書籍紹介
女嫌い王子は政略花嫁を過剰に愛でる
女嫌い王子は政略花嫁を過剰に愛でる
ISBN:978-4-596-41539-4
ページ:306
発売日:2021年3月17日
定価:本体650円+税
  • あらすじ

    女嫌いで有名な王子だったはずが、新妻にデレデレ!?

    アイリーンは、女嫌いで『氷雪の君』の異名を持つ大国の王太子シリルと政略結婚することになった。シリルの態度は確かにそっけなかったが、夜が来るたびに優しく触れられ、熱い雄芯で奥を突き上げられれば、我を忘れるほどに乱されてしまう。心を通い合わすことはできたものの、隣国がアイリーンの故国を侵略しようと不穏な動きをし始めて……!?

  • キャラクター紹介
    • アイリーン
      プルミエ王国の第一王女。シリルとの政略結婚は王族の務めとして納得している。

    • シリル
      大陸一の大国トロワジ王国の王太子。女嫌いで有名で『氷雪の君』の異名を持つ。

  • 試し読み

    「婚姻を申し込みたいほどに、私が欲しかったわけではないのでしょう。私は、シリル様と結婚できてよかったと思っています」
     ポロリと本音が零れ、アイリーンは指先で口を押さえた。
     シリルはこちらを見やり、意地悪そうに笑う。
    「女好きの男よりも、女嫌いの男の方がよかったとは、奇妙なことを言う。普通はどちらも願い下げだ。俺の顔でも好みだったか?」
     シリルはアイリーンの足から手を離し、身を乗り出した。ふわっと彼が纏う香水の香りが鼻先を掠める。
     漆黒の髪に見え隠れする、アメジストの瞳は凜々しく、理知的な光を宿していた。鼻は高く、唇は形よい。冷然と笑っていてさえ、見惚れてしまいそうに整った容貌。
     この顔で言い寄られれば、大抵の女性は陥落してしまいそうだ。
     アイリーンはトクリトクリと鼓動を速める己の変化を意識しながら、頭の中で、不思議に思った。女性嫌いなのに、シリルは己の美貌とその魅力を承知しているようだ。
     彼はアイリーンの足を割って、体を近づけてくる。己のはしたない恰好に頬を染め、彼女は肩を竦めながら答えた。
    「シ……シリル様は、お顔も素敵ですけれど……その、私……鍛えていない方を、受け入れられなくて……」
     己も軍部で鍛えていたアイリーンは、国の頂点近くにありながら、怠惰に寝食を繰り返しているだけと見受けられる体つきの王族は、好きではなかった。
     間近まで顔を寄せたシリルは、小首を傾げる。アイリーンは彼の瞳をまっすぐ見返し、静かに言った。
    「……いざという時、後衛で命令を下すだけで、自らは臣下に守ってもらおうなんていう甘えた者は、王族に相応しくありません。だから貴方は——好ましい」
     シリルは軍部に名を連ね、訓練にも参加している。体つきからしても、鍛えているとわかった。日々、訓練に執務にと忙しく立ち働く彼に、甘えはない。
     そう言うと、彼は一瞬、虚を衝かれた顔をした。そして気に入らなそうに目を眇め、また顔を寄せる。
    「君は度々、予想外の言動をするな……。誰も気づきそうにない俺の些細な反応も見逃さぬかと思えば、少女のように無邪気に喜んで見せ、誰をも許しそうな優しげな佇まいのくせに、譲れぬものは決して譲らぬ。そして王族としての矜持は高い。……こうも俺を驚かす人間は、初めてだ」
     紫の瞳が妖しく細められ、その表情にアイリーンは見入る。もうすぐ唇が触れ合う——というところで、彼女はそっと彼の顎先に触れ、尋ねた。
    「……シリル様は、女性を口説いた経験がおありなのですか……?」
     シリルはピタッと動きを止めた。眉を顰め、愚問だと言いたげに即答する。
    「あるわけがないだろう」
    「……それでは、言い寄られた経験は?」
     続けて聞くと、彼はこちらの真意を探ろうと、瞳の奥を覗き込んだ。焦点が合うかどうかの距離で数秒見つめ合い、彼は皮肉げに笑った。
    「女性嫌いを喧伝していようと、俺はトロワジ王国の王太子だ。ないと思うのか?」
     大陸一の大国、トロワジ王国の王太子。アイリーンは答えを理解し、眉尻を下げた。
