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                  あらすじ悪い子だ。……そんなに、これが悦いのか? 
 冷徹皇帝の一途な溺愛に身も心も蕩かされて…♥小国の王女リゼットは帝国皇帝の側室として輿入れするが、なんと相手は数日前に急逝し婚姻が白紙に! 今さら祖国には戻れず、次期皇帝ヴィクトールの側室の座を目指して彼に仕えることに。ある日、不埒者に媚薬を盛られたところを冷徹と噂されるヴィクトールに助けられる。熱く疼く身体を優しくとろとろに慰められて彼への想いが高ぶっていき…? 
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                  キャラクター紹介- 
                           リゼット 
 クロンヌ王国の王女。祖国では継母である王妃から虐げられていた。前向きな十八歳。
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                           ヴィクトール 
 シュヴェルト帝国の皇子、のち皇帝に即位。戦争を嫌う穏健派で亡き皇帝から遠ざけられていた。
 
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              試し読み「わたしを乗せていては、休憩になるどころか、かえって疲れてしまいます」 
 「何故だ? 君は羽のように軽いというのに」
 「まあ、そんなはずありません」
 離宮に来てからというものの、誰もがリゼットによくしてくれるおかげで、食事の量が増えたように思う。先ほども、厨房でたくさんのお菓子をご馳走になったばかりだ。
 そのせいか、最近、鏡を見るとこころなしか体つきがふっくらしているように思えた。胸など、明らかに以前よりも膨らんでいる。
 リゼットがそう訴えると、ヴィクトールは無言のまま目を瞠っていたが、やがて何かを思いついたように口の端を少しだけ持ち上げた。
 「では、確かめてみようか」
 ヴィクトールは、大きな手のひらをリゼットの体に滑らせ始めた。
 「きゃっ、何を……っ!」
 大きな手がリゼットの下腹部をくるりと撫でた後、緩やかに上へと向かっていく。
 「肉が付いたと言うが、私から見ればもっと食べたほうがいい。君の体はあまりにも華奢で、壊してしまうのではないかと思うことがある」
 「そんな、お戯れを……っ」
 「胸も、これくらいの大きさの方が私は好きだ。柔らかくて心地がよい」
 「あっ……」
 ヴィクトールが胸の双丘をすっぽりと手のひらに収めた。感触を確かめるように動く指がくすぐったくて、リゼットはたまらず身をよじる。
 「こら、逃げるんじゃない」
 「だって……ふ、ああっ……っ」
 長い指が胸の頂をかすめ、リゼットはたちまち身を震わせた。
 それに気を良くしたのか、ヴィクトールは触れるか触れないかというほどの繊細さで、胸の頂を撫でる。布越しに感じるそれはあまりにももどかしくて、リゼットは息を詰めて刺激に耐えた。
 「急に静かになったな」
 次第に、擦るような愛撫へと変わる。
 触れられるたび、甘い熱が体の奥に生まれるのを抑えられない。
 「君もこのままでは苦しいだろう」
 ヴィクトールはそう囁くや否や、リゼットのブラウスの釦をひとつずつ外し始めた。
 彼の手を押さえようとするものの、刺激を与えられた体にはうまく力が入らない。
 弱々しい抵抗などないも等しく、ヴィクトールは容赦なくブラウスの前を開き、コルセットの紐を緩めてしまう。
 するりとシュミーズを抜き取られ、白く柔らかな双丘が晒された。薄紅色に染まった先端が外気に触れ、怯えたように震える。
 「ああ、やはり君の体は美しい。こうして明るいところで目にすると、尚更だ」
 「やぁ……、ヴィクトール様、やめ……恥ずかしいです……」
 リゼットはたまらず、露わになった胸元を両手で隠した。その頰は、羞恥のあまり真っ赤に染まっている。
 けれど、ヴィクトールはといえば彼女の抵抗を意に介するどころか、むしろ楽しむような様子だった。胸元を隠す手へ己の手を重ね、その耳元へ唇を近付ける。
 「リゼット。見せてくれないか、何もかも」
 「そんな……」
 「君はもう、私のものだ。何もかも、この目で確かめておきたい」
 熱い吐息が耳朶に吹き込まれた。お互いの指を絡める仕草に、微かな淫靡さが宿る。
 「でも……恥ずかしいです、ヴィクトール様……」
 「リゼット。……私が、見たいと言っているのに?」
 耳朶に吹き込まれたその声は、今まで聞いたことがないほどに甘く、蠱惑的な響きを帯びていた。命令することに慣れている者の威厳、とでも言うのだろうか。
 (嫌、なのに……でも……)
 「リゼット。見せなさい」
 命じられるたびに頭の奥がゆっくりと蕩けていくような、不思議な錯覚。
 決して強引な声音ではないはずなのに、逆らえない。
 リゼットは気付けばおずおずと両手を開き、ヴィクトールにその胸元を晒していた。
 「わかるか、リゼット。もう、こんなにも尖らせている。まるで私に触れられるのを待っているようだ」
 「あ……っ」
 双丘の先端を同時に指で摘まれ、リゼットの吐息が甘い熱を帯びた。が、すぐにはっとした様子で口を閉じる。
 「どうした。何故、声を聞かせてくれない」
 「だって、こんな……いつ、誰が来るか……っ」
