書籍紹介
冷たい王弟殿下は薄幸の王女を溺愛する~政略結婚は甘すぎる福音~
冷たい王弟殿下は薄幸の王女を溺愛する~政略結婚は甘すぎる福音~
ISBN:978-4-596-41406-9
ページ:322
発売日:2020年11月2日
定価:本体660円+税
  • あらすじ

    政略結婚で夫となった人は冷たいと思っていたけれど…!?

    異母姉の代わりにキルヒアイス王国の王弟に嫁がされたサーシャ。夫のユースタスが自分を見る眼差しは、その美しさも相まって氷のように冷たかった。だが一緒に生活するうちに不器用な優しさも感じられ、サーシャの中に想いが募っていく。「貴女の身体の中で、ここが最も感じる場所です」初めて心が通じた夜、彼に熱く蕩かされ、悦びを感じて――!?

  • キャラクター紹介
    • heroine_VBL246

      サーシャ

      アロンドラ王国の第三王女。政略結婚を運命として受け入れる。

    • hero_VBL246

      ユースタス

      キルヒアイス王の実弟。軍隊長の経験がある。

  • 試し読み

    「もう……限界、です……内緒に、していたこと……話し、ますから……」
    マライア王妃には後で謝るから、これ以上の甘い責め苦は耐えられない。
    涙目でそう訴えたら、ユースタスがゆるりとかぶりを振って頬に口づけてきた。
    「まだ言わなくていいです」
    「……っ、どうして……ふぁ、あんっ……」
    拓かれた秘裂にぐりっと指を押しこまれる。深いところまで入ってきた指が、かりかりと感じるところを掻いてくるので、サーシャは枕に顔を押しつけた。
    「んんーっ、ん、ん……ん……」
    「サーシャ。それだと呼吸ができなくなりますよ」
    蜜口からユースタスの指が抜けていき、サーシャは腕を引かれて枕から顔を離された。
    身体を起こされて、ハイネックドレスの襟元にあるリボンをほどかれる。首の後ろにあるボタンも外されて襟を落とされた。
    細く滑らかな肩から、くっきりと浮き出た鎖骨と胸の膨らみまでが現れる。
    ユースタスが胡坐をかいて、項垂れているサーシャを膝立ちで腰に跨らせた。
    その体勢だと彼の眼前に乳房を差し出す体勢になり、サーシャが赤面して退こうとするのに、背中をぐっと引き寄せられる。ユースタスの顔が胸に押しつけられた。
    「あっ……」
    「貴女の乳房は美味しそうです」
    そんな言葉と共に、ちょんと突き出した淡いピンク色の先端が彼の口の中に消えた。
    敏感になった頂を舌先で転がされ、前歯で甘噛みされる。かすかな痛みが走って肩を揺らしたら、癒すように舐め回された。
    サーシャは荒い呼吸をしながら乳房に吸いつくユースタスを見下ろす。
    本来は赤子に吸わせるものなのに、本当に美味しいのだろうかと朦朧する頭で考えていたら、彼が上目遣いで見上げてきた。
    目を逸らさずに見つめ合っていると、ユースタスの手が背中を撫でて再びスカートの中に滑りこんできた。
    さっきまで指で弄り回されていた陰部を触られ、サーシャは「んっ」と声を出す。
    たっぷりと濡れているのを確かめて、二本の指がずぶずぶと挿入された。
    「逃げないでください」
    腰を浮かそうとしたら、咎めるようにぐいと引き戻される。
    もう嫌というほどかき回されていて、これ以上されると腰が砕けてしまうだろう。
    太腿から力が抜けてユースタスに凭れながら、サーシャは顔を伏せて告げた。
    「……もう、話しますから……指は、やめて、ください」
    弱々しい声で懇願したら、彼が空いている手をサーシャの頬に添えて顔を上げさせる。
    ユースタスは彼女の表情をくまなく観察してから、唇を甘噛みしてきた。
