- 著者:森本あき
- イラスト:DUO BRAND.
ページ:250
発売日:2015年4月3日
定価:本体580円+税
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試し読み
「くぅん…ふぁ…」
ビビは手を掴んで、声を思い切り殺した。だけど、すぐに唇が開いて、自分でも認めたくないような甘い声がこぼれる。
クリストフはビビの足を思い切り左右に開き、ビビのとがりを執拗に舐めていた。
「いやぁっ…あぁっ…」
ビビの体は跳ねて、足が、ぴくん、と何度も震える。
「充血してきたぞ。気持ちいいんだろ」
クリストフは、ちゅう、ととがりを強く吸った。その刺激に、ビビの全身を快感が駆けめぐる。
まるで雷みたいに強烈なそれに、ビビは屈してしまいそうになる。
「気持ちっ…よくなっ…」
ビビは、どうにか、言葉を発した。クリストフの舌が割れ目を滑って、膣のほうへ向かう。
ちろり。
膣口を舐められた。ビビの背中が限界までそる。
「あぁぁっ…!」
粘膜を舌でくすぐられて、そこがひくつくのが自分でもわかった。とろり、と垂れた愛液が、足のほうまで到達する。
「こんなにびちょびちょなのに。何を意地張ってんだか」
クリストフが舌を動かすたびに、くちゅ、くちゅ、と濡れた音が響いた。
「ちがっ…意地じゃ…ないっ…」
気持ちいい、と認めないかぎり、クリストフに負けたことにはならない。体がどんな反応をしていようと、口で抵抗していればいい。
気持ちよくない。こんなの、絶対に。
そう自分に思い込ませて、耐え抜いてみせる。
「おもしろいな、おまえ」
クリストフは舌を離した。ビビは、ほっと息を吐く。
なんだ、これだけなの? だったら、こんなにがんばらなくてもよかった。
なのに、クリストフの指がそこに伸びて、割れ目を左右に開く。
「…え」
ビビは目をみはった。
「もう…終わりじゃないの…?」
「こんなの、まだ始まったうちにも入らないぞ」
クリストフの言葉に、目の前が真っ暗になる。
まだつづくんだ。それも、もっと長く。
降参したほうがいいのかもしれない。
ビビは、めずらしく弱気になった。
だって、こんなの知らないんだもの。自分がどうなるのか、クリストフが何をするのか、先が見えないから怖い。
クリストフは膣の粘膜を指でなぞる。膣口を丹念にこすられて、ビビの体は細かく震えた。
「あっ…やっ…あぁん…」
指を、ぬちゅ、と中に押し込まれて、そのまま、ゆっくり出し入れされる。指の先を曲げられて、それが膣壁に引っかかった。
「んあっ…だめっ…」
そんなちょっとした行為すら、快感に変わる。
クリストフは指で膣内をこすりながら、またとがりに舌を這わせた。二か所を同時に責められて、ビビの体が激しく跳ねる。
「いやぁん…やだっ…あっ…あぁぁっ…」
とがりを舌でつつかれるたびに、愛液があふれた。それをすくうように、クリストフの指は動く。
ぐちゅん、と音をさせる膣内を、クリストフはただゆるく撫でるだけ。
「んっ…あっ…はぁん…」
ビビの腰が、勝手に左右に動き始めた。膣もそれに連動して、びくびくっ、と震えながら収縮する。
もっと刺激が欲しい。
そんなことを考えてしまう自分を、ビビは叱咤した。
ちがう。そんなの欲しくない。
だって、あたしはこんな男に処女を捧げたくないから。そもそも、どんな男でも、セックスなんかしたくない。ずっと下女をやって、のしあがって、部屋つきの世話係になって、最後の最後まで自分の力で生きてやる。
だから、負けない。
こんな男に、屈したくない。
なのに。
「んぁっ…いやっ…あっ…」
ビビの意思とは裏腹に、体はどんどん熱くなっていく。足に垂れてくる愛液の量は、かなりのものだ。
とがりを歯で甘噛みされて、ビビの脳天に電撃が走った。
「だめぇぇぇ…!」
ビビの膣が、きゅう、とすごい勢いでクリストフの指を締めつけた。ビビの体が少し浮いて、すぐに、ばたん、と沈む。
こないだにつづいて、二度目の絶頂。でも、あのときよりも、焦らされたぶん、もっと深くて、甘い。
ビビは荒く息をつきながら、目を閉じた。
気持ちよくないって言わなきゃ。
心は焦っているのに、体は重りでもつけられたかのようで、動かすのすらだるい。
クリストフは指を抜いた。ビビは身構える。
気持ちよかったんだろ。
きっと、自信満々に聞いてくる。でも、うなずくわけにはいかない。
いつものように、高飛車に返さなきゃ。
こんなので満足するとでも思ってるの?
うん、そのセリフでいい。
ビビは、ぎゅっ、とこぶしを握りながら、クリストフの言葉を待った。だけど、クリストフは何も言わない。とがりからも唇を離した。
いったいどうしたんだろう、と思いつつも、絶頂を迎えたあとすぐにクリストフの勝ち誇った顔を見るのがいやで、ビビは目をつぶったままでいる。すると、膣口に何か当てられた。
まだ終わってないのか。
絶望感が襲ってくる。
あたしは、このまま耐えつづけなきゃいけないのか。
「力を抜いとけ」
クリストフの声が、ようやく聞こえた。それに、さっき考えた言葉を返そうとして、すぐに口を閉じる。
力を抜く? どうして?
ビビはいまの状況をたしかめようと、恐る恐る目を開けた。
自分の足の間に、クリストフがいる。膝立ちの状態で、上半身は垂直に近い。
だったら、あたしのあそこに当たってるのは何?
ビビがその答えを理解するのと、クリストフの太いものが膣内に潜り込んでくるのは、ほとんど同時だった。
「いやぁぁぁぁっ…!」
ビビは叫ぶ。
「やだっ…抜いてっ…あっ…しないでっ…」 -
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