    「……いいえ」
     アイリーンが視線を下げると、彼は彼女の顎に指をかけ、上向かせる。
    「……なぜそんな顔をする。何か気に入らないのか? 君も俺以外の男に口説かれていたと、今話したばかりだろう。お互い様だ」
     なぜだが胸がモヤモヤして、聞いてしまったのだ。どうしてかしらと考え、アイリーンは寄せられる彼の唇を見つめた。
    「なんとなく、気になって……。そう……貴方は魅力的な方だから、私と子をもうけたあとに、浮気をされるのかしらと……」
     トロワジ王国は、浮気を認める気風だと、今し方聞いた。シリルもそんな風になるのだろうか——と漠然と考えて、嫌な気持ちになったのだ。
     シリルはそのまま唇を重ね、アイリーンは瞼を閉じる。後頭部に軽く手を添えられ、優しく唇を啄まれた。
     ちゅっちゅっと何度も角度を変えて口づけを繰り返し、アイリーンが吐息を零すと、口内に舌が滑り込んだ。
    「んっ……んぅ……っ……」
     彼はアイリーンの耳朶を指で撫で、くすぐりながら口内を探る。歯列をなぞり、舌の側面を舐め上げ、淫猥に絡め合わせる。それは昨日よりもずっとゆったりと、けれど濃厚なキスで、アイリーンの下腹は次第に重たくなっていった。
    「はあ……っ、シリル様……ん、ん……っ」
     いつの間にか、アイリーンは長椅子に横たえられ、シリルが上から覆い被さっていた。無意識に抵抗しようとした片方の手は、大きな掌に掴まれ、座面に縫いつけられている。
     ぬるぬると舌が絡むたび、ぞくぞくと背筋が震えた。心地よくて、もっと触れて欲しくなる。彼の掌が耳朶から首筋をするりとなで下ろし、アイリーンは敏感に震えた。
     思わず唇を離して顔を背けると、シリルは頬を上気させた彼女を真上から見下ろし、ふっと笑う。晒された白く艶めかしい首筋に口づけを落とし、低い声で呟いた。
    「……アイリーン。君は聡いかと思えば、急に何も知らぬ少女のように、聞くまでもない質問をするな……」
    「あ……っ」
     首筋に舌を這わせられ、背筋に電流が流れる。彼は耳裏まで舐め上げ、そこで囁いた。
    「……何を憂えているのか知らんが、俺は浮気ができるほど女好きではない。俺が抱くのは、あとにも先にも——君一人だろう」
    「——っ」
     彼の声と吐息が鼓膜を揺らし、アイリーンぎゅうっと目を瞑る。鼓動が激しく乱れ、頬に朱が上った。頭の片隅で理性が否定するのに、心が勝手に勘違いする。
     まるで彼に、自分一人を永遠に愛していると言われたようで、胸が騒いだ。彼はそんなつもりじゃない。この甘い触れ合いも、耳元の囁きも、深い意味なんてない。全ては、アイリーンに苦痛を与えぬように、責務である子作りを果たすためだ。
     それなのに、アイリーンは嬉しかった。約束を守って会いに来てくれたことも、ちゃんと話をしてくれるところも、労るように足をマッサージしてくれたことも。
     昨夜と変わらず、隠しきれない彼の優しさが滲んでいて、どうしても胸がときめく。好きになりそうになる。
     ——好き?
     アイリーンは心の中の独白にぎくっとして、同時に襲った刺激に声を漏らした。
    「ひゃあ……っ、あっ、待って……待ってくださ……っ」
     シリルが大きな手で腹を撫で上げ、くにゅくにゅと胸を揉み始めていた。アイリーンは快感を逃がそうと身をよじるが、耳元にキスを落とす彼は、手をとめてくれない。
    「あ……っ、あ、あっ……」
    「……アイリーン、こちらを向け」
     思考がまとまらないから、もう少しだけ待って。体を横に向けて背を丸め、なんとか感覚から意識を逸らそうとしていた彼女は、名を呼ばれ、彼を見上げた。そして視線が絡むと、彼女は魂を抜かれたような心地で、震える吐息を吐きだした。
     アメジストの瞳は、今にもアイリーンを取って食ってしまいそうな、雄々しい情欲に染まっていた。体の芯からぞくりとして、瞳を潤ませると、彼は艶やかに微笑み、再び顔を寄せる。アイリーンは抵抗も忘れ、彼の情熱的な口づけを受け入れた。

