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あらすじ
たくさん……くちづけさせて
恋のお手伝いをしていたら王弟殿下に見初められて!?乙女ゲームの悪役令嬢の取り巻きに転生したミレイユ。断罪回避を目指し悪役令嬢と婚約者の王太子との仲を取り持つうちに王太子の相談役でもある王弟、アルベリクに気に入られ求婚される。「大丈夫だから。私に身を任せて」大人で優しいアルベリクに存分に愛されて幸せなミレイユ。だがゲームヒロインの登場に落ち着いていた悪役令嬢が動揺し始め!?
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キャラクター紹介
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ミレイユ
悪役令嬢の取り巻きモブな転生者。断罪阻止の為に励む。 -
アルべリク
王太子の相談役を務める公爵。情報通のミレイユを気に入る。
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試し読み
「何度くちづけても足りない」
繰り返し唇を啄まれるものだから口を挟めなかった。キスされるのが気持ちよくて、ぼうっとしてしまっているせいもある。
「いますぐきみが欲しい。ミレイユのすべてを知りたい」
アルベリク様の青い瞳が、情熱の炎を宿している錯覚に陥った。
青く煌めくサファイアの瞳に射貫かれたまま、動けなくなる。
「ミレイユ」
両手の指に長い指を絡められた。
イエスかノーかで答えなければいけない気がしたわたしは「はい」と答える。
こんなに求めてくださるのだもの。
わたしだってアルベリク様を愛している。だから全力で応えたい。
アルベリク様は軽々とわたしを横抱きにして、キングサイズのベッドへ歩く。
広いベッドの上にそっと下ろされた。
アルベリク様はジャケットを脱ぎ、ドレスシャツの襟元を緩める。首のボタンを三個、外していた。それだけで、ものすごく色っぽい。
彼の姿に魅入っていると、人差し指と中指で頬を辿られた。
「なにを見ているの」
「あ……アルベリク様、を」
外されたボタンから少しだけ覗いている、彼の胸板を見ていたのだとは言えなかった。
「ミレイユから向けられるものはすべてが心地いいな」
独り言のように呟いて、アルベリク様はわたしの背中に両手をまわした。
晩餐会用のウェディングドレスはマーメイドラインで、ドレス全体に月桂樹を模したレースが施されている。
このドレスは体にぴったりとフィットしているのだけれど、背中の編み上げ紐を解かれればすぐに全体が緩んでしまう。
アルベリク様はコルセットの紐もすべて手探りで解いてしまわれた。
以前から思っていたけれど、アルベリク様ってすごく器用だわ。
非の打ち所がない――と、あらためて感じる。
そんなことを考えているあいだに、すっかり緩みきったウェディングドレスの胸元を下へずらされた。
「ひゃっ!」
急に乳房が露わになってしまったので、とっさに両手で胸を押さえた。
「隠してしまうの?」
アルベリク様は微笑しているものの、眉間には不満そうな皺が寄っている。
「あ、その……びっくり、して」
「驚かせてしまったんだね。ごめん」
胸を押さえている手の甲にちゅっとくちづけられた。心臓がドキッと弾む。
彼はなにも言わずに、わたしの両手にひたすらキスをしてくる。手の甲だけでなく指先にも、柔らかな唇で触れられた。
わたしが「びっくりした」と言ったから、その感情を宥めようとなさっているのかもしれない。
でも、ちょっと――落ち着かない。
わたしの両手を隔ててはいるものの、胸のすぐそばに彼の顔がある。
胸が露わになった驚きよりも、羞恥心のほうが大きくなっていく。
「ミレイユの手は、小さいね」
そう言うなりアルベリク様は、わたしの手で覆うことができていない乳房の端のほうにも唇を寄せた。
「あっ……!」
両手にくちづけられるだけでも気持ちがいい。それなのに乳房にも同じことをされると、もっと悦くなる。
自然と両手に力が入らなくなり、気がつけばふたたび胸を晒していた。
やんわりと両手首を掴まれ、シーツの上に磔にされている。これではもう胸を隠せない。
