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あらすじ
そんな顔で見つめられたらこの場で犯したくなる
婚活を手伝っただけなのに、陛下の想い人がまさか私だなんて……!?伯爵令嬢ながら占術師見習いのニーナが若き国王エセルバートの花嫁選びを手伝うと、ニーナ自身が国王の想い人という結果に!! さらに好意を抱いていた国王側近は、実は変装したエセルバート自身だったなんて!! 彼の唇がそっと触れただけで、ニーナの胎内には熱がこもってきて――。でも王妃になる決意がつかないニーナは逃げ出してしまい……!?
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キャラクター紹介
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ニーナ
辺境伯の令嬢だが占術師見習い。花と好相性。思ったことを素直に口にしがち。 -
エセルバート
初恋泥棒の異名を持つディアンサス王国の国王。占術師見習いのニーナが好き。
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試し読み
「まいった。君はほんとに……俺をただの男にする」
「え?」
わきの下に手を入れられて、そのまま縦に抱き上げられた。
バスマットの上に下ろされたと思った直後、頭上からふわふわなタオルが降ってくる。
「すごい手触りがいい……って、わぁっ」
大きめのタオルで身体をぐるぐるに巻かれ、ふたたびエセルバートに抱っこされた。彼は雑に水滴を拭っただけで、まだ濡れている。
「急にどうし……」
先ほどと同じ寝台に下ろされた。
エセルバートの髪から落ちた水滴がニーナの頬を濡らす。
「俺も同じ気持ちだと言ったら、君にはわかりやすいか」
「え?」
「ニーナの扇情的な姿を他の男が見たら嫉妬するどころじゃない。その目をくりぬきたくなる」
「ええ……」
いきなりの過激な発言はちょっと驚いてしまう。
「それほど俺の独占欲は強いということだ」
だが溜息混じりに明かされても、ニーナは嫌悪感を抱くどころかうれしいと感じてしまった。
「では、私たちは似た者同士ですね」
――私に目をくりぬく発想はないけれど。
独占欲が強いという点だけを考えれば似ていると言える。
ニーナをぐるぐる巻きにしているタオルを解いてもらい、そのタオルでエセルバートの身体についた水滴を拭った。
「なんだか不思議です。いつもは私が面倒をみてもらっているのに、逆のことができるなんて」
「手がかかる男は嫌いになったか?」
「逆です。いつも与えてくださるから、同じくらい返したくなります」
もしかしたら夫婦というのはこういうことなのかもしれない。
ひとりでは不完全でも、互いの弱いところを補いあえる関係。
ニーナの手が届かないところはエセルバートを頼り、彼が取りこぼしたものはニーナが拾う。
そしたら完璧とは言えなくても、理想的な関係になれるのではないか。
「好きですよ、エセルバート様。あなたが大好きです。私は国王陛下の相手としては未熟者で頼りないけれど、これからたくさん勉強して一緒に戦えるように頑張りますから。エセルバート様が弱音を吐いても受け止められるくらい、大きな心を養っておきますね」
「頼もしいな、俺の花嫁は」
彼が安心して弱音を吐ける相手になりたい。
他に味方がいなくなってもニーナだけは彼の味方だと信じられるほど、互いの信頼関係を築いていきたい。
「私があなたの一番の味方になります」
エセルバートが眉根を寄せた。どことなく泣き笑いのような表情を浮かべて、ニーナをきつく抱きしめる。
素肌が密着する。裸で抱きしめられることが心地いい。
互いの心音が伝わるのも安心する。
きっとこれからもっと、今まで知らなかったはじめての経験を味わっていくのだろう。それを与えてくれるのが愛する人だと思うと、不安よりも喜びが勝った。
「……もう待ったはなしだぞ」
エセルバートの切実な願いを聞いて、ニーナは頷いた。ごちゃごちゃ頭で考えるより、心の声を大事にしたい。
だが、少々不安があることは否めない。
「私もエセルバート様とひとつになりたいです。でも、物理的に無理があるかなと……」
手のひらに残る彼の雄の感触。
その大きさが一般的なのかどうかはわからないが、なかなかの質量だった。
――あれをどうやって受け入れるのかな……。
赤子を生む場所に挿入するという知識はあるが、そんなに伸縮性があるのだろうか……一体どういう構造になっているのだろう。女体の神秘を考えてしまう。
ニーナの不安を解すように、エセルバートが額に口づけを落とした。
「大丈夫だ。君はただ気持ちよくなってくれたらいい」
耳に直接声を吹き込まれる。
耳たぶを優しく食まれて、首筋に唇を押し当てられた。
ムズムズするような感覚がどこからともなく湧き上がる。くすぐったいのに、もっと触れてほしい。
「ン……ッ」
ふいに首にキツく吸い付かれ、チリッとした痛みが走った。丹念に舌先で舐められると、なんだか傷を癒す犬のように思えてくる。
「今なにを考えた?」
鎖骨の下まで移動しながら、エセルバートが肌に声を吹きかける。
その振動が肌から伝わり、胎内の熱が膨らんでいくのを感じていた。
「べ、別になにも……ただ、くすぐったいのに気持ちよくて、どうにかなってしまいそうです」
