書籍紹介
人嫌い王の超格差な溺愛婚~奇跡の花嫁と秘蜜の部屋~
人嫌い王の超格差な溺愛婚~奇跡の花嫁と秘蜜の部屋~
ISBN:978-4-596-42894-3
ページ数:306
発売日:2022年4月15日
定価:650円+税
  • あらすじ

    私はお前を手放すつもりはない
    孤独な国王から濃密に愛された先に見えたのはーー!?

    王宮で働くマルティーヌは、歌がきっかけで国王のパトリスに見そめられて、2人は密かに図書室で逢瀬を重ねるように。情熱的に唇を塞がれ、肌をまさぐられ舌を這わせられると、声を抑えきれなくなる。彼に全てをゆだねたいのにそうならないのは、やっぱり身分が違いすぎるから? 実はパトリスの周囲には、過去に連なる陰謀が渦巻いていて……!?

  • キャラクター紹介
    • マルティーヌ
      王宮で働きながら勉強もしている。パトリスには出会った時から惹かれていた。

    • パトリス
      フランシア国王。人嫌いで国政から身を引いているが、それには理由がある。

  • 試し読み

     彼から子供時代を奪った犯人が許せなかった。
    「二人で犯人を見つけましょう。そしてオレリー様とルイの無実を晴らすの。そうでなければ私もパトリス様も自由にはなれないわ」
    「自由、か」
     彼の表情がふっとゆるんだ。
    「お前があの時言っていたな」
    「あの時?」
    「馬小屋で、アンリたちに連れて行かれそうになった時だ」
     マルティーヌも思い出した。一旦逃げ出したが再び捕まり、アンリのものになりそうになった時だ。
    『私とララに触らないで。私たちはあなたのものではないわ』
    「私もそう思って生きてきた。ただ生かされて、誰かのものになるのは嫌だった」
     パトリスは指でマルティーヌの顎を持った。
    「お前に惹かれたのはあの時が最初だ」
     嬉しかった。自分がオレリーの娘だからではなく自分自身の言葉で好きになってくれた。
    「私は……最初に見た時驚きました。お城にはこんなに素敵な馬丁がいるのかと」
     彼の唇が落ちてきた。優しく、吸い付くようなキス。
    「もしかしたら、私の記憶がお前の中にあったのかもしれない」
    「え?」
    「この屋敷で生まれてすぐ、私はオレリーを訪ねた。乳母に抱かれていたお前を抱かせてもらった。その時じっと私を見つめていたんだ。灰色の、透き通った瞳で」
     もしかしたら、その時の面影が残っていたのだろうか。
     生まれて初めて見た彼のことを、ずっと想っていたのだろうか。
    (人を好きになるってこういうことなの)
     顔や姿だけではない、魂が通い合うのだろうか。
    「あの時、人間とはこれほど美しいものかと思った」
     深く口づけられ、そのまま寝台へ寝かせられる。
     寝間着を脱がされ全裸になった。彼も全ての服を脱ぎ捨てる。
    「いつか、なんの心配もなく抱き合える時が来る」
     肌を触れ合い、抱きしめ合った。彼の唇が膨らんだ先端を包む。
    「ああ……」
     全ての疑惑が晴れ、心から抱き合える日が来たらどれほど嬉しいだろう。
    「きっと来るわ、そんな日が……」
     彼の唇が何度も乳首を吸い上げる。じいんという感覚が全身を駆け巡った。
    「あ、いい……」
     マルティーヌを感じさせたパトリスは後ろへ回り、背後から抱きしめる。
    「足をしっかり閉じてくれ」
     腿の間に彼のものが挟まった。
    「お前の肌で、擦ってくれ……」
     熱い棒が前後に動く。マルティーヌは足をきつく締めて彼を擦った。
    「あ、触る……」
     棒の部分が腿の付け根にある谷間に挟まった。小さな花弁が擦られて、熱くなる。
    「お前のものに、触れるよ」
     パトリスの手が前に回り、自らのものに触れている箇所に触った。果肉の中に埋もれている淫芯を探り当てる。
    「ひゃん……」
     下から棒で擦られ、前からは指で擽られる。あっという間に自分の蜜が溢れてきた。
    「濡れてきた……気持ちいいよ……」
     腰の動きが速くなってきた。その動きもさらに快楽を刺激する。
    「あ、いいの、気持ちいい……」
     性器同士が触れ合っている、あとほんの少しで深く繋がってしまいそうだ。自分の体ははっきりそれを求めていた。
    (でも、我慢しなきゃ)
     パトリスもきっと同じ気持ちだ。男性はもっと求める度合いが強いだろう。
     それでも堪えてくれている、将来出来るかもしれない子供のために。
    (希望を失ってないから)
     二人の明るい未来を、信じているから。
     一夜の快楽を我慢できるのだ。
    「あ、いきそう……」
     指で刺激され続けた丸い粒はもう破裂しそうだった。もじもじと足を擦り合わせるとパトリスの息も荒くなる。
    「私もだ……出てしまう、肌が蕩けそうで……」
     耳の後ろに舌を這わせられる、その瞬間じくっと体が震えた。
    「あ、やんっ……!」
