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あらすじ
憧れの人と突然の結婚! なのに夫は特殊な性癖の持ち主で…!?
憧れの相手トラヴィスからプロポーズされ、次期公爵夫人となったクレア。ドキドキの初夜は丁寧でいて官能を刺激する足のマッサージから始まり、全身を淫らな愛撫で蕩かされ、快感を教え込まれる。「夫が妻にひざまずくのはおかしなことではない」優しくも頼もしいトラヴィスに愛され幸せなクレアだけど、彼にはとんでもない秘密があって……!?
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試し読み
そう言って蜜口染み出したものを指で掬い取って、恥丘の間の敏感な部分に塗りつける。右胸を弄っていた左手は、胸の先端を指でつまんでくりくりと弄ったり、引っ張って離したりする。すると蜜口からこぷりと蜜があふれる。クレアが恥ずかしさに頬を染める間もなく、トラヴィスは蜜を纏わせた指を蜜口に沈めてきた。
痛みはなかったが、内側から押し広げられる圧迫感は大きく、クレアは身構えるように身体を固くする。デリケートなその部分に異物が入り込んでくる感覚は、二度目であってもやっぱり怖い。
クレアの右足を肩から下ろして、トラヴィスは再びクレアに覆い被さってきた。
「大丈夫だから、力を抜いて……」
柔らかな声とともに、左手で優しく頭を撫でられる。
大人の包容力というものだろうか。トラヴィスに「大丈夫」と言われ優しく撫でられただけで、自分ではどうすることもできなかった怯えが解けて消えていく。
強張りが解けたことを指で感じたのだろう。トラヴィスは満足げに微笑んだ。
「上手く力が抜けたね。ここもほら、こんなに柔らかくなっている」
根元まで沈めた指で、ぐるぐると蜜壺の中をかき回す。怖い気持ちはすっかり消え失せていた。たっぷりと濡れた内壁をこすられると、その部分から快感めいたものが湧き上がってくる。
「あっ、んっ……」
こらえ切れなかったいやらしい声に、くちゅくちゅという淫らな水音が重なった。ついさっきまでクレアをおののかせていた圧迫感は弱まっている。恥ずかしいけれど気持ちいい。相反する気持ちの間で葛藤するクレアに、トラヴィスは低くかすれた色香を含んだ声を耳に吹き込んでくる。
「ためらいを捨てれば、もっと気持ちよくなれるよ」
それは抗いがたい誘惑だった。でも、トラヴィスがそう言ってくれるのだからと思う一方で、クレアばかり気持ちよくなっていいのだろうかとも思う。
返答しあぐねているうちに、トラヴィスはいったん指を引き抜いて、すぐまた差し込んできた。圧迫感が再び強くなったことで、指を増やされたのだと気付く。
「こうするとどう? 気持ちいい?」
トラヴィスは蜜壺の中で指をばらばらと動かす。すると指先が何かをかすって、クレアの身体はびくんと跳ねた。
何? 今の……。
クレアの心の声に、トラヴィスの肉声がかぶさる。
「ここ?」
同じ場所をまた指先がかすめ、クレアはたまらずあられもない声を上げた。
「ああ……っ、あっ、あっ」
立て続けに擦られ、喘ぎ声が止まらない。快感が次から次へと湧き上がってそれ以外考えられなくなりそうになる。けれど意思の力を奮い起こして、クレアは喘ぎの合間に訊ねた。
「トラッヴィス、様はっ……トラヴィス様はっ、気……気持ちいいっですか? ……っ」
トラヴィスが手を止め、目を丸くしてクレアを見下ろしてくる。入ったままの指から多少の快楽を得ながらも、呼吸が落ち着いてきてクレアは訊き直した。
「わたし、ばかりが、気持ちよくなるなんて……申し訳、ないです……。トラヴィス様は……? トラヴィス様は、どうしたら気持ちよく、なれますか……?」
快感により潤んだ目で見上げれば、トラヴィスは見開いていた目を次第に細くし、柔らかな笑みを浮かべた。
「君って人は、本当に気遣い屋さんだね。──大丈夫。私も気持ちいいよ。私によって快感を得て、気持ちよさそうにしている君を見ていると、とても興奮して、気持ちいい」
「では、わたしがもっと気持ちよくなれば、トラヴィス様ももっと気持ちよくなれますか……?」
クレアが気付かず口にした恥ずかしい問いに、トラヴィスは笑みを深めて答えた。
「ああ、そうだよ。──一緒に気持ちよくなろう」
蜜壺から指が引き抜かれ、さらに増やされた指がまた押し入ってくる。その刺激にクレアは仰け反り声を上げた。
「ああ──っ」
トラヴィスは指を深く沈めたのと同時に、クレアが大きな快感を得ていた部分を集中的にこすり始める。