ダイヤモンドのネックレスをつけたままだというのに、胸は明るみに出ている。アンバランスで、卑猥だ。
「鮮やかなピンク――」
アルベリク様が、恍惚としたようすで呟いた。
どこのことを言われているのか、彼の視線を辿ればすぐにわかる。アルベリク様はわたしの乳首をじっと見つめている。
「うぅ……」
呻いて体を捩る。そんなことをしても、乳首が尖っているのはどうしようもなかった。
アルベリク様に見られて興奮して、乳首が勃ち上がっている。ごまかすことはできない。
「健気に尖っているね」
楽しげな彼に、わたしはなにも言えなかった。
「……触るよ?」
彼の言葉に対して小さく頷く。恥ずかしくて声が出せないけれど、触れられたい気持ちはたしかにあった。
アルベリク様はわたしの両手首を解放すると、その手でふたつの膨らみを掴んだ。
「ん、ぅ」
わたしのようすを探るように、アルベリク様はゆっくりと両手を動かす。
指のあいだに挟まれている乳首が、もっと張り詰めた気がした。
「柔らかくて温かい」
微笑したまま、アルベリク様はなおも両手で乳房に揺さぶりをかける。
胸を揉まれるのに慣れる――というのもどうかとは思うのだけれど、しだいに恥ずかしさが薄れてきた。
それを察知したように、アルベリク様の動きが変わる。
大きな手のひらで、乳房の形が大きく変わるくらい激しく揉みしだかれる。
「あっ、あぁ……ん、ふっ」
自分のものとは思えない、吐息混じりの声が出て焦る。
「かわいいね、ミレイユ」
笑みを深くして、アルベリク様はわたしの肩に顔を埋めた。
首筋に生温かなものが這ったことで、ますます焦燥感が募る。
「わ、わたし……あの、湯浴みがまだですし……だから、汗が……」
しどろもどろになりながら言うと、アルベリク様はどこか上の空で「そうだね」と答え
るだけだった。
「このままでは、嫌?」
恥ずかしくて言いわけしてしまったけれど、嫌なわけではない。
「いいえ」と答えたわたしの声は、虫が鳴くよりも小さかったと思う。
それでもアルベリク様はしっかりわたしの声を聞きとってくれたらしい。嬉しそうに相好を崩している。
アルベリク様の笑顔を見ていると幸せな気分に拍車がかかる。
ふたたび首筋を舐められ、ちゅうっと肌を吸われた。そのあいだもふたつの乳房を愛でられる。
「ん、ふ……う、うぅ……っ」
気持ちがよくてじっとしていられなくなったわたしは、ベッドの上で体をくねらせる。
「踊っているの?」
「や、あ……あの」
動かずにはいられないのだということを、どう伝えればよいだろう。
「わたし……その、気持ちがよくて……」
言ってしまったあとで恥ずかしくなり、頬が熱を帯びた。
「そう――もっと踊ってほしいな」
乳房は、乳首を避けるようにして掴まれていた。人差し指と中指のあいだに挟まれた薄桃色の突起を、二本の指で締め上げられる。
「ひぁっ!」
わたしはベッドの上で仰け反り、体を左右に揺らした。
意図したことではないのだけれど、アルベリク様の要望どおり「踊って」いる。
ウェディングドレスは胸元を下へずらされただけだから、まだ着ている状態だ。わたしが体を動かせば、スカートの裾がひらひらと舞った。
乳輪のあたりを押さえている指が互い違いに乳房を押してくる。体だけでなく乳首まで、彼に踊らされているようなものだ。
どこもかしこも気持ちよく揺れ動いている。
アルベリク様はわたしの顔を見ながら、乳首を挟む指を変えた。親指と中指で、乳首の根元をつままれる。
「あ、んっ……!」
それまでよりも明確な快感を覚えて、つい大きな声が出てしまった。
「また驚かせてしまった?」
心配そうに首を傾げながらも、アルベリク様はわたしの乳首を人差し指でつん、つんと突いてくる。
「や、あっ……い、いえ……あ、あぅ……んん、んっ」
薄桃色の尖りを突かれるたびに脚の付け根がトクッ、トクッと脈を打って反応する。
乳首に触られるのって、こんなに気持ちいいものだったの?
このまま、ずっと触ってもらいたいだなんて思ってしまう。すっかり快感の虜だ。
楽しげな顔で、アルベリク様はわたしの乳首を弄りまわす。
こりこりと強く押されればさらに気持ちがよくなって、自然と「ふぁあ……っ」と嬌声が漏れた。
「ミレイユの乳首、硬いね。どんな食感なんだろう」
……食感?