    「ん……」
    「まだ話さなくていいと言ったはずです」
    「……私が、打ち明けないと……やめないと、おっしゃって……」
    「そうですね。だから、まだ打ち明けないでください」
    「何で、そんなことを……意味が、分かりませんっ……あっ……」
    蜜液で濡れた音を立てながらユースタスの指が動く。足が震えて身体を支えられなくなり、サーシャはユースタスの背中にしがみついた。白いシャツが皺になるくらい握りしめながら、わななく唇を動かす。
    「ユースタス様……意地悪、しないで、ください……」
    なけなしの抗議も黙殺された。
    結局、懇願の甲斐なく、指は抜いてもらえなくてお腹の中でゆるゆると動いていた。
    その一方でユースタスのくれるキスは優しく、啄むように表面を触れ合わせる。
    意地悪をされているのか、それとも可愛がられているのか、分からなくなってきた。
    サーシャはもどかしげに腰を揺らしながら、もうどうにでもなれと、ユースタスの首に抱きつく。いよいよ頭が朦朧としてきて劣情の波に飲みこまれそうだった。
    「ユースタス、さま……」
    頻繁に肌を重ねるようになり、この行為においてハッキリと分かったことがあった。
    ユースタスの触れ方が、結婚式の夜と比べたら、だいぶ変わったということだ。
    彼は義務的な手つきで触れるのではなく、サーシャの反応をしっかり拾い上げて官能的な熱のうねりを呼び覚ます。そして、彼女がどう感じているのか観察しながら、丹念に、丁寧に——時に執拗なほど愛撫をした。
    キスもそうだ。舌が痺れるほど甘く、蕩けそうなキスをくれた。
    そのせいで、サーシャはいつも錯覚する。
    もしかしたら、ユースタスに愛されているかもしれない——と。
    とりわけ感じやすい花芽をぐりぐりと押されて、サーシャはびくびくと震えた。
    「はぁ、っ……あぁあ、はっ……」
    そこを弄られると、サーシャはすぐに達してしまう。
    ユースタスの肩に手を置いて呼吸を乱しながら、小刻みに動く彼の指でしつこく突起を苛められるから、大きく息を吸った際に背中が反った。
    「あ、あぁあっ……」
    目の前でチカチカと閃光が散り、室内に切なげな喘ぎ声が響き渡る。
    ユースタスが後ろに倒れそうになったサーシャを抱き留めて、ようやく隘路から指を抜いてくれた。彼女をベッドに横たえてドレスを剥ぎ取っていく。
    サーシャは達した余韻で朦朧としながら横を向いた。レースのカーテンが引かれた窓の外は明るく、まだ昼間だった。
    こんなに明るいうちから夫と抱き合うなんて、これまでは考えられなかった。
    夫婦の閨事は、夜の闇に包まれた頃にひっそりと行なうものだと思っていたからだ。
    シュミーズごとドレスを脱がされて、裸にソックスだけの姿にされても窓の外へと意識を向けていたら、ユースタスの声がサーシャを引き戻す。
    「サーシャ」
    「っ……はい」
    「窓の外に興味を惹くものでもありましたか。なければ、こっちに集中してください」
    「……ごめんなさい」
    軽く叱られてしゅんとしていると、ユースタスがサーシャを抱き起こして再び腰に跨らせた。下穿きから取り出した雄芯を足の間に押し当てる。
    すぐに挿入されるわけではなく、赤黒い一物で秘所をゆるゆるとこすられた。
    サーシャは身震いして、首筋に口づけてくるユースタスの肩に手を置く。
    「んっ、はぁ……」
    硬い昂ぶりの膨れた亀頭部分が、小さな蕾のような淫核に摩擦を与えてきた。
    脳髄まで痺れるような感覚に襲われて、サーシャは首を反らす。
    「あ、はっ、あーっ」
