて嚙んで時折キスマークを付けてくる海斗さんにされるがままになっている。
    「……っ、ふぅ……ッ」
     息が漏れる。
     私の反応に、海斗さんはわざとらしいリップ音で乳房の先端のすぐ横にキスマークをつけて──そのまま先端をカリッと嚙んだ。
    「ゃ……っ、はぁ、っ」
     腰が跳ねる。
    (な、なにされてるの私──!?)
     海斗さんの指が、すっかりドロドロに蕩(とろ)けてる私のナカに、一本だけ押し挿入(は い)る。
     そのまま、ぐちぐち、と動き出す指。
     思わず上がる、自分でも恥ずかしいくらいの甘い甘い声。
    (こんな声、だめ)
     聞かせられない!
     詩織さん、まだ起きてるよね!?
    「っ、ふぅ、っ」
     ぽろ、と涙が零(こぼ)れた。
     我慢しすぎて、頭が蕩けそう。
     海斗さんは私の鎖骨を甘嚙みして、指は相変わらずナカで蠢(うごめ)いている。
     一本、増やされて。
    「真帆?」
    「っ、ふぁ、はい……っ」
    「もうあの男とふたりきりで会うのは……話すのも。止めてください」
     あの男?
     エバンズさん?
    「ふ、ぁ、っ、なんで……?」
    「ダメなものはダメ」
     む、と子供みたいな顔に海斗さんはなって。
     そんな表情は珍しくて、思わず見つめる。
     海斗さんは少し恥ずかしかったのか、目を逸らして──え?
     耳が赤い。
    (思い上がり?)
     身体中を快感でめちゃくちゃにされながら、私は思う。
    (勘違い? でも)
     胸がきゅうんと甘くて痛い。
     ねえ、海斗さん、ねえ。
    「……っ、ヤキモチ、ふぁ、っ、妬(や)いて……くれました?」
     海斗さんはぐっと言葉に詰まる。
     ごまかすように、指がまた、増えて。私はまた手で口を押さえる。
    (ヤダ、ヤダ、ヤダ……っ)
     来ちゃう、来ちゃうよ、どうしよう。
     イくとき声、我慢できないかも……っ!
    「……妬いた」
     ぐちゅんぐちゅん、ってナカを攪拌(かく はん)するようにしながら、海斗さんは呟く。
     頸動脈あたりを、くちっと唇で甘嚙みしたあとに。
    「めちゃくちゃ妬きました」
     嬉しくて脳がフリーズしてしまう。
     嫉妬してくれた。ヤキモチ妬いてくれた。
     愛人なりに……そりゃあ、本気じゃないにせよ。
     ちゃんと……それなりに、だろうけれど、でもちゃんと好きでいてくれてる、んだよね?
    「嬉し、ッ、ふぁ、……あッ!」
     もう、ダメ。
     きゅんってナカから快感で身体がコントロールできなくなる前に、なんとか私は喘(あえ)ぎながら言う。
    「き、す。キス、して……っ!?」
     嚙みつくようなキスが降ってきた。
     くぐもった声で叫びながら、私はイく。みっともなく、海斗さんにしがみついて。
     くてん、と力が抜けた私から唇を離して、海斗さんはよしよし、と私の頭を撫でてくれる。
    「気持ちよかったですか」
    「……はい」
    「よかった」
     海斗さんは笑って。
     ちょっと嬉しそうだったから、私はまた胸がきゅんって痛む。好き。
     優しくキスされたあと、ずぶりと熱が挿入ってくる。
     切ないくらいに、気持ちいい。
    「ゃ、あ……ッ!」
    「ナカ、すご……熱い、です」
     海斗さんが苦しそうに言うから──私は嬉しい。
     気持ちよさからくる苦しさだって、鈍感な私にだって分かるくらいに、海斗さんが熱い息を吐いたから。
     やがて始まる抽送に、私はただ揺さぶられるだけ。
     私のナカは蕩けて脈打って、バカみたいに海斗さんのを咥(くわ)え込んで。
     私はあふあふと声を抑えながら、荒い息を繰り返す。
     ず、ず、って海斗さんが動く。出入りが分かってしまうくらいに深く、深く打ち付けられて。
    「ぁ、ダメ、海斗さ……っ、声、いっぱい出ちゃ、ぁうッ、らめっ、あう……ぅンッ!」
    「出したらいいのに」
     さっきから思ってたんですけど、と海斗さん。
    「ウチは部屋の防音もしっかりしてます」
    「そ、れ早くッ、言ってくださぁ……ッ」
    「ごめんなさい、声を我慢するあなたが可愛すぎて」
    「可愛……っ!?」
     唐突にそんなことを言われて、同時にくちゅんと海斗さんのが抜かれた。
    「可愛い顔も見ていたいんですけど」
    「……ふぁ、っ」
    「あなたは割とこうされるの、好きだから」
     くるりと身体をうつ伏せにされ、腰を持たれて、一気に奥まで貫かれた。
    「ゃ、ぁぁぁあンッ!」
    「……っ、あー、声、可愛い」
     ぐちゅんぐちゅん、抽送を緩めることなく海斗さんはまた「可愛い」って言う!
     私は多分、耳まで真っ赤。
    「ほんとうに、……あなたは」
    「……っ、は、ぁッ」
    「なんであなたなんだろうなぁ」
     またもや禅問答。
     フワフワしてる頭に、身体の芯から快楽が押し寄せて。
    (蕩けて、死んじゃう……)
     枕をぎゅうっと握って、私は思う。
     多分これ、死んじゃう。
     こんなに気持ちいいの、だめ。
     やめて、動かないで、って言いたいのに、私の口からは淫らな呼吸と声しか零れない。
    「ゃ、ぁ、……あッ……イ、っちゃ……うっ、来ちゃうッ、海斗さん、海斗さ……んッ!」
     されるがままに、揺さぶられて。
     与えられる快感の連続に、ナカが脈打つ。ドクンドクン、って狂おしく締め付けて蕩けて達する。
    「ふぁ、ぁ……っ、ぁ」
     何も考えられないくらくらした脳みそ。そこにばちゅんばちゅんと、構わず海斗さんは打ち付ける。
    「む、り、まってぇ、ッ、イってるからぁ……ッ」
     淫(みだ)らに私は首を振る。
     海斗さんは待ってくれなくて。
     ナカで、きゅうと海斗さんのが質量を増した。
     ……おっきく、なってるから……海斗さんも、イくの、かな?
     抽挿が激しくなる。
     身体ごと抱きしめられて、その熱でふたり、溶け合ってしまいそう。
    『俺にはあなたしかいないのに』
    (……あなたしかいない、って)
     さっき海斗さんはそう言ってくれた。
     今は私だけってこと? 
     私だけが──海斗さんにこうやって、触れられる。
     ──それが、とても嬉しくて。
     強い快楽で、私は──海斗さんが果てるのを待てずに、ふわりと意識を手放したのでした。

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