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試し読み
「やっ、ああっ……ん」
強すぎる刺激にリゼットが首を振ると、唇が指に取って代わる。
「いやなの? じゃあ……」
硬くなった蕾をぺろりと舐められ、焦らすように舌先でつつかれ、リゼットは大きな声を上げて背中をしならせる。
「や……舐めちゃ……あっん! ……あぁっ!」
セドリックが言うには、リゼットはそこが弱点の一つで、攻めるととてもいい反応をするらしい。大きな声が出てしまい、身体をびくびくと跳ねさせてしまう自覚はリゼットにもあるが、『いい反応』というのが具体的にどういうことを指すのかは、恥ずかしくて問い質せない。
しかしそこを吸われたり舐められたり、舌先で転がされたりをくり返されると、身体の奥でどんどん熱がたまっていく感覚があるので、つまりはそういうことなのだろう。
下半身が切なく、熱と共にすぐ潤みを帯びてしまい、恥ずかしいのでリゼットは両脚を閉じあわせようとする。
それを阻止するように、それまでドロワーズ越しに太腿を撫でていたセドリックの手が、薄い布地の中に入りこんできた。
「あっ! だめ……」
声を上げた時には、指はもうリゼットの秘めたる部分に到達してしまっている。
「何が?」
楽しげな声で訊ねられ、すでにかなりの蜜を滴らせていたその場所を指で開かれ、もっと深い部分までじっくりと触れられる。
「あぁ……やあ……っん」
そこを探られる経験も重ねてはいるが、そうされることで湧き上がってくる感覚にはまだ慣れない。セドリックの指がそこにあると意識するだけで、身体の奥からはどんどん蜜が溢れてしまう。
「や……ごめんなさ……あっ、あぁ……っ」
それはおかしなことではなく、正しい反応だと教えられても、彼の手や下着まで濡らすほどに過剰に漏らしてしまうことが恥ずかしく、リゼットは敷布をぎゅっと握りしめる。
頭を抱きしめていた腕が解かれたことで、セドリックが頭を伏せる位置を更に下げてきた。
「きみが謝ることはないよ。僕のほうが、きみに謝らないといけないことばかりしてるんだから……でもわかっていても、やめられない」
「え……? あっ……!」
胸に寄せられていた唇がわき腹のあたりを滑り降り、リゼットは驚きの声を上げる。その間も、脚の間を刺激する手の動きは止めてもらえず、そこにまで唇が降りてしまいそうな予感に肌が震える。
(まさか……そんな……?)
自分に言い聞かせるかのように心の中でくり返すリゼットを裏切り、引き下げられて腰のあたりでたまっていた夜着ごと、ドロワーズは身体から取り払われた。
「ええっ? いやあ……っん!」
一糸まとわぬ姿に剥かれた下半身を、セドリックの下で大きく開かされる。ここまで脱がされたことはこれまでになく、リゼットは慌てて脚を閉じようとする。しかし太腿を掴む手の力は強く、リゼットが少し身体を捩ったくらいではまったくふり解けず、無防備に晒された場所にセドリックが顔を伏せてくる。
「やめて、だめ……セドリック!」
懇願も虚しく、淫らな予感に濡れてひくつく場所に、唇が寄せられた。
「ごめんね、リゼット……魅惑的すぎて逆らえない」
「そんな……! あっ! ああっ⁉」
逃げようとするリゼットの腰を押さえて、熱い唇がその場所を吸い上げる。そんなところに口づけを受けているのかと思うと、リゼットは恥ずかしさでどうにかなってしまいそうだった。
「だめ……だめよ、セドリック……そんなとこ……あっ、ああ……っ!」
制止の声が聞こえないかのように、セドリックはリゼットの懇願を無視し、他の場所にそうしたように、その場所にも丹念に唇を寄せる。
「無理だよ、リゼット……だってずっとこうしたかったんだもの……」
敏感な部分を熱い舌で舐められ、唇で食まれて、リゼットは切ない声を上げる。
「でも……やあっん、あっ……舐めちゃ……あぁ……っ」
セドリックの顔がそこにあると思うだけで緊張し、心は委縮するのに、身体は逆に過敏に反応し、ますます蜜を溢れさせてしまう。
「どうして? 恥ずかしい? ああ……どんどん溢れてしまうから? 大丈夫……僕が全部綺麗にしてあげる」
ぴちゃぴちゃと音を鳴らしてそれを舐めとられ、リゼットは穴があったら入ってしまいたい心境だった。
「やっ、あ……だめぇ……も……やぁ……」
しかし実際には穴などあるはずもなく、それどころか両手でがっちりと腰を掴まれているので逃げることさえできず、羞恥的なその行為を受け続けるしかない。
「だめ……も、本当にだめなの……! あ、ああっ!」
高い鼻を埋めるほどに深くその場所に顔を伏せたセドリックは、言葉どおりに、リゼットの胎内から溢れてくるものを全て吸い取ろうと、敏感な襞を何度も吸い上げる。
「何が? あんまり気持ちよくてどうにかなっちゃう?」
「ちがっ! ん……違わないけど……お願……そんなにされたら、私……あっ! ああっ!」
強すぎる刺激から逃れる術もないまま、リゼットは今すぐにでも頂に押し上げられてしまいそうになる。
「も……達っちゃ……達っちゃうのっ……っん」
「達けばいいよ」
「そんな……あああ──っ!」
無情な言葉と共にセドリックの舌の動きが激しくなり、リゼットは抗う術もなく快感の波に攫われた。
どくどくと激しく痙攣し、どっと蜜を溢れさせた場所から唇を放すことなく、セドリックはそれさえも全て舐めとってしまう。
「だから言ったのに……っ……ん」
全身を貫くような激しい緊張感のあと、すっかり身体から力が抜けてしまったリゼットは、涙声で力なく抗議する。その間も恥ずかしい場所に口づけを受け続け、びくんびくんと継続的に跳ねてしまう腰の動きは止まらない。
「こんな……恥ずかし……っ……」
ようやくその場所から顔を上げてくれたセドリックが、熱っぽい声で呟いた。
「恥ずかしくなんてないよ……僕に触れられて、こんなに感じてくれて嬉しい……」
「セドリック……」
ゆっくりと近づいてくる唇を、はあはあと熱い吐息が漏れる唇で受け止めると、頬をほんのりと赤くしたセドリックが、熱に潤んだ瞳を艶っぽく細める。
「震えてるね……ねえ、欲しい?」
「え……?」
いったい何を言われたのか、頭に靄が掛かったような状態のリゼットははじめ理解できなかった。しかし今まで顔を伏せていた場所にセドリックが改めて指を伸ばしてきたことで、うっすらと理解する。
「あ……」
快感の余韻を残しているその場所に指をあてがわれると、ひくりとひくついたリゼットの入り口が、セドリックの指を胎内に取りこもうと蠢いた。
「やっ……」
リゼットは驚いて腰を引こうとしたが、そのまま指を進められ、熱く蕩けた蜜壺にセドリックの長い指がつぷりと呑みこまれていく。
「え? ……ああっ!」
「大丈夫? 痛い?」
異物感はあったが痛みはなかったので、リゼットはゆるゆると首を横に振った。そうするとセドリックが更に指を進ませる。 -
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