書籍紹介
パーフェクトな旦那様は身代わり妻を甘やかしたい
パーフェクトな旦那様は身代わり妻を甘やかしたい
ISBN:978-4-596-76809-4
ページ数:290
発売日:2023年2月16日
定価:690円+税
  • あらすじ

    反応が初心だね。……すごくそそられる
    異母姉の代わりに政略結婚しましたが、溺愛生活が始まって!?

    母の夢であった喫茶店を再建するため、異母姉の代わりに政略結婚することになった美月。彼女の前に現れたのは喫茶店に通ってくれていた堂上政臣だった。「君を抱きたかった。本当に会いたかった」自分が身代わりだと知りながらも甘く愛してくれる彼に惹かれる美月。幸せな新婚生活を過ごしていた彼女だったが、失踪したはずの異母姉が舞い戻ってきて…!?

  • キャラクター紹介
    • 井出美月(いで みつき)
      喫茶店で働いていた。異母姉の身代わりで政略結婚する。

    • 堂上政臣(どのうえ まさおみ)
      堂上グループの創業者一族。美月の働く喫茶店に通っていた。

  • 試し読み

    美月は唇を噛み締めた。
    ありがたい申し出のはずだったが釈然としない。
    なぜだろうと首を捻ってある一つの結論に辿り着いた。
    「……政臣さん、それでは夫婦とは言えません」
    ただ思いやりを受け取るだけでは対等な関係とは言えない。
    確かに、父の援助と引き換えの政略結婚だったが、それでも結婚し、夫婦となったのだ。
    夫婦とは一方的に施す関係ではない。何かを与え合い、支え合わなければならないはずだった。
    「あなたの優しさは嬉しい……。すごく嬉しい。ですが、それは哀れみではないですか。……私にもプライドがあります。ちっぽけですが、蔑ろにされたくはない」
    美月は政臣の目を真っ直ぐに見つめた。
    「汚い理由でも勇気を出して自分で選んだ道なんです。私をちゃんとあなたの妻にしてください」
    「美月さん……」
    政臣は目を瞬かせていたが、やがて「……僕も男です」と唸った。
    「あなたのように魅力的な女性にそのようなことを言われ、何もせずにいられるほどの理性はない」
    「構いません」
    美月は両手を伸ばしてまだ火照りの残る政臣の頬を包み込んだ。
    「抱いてください」
    不意に背に手を回され、逞しい胸に抱き寄せられた。
    「……まだ熱いですね。もう上がったのはだいぶ前でしょうに」
    「政臣さんこそ」
    もっと熱いと続けようとして唇も言葉も呼吸も奪われた。
    「んっ……」
    柔らかな濡れた感触とともに歯がカチンと当たる音がする。
    「ん……」
    初めてのキスは夕食で飲んだ赤ワインの味がして、その香しさに頭がクラクラした。
    (キスが……こんなにドキドキして嫌らしいものだったなんて)
    そう感じたのも一瞬だった。
    唇を強引に割り開かれ、反射的に身じろぎしてしまう。
    アルコールと湯で熱せられた舌が口内に侵入して来たかと思うと、歯茎をなぞり、更に開いた隙間に押し入り、中を執拗にかき回してきた。
    「んん……ぅ。んんっ……!」
    喉近くまで浸食され息もできない。
    苦しさと熱で頭が酔ったように揺れる。
    時折ちゅっと音を立てて吸い上げられると、背筋から得体の知れない感覚が這い上がってきた。
    「ん……ぅ」
    怯えて政臣の胸を押し返そうとしたのだが、舌を絡め取られた途端その気力も失せてしまう。
    酸素を肺に取り込めないからだけではない。
    口の中で唾液が混じり合う響きを感じるごとに、心臓が興奮に熱せられた血を全身に送り出し、身も心も蕩けそうになってしまう。
    (あ、つい。唇も、体も……)
    口付けるごとに筋の通った鼻が触れ、濃い睫毛に縁どられた黒い瞳に、これ以上ないほど近い距離から見つめられる。
    その甘い眼差しに当てられ鼻にかかった喘ぎ声が漏れ出てしまう。
    「んっ……ぁっ……ん……ふ……」
    生まれて初めて与えられた官能は、あまりにも激しく熱く、美月はその大きな波に翻弄されるしかなかった。
    混じり合った唾液に濡れる薄い唇が離れる。
    美月はぐったりとして政臣に体を預けた。
