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試し読み
背がきしむほど力強く抱きしめられて苦しいのに、嬉しい。夜風に冷えきっていた身体にジェレミーの体温が移されていく。
「んぅ……っ」
そのまま強引に唇を奪われて、エルヴィラは目を閉じた。
「……ぁ、……んんっ」
性急なジェレミーの舌がエルヴィラの唇を割り、口腔を犯す。丹念に歯列をなぞられれば膝から力が抜け、立っていることもままならない。
頽れそうになるエルヴィラの腰を支えながら、ジェレミーはもう一方の空いた手で夜着の上から柔らかな胸に触れた。
「あ……っ」
その感触を確かめるようにゆっくりとジェレミーの手が胸を掴む。ただそれだけなのに、エルヴィラの胸ははしたなく先端が痺れて張りつめてしまった。
時折掠めるように触れる彼の指が甘い痺れをもたらすと、ますます立っていられなくなってしまう。
「ふふ……もう立っていられない?」
耳元で囁かれ頷くと、唇を放したジェレミーに横抱きにされ、ベッドまで運ばれた。
ベッドの上に静かに降ろされると、ジェレミーが覆いかぶさるようにしてエルヴィラの身体をシーツに縫い留める。
「こうして肌を重ねるたびに、もっと欲しくなる……」
鋭い眼光はそのままに、そう言ってジェレミーは切なげに目を細めた。
「ジェレミー……」
こんな風にジェレミーに求められることが嬉しいのに、恥ずかしい。
「エルヴィラ……」
そっとエルヴィラの頬に触れた指が、輪郭をなぞるように優しく滑って、やがて唇に辿り着いた。
「あ……」
思わず漏らしてしまった自分の甘ったるい声に驚いてしまう。
恥ずかしさに目を伏せると、ジェレミーの指が顎を掬い上げた。そうしてそのまま上から覆い被さるようにしてジェレミーの唇がエルヴィラのそれに重なった。
やわらかく食まれ、啄むように吸い上げられると、脳が痺れたようになって何も考えられなくなる。熱く滑った舌が唇の上をなぞると、誘われるままにエルヴィラは口を開き、ジェレミーを迎え入れた。
「んぁっ、……うう……っ」
ジェレミーの手が、再びナイトドレスの胸元に伸びる。そのまま布の上から掬い上げるように両方の胸を持ち上げ撫でさすっていると、敏感な先端は布にこすれただけなのに簡単に張りつめて、じくじくとした疼きをもたらした。
「感じやすい貴女はとてもかわいい」
「やっ……」
恥ずかしさに身を捩ろうとしても、こともなげにジェレミーに押し付けられてしまい愛撫の手から逃れることができない。
「恥ずかしがる貴女も素敵だけれど……」
ジェレミーは言いながらナイトドレスの胸元をはだけさせ、直接その胸を揉みしだいた。
初めは弱く、優しく、次第に強弱をつけるようにして捏ねられると、言いようのない疼きが身体を支配する。
尖った乳首を指の腹で撫で擦られて、鋭い痛みにも似た快感が広がってゆく。
「いや……っ、あっ……」
過ぎる快感は怖い。
(どうして、こんなに……?)
