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あらすじ
ずっと一緒に生きていきたい
一夜だけのはずが、永遠に溺愛されることに!?とある儀式で、騎士団長と一晩だけ閨を共にする役目を負ったリジー。想い人のシリルと甘い夜を過ごすも、その後妊娠が発覚! バレると儀式が失敗したとみなされるため、辺境へ身を隠し、極秘出産する。三年後、戦から戻ったシリルが突然訪ねてきて!? 「君をずっと忘れられなかった」息子ごと愛で包み込んでくれる彼に熱い想いが再燃するけど…?
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キャラクター紹介
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リジー
男爵令嬢。城で王女の侍女として働く。新騎士団長と閨を共にする“一夜の花嫁“の役目を任される。 -
シリル
名門貴族の家系で、新しく任命された美貌の騎士団長。リジーのことが前から気になっていた。
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試し読み
「……本当に、いいのですか? 俺がリジーを抱いても」
欲を微かに孕んだ目で見られ、少なくとも嫌われてはいないのだとリジーは安堵する。
「私で良かったら、抱いてください……」
「……っ、俺の初めても、リジーに捧げる。大切に抱くから」
『初めて』と聞いて驚く間もなく、大きなベッドの中央へ運ばれてしまった。
金色の髪がシーツに広がる扇情的な光景に、シリルは思わず息を呑んだ。
「がっかりされてしまうかもしれないが、俺は誰かに口付けるのも初めてなんだ」
「……私も初めてです。お互いに手探りなんて、シリル様となら心強いです」
完璧な容姿に、性格も申し分ないのに、女性を抱くのは初めてだとシリルは言った。
格好つけずに素直に言ってくれるシリルを、更に愛おしいと感じていた。
シリルの顔がゆっくりと近づいてきて、リジーは静かに目を閉じた。
次の瞬間には、唇に柔らかな感触が落ちてきて胸がいっぱいになり、涙が出そうになる。
ちゅ、ちゅ、と軽く重ねられ、時々食まれる。
口付けだけで、リジーの唇からは甘い声が小さく漏れだす。
「……っ、あ……っ」
薄く開いた唇の隙間を舐められて、身じろぎをしてしまう。
体重を掛けないよう、気を使ってくれているシリルから吐息が漏れる。
「はぁ……苦しくないか……? 俺は身体が大きいから、重くて潰れてしまうと思ったら、殴って教えて」
「な、殴って、ですか?」
「うん。俺は今、完全にリジーに夢中になっている。嫌だと言われない限り、君の全身に……すべてに俺のしるしを付けたいくらい執着しそうだ」
殴るくらいじゃないと、気づかないから。
そう言って、再びリジーに口付けた。
優しい手付きや唇、舌でシリルは本当にリジーのすべてを舐めて味わおうとしている。
首筋に口付けられて、リジーはぞくりとした快感に背中をそらした。
その反応を見て、シリルは執拗に首筋に舌を這わす。
「くび、だめっ……あ、あ、やっ」
「細くて、それに、いい匂いがする」
甘噛みをされると、逃しようのないくすぐったいような快感が頭を蕩かしていく。
「はうっ……んんっ!」
思わずシリルの身につけていたガウンを握ると、「待って」と手を外された。
「俺に直接すがって……」
シリルはガウンを一気に脱ぎ、ベッドの下へ放った。その少し乱暴な仕草が、シリルの中の雄を感じさせる。
仕切り直しとばかりに、また深い口付けを受ける。
リジーが小さな快感さえも拾い、身をよじるたびに、シリルはその大きな手で髪や頬を優しく撫でる。
緊張して身体を固くしていたリジーも、次第に素直に愛撫に応えるようになっていく。
前リボンで留められたナイトドレスの胸元を、そろりとシリルが撫でた。