    ユースタスが後ろへと逃げそうになる彼女の腰を掴んで揺さぶり、太い陰茎を足の間へしつこくこすりつけてきた。
    雄々しく猛った剛直の動く様が目に見えてしまい、視覚的な刺激が強すぎたためにサーシャはぎゅっと瞼を閉じる。恥ずかしくて頬が熱くなった。
    今日のユースタスは焦らして意地悪をしたいらしく、しばらくそうやって恥ずかしがるサーシャを眺めていた。たっぷりと滴る愛液を立派な雄芯に塗りたくるようにして、一定のペースで行き来させている。
    「……ふ、はっ……あ……あ……ユースタス様……これは、いつまで……」
    「もう少し」
    ユースタスは短く答えて、はぁと熱い吐息を零した。
    腰を上下に揺さぶられた際、丸い先端の部分がかぽりと蜜口に嵌まったのでサーシャは身構えたが、そのまま中を犯されることはなかった。
    ぬちゃりと、押しつけ合った下半身のほうから濡れた音がする。
    「はっ、はぁ……はっ……」
    短く息を切らしていたら、不意にユースタスが腰を浮かせてサーシャを押し倒した。太腿をぴたりとくっつけられて浮かされる。
    内腿の隙間に、ユースタスが腰を押し入れてきた。先走りを垂らす昂ぶりが太腿の間から覗いているのに気づき、サーシャの息が止まりそうになった。
    「あっ、これはっ……」
    激しい羞恥に見舞われて顔だけじゃなく首元まで赤く染まっていく。火照った顔を両手で覆って固まっていたら、ユースタスが腰をゆさゆさと揺すってきた。
    「あぁ、ああ、あ……」
    実際には身体を繋げていないのに、疑似的な挿入感があった。
    サーシャの丸みを帯びた白い臀部と、ユースタスの筋肉質な太腿がぶつかるパンッという音が断続的に響く。
    「サーシャ……っ」
    「あ、あんっ、あ……ユースタス様っ……」
    雄芯が前後に動くたびに、花芽をダイレクトに押し潰していくから、サーシャも追い上げられていく。
    ギシ、ギシ、とベッドが激しく揺れて、ユースタスの動きが速くなっていき、ほどなくして腹部にピシャッと何かが吐き出された。
    「あぁ、ああーっ!」
    ほんの少し遅れて、花芯への刺激でサーシャも絶頂に至って華奢な裸体を反らす。びくびくと震えてから、脱力した。
    風に乗って上がり、そこから落ちてくるような感覚に身を浸して、胸を上下させながらシーツに横たわっていると、息を整えていたユースタスの手が伸びてくる。彼はサーシャの紅潮した頬に触れて、身を屈めながらキスをした。
    「ん……」
    「肌を汚して、すみません……すぐに拭きます」
    「……?」
    サーシャは視線を下に向けて腹部に白い体液が散っていると気づくと、何をされたのかを理解して目を丸くする。今にも火を噴きそうなほど頬が熱くなった。
    慌てて目線を外すと、サーシャの反応を眺めていたユースタスが囁く。
    「果てるつもりは、なかったんですが……恥ずかしがる貴女を見ていたら、つい」
    彼は唇の表面を触れ合わせるだけの軽めのキスをして、サーシャの平らな腹部に吐き出した白濁液を綺麗に拭き取って、彼自身もはだけて半ば用途を成していなかったシャツを脱ぎ捨てた。
    「……はぁ……」
    サーシャは力の入らない四肢を叱咤して、のろのろと起き上がった。
    肌は火照っているし、長く愛撫を受けていたせいか、ひどく喉が渇いてしまった。
    ベッドサイドのテーブルに水差しとグラスが置いてあったので手を伸ばしたら、それより早くユースタスがグラスを取り上げて、水を注いだ。そのグラスをサーシャに手渡してくれるのではなく自ら呷り、サーシャの肩を抱き寄せて唇を押しつける。
    「ふっ、んーっ……ご、くっ……」
    流しこまれた水を飲みこんだら、ユースタスがまた水を呷って口移しをしてきた。