    間髪を入れずに耳元にこう囁かれる。情熱的な口調で言葉遣いまで変わっていた。
    「可愛く初心な顔をしておいて……随分とよく反応してくれる」
    「……っ」
    まだキスしかしていないのに、嫌らしい女だと言われた気がして、美月はひどく恥ずかしくなった。
    「なぜ顔を背ける? ……僕を見るんだ」
    頬を包み込まれ強引に上向かされる。
    欲望を睫毛の触れ合う距離から視線で注ぎ込まれ、射貫かれたように身動きもできずに受け止めることしかできなかった。
    「美月、可愛い……」
    呼び捨てで呼ばれるとより距離が縮まった気がした。
    政臣はバラ色に染まった美月の頬に、目元に、顎に、最後に唇に口づけの雨を降らした。
    「君を僕だけのものにしたい」
    激しく求められ心が震えてくらくらする。
    口を開いたものの何を言えばいいのかわからない。
    しかし、政臣は答えなど求めていなかったのだろう。
    みずからのガウンを脱ぎ捨て、美月の腰と背に手を回すと、ゆっくりとベッドの中央に押し倒した。
    「ま、政臣さん……」
    まだ濡れた髪から水滴が落ち、美月の胸の谷間に跡を残した。
    盛り上がった二つの肉の山は仰向けになっても崩れることはなく、張りを保ったままふるふると揺れているのがバスローブ越しでもわかる。
    その光景が男の情欲をどれだけ煽るのかを美月は知らなかった。
    「あっ……」
    ベルトをするりと抜き取られると、バスローブの合わせ目がはだけ、形のいい豊かな乳房がまろび出る。
    「……っ」
    まだ誰にも見せたことのなかった汚れない若々しい体が今、ルームランプのオレンジ色の光に照らし出され、政臣の視線に晒されていた。
    「……綺麗だ」
    政臣の声も興奮に上ずっていた。
    自分の体に欲情してくれている――そんな喜びよりも前に激しい羞恥心を覚えて、つい胸を覆い隠そうとしてしまう、
    だが、その手はすぐに政臣に払いのけられ、手首を押さえられてベッドに縫い留められてしまった。
    「ま、政臣さん……」
    「綺麗だと言っているのに、何も恥ずかしいことはないだろう?」
    美月は意地悪だと唇を噛み締めて目を逸らした。
    もう少し優しくしてほしかったが、そもそも今夜が初めてなので、世間一般の基準で政臣が意地悪なのかどうかもわからないのだ。
    結局、全面的に身を委ねることしかできなかった。
    「ごめん、なさい。でも、やっぱり恥ずかしくて……」
    羞恥心が媚薬となり、血流となって胸の先の尖りをぴんと立て、頬と同じバラ色に染める。
    「お、願いです。恥ずかしいと思わなくなるくらい、無茶苦茶にして……」
    次の瞬間、胸の谷間に顔を埋められた。
    「ひゃっ……」
    まだ湿っている前髪でくすぐられて肌が粟立つ。
    唇で丸みを帯びた輪郭をなぞられると、腹の奥がじわりと疼いて熱くなった。
    「そんな……ことっ」
    「そんなこととはどんなことだ?」
    「そ……れはっ……」
    それでも、次に与えられた刺激には敵わなかった。
    「えっ……」
    ピンと立った胸の先端がぬるりと熱い何かに包み込まれる。赤ん坊のようにちゅっと吸われると、背筋に電流が走ったのかと錯覚した。
    想像だにしていなかった行為に身震いする。
    同時に、再び腹の奥が熱を持ち、内壁をとろとろと溶かすのを感じた。
    じわりと足の間から蜜が滲み出る。
    政臣はただ吸うだけではなく、舌と歯を使ってすっかり敏感になった乳首を弄んだ。
    蛞蝓にも似た何かが絡み付いたかと思うと、時折カリっと齧られ身悶えてしまう。
    「あっ……やっ……そんな……あんっ」
    鼻にかかった甘い吐息が政臣の前髪を揺らす。
    「美月……君は、随分感じやすい体みたいだ。そんな声を出されると……」
    ――もっと苛めてみたくなる。
    政臣は言葉の代わりに一層激しく美月の胸を責めた。
    やがて政臣の唇は胸から腹、腹から腿へと移動した。
    下半身は上半身より敏感なのか、政臣の唇の熱を感じ、前髪の滴が肌に落ちるごとにピクリと反応してしまう。
    だが、敏感になった自分の肉体への羞恥心も、続いて足を押し広げられた時の衝撃には敵わなかった。
    「あっ……」