心臓は爆発しそうなほど激しく鼓動を打っている。
「前を、ほどいてもいい……?」
シリルの目は、獲物を目の前にした大型の肉食獣のそれに似ている。
彼のそんな目は、今まで一度も見たことはない。リジーだけに向けられた、特別な瞳だ。
「はい……」
そう答えると、するりと一番上のリボンからほどかれていく。
興奮したシリルの息遣いは、リジーの下腹部をぎゅっと反応させた。
へその辺りまで、リボンは丁寧にほどかれた。すでに下着は見えてしまっている。
プレゼントの包みを大切に開けるように、ナイトドレスは開かれた。
薄明かりの中でも、ぽうっと白く浮き出るように光ってみえるリジーの身体。
ふわりと甘い香りが立つような豊満な乳房。お腹はつるりとしていて、へそが綺麗だ。
乱れた髪で、シリルを見つめるリジーの赤い顔は、抱き潰してしまいたくなるほど暴力的な魅力に溢れていた。
「……リジーが魅力的すぎて、ああ……俺は自分を理性的だと思っていたけど、自信がなくなってきた」
惚けたような熱い言葉は、リジーの胸に響いた。
「シリル様の好きにして欲しいです……痛くしても構わないから、思い切り抱かれたい」
遠慮なんてしなくていい、そうリジーの心は言っている。
「嫌な時は本気で殴って……髪を引きちぎってもいいから……」
また首筋を甘噛みされたと思ったら、熱い手が乳房を包み込んだ。
「あぁ……っ!」
乳房がシリルの手のひらの中で、柔らかく形を変えていく。
円を描くように、押し上げるように。たまに強弱をつけられて、そのたびに乳房はシリルの熱と快感を拾っていく。
指が頂きを掠めるたびに、ぴりぴりと痛いほど尖って主張していく。
「は、……あぁっ」
「柔らかくて……ずっと触っていたい」
胸を掬い上げ、つんと尖った乳首を、シリルは舌でペロリと舐めた。
「んんーっ! ……は、あんっ!」
背中に快楽がびりびりと走り抜ける。
思わず腕をシリルの頭に回し、かき抱くかたちになってしまい、じゅうっと吸われてしまった。
「あっ……はあっ……やぁッ」
シリルは夢中で乳房に吸いついた。リジーが嬌声を上げれば乳首を甘噛みし、優しい力で揉みしだき、また口に含む。
「どこもかしこも、すべすべで……柔らかくて……こんなに感じやすいなんて」
「あんっ……わたし、変ですか……っ?」
「最高だ……、リジーの前では、俺はただの男になってしまう」
身体から汗が噴き出す頃、シリルはお腹やへそを舐め始めた。
残ったナイトドレスのリボンをすべて外されると、リジーは下着一枚の姿になった。
するすると脱がされる途中、あまりの羞恥心に足を閉じようとしたが、シリルが間に入って阻止されてしまった。
シリルの前で足を開いた格好に、リジーは自分の目を覆いたくなってしまった。
「や、いや、あまり見ないでっ」
薄い下着越しに、割れ目をシリルが指でなぞる。
「……良かった、濡れてる……」
そう呟くと、迷いなく下着をリジーから脱がせてしまった。
蜜でしとどに濡れた花弁を優しく押し広げられて、リジーは恥ずかしくて気絶するかと思った。
「恥ずかしいので……見ないで……くださいっ」
「ごめん、それはできない……。俺も初めてだから、無茶をしてリジーを傷付けたくないんだ」
太ももの間にシリルは陣取り、リジーの足を大きく開かせたまま、内ももに舌を這わせ始めた。
「や、あんっ……! おねがい、本当に、見ないでっ」
太ももに力を入れるが、挟まれたシリルは興奮しているようだ。
「すべすべの太ももに挟まれて、リジーの可愛い声が聞けるなんて……たまらない」
シリルは舌を伸ばして、濡れた花弁を丁寧に舐め始めた。
「え、あっ、や……っ、ひっあぁッ!」
生温かい舌が、あられもない場所を舐めている。
しかも相手はシリルで、大好きな人で……。
「はずかしい、こんな、やっ、んんっ!」
「ここも……とても綺麗だ……下生えも薄くて全部見える……ものすごく興奮する」
花芽を覆う皮を、シリルは尖らせた舌でじっくりと剥いていく。