喘ぎ声が止まらない。右足が下ろされたことで秘部が大きく開いたようで、先程より深く指を呑み込んでいるような気がする。奥まで届く彼の指が気持ちよくて、気持ちよすぎて。身体の奥深くから蜜がどんどんあふれてきて、淫らな水音が激しさを増していく。それだけでも気持ちよすぎるのに、トラヴィスはクレアの左胸の頂を舐めしゃぶりながら右胸を左手で包み指先で先端を弄ぶ。
「んあぁっ、あっ、ひぁん……っ」
気持ちよすぎてどうにかなってしまいそうだ。トラヴィスがためらいを取り払ってくれたおかげか、よりいっそう感じているような気がする。
クレアはもう我慢していなかった。感じるままに自分をさらけだす。過ぎる快感を、身体をくねらせ散らし、声を上げて吐き出して。
胸の頂からわずかに唇を離し、トラヴィスはクレアを酩酊させるような声で言う。
「そろそろイこうか」
どこへ? とはもう訊かない。期待に胸が膨らむ。
膨らみ切ったそのとき、恥丘の間の感じる部分を捏ね回され、クレアの意識は宙に放り出された。
「あ──────」
細く長い声を上げながら、クレアは四肢を強張らせ仰け反る。蜜壺は深く入り込んだままの彼の指を食い締めて快感を搾り取る。
意識が遠退きかけるほどの絶頂を味わい尽くしたあと、クレアの身体はくたりと弛緩した。
「もうちょっと頑張って」
低くかすれた声を耳にして、意識がわずかに浮上する。目をこじ開けようとしていると、右足を担ぎ直された。それだけでなく、さらに持ち上げられて右側のお尻が浮き、クレアは下半身を九十度ひねる体勢になった。
ここまでされればさすがに目が覚める。楽な姿勢を求めて上半身も横にしようとしたが、蜜口に熱い塊を感じ「いくよ」という声とともにその塊が押し入ってくる。
「あぅ……っ」
あまりの圧迫感に、思わずうめき声を上げてしまう。けれど初夜のときとは比べ物にならないくらいスムーズに、二人の身体は結び合わさった。目いっぱい広げられたところがキツいが、身体の内側に彼の存在を感じ、胸がどきどきして幸福でいっぱいになる。
クレアの中にすっかり自身を沈めたトラヴィスは、腰の動きを止めて心配そうに訊ねてきた。
「痛かった?」
クレアは首を横に振る。初夜のときはすごく痛かったのに、今は本当に痛くない。ただすさまじい圧迫感に息が詰まって、声が出せないだけだ。
浅く呼吸を繰り返し、圧迫感をやり過ごそうとしていると、少し余裕のない声が聞こえてきた。
「すまない……もう我慢できそうにない──動いていい?」
「は……い……」
クレアは切れ切れに返事をした。今の体勢や内側から押し広げられる圧迫感は苦しい。でも、それよりもみっしりと蜜壺を埋め尽くす熱塊が、互いの呼吸などの動きでほんのわずか内壁とこすれるのがもどかしい。小さな快感じゃ物足りない。もっと大きくて激しいものが欲しい。
クレアが返事をするとすぐ、トラヴィスはゆるゆると腰を動かし始めた。押したり引いたり、時折円を描くようにぐるりと回して。
緩やかな刺激を受けているうちに、キツさは和らいできた。トラヴィスも動きやすくなったらしく、自身を途中まで引き抜いては奥まで押し込む動作を始める。
クレアの右足を高く持ち上げたトラヴィスは、下になった左足を跨ぐようにして腰を振っている。左の太腿の内側にトラヴィスの臀部が忙しなくこすれて、彼がいかに興奮しているかが伝わってくる。気持ちいいからこそ興奮してくれているのだと思うと、クレアも興奮し、息が上がってくる。上半身は仰向けになったままだったけれど、横向きになる余裕はなかった。両手両腕で身体を支え、与えられる快楽を受け止めるだけで精いっぱいだ。
「トラヴィス様っ、あっ、気持ちいいっ……?」
「気持ちいいよッ、最高だ……っ、君は?」
「わたしも──あっああ……っ」
ずんっと最奥を突かれ、その衝撃の大きさと快感の強さに、クレアの唇から嬌声がほとばしる。
クレアの右足を抱え直しながら、トラヴィスはうわごとのように言う。
「ああ……中が締まった……これだね? これがいいんだね……?」
同じ場所を繰り返し突き上げられ、そのたびにクレアの身体はびくびくと痙攣する。
「あっ、あっ、あっ、トラヴィス様っ、おかしくなっちゃうっ、怖い……ッ」
「もっと気持ちよくなって、おかしくなればいいッ、ここには私たちしかいないっ、大丈夫、大丈夫だから……ッ」
息を荒らげうわずった声を発しながら、トラヴィスはクレアの右足を抱き締め撫でさする。
足ではなく身体を抱き締めて大丈夫と言ってほしい──その思いは激しい快楽に呑まれ絶頂とともにぱっと散った。 -
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