    それを何回か繰り返し、サーシャがふらふらしながら口元を拭うと、ユースタスがグラスを置いてのしかかってくる。
    思わず逃げ腰になり、うつ伏せになってベッドの端まで移動しようとしたら、足を掴まれて元の位置まで引きずり戻された。そのまま腰を持ち上げられ、指で開かされた秘裂に後ろから押しつけられた剛直の先がめりこんだ。
    「あぁっ……」
    逃げそうになるサーシャの腰を固定して、ユースタスの雄芯がぐっと入ってきた。
    強引に腹の奥を拡げられていく感覚は未だに慣れず、サーシャは震えが止まらなくなってシーツに頬を押しつける。
    「や、っ……あぁ、あ……」
    彼女の蜜壺を最奥まで暴き、動きを止めたユースタスが耳元で掠れた声を漏らした。
    「はー……サーシャ……」
    耳殻を甘噛みされて舐められる。欲情した吐息が鼓膜を震わせた。
    サーシャの背中に乗っているユースタスはすぐに動こうとはせずに、シーツと胸の間に手を滑りこませて揉み始める。
    ひどく淫らな手つきで揉みしだかれ、柔らかい乳房が形を変えた。
    「はぁ、あ……ユースタス様……」
    「サーシャ……舌を出して」
    ユースタスがサーシャの顎を持ち上げて後ろを向かせる。指示に従って、サーシャは舌を出した。
    彼もまた舌を出してぬるぬると触れ合わせ、それごと食べるように唇に齧りつく。舌を絡ませながら吐息を交換し、角度を変えて鼻の頭をくっつけた。
    それは砂糖を入れすぎた焼菓子のように、ひどく甘ったるい口づけだった。
    あまりにも甘すぎて、まるで恋人がするようなキスだと、サーシャは思った。胸がきゅうと締めつけられる。
    「んっ、ユースタス様……ユースタス様……」
    彼の名前を呼びながらキスを返していたら、ユースタスが動き始めた。
    猛る剛直がサーシャの奥を穿って快楽を与えてくる。
    そこからは渦巻くような熱の奔流に突き落とされ、少しの間、腰をゆさゆさと揺すられていたが、低く呻いたユースタスが動きを止めた。
    「……一度、抜きますよ」
    まだ熱を放っていないユースタスの雄芯が、ずるりと抜けていく。彼の腕が腹部に巻きついて体勢を入れ替えられた。
    仰向けになったユースタスが、力の入らないサーシャを自分の上に寝そべらせた。
    急に体勢が変わったのでサーシャが目を瞬かせていたら、ユースタスは彼女の臀部を掴んで場所を確認し、今度は真下から男根を穿ってきた。
    「や、っ……あぁ……」
    サーシャはハッと息を呑んで腰を浮かそうとするが、彼が臀部を引き下ろしたせいで蜜壺の奥深くまで一物を飲みこんでしまう。
    「あぁーっ……」
    がつん、と奥まで突かれた衝撃があった。自重で繋がりが深くなり、ぴったりと下半身がくっついていて寸分の隙間もない。
    身体を浮かせかけていたサーシャは脱力して、ユースタスの硬い胸板に倒れこんだ。
    「は……もう、ダメ……」
    音を上げたら、ユースタスが頭をよしよしと撫でてくる。その撫で方が、演奏会で褒めてくれた時と同じだった。
    「あっ……」
    「もう少しだけ、付き合ってください」
    「…………」
    「どうしました?」
    「……頭を、撫でられたので」
    「嫌でしたか?」
    「その逆です……もう一度、撫でてください」
    ユースタスの肌へと甘えるように頬を押しつけて、サーシャが小声でねだると、彼は切れ長の目を細める仕草をして望みを叶えてくれた。
    彼に頭を撫でてもらうのは好きだ。自分の存在を認めてもらえたような気になる。

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