書籍紹介
無垢な家庭教師は貴公子に溺愛される
無垢な家庭教師は貴公子に溺愛される
ISBN:978-4-596-58205-8
ページ:290
発売日:2017年11月2日
定価:本体590円+税
  • あらすじ

    年上の教え子(貴族令息)に強引に迫られて……

    家計の助けにと大金持ちのブルーム家の息子の家庭教師になったミレーヌ。その息子、エルベールは、頭はよいのに勉強嫌い。難問を解けたら褒美をくれという彼に頷いたミレーヌは、毎回淫らな行為をされることに。「どうした?気持ちいいのか?」ダメだと思うのに、続きを望んでしまう心。お互いに惹かれあう二人の行為は徐々にエスカレートして!?

  • キャラクター紹介
    • heroine_VBL124

      ミレーヌ

      家族の生活を支えるためエルベールの家庭教師に。

    • hero_VBL124

      エルベール

      ブルーム家の一人息子。国でも有名な一族。

  • 試し読み

    「ミレーヌ」
    エルベールが甘い声で、ミレーヌの名前を呼んだ。それだけで、体がとろけてしまいそうになる。
    …こんなのずるい。
    「キスしよう」
    エルベールの唇が近づいてきて、ミレーヌのを覆った。ちゅう、と強く吸い上げられる。最初のただ重ねるだけとは大違いだ。
    ミレーヌはうっとりと目を閉じる。
    キスなら、いくらしたっていい。
    キスの最中、ポン、と何かが弾けたような感覚がした。弾けたというか…なんだか楽になったような不思議な感じ。でも、これには覚えがある。
    いったい、なんだろう。
    もしかして、好きな人とのキスには、昔の感覚を呼び覚ます効果もあるのかしら。だったら、これからキスするたびに、いろんなことを思い出せるのかもしれない。
    ミレーヌの胸が、ほわん、と温かくなる。エルベールが唇を離して、ミレーヌを見つめた。
    「ミレーヌのおっぱい、ちょうどいい大きさだな。俺はあまり大きすぎるのよりも、このぐらいのほうが好きだ。それに、形がすごくいい。つん、と上を向いていて、すごくきれいなお椀型だ。乳首も淡いピンクで、想像どおりだ」
    何を言ってるんだろう?
    ミレーヌはまったく理解ができない。
    なんで、わたしのおっぱいのこと…。
    「あーっ!」
    そこで気づいた。さっきの、弾けたような、楽になったような、あの感覚。
    覚えなんてあるに決まってる。
    ブラを外したときだ!
    ミレーヌはゆっくりと下を見た。
    「きゃあああああっ…!」
    ミレーヌの下着が上にずらされて、おっぱいが、ぷるん、と顔を出している。
    ミレーヌは慌てて、おっぱいを両手で隠した。
    エルベールに触られた感触なんてなかったのに、よくもまあ、ミレーヌに気づかれないまま、下着を上に引っ張れたものだわ。ゴムの部分に手をかけて、そのまま、すばやく上にまくりあげたのだろうか。
    ちょっと、そのテクニックだけは感心してしまう。
    「だめよ! 見ないで!」
    「もう見ちゃった。きれいなおっぱいだ」
    …そんなの嬉しくない…わけじゃないけど…でも、やっぱり恥ずかしい…。
    「あと、何度も言うけど、これはミレーヌからのごほうびなんだからさ。終わるまで帰さないよ。ミレーヌが遅くなったら、家族みんな、心配するんじゃないか」
    …ずるい。家族を出されたら、ミレーヌが逆らえないことを知っている。
    ううん、ずるいのはミレーヌだ。約束したことを守っていない。
    「じゃあ、さっさと終わらせてくれる?」
    家族を盾にされたから。
    そうやって理由づけることにしよう。ミレーヌだって、正直、エルベールがこうやって何度も求めてくれることは嬉しい。
    「いやだね」
    エルベールは、にやりと笑った。
    「ゆっくり、じっくり、いじってやる。けど、安心しろ。今日は俺の手じゃなくて、この羽ペンだ」
