書籍紹介
花嫁はシンデレラ
花嫁はシンデレラ
ISBN:978-4-596-74328-2
ページ:290
発売日:2014年10月3日
定価:本体590円+税
  • あらすじ

    --身分差も越えた嵐のような恋

    継母に家を追い出され少年姿でさまよっているところを青年侯爵カイルに助けられた元令嬢エリン。女性であることをカイルに知られてしまったエリンは婚約者の振りを頼まれる。「怖がらないで。君の何もかもが見たいんだ」婚約者を演じるエリンを情熱的に求め、巧みな愛撫で純潔を奪ったにも関わらず、カイルはエリンに結婚はしたくないと言い――!?

  • キャラクター紹介
    • VBL-18_heroin

      エリン

      資産家の令嬢だったが、父の死後、継母に家を追い出され路頭に迷うことに。

    • VBL-18_hero

      カイル

      ロウフォード侯爵。優しく誠実だが結婚に強い忌避感を抱いている。

  • 試し読み

    「あ……やめて……」
    小さい声で抗議したものの、聞き入れられない。というより、エリンも本気で止めてはいなかった。
    ナイトドレスを引き下ろされたら、全裸になってしまう。だが、それが嫌だとは思えない。彼には前にも見られているし、今のエリンは彼の目に自分の身体を晒すことを考えると、何故だかドキドキしてくるのだ。
    カイルはエリンからナイトドレスを剥して、全身を見つめてきた。これほど熱を帯びた視線を見たことがない。エリンは寒くもないのに、身体が震えた。
    「なんて……美しいんだ……」
    「美しいなんて……そんなこと……」
    「いいや、こんなに美しいものを、僕は見たことがないよ」
    彼にそう囁かれると、うっとりしてくる。自分を喜ばせるためにそう言っているのかと一瞬思ったが、彼の目つきは嘘をついていない。本気なのだ。
    エリンは嬉しかった。どんな人に褒められるより、彼に褒められたかったからだ。そして、こうして生まれたままの姿を見せる相手は、エリンにとって彼しかいなかった。
    もちろん、彼と結婚できるなどと考えているわけではなかった。ただ、愛した相手にすべてを捧げたい。その気持ちしか、エリンにはなかった。
    カイルはエリンの身体に手を這わせた。胸から細くくびれた胴、そして、ほっそりした腰へと掌が滑っていく。
    「君の肌は本当に滑らかで……シルクみたいだ」
    彼は頭を下げて、エリンのお腹にキスをした。すべてを捧げると決めていても、ドキッとする。彼はこれから何をするつもりなのだろう。熱く疼く秘部にも、また触れてくれるだろうか。
    彼はエリンの腰を抱くようにして、お腹に何度もキスをした。けれども、そのキスが次第に移動していって……。
    腰から太腿へと唇を這わされて、エリンは脚をもぞもぞと動かした。期待する気持ちと恥じらう気持ちが同時に存在している。それを彼にも見抜かれているのではないかと思い、動揺していた。
    彼はしっかり閉じていた内腿に手を差し入れた。
    「あ……っ」
    「楽にして。大丈夫だから」
    彼はその手ですでに潤んでいる秘部に触れてくる。
    ビクンと腰が震えた。指先が少し触れただけでも、たまらない気持ちになってくる。
    「ああ……君も待っていたんだね」
    指先で花弁をかき分けられて、エリンは蜜が溢れてくるのを感じた。まさしく、彼に触れられるのを待っていたとしか考えようがないだろう。
    「恥ずかしいわ……」
    「いや、僕は嬉しいよ」
    「……本当に?」
    「もちろん。こんなときに嘘なんかつかない。僕と同じ気持ちを君が持っていたということが重要なんだから」
    果たして同じ気持ちと言えるだろうか。確かに、エリンは触れてほしかった。だが、それは、大事なところを触られて、指を挿入されるという行為が、彼のものになる手前の行為ではないかと思ったからだ。
    彼はまるで焦らすかのように、ゆっくりと花弁に沿って指を動かしていく。エリンは思わず身震いをした。背筋はゾクゾクしているのに、身体の内も外も熱くてたまらない。
    ああ、早く……続きをして!
    エリンの気持ちが判ったのか、カイルはふっと笑った。しかし、手を引っ込めたかと思うと、エリンの両脚に手をかけて、いきなり大きく広げた。
