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試し読み
「ではさっそく、わからないことを教えてあげることにしよう」
セルゲイはアナスタシアの夜着の胸元のリボンを解くと、じっと見つめてきた。セルゲイの手は軽く胸の上に載っていて、アナスタシアの心臓の音が伝わってしまっているのではないかと思う。
「先に言っておくけれどこれからすることは、少なくとも俺にとっては子どもを作ることが主ではない。俺がきみをどれほど愛しているか、求めているか、言葉では言い尽くせない分を示す行為だ。――開いていい?」
セルゲイの言葉に胸を高鳴らせたアナスタシアは、こくりと頷いた。
「ああ……きれいだ。真っ白な雪の上に、熟れた野イチゴがある。食べてしまいたい」
つられて視線を向けると、なんとセルゲイがアナスタシアの胸に顔を伏せ、舌を伸ばしていた。
「セ、セリョーガ? ……あっ……」
舌先が乳頭を舐め上げ、その瞬間痺れるような感覚に襲われて、アナスタシアは声を上げた。もう舌は離れているのに、濡れた先端がじんじんと疼痛を響かせる。自分の乳頭が痛いほど硬く尖っているのを、アナスタシアは呆然と見つめた。
「やはり感じやすいね。まあ、そのほうが俺も嬉しいし、張り合いもあるというものだ」
セルゲイは乳房を手で覆うと、ゆっくりと揉み始めた。手のひらに擦れる乳頭があちこちに向きを変え、それが震えるほど心地いい。
反対の乳房にも舌を這わされ、つられたように勃ち上がっていた乳首を吸われて、アナスタシアは仰け反ってセルゲイの頭を摑んだ。
「セリョーガっ……あっ、そんなに強くしないで……どうにかなってしまいそう……」
初めての感覚に戸惑いながら、アナスタシアは膝を擦り合わせていた。
「こっちも感じてる……?」
セルゲイの手がアナスタシアの膝に伸び、夜着の裾をたくし上げながら素足に触れてきた。下着をつけていないので、裾がどんどん捲れ上がって露わになる脚に、アナスタシアは気が気ではない。
その間も胸を弄られて、そこばかりでなく、背筋を伝って腰のほうにまで重苦しいような熱がこもっていくのを感じていた。
「……ん、あっ……」
セルゲイの指が脚の付け根を撫で、花園に触れた。花びらをわずかに搔き分けただけで、なにかがとろりと滴ってくる。
「ああ、こんなに感じてくれていたのか。嬉しいよ、ナーシャ……」
指は花びらをまさぐり、溢れる蜜を搔き出すように動く。熱の正体はアナスタシアが溢れさせた蜜のようだと知ったけれど、慌てた。
「ご、ごめんなさい! 汚してしまって……あっ、ああっ……」
「なにを言う。これはきみが俺を受け入れようとしてくれている証拠だよ。ほら、こうして弄られると――」
「ああっ、そこ……っ、す、ごい……っ……」
ひどく感じる粒を擦られて、アナスタシアは腰を揺らした。
「そうだね。また蜜が溢れてきた。ここが気持ちいいなら、もっとよくしてあげる」
セルゲイは身体を下げて、アナスタシアの広げた脚の間に陣取った。セルゲイの視線の先にアナスタシアの股間がある状態で、恥ずかしくて泣きそうだ。
「セリョーガ、嫌……見えてしまうわ……」
「こんなにきれいで可愛らしいのに? 体毛が薄いんだね。濡れてきらきらしている。朝露を湛えたピンクのバラのようだ」
淑女としてこれまで理由もわからないまま禁じられていたことが、セルゲイによって次々に解放されていって、アナスタシアは逆に戸惑ってしまう。
キスをしたり素肌を見せたり、その上身体に触れさせたり……でも、夫婦になったのだから、当たり前のことなのよね?
セルゲイは当然のように触れてくるのだから、そうなのだろう。それを躊躇ったりしたら、きっと嫌な思いをさせてしまう。
それにアナスタシアだって、嫌なわけではないのだ。ただちょっと気後れしてしまって、とても恥ずかしい。
セルゲイの指や唇は優しいし、それに狼狽えてしまうくらい心地よくしてくれる。おそらくこれが、エフゲニアたちと噂していた性感というものなのだろう。
ふいに鋭い刺激を感じて、アナスタシアは声を上げた。たぶん先ほどセルゲイが弄んだ先端の小さな蕾のような粒を、舌で撫でられている。指よりもずっと柔らかく、またぴたりと張りつくそれで擽るように蕾を擦られると、痺れるような心地よさが何度も押し寄せてきた。
「あっ、あっ、セ……セリョーガ……っ……」
舌先で押され、小刻みに突かれ、鮮烈な快感にアナスタシアは腰を震わせた。溢れる蜜と唾液が混ざり合って、花園にとどまりきれずに尻や内腿まで伝う。
蕾を吸い上げられた瞬間、あまりの快感にアナスタシアは宙に放り投げられるような勢いを感じ、続いて下肢を激しく捩った。花園の中がうねる。息がつけない。
「ああっ、あ……」 -
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