-
試し読み
セシリアの頰を両手で包み、いっそう深く口づけながらルーカスが覆い被さってきた。
素肌が触れ合い、尖った胸の先端が彼の肌に擦れてピリピリした疼痛が湧く。
「っふ……ぅ……くぅ……」
鼻に抜けるような呻きをあげながら、流し込まれる唾液を必死に嚥下する。
ようやく唇が離された頃には、完全にセシリアの息は上がっていた。
ハァハァと、肩で荒い呼吸を繰り返して胸を喘がせる。
酸欠のせいか 頭がぼぅっとして上手くものが考えられない。全身が羽毛で撫でられているようにムズムズする。
「は……ぁ……」
ぐったりと敷布に身体を投げ出し、潤んだ瞳で呆然とルーカスを見上げると、彼がわずかに口角を上げた。
「これくらいで脱力するとは、随分と感じやすいな」
「も、申し訳……ございません……」
カァァと頰に血が昇る。頑張ると宣言したのに、これでは呆れられてしまう。
「悪い意味で言ったのではないから、謝らなくていい」
震える手に力を入れて起きようとしたセシリアを、ルーカスがやんわりと押さえて乳房に顔を寄せた。
湿った吐息が胸の先端にかかり、ビクンと肩が揺れる。
息を詰めて見つめる中、赤みを帯びて膨らんだ乳頭が、ルーカスの口に含まれる。
彼の形のいい唇から赤い舌が覗き、弾力を増した頂の周囲をゆっくり這い回る。
敏感になった先端を舐め回され、吸い上げられると、下腹部に鈍痛にも似た衝撃が走った。
「んっ……ん、く……」
敷布を強く握って耐えようとしても、ビクビクと身体がかってに痙攣してしまう。
乳首の側面を舌でくすぐり、時おり不意打ちのように軽く歯を立てられると、快楽がセシリアの背を震わせる。
もう片方の手で、反対側の乳房も強弱をつけて揉みしだかれる。
柔らかな乳房が彼の手で自在に形を変え、甘く膨らんだ先端を指で弾かれると、潤み切っていた瞳から生理的な涙が零れた。
胸の愛撫に呼応するように、下腹部にもどかしい熱が溜まっていく。
「あ、あぁ、はっ、あ」
たまらず、セシリアは胸に吸いつくルーカスの銀髪をかき抱き、甘い声をあげて身悶えた。
ヂュッと音を立てて乳首を吸われ、背を仰け反らせる。
秘所から熱い体液が染み出し、じゅわりと下穿きを濡らした。
「ひっ、あ……やぁっ」
怪我をせずに男性を受け入れられるよう、行為の最中にはそこが濡れるのだとは聞いていた。でも、初めて体感すると、予想以上の衝撃だ。
粗相をしてしまったかのような感覚に狼狽える。
咄嗟に、手でそこを覆い隠そうとしたが、ルーカスにあっさり手首を摑んで阻まれた。
「どこで子を為すか、何も教わらなかったわけではないだろう? ここを隠してはどうにもできないと思うが」
手首を摑んでいない方の手が、ゆっくりとセシリアの太腿を這う。
濡れて陰部に張りつく下穿きの上から、彼が指先で割れ目をつぅとなぞった。
「ああっ」
今までと比べ物にならない愉悦に貫かれ、セシリアの背が敷布から浮く。
「よく濡れている。気持ちよかったようだな」
独り言のように呟いたルーカスの声は、わずかに低く掠れているように思えた。冷ややかだった水色の瞳も熱っぽい光を帯びている。
ルーカスが濡れた下着を剝ぎ取り、セシリアの膝裏に手をかけて大きく脚を開かせた。
「っ!」
剝き出しの秘所を思いきり晒され、セシリアは目を剝く。
反射的に脚を閉じようとしたが、合間に彼が身を挟ませてそれを阻んだ。