敏感に震える花芽を、温かな舌と唇を使って優しく吸った。舌で包み込み、上下にくちゅくちゅと押し舐める。
まるで甘い蜜でも大切に吸うかのように、唇をつけて離さない。それが震えるほど気持ち良くて、リジーの腰は浮いてしまう。
「くっ、それ、あああ、へんに……へんになっちゃうっ」
シリルがリジーに与えてくれるものを身体いっぱいで享受し、涙が浮かぶ。
そのうちに、きつい蜜壷に何かがそうっと差し込まれて、浅い場所で曲げられた。
それが指だとわかって、全身の体温が更に上がる。
「ゆび、あ、んんっ!」
意識したら、下腹部がまたきゅうっと切なくなった。
「今、中で……指が締めつけられた。ああ、それだけで俺は達してしまいそうになったよ」
じゅうっと花芽を吸われながら、指がすり、と膣壁をさする。
くちゅくちゅと耳に届く淫らな水音がする。シリルの舌からなのか、蜜壷に抜き差しされている指からなのかわからない。
「もう、ぐちゃぐちゃになっちゃう……っ」
「……ああ、白百合のような君が、乱れている……夢みたいだ」
「やっ、そこで、しゃべっちゃ……だめっ」
「敏感になっているんだね……、ずっと味わっていたいよ」
唾液をたっぷりと載せた厚い舌が、ぴんと桃色に腫れた花芽を舐め上げる。
上下にねっとりと、たまにちゅうっと吸い上げて、リジーの身体は快楽の階段を上がり始めた。
「な、なんか、あぁッ……へんですっ」
ぴんと伸ばした足が、小刻みに震え始める。
「あっ……あぁッ……なに、んっ、んっ!」
快楽がぞくぞくっと身体をせり上がってくる。
「あ、ああ、あっ!」
「……このまま、達して。俺だけに見せて……」
達する……? こんなことはリジーには初めての経験で、わけがわからない。
「うぁっ、なにか、きちゃうぅ……っ」
「俺に身を任せて……そのまま……」
ぐちゅっ、ぴちゃっと、いっそういやらしい水音が耳に届く。
舌はまるで別の生き物のように、優しく執拗に花芽を嬲る。
「……だめ、ああっ……! なにか、き……ちゃ……ッ! ああッ!」
すさまじい絶頂の訪れに、リジーの頭は真っ白になった。
背中が浮き上がり、もがいた手はシーツを掴む。
「は、はあっ、んん、はぁッ」
心臓がどくりと脈打ち、呼吸が整わない。
膣道がぎゅうっとシリルの指を締め上げるのを感じていた。
酷く敏感になった花芽は、いまだシリルの舌に愛撫され続けている。
一度絶頂を迎えた身体は、与えられ続ける快楽を更に拾ってしまう。
「……シリ……ル、シリルさま……おねがいします、いったん、とまってぇ!」
リジーにとっては懇願だが、シリルには甘く蕩けた声にしか聞こえない。
シーツを掴んでいた手を離し、リジーはシリルの髪をなるたけ力を入れず掴んで、訴えた。
「お……ねがい……そんなに舐められたら……とけてなくなっちゃいます」
その言い方が可愛らしくて、シリルはちゅっと花芽に口付けてから頭を離した。
抜き差しされていた指も、引き抜かれる。
びくり、とその刺激を拾った身体が小さく跳ねてしまう。
「……ごめん、あまりにも反応が可愛らしくて、夢中になってしまった」
身を起こしたシリルは、リジーの濡れた唇に口付けた。
「リジー……君の中に入りたい。優しくするし、射精は必ず外にする」
興奮を隠さないシリルに、リジーは自身の蜜壷からまたじわりと愛液が滲んだのを感じた。
「……大丈夫です、避妊薬を……飲んだので。そのまま、中に……」
ください、と言葉にすると、シリルはリジーを再び抱き締めた。
「そんなに煽らないでくれ、これでももう、いっぱいいっぱいなんだ」
耳元で熱っぽく囁かれる。
「先ほどは……あんなに意地悪だったのに?」
まだじんじんと花芽が小刻みに感じている。
「魅力的なんだ……リジーが。仕草も、声も……丸飲みしたくなるほど、君が欲しい」
「……貰ってください、私のこと、全部」 -
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