    「い……いやあぁっ……」
    まさか、そんなことをされるとは思わなかったのだ。いや、今日カイルがすることは、まさかと思うことだらけだったが、その中でもこの行為は衝撃的だった。
    彼の前に何もかもが晒されている。しかも、ランプの明かりはまだちゃんとついていた。昼間ほどではなくても、明るいのだ。
    「落ち着いて。僕は……君の何もかもが見たいんだ……」
    彼の声には切羽詰まったような響きがあり、脚をばたつかせようとしていたエリンは動きを止めた。
    「でも……」
    彼は言葉で説得をするのをやめ、太腿にキスをしてきた。はっとして、息を吸い込む。彼はそのまま唇を這わせていった。
    「ダメ……ああ、ダメ……っ」
    エリンは首を左右に振った。しかし、カイルはやめるつもりはないようだった。両脚をぐいっと押し上げると、彼は秘部にキスをしてきた。
    「やぁ……ぁぁっ……」
    自分の大事なところに彼の唇や舌を感じた。エリンは羞恥にまみれて、どうかなってしまいそうだった。
    そんなところにキス、なんて……。
    だが、両脚をがっちり?まれて、抵抗するすべはなかった。彼は指の代わりに柔らかい舌を這わせてきた。
    「ぁぁっ……はぁ…あんっ……」
    身体どころか頭から脚の先まで、炎に包まれているような感じがした。全身の血が沸騰しているような気さえする。
    恥ずかしいのに、感じてしまう。
    彼の舌に秘所が抉られていく。濡れた音がエリンの耳に響いた。もう、羞恥心はどこかに追いやられていて、身体の奥から溢れ出る快感のことしか考えられなかった。
    さっきから、痙攣するように身体が震えている。彼は特に感じる場所を重点的に舐めていた。同時に、秘裂に指を挿入していく。
    内部を広げるように、彼の指が入ってくる。エリンはギュッと目を瞑った。
    そうよ。もう一度、こうしてもらいたかったの……。
    エリンはこれが自分の望んだことだったのだと思った。決して、してはならないことだった。それでも、求めずにはいられなかった。
    カイルとこんなふうにまた触れ合いたかった。彼のものになりたかったのだ。
    このひと時だけのことだというのは判っている。エリンは男女間のことについて世間知らずなところもあるが、それでも侯爵と自分が結ばれるなどということは、あり得ないと判っていたのだ。そもそも、エリンは雇われた婚約者だ。
    だから、今だけでいいの……。
    いや、本当はよくないが、今しかないのなら、彼を存分に味わいたかった。
    もう、若い娘は身を慎むべきという規範が、エリンの中ですでに消えていた。行き着くところまで行かなくては、元に戻れない。彼のものにならなくては、生きていけなかった。
    「ああ……カイル……カイル!」
    自分の内部にある彼の指が、行き来していた。
    欲望がふくれ上がり、エリンはもうそれに身を任せることにした。不意に、身体の芯から激しい快感が生まれて、それが全身を突き抜けていく。
    「やあぁぁっ……っ」
    エリンはぐっと背を反らしてから、身体を弛緩させた。激しい鼓動と荒い呼吸だけが残り、エリンはその余韻に身を委ねる。
    カイルは指を引き抜くと、己のズボンとボタンを外し始めた。それを見て、エリンはドキッとする。
    彼はズボンと下穿きをずらして、股間のものを露出した。それを見たのは、もちろん初めてで、エリンは頬を赤らめて視線を逸らした。興味はあるものの、じろじろ見つめるのは恥ずかしかったからだ。
    「あ、あなたは……脱がないの?」
    自分が裸で、しかも大きく脚を広げられているというのに、それに比べると、彼の露出は少ない。
    「僕は脱がないほうがいいんだ」
    カイルはエリンの脚を両腕で抱え上げるようにして、股間を密着させてきた。
    「えっ……」
    エリンは驚いて、カイルの顔を見つめる。彼の硬くなっている股間のものが、自分の秘部にあてがわれている。それに気づいたとき、エリンは彼が何をしようとしているのかに気がついた。
    「やっ……そんな……」

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