「痛みの少ないよう、可能な限り配慮すると約束したからな。慣らす間、じっとしていてくれ」
「は、はい」
答えながら、不意に心臓の奥がキュンと甘く疼いた。
ルーカスは、別にセシリアを恨んでいないと言ったけれど、特に好意を抱いているわけでもない。彼にとってこれは、跡継ぎを作るためだけの行為だ。
セシリアの痛みを少なくするよう気を遣うなど、必要ないはずなのに……。
ドキドキと激しく鼓動する胸を両手で押さえていると、彼の指がちゅぷんと蜜口に沈んだ。
「んっ!」
蜜のぬめりがあるせいか、想像していたほど痛くはない。
でも、初めて異物を挿入された違和感は拭えず、セシリアはきつく眉を寄せた。
「辛いか?」
「いいえ……少し、変な感じがするだけで……」
ぬぷぬぷと粘着質な音を立てて抜き差しをされると、徐々に違和感が薄れ、代わりに身体の火照りが強まってくる。
じっとしているのが辛く、我慢しようと思っても、微かに腰が揺らいでしまう。
「は……っ……ん、ぅ」
閉じた唇の隙間から、熱い吐息と微かな声が漏れる。
セシリアの意志とは無関係に、膣壁が何かを強請るようにヒクヒク蠢きはじめた。
ずるりと指が引き抜かれ、蜜壁との摩擦で湧き上がった快楽に、セシリアは頤を反らして甘く鳴いた。
「んぁっ」
「もう一本、増やすぞ」
二本の指が、ぐちゅりと花弁をかき分けて再び中に入ってくる。
先ほどより大きく広げられたせいか、ピリピリした痛みが強まり、セシリアは眉根を寄せる。
「う……」
「狭いな。力を抜けるか?」
「あ……んぅ、ぁ……」
必死に力を抜こうとしてみたが、上手くいかない。
身体の中のルーカスの指を余計にキュウキュウと締めつけてしまうと、彼がもう片方の手をセシリアの胸元に伸ばした。
「んんっ」
胸の先端を弄られると、快楽と共に身体の奥から蜜が溢れてくる。
「ひっ、あ、ぁ……や、あぁ……」
グチュグチュと音を立てて、ルーカスがもどかしいほど緩やかに指を抜き差しする。
膣口の上にある敏感な花芽も弄られ、強すぎる快楽に目の前がチカチカした。
執拗にかき回される秘所から、蜜が零れて敷布を濡らしていく。
たとえようのない愉悦に全身を犯される。
セシリアは胸を喘がせて、熱い吐息を零した。
高まり続ける身体の熱が下腹の奥へと集中し、自分がどうなってしまうのかわからず、怖い。
「あ、ああ……やっ……だ、だめです……ああ……お腹の奥が、変に……」
すすり泣いて頭を振ったが、ルーカスは愛撫を止めてくれなかった。
「そのまま身を任せていればいい」
三本に増やした指でセシリアの中をかき回し、花芽を弄り、乳首を舌で舐めしゃぶる。
「あ、あ……ん、あぁっ、あっ、あああ――っ」
溜まりに溜まった快楽が、一気に膨れ上がって爆ぜた。目の前に、白く火花が散る。
爪先が反り、愉悦の涙を流して、セシリアは大きく背を仰け反らせた。
何が起こったのかもわからないまま胸を喘がせていると、蜜口からズルリと指が抜かれた。
ルーカスがセシリアの腰を摑み、秘所に熱くて硬いものを押し当てる。
ヒクヒクと痙攣している蜜口に、ぐちゅり、と音を立てて先端が沈む。
「う、ああっ」
呆然としていたセシリアは、強い痛みで意識を引き戻された。
大きすぎる。痛い。身体が裂けてしまう。
熱い杭で串刺しにされるような苦痛に、ボロボロと涙が零れた。
思わず引きかけた腰を、ルーカスがしっかりと摑む。太い肉杭が、未通の隘路をずぶずぶと奥まで犯していく。