     嫌らしい水音と、アイリーンの嬌声が響く。長椅子の上で彼女を乱し始めたシリルは、途中で狭いと文句を言い、場所を寝室に移していた。
     軽々と抱き上げられ、ベッドまで運ばれた彼女は、昨夜同様に丁寧に体中に触れられ、もはや思考もままならない状態だ。
     アイリーンはドレスをたくし上げられ、自らも上着を脱いでシャツの胸元をはだけさせたシリルに、花唇を舐め転がされていた。
    「やぁ……っあ……っ、ん、ん、シリル様……っ」
     彼は蜜壺に指を二本埋め、ぢゅぷぢゅぷと抽挿を繰り返す。額に汗が滲み、彼の吐息も微かに乱れていた。
     彼女の花唇はぷっくりと赤く膨れ、溢れた蜜はシーツを濡らしている。シリルは顔を上げ、アイリーンの様子を見た。シュミーズドレスを肩口からずり下げてはだけられ、白く柔らかな胸が露わになっている。彼は身を乗り出し、胸の先を口に含んだ。
    「……っあ、はあ……っ、あ……!」
     舌先で敏感な彼女の乳首を転がし、絶妙な加減で歯を立てられた。アイリーンは背を仰け反らせ、その瞬間彼の指先が蜜壺の最奥を突き、高い声を上げた。
    「きゃうっ、あ……っ、あっ、ああ……!」
     尿意に似た感覚を与える場所ではない。更にその奥、突かれると心地よすぎて、目の裏がチカチカとする。シリルは乳房に舌を這わせつつ、ぼそっと言った。
    「……やっと子宮が下りてきたか? 指を増やすぞ」
     快楽でクラクラしているところに指を増やすと言われ、アイリーンは混乱する。もう既に二本入っている。増やすということは、三本になるということ——。
     彼女が身構える前に、指がぬっと中に捻じ込まれ、彼女は息を詰めた。
    「う……っ」
    「……きついか……?」
     シリルは蜜口を見つめ、慎重に奥まで捻じ込んでいく。みちみちと膣道が彼の指で隙間なくいっぱいになり、苦しい。アイリーンは瞳に涙を滲ませ、シリルを見た。
    「シリル様……こ、怖い……」
     シリルは彼女の表情に眉尻を下げ、額に口づけを落とす。泣きそうな目尻にも優しくキスをして、穏やかに囁いた。
    「……大丈夫だ。まだ痛くないだろう?」
    「はい……」
     彼はゆっくりと指を引き抜き、また中へ押し込む。次第に体が馴染む感じはしたが、苦しくて、アイリーンはぎゅうっと目を閉じたまま耐えた。ぬくぬくと何度も出し入れを繰り返す内、蜜壺はしとどに蜜を零し、シリルが苦しそうに呻いた。目を開けると、彼は中から指を抜き、ベルトを外して自らの男根を引きずり出していた。
     昨夜と変わらない、猛り立ったそれを見て、アイリーンは硬直する。とてもではないが、入るとは思えなかった。しかし時間をかけて体を慣らされた自覚のある彼女は、嫌だとも言えず、視線を逸らすにとどめる。
     シリルは彼女の上に覆い被さり、ぼそっと言った。
    「……入れるぞ」
    「は……はい……」
     痛みへの恐怖で、アイリーンの指先はカタカタと震え始めていた。それを悟られまいと拳を握った時、蜜口に熱い切っ先が触れ、ぐっと押し込まれる。
    「……んぅ——!」
     悲鳴を上げまいと、唇は固く引き結んでいたが、喉奥から声が上がった。慣らされた蜜口付近は、比較的スムーズに彼の雄芯を受け入れた。しかし中程辺りから奥はまだ狭く、ぴりっと引き攣れる感覚があったのだ。シリルは途中で動きをとめて、尋ねる。
    「……痛いか……? すまない……もう少し、耐えてくれ……」
     酷く苦しそうな声だった。薄く瞼を開けると、彼も眉を顰め、こめかみから汗を滴らせている。
     アイリーンは唇を震わせ、なんとか頷き返した。
     シリルはゆっくり彼女の中に雄芯を捻じ込む。彼が身を進める毎に呻きそうになるのを、アイリーンは必死に堪えた。時折身を裂かれる痛みが襲い、怖くなって泣きそうだった。
    「……アイリーン、大丈夫だ。酷くしないから、怖がるな……」
     自分も辛そうなのに、シリルは彼女の恐怖心を察し、大きな掌で握りしめた拳を包み込んでくれる。拳を緩めると、指を絡めて握り直し、優しく微笑んだ。
     甘い表情に胸がとくっと鼓動を打ち、アイリーンは体の力を抜いた。シリルは軽く息を吐き、また奥に雄芯を押し込む。彼が最奥まで肉棒を押し込んで動きをとめた時、アイリーンは震えながら尋ねた。
    「ぜ、全部、入りましたか……?」
     シリルは青ざめる彼女を見下ろし、頬にそっと口づける。
    「ああ……。頑張ったな、アイリーン」
     口づけが優しくて、アイリーンはほっとした。彼はこめかみや目尻、唇に口づけを落とし、彼女が落ち着いた頃、すまなそうに聞く。
    「……動いても大丈夫か?」
     入れて終わりではなかった。アイリーンは目を逸らして、頷く。痛くされたら怖い、という気持ちが如実に表れた態度に苦笑して、彼は軽く腰を揺らした。
    「……これは、痛いか?」
    「あ……っ」
     肉棒を中に収めたまま、彼は体を揺さぶって奥を突いた。アイリーンは不意に走った心地よさにびくっと背を震わせ、彼は満足そうに笑んだ。
    「大丈夫そうだな。じゃあ、ゆっくり動くから、痛ければそう言え」
     彼はほんの少しだけ雄芯を抜き、とん、とまた奥を突く。アイリーンはまた気持ちよくて、驚く。彼が身を引くと引き攣れた感覚があるが、それも全部を引き抜かれるわけではないので、苦痛ではなかった。とん、とん、とゆっくり奥を突かれ続けると、次第に蜜も溢れ出し、アイリーンは吐息を乱していった。
    「……あ……っ、あっ……」

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