     彼の指の下で肉粒が震えるのが分かった。ほぼ同時に肉棒の先端から熱い汁が迸る。
    「ああ、出てしまった……」
     今夜は達した後でも離れなくていい。彼のものを丁寧に布でぬぐう。
     初めて間近に見るそれはあまりにも奇妙な形をしていた。別の動物が人の体についているようだ。
    「私のものに、触れてくれ」
     マルティーヌはおずおずと手を伸ばす。
    (熱い)
     掌に乗るほどのそれは、体温よりも温かくしっとりと湿っていた。
    「まだ、欲望が去らない。すぐまだ大きくなりそうだ」
     最初はやや柔らかかった棒は、指の中でむくむくと形を整えていく。
    「触ると、気持ちいいのですか……」
     そっと指を動かすと、手の上の生き物はぴくぴくと蠢く。
     その感触が先ほどの快楽を思い出させてマルティーヌの体はまた熱くなった。
    「もっと、触らせて……」
     手を根元まで滑らせると、黒い体毛の奥でそれは確かにパトリスと繋がっていた。しっかり根元を握るとさらに上へ頭をもたげる。マルティーヌは両手で包み込むようにそれを握った。
    「お前の手の中で、擦ってくれ……」
     小さな雛を愛でるように、手の中のものを撫でさする。最初は奇妙に思えたその形もだんだん愛おしく思えてきた。
    (これがパトリス様のもの)
     彼の快楽の中心、そう思えば可愛らしくすら思えてきた。
     手の中の小さな棍棒がぴくぴく蠢きだす。先端から朝露のような液体が現れた。
    「これは……?」
    「私の、最初の液だ。そのまま続けて……」
     パトリスの手が自分の頭を撫でる。指が髪の中に入って優しく梳った。
    (愛おしい)
     彼への愛情が湧き出てくる。マルティーヌはそっと彼のものへ唇を寄せた。
    「止せ!」
     彼は頭を撫でていた手でマルティーヌを押しとどめる。
    「どうして? パトリス様もしてくださったわ」
     自分を見下ろすパトリスの目は慈愛に満ちていた。
    「お前はしなくていい……汚れている……」
     そう言われると、ますますしたくなる。
    「パトリス様は綺麗ですわ、どこもかしこも」
     すると彼の表情が暗く歪む。
    「私は、お前の思うような人間ではない。本当は人を愛してはいけない男なのだ」
     同時に、手の中の肉棒が少し柔らかくなる。
    (いけない)
     ものを知らないマルティーヌでも、それが彼の欲望の消失であることは分かった。
    「私は、パトリス様を愛しています」
     この熱を冷ましてはいけない、マルティーヌは夢中で棍棒の先端に唇をつけた。
    「あっ……」
     丸い頭に唇の先端が触れた途端、パトリスの声が上ずった。衰えかけていた肉棒が再び力を取り戻す。
    (これでいいんだ)
     自分と同じようにパトリスも感じている、そう思うと躊躇は消えていった。
     透明な液は少し塩気がする。マルティーヌは舌を出して丸い頭を舐めた。
    「あ、そんなことをすると、もう駄目だ……!」
     パトリスはマルティーヌを強引に引き離した。そして自らの手で肉棒を抑える。
     すると、指の間から白い液体が溢れだした。
    「まあ!」
     驚いた。彼の体内から出てきたものが驚くほど大量だったからだ。
    「出てしまった、お前の唇があまりに柔らかかったから」
     彼はハンカチを取り出して白い体液をぬぐった。大判のハンカチがびっしょりと濡れている。
    「男性は、こんなに出るんですね……」
     マルティーヌは思わず噴き出してしまった。
    「なにがおかしい?」
    「……以前、トラウザーズの中で出してしまわれたのですね。洗濯が大変ではなかったですか?」
     彼が洗濯場に自分の服を出したがらなかったわけが分かった。
    「……仕方がないから馬小屋で洗った。あんなものを人に見せるわけにはいかない」
     もう我慢できなかった。マルティーヌはくすくす笑い出す。
    「私ならいいでしょう。洗って差し上げます」
     体液を受け止めたハンカチを受け取ろうと手を差し出すが、パトリスは断った。
    「いや、私のものは私でやる。以前からやっていたことだ」
     胸が詰まった。この国で一番人に囲まれている人が、子供の頃からたった一人で生きてきたのか。
    (どうして)
     彼がこんな目に遭わなければならないのか。
     どうして自分だけが彼の側にいられるのだろう。貴族の娘やアナベルではなく、自分が。
    「私は」
     彼の力になりたかった。
     自分が彼に助けられたように、彼を助けたい。
    「……陛下をお助けしたいです」
     パトリスは身支度を整えながら優しい目つきを見せる。
    「ありがとう」
     その優しいまなざしを独り占めしている、恐ろしさと陶酔が同時に襲った。

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