わたしの乳首は、食べ物ではない。
アルベリク様だってわかっていらっしゃるはずなのに、そういう言い方をなさったということは――。
期待感から胸が躍る。
アルベリク様を見つめていると、彼はわたしの視線に応えるように口角を上げ、頭を低くした。
胸を、間近で見られている。
羞恥心はあるものの、早く触ってほしくてたまらない。
「期待されているのかな」
わたしって、そんなにわかりやすい?
彼の言うとおりだったけれど、返事はできずに「んぅ」と唸った。
アルベリク様は笑って、赤い舌を覗かせる。彼はわたしの乳房を持ち上げるようにして掴み、その先端に舌を這わせた。
「ふっ、あぁ……!」
湿り気を帯びた乳首に、アルベリク様がくちづける。
「え? あ……っ、んぅ」
てっきりまた舐めてもらえると思っていたわたしは拍子抜けしつつ、アルベリク様が乳首に唇を寄せるのを見つめる。
彼の唇は、薄桃色の頂に少し触れてはすぐに離れる。もどかしいのに気持ちがよくて、複雑だ。
キスを受けているのだから動いてはいけないはずだ。けれど、どうしても体が左右に揺れる。それでもアルベリク様は、少しもまごつくことなく乳房の先端を追っている。
軽やかなキスを繰り返したあと、アルベリク様はふたたび舌を出して、今度は乳輪を舐めたどっていった。
「ん、あぁっ……あ、ふぁ」
胸の先端にキスされるのと、こうして乳輪を舌で辿られるのでは感触が違うものの、どちらもすごく気持ちいい。
けれど、どんどん貪欲になる。
もっともっと、してほしくなる。
わたしの欲求を感じ取ったように、アルベリク様は息を漏らして笑った。整った口を大きく開けて、薄桃色の頂をぱくっと食む。
「ひぁっ……!」
わたしの体は仰向けのまま上下に弾む。それでもアルベリク様は乳首を口にしたままだった。
凝り固まっている乳首をちゅうっと吸い立てられたあとは舌で舐め転がされた。
アルベリク様は口と舌で、乳首の感触を確かめようとなさっている。
ちゅぽっと水音を立てながら唇を離すと、アルベリク様は口角を上げた。
「美味しい」
果実を口に含んだときのような感想だけれど、さっきまで彼の口腔に収められていたのはわたしの乳首だ。
彼の顔は依然として胸のそばにある。上目遣いで見つめられ、視線が絡みつくようだった。そこはかとなく羞恥心を煽られる。
「もっと食べさせて」
アルベリク様はふたたびわたしの乳首に食らいつく。唇で、はむはむと乳首を挟んで刺激される。
「あぁ、ふっ……うぅ」
息が弾み、脚の付け根にはっきりと違和感を覚えた。体の中で、そこがひときわ熱くなっている。
わたしはこっそりと両脚を擦り合わせて、熱を外へ逃がそうとした。
ところがアルベリク様はわたしのささやかな動きに気がついたらしく、顔を上げた。
「ここ――疼く?」
下腹部に手を添えられた。ウェディングドレスの内側は確かに、ひどく疼いている。
正直に「はい」と答えれば、アルベリク様は嬉しそうに口の端を上げた。
純白の裾をするすると引き上げられる。
ドロワーズはきちんと穿いているものの、太ももを持ち上げられて左右に開かされれば自然と下着のクロッチも両側に広がって、秘所が明るみに出てしまう。
「あっ……アルベリク様」
呼びかけると「うん」と返事があった。けれど彼の視線はわたしの顔には向かない。脚の付け根ばかりをしげしげと観察している。
ただ、見られているだけ。
それなのに、視線を受けている箇所がトクッと脈を打つ。興奮してしまっている。
胸の先端が、ぷくっと膨らんだ気がした。
アルベリク様が身を屈める。いっそう近くで、秘めやかな箇所を凝視される。
「濡れているね」
優しい声で指摘された。わたしはなにも答えられない。
アルベリク様の指先が、クロッチの端を押しながら辿っていく。ドロワーズも濡れているのが感触でわかった。下着が肌に貼りつく感じがする。
全身の血が沸騰してもおかしくない。大きな羞恥心に苛まれる。
けれどそれと同じくらい、熱っぽい視線を向けられる悦びに浸っている。
不意にアルベリク様が「ふ」と笑った。
「溢れてきてる。嬉しいな」
楽しげな呟き声を聞いて、左右に開いている両脚がピクッと震えた。
快感を訴える愛液がわたしの中から溢れてきていることに、アルベリク様は喜んでくださっている。
「ん、う……」 -
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