指先が白くなるほど敷布を強く握りしめ、もう無理だと思った時、最奥に屹立が当たった。
ルーカスが息を吐き、動きを止める。
「全部、入ったぞ」
「あ、あぁ……は、っぁ……」
薄く目を開けると、ルーカスも何かに耐えるように眉根を寄せていた。
「辛いかもしれないが、もう少しだけ我慢して欲しい」
血の気の引いた頰を宥めるようにそっと撫でられ、また胸の奥にあの奇妙な甘い疼きが走った。
限界まで押し広げられた部分がぎちぎちと痛む中、トロリと内部に新たな蜜が滲みだす。
破瓜の痛みに冷え切っていた身体に、じわじわと淫蕩な熱が再燃しはじめ、子宮が何かを求めるようにきゅうと収縮した。
「ぁ……はぁ……私は、大丈夫ですから……ルーカス様……お子を、授けて……」
頭の中が茹だってしまったかのように、ぼうっとする。
おずおずと手を伸ばして請うと、彼が一瞬、息を吞んだように見えた。
「……そうか」
囁くような小さな掠れた声は、妙に熱っぽく色香を感じさせた。セシリアの耳から入り込み、ゾクゾクと身を疼かせる。
ルーカスがセシリアの手を自分の肩にかけさせ、ゆっくりと動きはじめた。
埋め込んだ雄の形を馴染ませるように、ぬちゅ、ずちゅ、と湿った蜜の音を立て、緩慢な抜き差しを繰り返す。
「う……ふ、ぅ……」
膨らんだ雄に、優しく何度も膣壁を擦られ、時おり小さく揺さぶられる。
次第に結合部の痛みが、ジクジクした淫靡な熱に変わっていき、セシリアの声から苦痛の色が消えていく。
それを見計らったかのように、ルーカスが大きく腰を突き入れた。
「ああぁっ!」
硬く膨らんだ雄が、十分に解れた中を力強く擦り上げ、穿つように奥へ叩きつけられる。
「やっ! あ、ああっ! ひ、あ、あぁっ!」
激しい動きに翻弄され、セシリアは頤を反らして高い嬌声を放つ。
半開きになった唇から唾液が零れ、大きく広げさせられた太腿が、快楽にビクビクと引き攣れた。
「っは……セシリア……そんなに締めつけるな……」
「ご、ごめんなさ、い、あ……あ、また……あれが、来ちゃ……」
あの目も眩むような絶頂が近いのを感じ取り、セシリアはブルリと腰を震わせた。
縋るものが欲しくて、ルーカスの背に回した手に力を入れる。
膣襞が、意志とは無関係にうねって雄に絡みつき、締め上げた。
ルーカスが短く呻き、抜けそうなほど引き抜いた雄を、勢いよく最奥に打ちつける。
「あ、ああーーっ!」
激しい突き上げに目の前が白む。同時に、雄の先端から熱い飛沫が胎内に放たれるのを感じた。
「ふ、あぁ……あ、ぁ……」
生温かい体液が、じわりと膣内を満たしていくのを、ヒクヒクと打ち震えながら受け止める。
一滴残らず注ぎ込まれてから、ようやく萎えた雄が抜かれた。
ヒクヒク震える花弁はすぐ完全には閉じず、溢れだした赤と白の混ざった体液が敷布を汚していく。
(これで……終わったのね……)
激しい行為に疲弊し切ったセシリアは、身動ぎもできぬまま、ハァハァと荒い呼吸を繰り返していた。
だが、不意にルーカスがまた伸し掛かってきて、太腿に硬く熱いものが押しつけられる。
「っ!?」
先ほど欲望を吐き出し終えたばかりとは思えない。すっかり硬度を取り戻した肉杭が、ぬりゅぬりゅと太腿を這い上り、濡れそぼった膣口にぐちゅりと押し当てられる。
「はぁ……」
熱っぽい息を吐いたルーカスの目は、あの冷ややかさが噓のようにギラギラした光を帯び、セシリアを捉えていた。 -
関連作品