    エルベールは、さっきまで問題を解くのに使っていた羽ペンを持ちあげた。羽の部分は大きくて硬そうだ。
    ミレーヌは羽ペンなんて高価なものを持っていないので、あの羽の感触がどんなふうなのかわからない。
    ぞわり。
    背筋が震えた。
    この感情は、なんなんだろう…。
    「ほら、手をどけて」
    エルベールがそっとミレーヌの手をはがした。またもや、おっぱいがあらわになる。
    だけど、ミレーヌはもう抵抗しようとしなかった。だって、隠したところで、またおんなじことになる。何度も恥ずかしい思いをしたくない。
    「早くっ…」
    じっと、おっぱいを見つめているエルベールにミレーヌはささやく。ずっとこの格好なんて耐えられない。
    「ああ、本当にきれいなおっぱいだな。俺の手にすっぽり収まるぐらいで、やわらかくて気持ちいい、理想のおっぱいだ」
    なのに、エルベールは意地悪く、そんなことを告げてくる。
    「やっ…言わないでぇ…」
    恥ずかしい。すっごくすっごく、恥ずかしい。
    でも、なぜだか、体が熱くなってきた。
    「乳首はどうかな?」
    エルベールが、羽ペンを指で触った。羽を震わせながら、撫で上げる。その動きを見ると、羽はミレーヌが想像していたよりも細い毛が集まっているようだ。
    あれで乳首を撫でられる。
    ぞくん、ぞくん。
    また背筋が震えた。
    ああ…もう…本当に焦らさないで…。こんなのだったら…早く終わってほしい…。
    「このきれいなピンクがどんなふうに色づくのか、ちょこん、とまだ小さな乳首がどんなふうに変化するのか、楽しみでたまらない」
    どうして、こんないやらしいことを言いつづけるのだろう。ミレーヌが恥ずかしがっているのを楽しんでるんだろうか。
    …だとしたら。
    「お願いだからっ…もっ…羽ペンでいじって…っ…」
    ミレーヌはそう言ってしまってから、はっと我に返る。
    わたし、いま、とんでもないこと口にしなかった…?
    「そうか」
    エルベールは目を細めた。
    「そんなに乳首をいじってほしかったんだな。気づかなくて申し訳ない」
    「ちがっ…ちがうのっ…そ…じゃなくてぇ…」
    どんなに言い訳をしても、言葉にしたことは消えてなくならない。エルベールはもう一度、羽の部分を指で撫でた。羽がしなって、すばやくもとの位置へ戻ろうとする。その動きを、ミレーヌは凝視してしまった。
    だって、あの羽がわたしの乳首に当てられる…。
    「じゃあ、いくぞ」
    エルベールが羽ペンを乳首に近づけようとする。無意識にミレーヌは体を引いた。
    「こら」
    エルベールが左手でミレーヌの肩をつかむ。
    「やっ…」
    そこはまだワンピースで覆われていて、素手で触られているわけでもないのに、エルベールの体温を感じて、ぴくっ、と体が震えた。
    「じっとするんだ」
    動こうにも、エルベールがぐっと力をこめてミレーヌの体を固定したのでどうにもならない。
    やだ…あの羽ペンがわたしの乳首に…やっ…。
    「あぁぁぁぁぁっ…!」
    羽ペンの先が、ちょん、とミレーヌの乳首に当たった瞬間、ミレーヌはそんなあられもない声をあげてしまった。
    「どうした」
    エルベールがにやっと笑って、ミレーヌをのぞき込む。
    「羽ペンでいじるって決めてからもずっと先延ばししてたから、感覚が鋭敏になったのんだろ」
    その言葉で、はっと気づいた。
    そうだ。焦らされてる間中、わたしはこれからどうなるんだろう、乳首を羽ペンでいじられるなんて、とか考えてたから、その分、実際に触れられたときに過敏に反応してしまったのだ。
    これは、きっと。
    「わざとっ…なのね…っ…!?」
    「当然」

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