「ああ、いいな。ニーナが俺の手でどうにかなるなんて」
もっとおかしくさせたいとでも言いたげだ。含みのある声を聞くだけで、ぞわぞわした震えが走る。
――お腹の奥が熱くて重い……。
国王の運命の相手の証……撫子の痣が鮮やかに下腹を彩っている。心なしか痣の色が鮮明になっているのは気のせいか。
「……ンゥ、あぁ……っ」
胸のふくらみを可愛がられて、ニーナの口から甘やかな吐息が零れた。
こんな声を自分が出していると思うと恥ずかしくてたまらない。
五感がいつもより鋭敏になっているかのようで、エセルバートに微かに触れられるだけで腰が跳ねてしまいそうだ。
「たまらなく可愛い。ニーナの身体に俺のものだと証を刻みたい」
乳房にもチリッとした痛みを感じた。欝血痕をつけられたのだろう。
身体が所有印だらけになるのは困る。エセルバート以外に肌を見せることはないはずだが、自分で着替えているときも今夜の行為を思い出しては悶えてしまいそうだ。
「も、もうついてますからぁ……!」
「どこに?」
「こ、ここに……」
下腹を手で撫でた。なんだか本当に、自分は彼のものだという証に思えてきた。
エセルバートの目の奥に消えようのない熱が浮かぶ。愉悦を孕んだ目でニーナの痴態をじっと観察し、胸から臍の下までそっと撫でた。
「ン、アァ……ッ」
「すごくいやらしくてたまらない。ニーナのここは、俺だけのものだと思わせてくれる」
下腹に頭を寄せて口づけられる。
そっと触れただけなのに、お腹の奥がさらに切なく収縮した。
――なにか、こぼれちゃう……。
こぽり、と愛液が溢れてニーナの内ももを濡らした。下腹に触れられるとより一層感度が高められている気がする。
エセルバートにもたらされた熱だけでこんな淫らな気持ちになってしまうなんて、自分が自分じゃいられない。
「芳しい匂いが濃くなったな」
「っ! あ、ダメ、そんなのは……っ!」
蜜を求める蝶のように、エセルバートはニーナの花園に顔を寄せた。両脚を押し開かれてがっちりと固定されると抵抗したくてもびくともしない。
「ひゃあぁ……!」
肉厚な舌がニーナの蜜を舐めとっている。
淫靡な水音が鼓膜を犯す。甘い責め苦から逃れたい。
「エセルバート様、ダメです……」
「嫌か?」
股に顔を埋めて見上げられる。
誰もが結婚を夢見る国王にそんな奉仕をされて、ニーナの頭は沸騰しそうだ。背徳感がこみ上げてくる。
でも困ったことに、頭ではダメだと思っても嫌ではない。
それをエセルバートも理解して問いかけたのかはわからないが、嘘をついたら別の責め苦が待っていそうだ。
「嫌……じゃ、ない……」
顔を真っ赤にさせて気持ちを伝える。恥ずかしすぎてクラクラしそうだ。
「それなら存分に可愛がろう」
じゅるっ、と蜜を啜られた。もうニーナの呼吸は酸欠寸前だ。
肉厚な舌が蜜口を浅く突き、花芽を舐めた。
敏感な場所に吸い付かれると、ニーナの熱が出口を求めて弾けた。
「アァ――……ッ!」
視界が白く染まった。
背中が弓なりに反り、つま先がシーツを蹴る。
四肢から力が抜け落ちた。呼吸は乱れて、頭もぼんやりと働かない。
「軽く達したか」
エセルバートの甘い声が届く。脱力したニーナの太ももをさすり、皮膚の薄い内ももに唇を寄せた。
このまま眠りたいほど疲れた。瞼を上げるのも億劫だ。
「まだ寝るなよ、ニーナ。本番はこれからだ」
「……ンッ」
くちゅん、と泥濘に指が二本埋まっていた。
異物感を覚えるけれど、裂けるような痛みはない。
「あ、なに……なんか、変……」
「ニーナの中を拡げないと、俺が入れない」
ああ、あのご立派なのを受け入れる準備を念入りにしてくれているのだな……とぼんやりする頭で考える。
しかし本当に入るのだろうか。合体事故が起こらないとも限らない。
少しずつ頭が働き始めて、ニーナはふたたび胎内にこもる熱を感じながら目を開けた。
「エセルバートさま……あ、ンン……ッ」
「ここか」
ひと際快楽を感じる箇所を指先でこすられた。
膣内で蠢く指がニーナの弱いところを刺激すると、子宮がキュウッと収縮し切なさを訴えてくる。
もっと奥にほしい。早く彼とひとつになりたい。
生き物としての本能の呼びかけを感じ、ニーナはエセルバートに抱き着いた。
「も、いれて……?」
「グ……ッ」
エセルバートの喉からうめき声が漏れた。なにやら苦悩しているようだ。
「もう少し指でならしてからだ」
三本目の指をグッと挿入されると、僅かに引きつるような痛みを感じた。
だがこの痛みも、エセルバートにもたらされているのだと思うとたまらない気持ちになる。
「あぁ……、もっと奥がほしい……」
「ニーナ……」
本能的な欲求に突き動かされている。
散々愛液を舐めて吸われたのに、もうニーナの泉は洪水のように溢れていた。膣内でエセルバートの指が動かされるたびに、グチュグチュとした水音が響く。
早くこの空洞を埋めてほしい。
そうすれば切ない気持ちは満たされるだろうか。
「エセルバートさま……早く……」
ニーナの眦から生理的な涙が零れる。
その直後、濡れそぼった蜜口に指とは比べ物にならない質量が押し付けられた。
「煽った責任は取ってもらうからな」
獰猛な眼差しには自分しか映っていない。
そのことがなんだかどうしようもないほどニーナの心を満たし、腹ペコなお腹も満たしてほしくなった。
「あ、あぁ……、ンぅ、アァ……ッ!」 -
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