 「そうだな。急な仕事を持って、官僚が来てもおかしくはない」
 では、この淫らな戯れを止めてくれるのだろうか。
 リゼットのそんな期待は、次の瞬間に脆くも崩れ去ることとなった。
 「そうなると、外まで聞こえていた方が好都合だとは思わないか? 君の可愛らしい声を私以外の者に聞かせるのは癪だが、休憩を邪魔されるよりはずっといい」
 「ああっ……!」
 胸の先端をきゅう、と抓られ、リゼットは耐え切れずに甘い声を上げた。
 「やっ……、ヴィクトール様……っ、聞かれるの、嫌ぁ……」
 「駄目だ。もっと聞かせてくれ」
 「そんな……、あ、苛めない、で……っ」
 羞恥心に煽られてのことか、リゼットの体はいつもよりも鋭敏になっていた。
 ぷっくりと膨れた胸の頂を乳暈に押し込まれるように愛撫されると、唇を噛んで堪えても、すすり泣くような声が零れるのを抑えられなかった。
 リゼットの胸を散々に弄んだ後、ヴィクトールの手は下肢へと向かい始める。
 「駄目、ヴィクトール様……っ、そっちは……!」
 ただでさえ体が敏感な今、胸よりもずっと刺激を感じやすい場所に触れられたらどうなってしまうのか──想像しただけで、リゼットの下腹部が妖しい熱を帯びる。
 「こっちは、何だ?」
 ヴィクトールはからかうような囁きを落としながら、リゼットのスカートをゆっくりと捲り上げていく。やがてレースのドロワーズが白日の下に晒されると、彼の指は布越しに秘裂をなぞり始めた。
 「や……あっ、あ……ぁ、んん……っ」
 「ずいぶんと布の滑りがいい。誰かに聞かれることを想像して、興奮したのか?」
 そんなはずはない、とリゼットはふるふると首を振った。しかし、ヴィクトールの指が動くたびに、布の下からは粘ついた水音が聞こえてくる。
 窓の外から、裏庭に干してあったシーツを取り込むメイドたちの声が聞こえる。
 いつもと変わりなく仕事をする彼らと裏腹に、リゼットはこうして淫らな戯れに翻弄されている。あまりにも背徳的で、ますます羞恥を煽られて──頭がおかしくなりそうだ。
 すっかり感じ入っているリゼットに、ヴィクトールはどこか意地悪な笑みを浮かべると、ドロワーズの中にその手を忍び込ませた。
 「布の上からでは、足りないだろう?」
 指先が花芯に触れた瞬間、強烈な快楽が背筋を走り抜けた。
 言葉にならない声を上げて、リゼットは大きく体を震わせる。その反応に気を良くしたのか、ヴィクトールの指は充血した肉の蕾を執拗に愛撫した。
 ドロワーズの中は既に、溢れた蜜でどろどろに蕩けている。充血しきった蕾に与えられる刺激はあまりにも強すぎて、触れられるたび、腰が勝手に跳ねてしまう。
 「や、あ……っ、ああっ、やぁ……っ!」
 リゼットはヴィクトールの腕に縋るように、与えられる快感に耐えていた。
 甘い声が激しく喉を震わせる。それが恥ずかしくてたまらないのに、どうしても抑えられない。燃え上がるような熱が全身を支配して、頭が真っ白になりそうだ。
 やがて、胎の奥から激しい波のような感覚がこみ上げてくるのがわかる。
 「ああっ……! あん、あっ……ああーっ!」
 快感の極みに押し上げられ、リゼットは長く尾を引くような嬌声を上げた。
 余韻に浸るように荒い息を吐いていると、ヴィクトールはおもむろにリゼットの腰を抱えるように立ち上がり、執務机に縋るような格好を取らせた。
 マホガニーの机に柔らかな双丘が押し潰される。ヴィクトールに尻を向けるような体勢が恥ずかしかった。けれど、力の入らない体はのろのろとしか動かせない。
 「……ここに、挿れたい。構わないね?」
 「あ……、だめ、待っ……んんっ!!」
 リゼットは腰を振るようにして拒むものの、そんな抵抗はないも同じだ。尻に手を当てられ、秘裂を開かれたと思った瞬間──熱い感触が、隘路へと侵入した。
 蜜の滑りを確かめるように浅い部分を二、三度往復した後、ヴィクトールはゆっくりと奥へ侵入していく。
 「やぁ……、大きいの……入らな……っ」
 「……いいや、全部、挿入った。……ほら」
 下腹部を満たす異物感にはまだ慣れない。
 息を詰めて耐えていると、ヴィクトールの指が結合部をなぞるように動いた。
 「明るいと、繋がっている場所がよく見える。……こんなに華奢なのに、私のものを咥え込んで離さない」
 「や、あ……いやぁ……」
 羞恥心を煽られるほど、リゼットの体は敏感になっていった。
 肌だけではない。体の内側、充血しきった隘路まで、ヴィクトールの与える刺激をひとつも逃さないとばかりに鋭敏な反応を示している。
 くちり、くちりと。押し付けるように腰を揺らされて、そのたびにリゼットは鈴のような啼き声を上げるしかない。
 やがて、ヴィクトールの腰の動きが激しくなる。
 執務机に体を押し付けられるような体勢で、リゼットは与えられる快楽に耐えた。なにかに縋りたくて伸ばした手が、机の上に積まれた書類を床に落としてしまう。
 「あ……っ、ごめんな、さ……っ」
 「悪い子だ。……そんなに、これが悦いのか?」
 煽るような声音。
 肉の楔をぐっと奥に押し込まれ、リゼットはびくびくと体を震わせるしかない。
 全身が燃えるように熱い。
 こんなに恥ずかしくて、こんなに弄ばれて──それでも、ヴィクトールが与えてくれるものだと思った瞬間、何もかもが愛しくてたまらなくなってしまう。
 「ヴィクトール様……わたし……っ、また……っ」
 隘路の襞が、幾度となく抽挿を繰り返すヴィクトールをきゅうきゅうと締め付ける。
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