    思わず大きく目を見開く。
    政臣の爪が柔らかな腿に食い込んでいたが、その痛みを感じる余裕もなくなっていた。
    なぜなら、欲情に燃える切れ長の双眸が、美月自身ですら目にしたことのなかった、無防備な処女地を捉えていたからだ。
    黒い瞳に映されたそれは、割れたばかりの熟した柘榴のようにも、ひくりひくりと蠢く原始的な生命体のようにも見えた。
    「あっ……いけません。そんなっ……」
    視界がたちまち涙でぼやける。
    「そんなに……見ないで……」
    「どうして?」
    政臣の口調はどこか楽しそうだった。
    理由を説明しなければならないのだろうか。
    生来生真面目な美月は「だって……」と蚊の鳴くような声で答えた。
    「汚く……ないですか? だって……そこは……あっ!」
    「……美月はどこも綺麗だよ」
    政臣の声が美月の耳を擽る。
    「それを今から僕が汚すんだから、罪深い話だ」
    言葉とともに長い指がするりと美月のまだ踏み荒らされていない花園に滑り込む。先ほどまでの前戯ですでにある程度潤っていたので、ぬちゅっと粘ついた音がした。
    「あ……あっ」
    パソコンや筆記ですっかりかたくなった男性らしい指先を花芽に感じる。
    (汚い……のに)
    恥ずかしいはずなのに、もっと触れてほしいとも望んでしまう。
    政臣は美月の心の声を汲み取ったのか、くるくる円を描くように周辺を擦る。
    知らず喉から熱い息が漏れ出た。
    「んっ……ふ……あっ」
    脳髄と脊髄が政臣の愛撫で溶かされていく。全身から力が抜け落ち、腹の奥からは蜜が滾々と漏れ出てくる。
    やがて、タイミングを見計らったかのように、花園を弄んでいた指が蜜口に触れた。
    「えっ……」
    なぜそこにと思った次の瞬間、ズブリと第一関節までを埋められる。
    軽い衝撃と圧迫感に腰が跳ねる。
    「ま、政臣さっ……」
    生まれて初めて異物を受け入れたはずなのに、隘路の内壁は長い指を取り込んで、より奥へ、奥へと導こうとしていた。
    (私の体……どうしちゃったの……)
    心と体がバラバラだ。
    「お、願い……もう……」
    涙目で政臣の頭に手を掛け、押し返そうとしたのだが、腕に力が入らず小刻みに震えるばかりだった。更に第二関節まで埋められ、喉の奥から熱い息が漏れ出る。
    「やっ……」
    政臣は動きを止めない。
    「本当に嫌かい?」
    「そ、れは……」
    「もうこんなに濡れているのに?」
    政臣は指を引き抜き、その指を美月に見せ付けた。
    蜜がループランプの光を反射しぬらぬら光っている。
    この淫らな液体を自分の肉体が分泌したのが信じられなかった。
    政臣は指先をペロリと舐めると、「……甘いな」と目を細めた。
    「美月、君を味わい尽くしたい」
    「や、やめっ……」
    再び指が蜜口にズブズブと埋められる。
    美月は目をかたく閉じてその圧迫感に耐えた。再度体が強張ってしまう。
    「もっと体を楽にして……。その方が気持ちいい」
    そんなことを言われてもと抗議しようとすると、隘路の内壁の腹側をそっと擦られた。
    「あっ……」
    愛撫による快感が腹の奥をひくつかせる。
    美月が気持ちよさに体から力を抜いた、次の瞬間のことだった。
    指が中で曲げられ、隘路の一部のざらりとした箇所に触れたのだ。
    そこはいけないと訴えようとしたのだが、続く刺激に視界に火花が散り、意識が飛びそうになる。
    「そうか。ここなのか」
    政臣は独りごちながら指先でその箇所をぐっと押した。衝撃的な快感に声も出ない。
    弄られるごとに体が弓なりに仰け反り、話すどころか息が途切れ途切れになる。
    「あ……はっ……あっ!」
    熱を持ったそこがぷっくりと腫れ上がるのを感じる。
    腹の奥からどっと蜜が泉さながらに湧き出た。体のどこにこうも大量の液体が蓄えられていたのか。
    政臣が指を引き抜き唇の端に笑みを浮かべる。
    「これからなのに、もう限界だなんて言わせない」

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