ジェレミーに触れられることに喜びを感じている。それはもう認めなくてはならない。けれど、自分の身体なのに自分で制御できないだなんて……。
「俺じゃなきゃ感じられないように……俺を忘れられない身体になるまで、今夜は放してあげないから覚悟するんだよ」
そういってジェレミーはエルヴィラの胸元に顔を寄せると、固く立ち上がって震える乳首に舌を絡めた。
「あああっ……んぅっ」
それまでとは比べ物にならない刺激に、エルヴィラは逃げるように身体をのけ反らせた。けれどそのことでより一層ジェレミーに胸を押し付けてしまう。
いやらしく胸を揉みこみながら、巧みに指で乳首を押しつぶされ、その痛みに身を竦ませていると、ねっとりと舌が舐め上げてくる。
「やあぁ……っ、いっ……っう」
軽く歯を立てられて小さな痛みに眉を寄せても、すぐに宥めるように舌が這う。そうやって舐め上げられると それは甘い疼きに代わってゆくのだ。
下腹の奥にじんわりとした熱を感じる。籠る熱をどうにかしたくて、エルヴィラは浅く息をついた。
「ああぁ……ん、んんっ、ああっ!」
執拗に繰り返される胸への愛撫に、エルヴィラは感じ過ぎてしまい、解放を望んで身を捩る。けれど、その程度でジェレミーの腕の中から逃れることなどできない。
「やっ、待って!」
「ダメ、待たない……言ったでしょ? 俺でだけ感じる身体にするんだよ」
その言葉はまるで魔法のようにエルヴィラの心と身体に染み込んでゆく。
「俺にされるなら、どれだけ感じてもいいんだよ?」
そう自分を解放するように促されると、羞恥心のタガが外れてしまいそうになる。
ジェレミーは舌で乳首をぐりぐりと押しつぶしながら、ナイトドレスの裾をたくし上げて太腿をそっと指でなぞった。
「いやあぁぁ……んんっ、……っ」
そっと這わされた指の感触に肌が粟立つ。身体の奥の方からゾクゾクとしたものがせり上がってきて、声を抑えることができなかった。
宥めるように上下する手の動きに、意識が集中してしまう。
「あっ……ぁ、あぁ……!」
(恥ずかしいのに、心の奥で期待している……)
自分がこんなにもあさましく淫らな女であったとは認めたくなかった。でもそんなエルヴィラの矜持を簡単に身体は裏切って、ジェレミーの前に何もかも差し出してしまいそうになる。
乳首への愛撫はそのままに、ドロワーズ越しに秘裂を指でなぞられると、目のくらむような快感がエルヴィラを襲った。
「ふふ……やっぱり。淫らな貴女はこうして濡らしていると思ってた」
嬉しそうな声で揶揄い交じりに告げられて、恥ずかしさで眩暈がしそうになる。
「や……っ、言わなっ……で……」
指摘されなくともどうしようもなくそこが濡れてしまっていることに気づいていた。
恥ずかしいのに、蜜はどんどん溢れ出してきて、その先を期待するかのように花芯が震える。
ジェレミーの指が戯れに花芯に触れただけで、蜜壺がとろけて雫をこぼしてしまっていた。
「俺にだけしか見せない淫らな顔が見たい……エルヴィラ、もっと溶けて」
するりとドロワーズの紐が説かれ、裸の下肢があらわになる。柔らかな恥毛は既に甘蜜で濡れていて、外気に触れた花芯がひくりと震えた。
「さあ、どうしようか? 俺は貴女の虜だから、何だってしてあげるよ」
耳元で囁かれる甘い誘惑。望めば本当に何でもしてくれるのだろうか?
頭ではダメだと思うのに身体はもっと直接的な刺激が欲しくてたまらない。
「どうする? 決められない?」
ジェレミーはそう言って意地の悪い笑みを浮かべた。
(どうしよう……でも、)
こうしている間にもジェレミーの指は秘裂をなぞったり花芯を突いたりして、エルヴィラの快感を引きずり出そうとしていた。
ただ、その刺激をもっと強くして欲しくて……
「どうしたの? そんな目で俺を見て。何がしたいの?」
「あっ、も、……ねがっ……、も、触……って」
きっとはしたなく乱れてしまうとわかっていたけれど、直接的な刺激が欲しかった。
身体の奥がもの欲しげに疼いているのがわかるのだ。
「いいよ、たくさん触ってあげるからね」
ジェレミーはそう言うなりエルヴィラの両膝を抱え上げて、大きく割り開いた。
「やぁっ、……ダメっ、……見な……でぇっ」
自分の濡れ光るそこを嬉しそうに見ているジェレミーの姿に、恥ずかしくて消え入りたくなる。 -
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